14 ポップグループ / Y (最後の警告)
96(ワーナー)WPCR722
英、ポストパンク、オリジナルリリースは79年ファースト作。
70年代半ばに勃発したパンク革命はまさに音楽のコペルニクス的転回、音楽産業と化し肥大化したロックシーン、進化する楽器、機材、コンサートするだけで準備、期間等膨大な費用、スタッフを擁する大掛かりなロックグループ、AOR、大人の音楽と堕したロックをティーンネィジャーの手に取り戻す復権の為のアンチテーゼがパンク革命、自分達がガキの頃、聴いていたガレージ、ビートミュージックを大して楽器が出来なくても気の合った仲間とDIY精神でとりあえず演っちまおうぜという発想、結局はロック第一世代がR&B、スキッフル、ロックンロールの影響を受け取りあえず演っちまえという初期衝動と根本は同じ。
パンクはその精神故に自分達が構築したサウンドを直ぐにぶち壊すというグループが出現するのは必然、当時はポストパンクなんて云われてなかったが、その最筆頭グループがポップグループ、まずバンド名にこのジャケが象徴的で、分かりやすく体現したミュージシャンがジョニー ロットン改めジョン ライドン、セックスピストルズからPILへの移行はジャーマンロックフリークでもあったライドンの面目躍如であろう。
ポストパンクシーンに於いて重要な位置を占める地域性、マンチェスター、リバプール、シェフィールド、そしてブリストル、ファンク、ダブ、アフロ、フリージャズをミクスチャーした特異な音楽性、その総本山がポップグループ。
さて久しぶりに聴くポップグループ、もっとアヴァンギャルドでグシャグシヤと屈折した訳分からないサウンドとのイメージであったが今の耳で聴くと意外に整合感ある音楽的なもので、これは紛れもない傑作、こいつらやっぱ凄い、わくわくする!
15 BOTHY BAND / OUT OF THE
WIND INTO THE SUN (GREEN LINNET)GLCD 3013
アイルランド、トラッド、フォーク、オリジナルリリースは77年サード作。
アイリッシュトラッドの重鎮ドナール ラニーがプランクシテイの後に結成したグループ、マット モロイ パディ
キーナン、パディ グラッキンにスカラブレイのミホール
オ ドナールにトリニーナ ニ ゴナール兄妹がメンバー、本作ではグラッキンの代わりにケビン バークが参加。英盤とはジャケ違いの米盤仕様の恐らくタイトルに因んだジャケなのだろうが、いまいち不明。前に英盤仕様盤で取り上げた記憶があるが、備忘を兼ねて記事れば覚えてると始めたブログだが、紹介したアイテムが5000枚以上となり、記憶があやふやで困ったものである。
1曲以外は全てトラッドのカバー、インスト主体でヴォーカルナンバーは3曲だけだが、トリニーナ嬢のヴォーカルは存在感有りでアルバムのアクセントとなっている。やはり全編インストて通されると印象に残りにくい、トラッド、フォークは歌ものだと思う!
16 NRBQ / SCRAPS 00(LINE)
MLCD9 00171 L
米、パワポ、ロック、オリジナルリリースは72年サード作。
NRBQ=ニューリズムアンドブルースカルテットは結成50年を誇る最古参、大御所グループなのだが、そんな雰囲気は微塵もない飄々とした若々しさと身軽さが身上でサウンドのグループ、大ベテランなのに偉ぶった感が無いのはほんと好感持てる、大して才能も無いくせに偉そうにしてる奴らばかりの世の中なのでNRBQ聴いてすっきりしたい。
本作よりワイルドウィーズのアル アンダーソンが参加、テリー アダムス、ジョーイ スパンピナート、トム
スティリーにヴォーカルのフランク ギャドラーというクインテット体制、プロデュースは名手エディ クレイマー、弾けるビート、軽快で極上のロックンロール、痛快無比のパワポサウンドが炸裂、アルの切れ味鋭いギターも格好良し、CDでも揃えるか?
17 V.A / ANOTHER BUNCH OF
STIFFS FROM NISHI - SHINJUKU 747
01(VINYL JAPAN)SELL 3CD 2CD
ペーパースリーブ
英、米、ロック、レーベルコンピ盤二枚組全45曲。
ステイッフレーベルのコンピ盤は以前4枚組のBOXを取り上げたが、今回の二枚組コンピは我が国のヴィニールジャパンが選曲を担当。
リチャード ヘル、アドヴァーツ、ポインテッドステックス、
ステイッフス、サブス、テンポールテューダー、フレッシーズ、キングカートのパンク系、エニイトラブル、アーニーグラハム、ルー ルイス、タイラギャング、アルベルトイロストトリオスパラノイアス、ジョナ ルウイ、ルーモア、ミッキー ジャップ、ラリー ウォリス、レックレス エリック、ビリー ブレムナー、デヴィアンツ、メンバーズ、ルーガレーター、ディブ スチュワート、ダーティルックスといったパブ、サイケ、ベテラン勢にトミー チェイスのジャズ系、カースティ マッコール、レイチェル スウィート、トレーシー ウルマンの女性アーティストにポーキッシュナッケンバッガー、ジル リード、ナイジェル ビクソン、ダフリケイツス、ハンフリーオーシャン&ザハーディアナルスといった知らないアーティストを収録となかなか濃い内容!
今週はレコ屋行かず!
パート4
WEEKLY LISTENING LIBRARY 326 0408-0414
1 MAGIC BAND / 21ST CENTURY
MIRROR MEN 05(PROPER)PRPCD 026 DVD付 デジパック
米、アヴァンロック、セカンド作ライブ盤。
キャプテンビーフハートのバックバンドマジックバンドが突如復活、第二段、ロケット モートンことマーク
ボストン、ドランボことジョン フレンチ、マンティスことゲィリー ルーカス、フィーラス リーボーことデニー ウォーリー、マイケル トレイラー、ロバート アーサー ウィリアムスという布陣による03、04年の米英での5公演から収録。
齢70近くて不変のロック魂、ビーフハート作の複雑なアンサンブルを難なくこなす太った親爺達が実に格好良い、ドランドのヴォーカルが御大牛心隊長のダミ声を彷彿とさせ良い。
DVDは03年4月6日英国での公演を収録、親爺達の格好良い姿が堪能出来て最高!
2 NEIL YOUNG / SUGAR MOUNTAIN LIVE AT CANTERBURY
HOUSE 1968 08(REPRISE)516758 2 DVD 付 デジパック
カナダ、SSW、フォーク、68年発掘ライブ音源。
バッファロースプリングフィールドを脱退したニールの68年11月9日ミシガン州カンタベリーハウスでの公演を収録、ギター弾き語りのみというソロコンサート、バッファロー時代の楽曲とファーストソロ作を中心としたラインナップ、まだ歌に自信が無いのか初々しいニールの朴訥としたパフォーマンスに好感が持てる。曲間のMCもクレジットされた23トラック収録、歌は13曲、ニールが結構しゃべくってて笑いも取ってるので内容が分かるともっと楽しめるかもしれない。
DVDは静止画像のみでライブ動画で無いのが残念、所謂DVDオーディオ、それなりのシステムで聴けば高音質が楽しめるかもしれない、拘らない人はCDのみ仕様で充分かと思う。
3 NATIONAL / A SKIN , A NIGHT
THE VIRGINEA EP 08(BEGGARS BANQUET)BBQDVD CD260 DVD付
米、ポストロック、編集盤+映像作品。
古き良き80ズニューウェーブの香りを残したナショナルは地味だが良いグループ、煙ったくないティンダースティックスといった感じで味がある。
本作は「アスキン、アナイト」というヴィンセント ムーン監督による1時間程のイメージフィルム、グループの持つストイックな雰囲気を捉えた淡々とした映像にぼうと目を向けるに最適。
「ザヴァージニアEP」と題されたCDの方は全11曲入りのアルバム並みのヴォリュームでデモトラックやライブ音源からなる編集盤、今更NWなサウンドもどうだろうと積極的な購入対象ではなかったのだが、根がこの手のサウンドが好きなんだよね、筋金入りのNW青年だった頃の血が騒ぐ、ベガーズバンケットレーベルってのが良い!
4 ルー リード / ストリートハッスル 92(BMG)
BVCA2015
米、ロック、オリジナルリリースは78年10作目。
オルタナティブTV、バズコックス、ボーイズネクストドアー、マガジン、オンリーワンズ、チューブウェイアーミー、スージー&ザバンシーズ、ダイアーストレイツ、ジャパン、トムロビンソンバンド、スクィーズといったNW系のアーティストがデビューアルバムをリリースした78年、元祖パンク、NW四天王の一人ルー リードがリリースしたアルバム「ストリートハッスル」はステレオバイノーラルサウンドシステムを導入した当時の最先端なものだが、いまいち掴み処のない音像であまり効果的とは言えない、後にルー本人も失敗だったと認めている。他に本作の目玉となったのがブルース スプリングスティーンの参加、ストリートロック界の両雄の共演なのだが、ナレーションを担当してるのみでやや肩透かし、そのタイトル組曲は11分に及ぶルーらしいストーリー性のあるストリートロックナンバーで面目躍如の好ナンバー、ヴェルベッツ時代の再演ナンバー「リアルグッドタイムトウゲーザー」、既発曲のフレーズも織り込んだ退廃的なロックンロールナンバー「ギミーサムグッドタイムス」と、嫡子たるNW勢に対するルーの意気込みは感じるものの、その存在感を誇示するだけに止まってる。
私的には好きなアルバム、もっともルーのアルバムで嫌いなものはない!
5 JIMI HENDRIX EXPERIENCE /
ELECTRIC LADYLAND 10 (EXPERIENCE HENDRIX)88697 62164 2
2CD DVD 付 デジパック
英、ロック、オリジナルリリースは68年サード作にDVD付き。
ジミヘン生前最後のスタジオ作となったのはアナログでは二枚組の大作、英オリジナルのヌードジャケはジミヘンが嫌っていたらしく、遺族の意向で米オリジナルジャケが公式ジャケとして認定され、本作も米ジャケのジミヘン顔ジャケ仕様、私的には独盤のメンバージャケが好み。
今更、いうまでもなくロック史上に残る二枚組アルバムでノエル レディング、ミッチ ミッチェルのエクスペリアンスでの最終作。ゲスト陣としてトラフィックのスティーブ ウインウッド、クリス ウッド、ディヴ
メイソンにジェフアーソンエアプレインのジャック キャサデイ、アル クーパー、マイク フィニガン、バディ マイルス、ブライアン ジョーンズ等が参加と豪華。
実に濃厚すぎるアルバムでジミヘンのエッセンスがたっぷり詰め込まれた一枚で、長くはない生涯を察していたかの様な感さえあるが、それでもこの天才の才能の一塊に過ぎなかった。ギタリストしては勿論、ヴォーカリスト、パフォーマー、コンポーザーとして無限の可能性を感じるたけに早すぎる死が惜しい。その才能と引き換えの夭逝なのかもしれない。
何の才能もなくだらだらとただ生きている、ただ生きているというだけなのだが、でも、もうそんなに生きられないであろう、ロック聴こう?
パート2
6 JACKIE O MOTHERFUCKER / LIBERATION 01(ROAD CONE )ROCO 031 デジパック
7 JACKIE O MOTHERFUCKER / FLAGS OF THE SACRED HARP 05
(GHETTOMUSIC)ATPRCD 20 デジパック
8 JACKIE O MOTHERFUCKER / CARTHSOUNDSYSTEM 11(FIRE)FIRE CD 169
米、フリーフォーク、アヴァンロック、セカンド作の再発盤と何作目かは不明を連聴。
トム グリーンウッドを中心とするグループ、セカンドは12名、05年作では13名、タラ ジェーン オニール参加が目を惹く、11年作では6名とシェイプアップ、トム以外は流動的なメンバーで構成されセカンドと05年作で二人のメンバーがだぶるのみで、トムのソロユニットといえるジャッキーオーマザーファッカー。フォークロックサウンドをベースにノイズミュージック、エレクトロニカ、ドローンといった今日的な音響処理で聴かせるトムの才能はなかなかなもので、ある種まとまりのない音塊をジャッキーズサウンドとして纏めあげる手腕は見事、ただただ流れてくる音像に身を委ねるのみ。
一体何枚リリースされてるのかディスコグラフィーがはっきりしない、ジャケ違い再発盤もあったりとややこしい、見掛けたらゲットしてるのだがダブリ買いしそう?
9 ヴァンダーグラフ / 静寂 - 歓喜 13
(ユニバーサル)TYCP80015 紙ジャケ
英、プログレ、オリジナルリリースは77年8作目にボートラ3曲付。
長年バンドを支えてきたヒュー バントン、ディヴィッド ジャクソンが脱退し、セカンドアルバム以来のニック ポッターが復帰、新たにストリングドリブンシングのグレアム スミスが参加、バンド名も短縮し、新生VDGGの第一段となったアルバムだが、結果的には04年に再結成するまでのスタジオ最終作となったアルバム。
本作は以前プラケの輸入盤を紹介済み、内容は一緒だが紙ジャケ国内盤という事で入手。
新生ヴァンダーグラフの要となるのがスミスのヴァイオリンとハミルのギターとやはりヴォーカル。ストリングドリブンシング時代はバンドを乗っ取っとり、ヴァンダーグラフ参加の為にあっさり解散した非道い男とのイメージであったスミスだが、ここでは良い仕事をしている。流麗なヴァイオリンとハミルのヴォーカルの絡みが実にスリリング、
ハミルのヴォーカルは圧倒的で元祖パンクロッカーとして孤高の存在感を示している。
10 クラフトワーク / 放射能 99(東芝EMI)
TOCP53095
11 クラフトワーク / 人間解体 90(東芝EMI)CP21 6045
独、プログレ、オリジナルリリースは75年5作目と78年7作目。
4作目の「アウトバーン」が米国で大ヒット、確かに無機質なエレクトロビートサウンドを大音量でかけて永遠と続くハイウェイをぶっ飛ばしたら爽快に違いない、勿論当時は知る由も無かった。所謂NWエレポップの流れからたどり着いたクラフトワーク、我が国での出世作となった
「ヨーロッパ特急」であった。そのコスチューム、テクノカットといったヘアースタイルはディーヴォ等と並んで江口寿史の漫画のネタとして登場していたのでロックファン以外にも馴染み深いのではないかな、YMOと並ぶ元祖テクノポップバンドとして知られてる。
「放射能」は前作より4人体制となったクラフトワークがクラウス ローダーからカール バルトスへとメンバーチェンジし、ラルフ ヒュッター、フローリアン
シュナイダー、ウォルフガング フルールと黄金時代を向かえたアルバム、ラジオ放送と放射能のダブルミーニングをテーマとしたコンセプト作でガイガーカウンターの不穏なオープニングから、小曲を含めた12曲全37分、あっという間に聴ける、地味な内容との印象には変わりないが、意外に良い内容で今回認識を新たにした次第。
赤いジャケが印象的な「人間解体」は邦題もばっちり、前、前々作が黒を基調としたジャケだけに赤が強烈でコスチューム、デザイン共に78年というNWの時代を象徴するアルバムの一枚。「ロボット」「モデル」「マンマシーン」といった代表曲を含むテクノポップの金字塔的アルバムで我が国での人気を決定付けた一枚でもあり、YMOと並ぶ元祖テクノポップバンドとの評価を決定したアルバム!
パート3

12 ソフトマシーン / 5 91(ソニー)ESCA5418
13 ソフトマシーン / 6TH 92(ソニー)
ESCA5536
英、プログレ、ジャズロック、オリジナルリリースは72年5作目と73年6作目。
ソフトマシーンはサードまてとそれ以降はスルーしていたのだが、近年の発掘盤のリリースラッシユ、安価に手軽に入手出来る事からCDにも手を出す、前に4作目を紹介したが、同時に入手したのが、この二枚、ついでに全オリジナルアルバム入手予定、コンプリートに揃えたくなるのがコレクターの性。
前作を最後に音楽性、方向性の違いによりロバート ワイアットが脱退、マッチングモール結成へと向かう。ワイアットの代わりにフィル ハワードが参加するもレコーディング途中に脱退、マシーンと係わりの深いニュークリアスよりジョン マーシャルが参加して、アナログ時代のA面がハワード、B面がマーシャルという布陣での録音、ゲストとしてロイ バビントンが参加。前作では数人参加していた管楽器奏者がエルトン ディーン一人となり、よりスタイリッシュなジャズスタイルとなり、すっきりとした印象のフリージャズアルバムで最もジャズ色の強い一枚。本作をもってエルトン ディーンが脱退、ハワードと結成していたジャストアスの本格始動へと向かい、ソフトヘッド、ソフトヒープとして活動していく事となる。ディーンの代わりには又もニュークリアスよりカール ジェンキンスが参加、ラトリッジ、ホッパーのマシーン組にマーシャル、ジェンキンスのニュークリアス組といった構成による6作目はアナログでは二枚組の大作、一枚目がライブ、二枚目がスタジオ作で構成、本作の核となるのが新加入のジェンキンス、この人の担当楽器がオーボェにバリトンサックス、ピアノ、前作でのディーンのシャープでフリーキーなアルトサックスと違い、オーボェ、エレピによる浮遊感漂うサウンドがポイントでジャズからミニマルなチェンバーロック的趣きを持ったアルバムで中期の名作!

14 WOODEN HORSE 00(ELEGY)
E 590 / 1
英、フォーク、オリジナルリリースは72年ファースト作。
本作は韓国ビッグビートの紙ジャケ盤を紹介済みだが、プラケ盤もゲットというか、既に持ってた気もするのでダブリ買い?
当ブログで紹介済みのバックアレイクワイアー等レア盤の宝庫ヨークレーベルからのリリース、スーザン トレイナー嬢含む5人編成で、英国フォーク伝統の気品のある男女混声ヴォーカル、ハーモニーに繊細なアコースティックギターの響き、愛らしく憂いのあるメロディー、束の間の微睡みと目覚めの清々しさ、英国フォークの良質なエッセンスが詰め込まれた究極の一枚。英国フォークは三美神だけでなく、お隣の美人さんが沢山居る。
ウッデンホース後、スーザン トレイナーはヌーシャ フォックス名義で米国のSSW「渚のボードウォーク」の作者ケニー ヤング、デミック&アームストロングのハービー アームストロング、パラディンのピート ソリー、ハードのゲィリー ティラー等惣々たるメンバーによってフォックスを結成、三枚のアルバムをリリース、当ブログでも紹介済み。

15 フレイミングリップス / ヨシミバトルズザピンクロボッツ 02(ワーナー)WPCR11253
16 FLAMING LIPS / EMBRYONIC
09(WANER BROTHERS)936249733 4
2CD DVD付
米、オルタナ、ロック、10作目と12作目。
9作目の「ソフトブレンティン」のブレイクにより一躍、メジャーグループへと成り上がったフレイミングリップス、80年代半ばより地味なガレージサイケサウンドを鳴らしていたマイナーグループとして何枚かのアナログを入手したものとしては、継続は力なり、良く頑張ったと褒めてみたくもあるが、メジャーになるとそっぽを向くという悪い癖よりスルー気味のリップス、だっていつでも直ぐに買えるという安心感からか帳尻合わせの入手になってしまうのは致し方ないというのは当方の理由、聴けばその魅力に納得のリップス印、タイトルまんまのコンセプト作では日本盤のみのボートラとしてタイトル曲の日本語ヴァージョン収録、下手くそな関西弁によるヴォーカルがなんやこれ感はあるが、ファンの日本人女性の死も契機となり作成された経緯あり、ヨシミは親交あるボアダムスのヨシミから採られてる。前作路線のメロディアスなネオサイケデリアサウンドが心地良し。
「エンブリオニック」はこれまでの路線とは違い、ポストロック的なエクスペリメンタルなサウンドを指向したアルバム、二枚に渡って刺激的なサウンドが聴けるがいまいちリップスの資質と合ってない気がする、単にサイケデリック好きの自分の嗜好とは違うというだけで、もっと聴き込めば新たな感触が生まれそうだが、未聴盤を消化しないといけないからね。
付属のDVDは動画ではなく、DVDオーディオ、やたらでかい音量で多分それなりのシステムで聴けばかなりの音質と思われる。24ビットと16ビットの2ヴァージョン収録。
17 ブルース スプリングスティーン / アズベリーパークからの挨拶 99(ソニー)SRCS9466
紙ジャケ
18 ブルース スプリングスティーン / 青春の叫び
99(ソニー)SRCS9467 紙ジャケ
米、ロック、オリジナルリリースは73年ファーストとセカンド作。
今やスーパースターのブルース スプリングスティーン、出世作となった「明日なき暴走」以前のシンガーソングライターとしてのスプリングスティーンの魅力が詰まったアルバム、エリオット マーフィー、ジョン プライン、スティーブ ヤング、サミー ウォーカー等と並んでディランズチルドレンの一人として注目を集めるもロック色を強めロックの救世主として、やがてはアメリカを象徴するミュージシャンとして大成、天の邪鬼のロック野郎は「ボーンインザUSA」で距離を置くのは悪い癖、「明日なき暴走」はどうなのよという話だが、あれはストリートロックの名作。マッチョ化する前の華奢な身体で精一杯意気がったスプリングスティーンの美学は「アズベリーパークからの挨拶」という自己声明書から顕著、マンフレッドマンズアースバンドかカバーヒットさせた名曲「光で目もくらみ」で幕を明け、デビッド ボウイがカバーした「都会で聖者になるのはたいへんだ」で幕を閉じるのだから堪らない。国内初盤限定の被せ帯付きの仕様も嬉しい。
前作から僅か8ヶ月のインターバルでリリースされたセカンド作はスプリングスティーンとEストリートバンドが勢いのまま制作した力作、軽快なシャッフルビートで幕を明け、名曲「ロザリータ」続く終曲「ニューヨークシティセレナーデ」の余韻が残る。
好内容の二作であったが、セールス的には不作でレーベルは最後の賭けとして「明日なき暴走」をリリース、結果は大ヒット、スプリングスティーンはロックの未来の扉を開ける!
今週もレコ屋行かず、お陰で未聴盤を一掃、まだセットもの、アナログは残ってるのだけど、、、もう、三週間もレコ屋行ってないのは、久しくなかった、そろそろウズウズしてきた!
WEEKLY LISTENING LIBRARY 327 0415-0421
1 KALEIDOSCOPE / FORGET ABOUT
TOMORROW 12(SUNBEAM)SBR2LP
50933 2LP
英、ビート、サイケ、67-76シングルコンピ盤二枚組アナログ盤全26曲。
英国サイケの名グループカレイドスコープがフオンタナレーベルに残した二枚のアルバム、フェアフィールドパーラー名義でヴァーティゴレーベル6360品番の一番目のリリース作、更にフェアフィールドパーラーセカンド作として録音されるもお蔵入り、91年にカレイドスコープ名義でリリースされた二枚組「ホワイトフェイスドレディ」の4枚のアルバムは英サイケファンマストアイテムといえる素晴らしい内容を誇る作品。
カレイドスコープはその名の通り万華鏡の如きカラフルサイケポップス、本作はカレイドスコープ、フェアフィールドパーラーにアイラブワイト名義でリリースしたシングル盤の英国、オランダ、フランス、日本、オーストラリアといった国からリリースされたレアな音源も含むシングルコンピ盤、内ジャケに掲載されたシングルジャケ、レーベル写真を眺めるだけでわくわくする、どれも貴重なシングル盤ばかりだが、76年にリリースされたオーストラリアデッカレーベルの「オーバーチュアトウホワイトフェイスドレディ」は初めて見るもの、76年に何故にオーストラリアからお蔵入りアルバムの収録曲がシングルリリースされていたとは驚き。
フリークビート、サイケ、バロックポップス、英国フォーク、プログレと抜群のポップセンス、気品に満ちたメロディーライン、ブリテイッシュロック極上のエッセンスが目一杯詰まった最高のコンピ盤、確かCDリリースも有り!
2 MICHAEL ANGELO / A SORCERER 'S DREAM 99(VOID)
LP
米、SSW、アシッドフォーク、78年録音セカンド作の蔵出し盤。
77年の唯一の自主制作盤は宅録アシッドフォークの名作として有名、リイシューCD盤は当ブログで紹介済み、本セカンド作12曲の中から9曲がボートラ収録されてる。近年、ライオンズプロダクションよりファースト、セカンドにレアトラックを付した二枚組がリリースされてるので何れ入手したい。
前作の延長線上にあるギター、キーボード弾き語りによるアシッドフォーク、靄がかかった様な音像に夢見心地なメロディー、心ここに在らずなヴォーカル、ドリーミーアシッドフォークの名作。
添付されたフォトシートのベースを抱えたアンジェロは陽気なヤンキー兄ちゃんといった風貌で暗い音楽性とは似つかわないのだけど、近年はハードロックを演ってるとの事、納得。
3 WIRE / EXPLODED VIEWS 94
曲入りレアコンピ盤シングル。
イタリアのマニアックな人気シリーズ100ページ余りの小冊子にレア曲シングルを付したナイスな代物でヴェルベッツ、ロバート ワイアットからポール ローランドといったマニアックな処まで自分好みのラインナップで10枚位所持してる。
バイオグラフィ、インタビュー、歌詞集、ディスコグラフィが伊英語で併記、至れり尽くせりのブックに90年5月のライブ音源を収録。
「ロックでなければなんでもいい」というまさしくパンクなアティチュードで登場したワイアー、80年代以降はエレクトロニクスを多用した緻密でポップでメロディアンスなサウンドが魅力的!
4 NICK CAVE & THE BAD SEEDS / THE ABATTOIR BLUES TOUR
07(MUTE)724596935224 2CD+2DVD
デジパック
豪、ロック、03~04ライブ音源。
04年にリリースされた13作目の二枚組「アバトアブルース、ザリールオブオルフェス」リリース後のツアーをたっぷり収めたファンマストアイテム、04年アバトアブルースツアーをCD二枚に、04年11月11日ロンドンブリクストンアカデミー、03年6月7日ロンドンハマースミスアポロの公演にプロモビデオ、ショートフィルムを収録したDVD二枚とケイヴのライブの魅力を音と映像でたっぷり味わえる。
「永遠の詩」「ノクターン」そして二枚組の「アバトアブルース」と充実作を連発した新世紀ケイヴの快進撃、充実振りは映像のケイヴの存在感、貫禄のステージングに顕れてる。
ボーイズネクストドアー時代からその凄まじいパフォーマンスは最早伝説だし、来日公演での破天荒振りは語り草、頭髪も後退し、すっかり大人の魅力を発揮するケイヴの咆哮、出で立ち、一頭足、立ち居振舞いはロックシンガーの理想型といえるもので、変にロックンロールしようぜ的なパフォーマンスではなく、持って生まれた天性のロックシンガーとしての資質なのであろう、実に格好良い!
パート2
5 GHOSTDANCE 07(BREEDER)RRR
999 LP
米、ロック、フォーク、オリジナルリリースは80年唯一作。
ゴーストダンスといえば英ゴスバンドが真っ先に思い浮かぶがこちらは、米ミネソタ州出身の二人組、ジップ フォックスとジェイムス ディーン ホールのユニット、オリジナル盤はポコラ本にも掲載される激レア盤。フォックスは78年にレイ ハーロウ&ジップ フォックス名義で「ファーストレイズ」というアルバムをリリース、ジェイムスも参加しており、それが縁でのゴーストダンス結成かと思われる。フォックスの本名がダン ホールとの記載もあり、ジェイムスと兄弟?何となく似てなくもないような気がする。いまいち正体不明の二人組だが、参加メンバーのウェイン ケース、チャック マッセルマンは「ファーストレイズ」に続いての客演、他に4人総勢6名がバックアップ、リードヴォーカルを二人が順番にきっちりと分けあい、ギター、マンドリン、オルガン、シンセ、ピアノ、ドラムを演奏、更にバックミュージシャンがベース、フルート、ハーモニカ、パーカッション、ドラム、ピアノ、ハーモニーヴォーカルetcで盛りたてる。
フォークロックサウンドをベースにアーバンブルース、ライトなレゲエビート、洗練された雰囲気にサイケデリックの残り香、なかなか魅力的なアルバム!
6 GEORGE ROMANOS / TWO LETTLE BLUE HORSES 96(ZODIAC)CD88010
ギリシャ、サイケ、SSW、オリジナルリリースは70年5作目。
本作は以前紹介済み、韓国のワールドサイケデリア辺りのリリースと思い込み、これギリシャ本盤だと思い入手したが、一緒の盤だったというお粗末、こうしてダブリ盤が増えていく。
ギリシャサイケの至高ともいえる究極の一枚、ハードなファズギター、エフェクト処理されたヴォーカル、キラキラドリーミーなハープシコード、テープコラージュ、サイケギミックが施されたSSW作。
マノス ハジダギスとかと仕事をしていた正統派のSSWが時代の波でサイケデリックな衣装を纏ったが、意外に格好良かったという好例、だぶっててもOKの名作!
7 LOVED ONE ' S / MAGIC BOX
89(RAVEN)RVCD02
豪、ビート、ガレージ、66-67コンピに72年の後身グループを収録した全19曲。
本ジャケにも使用された67年の唯一作「マジックボックス」で知られるラブドワンズはオーストラリアンロック黎明期の重要グループ。同じくレイヴンからリリースされた再発アナログ盤は入手済み、アナログ買い漁ってた頃にこのジャケ、入手しないわけにはいかないし、NWシーンにも同名グループがいたので混同していたかもしれない。本CDも多分持ってた気がするのでダブリ買い、細かい事には拘るまい?
ブリテイッシュインベンションの影響色濃く、ストーンズにOZ、NZグループに多いプリティシングスの影響絶大、65年のプリティーズ伝説のOZ、NZ公演はオセアニアキッズの度肝を抜いたに違いない。ゲィリー ハンフリーズの黒いR&B唱法、炸裂する荒くれだったガレージビートサウンドがモロに格好良い!
8 GADGETS / INFANTREE (PLASTIC HEAD)PLASCD012
英、NW、オリジナルリリースは89年5作目?にボートラ6曲付。
本作はアナログ盤で所持してるが、オリジナルジャケとは違うゴス、ノイズ、アヴァンギャルドな本ジャケは音楽性にマッチしてるとは云えない。
初期ガジェッツのイメージに近い、その初期メンバーにはザザのマット ジョンソン、サイモン ターナー フイッシャーとのユニットドウ フィーユ、ジェレミーズシークレットで知られるコリン ロイド タッカーが在籍していた本作は二人が抜けジョン ハイドを中心とするトリオ体制、初期に見られたグループ名通りのガジェット感が無くなり、ハイドのパラノイアックな資質が爆発したハイパーポップス、NW王道サウンドだが、変態チックな要素がそこかしこに頭を出す面白盤!
パート3
9 REVIVAL / REVIVAL AB02
イラク、米、プログレ、ジャズロック、オリジナルリリースは79年唯一作。
レーベル名表記が無い粗末な作りはブート盤との事。イラクのロックシーンといっても全く馴染みが無いのだが、この妖しいジャケは妖しものコレクターは放っておけない、ハンスポコラ本に掲載された激レア盤。
イラク人ギタリストアル バシムがデンバーのアメリカ人プレイヤーと録音したアルバム、リズム隊にフルート奏者を含む編成で、緩急エッジの効いた演奏にリリカルなフルートが良い味、中近東フレーバーやフリージャズ、アヴァンギャルドな雰囲気も織り込んだ巧みなアンサンブルでインストながら一気に聴かせる好盤!
10 DAKOTA SUITE / THIS RIVER ONLY BRINGS POISON 03
(GLITTERHOUSE)GRCD566
英、ポストロック、6作目。
良く分からないポストロックというジャンルの中でスロウコア、サッドコアとカテゴライズされたグループには好みのものが多くダコタスイートはその上位に位置するグループ、この辺もっと掘り下げたいがレアなリイシューものや発掘盤が続々リリースされるわで、なかなか回らないのが実情。
ダコタスイートもアルバムによってはオールインスト作もあったり、聴くまでにドキドキする、インストだと魅力半減だものね、本作はうたものアルバム、クリス ホーソンの暗いヴォーカルが流れてくるだけで昇天もの、ギター、ピアノのメランコリックな爪弾き、ぼそぼそと陽炎の様に揺らめくヴォーカル、静けさへ静けさへと滲みいる音、澱み 穢れを洗い流す魂の浄化音楽がここにある。生来の孤独癖の男はひたすら暗く淋しい音楽が好きなんだよね!
11 BRAND X / SAN FRANCISCO '77
(ASTEROID)AR06 ブート
英、プログレ、ジャズロック、77年米サンフランシスコライブ音源。
超テク集団ブランドXはギタリストのジョン グッドソール、リバプールシーンのベースパーシー ジョーンズを中心に結成、本作は77年のセカンド「モロッカンロール」リリース後の北米ツアー公演を収録。同年には「ライブストック」というライブ盤もリリースされており、ラインナップはキーボードのロビン ラムレー、パーカッションのモーリス パート、ドラムはフィル コリンズがジェネシスが忙しく不参加、替わりにケンウッド デナードが参加。
バカテクの応酬で終始突っ走る悶絶ライブ、インストジャズロックサウンドが圧巻、音質は良好、
15年「ジオフィシャルブートレグシリーズ」の第一弾として公式リリースされてる。
12 BIRTHCONTROL / CONDOMIUM
94(AFFENGEIL)CD 17846
独、ハード、93年ライブ音源。
60年代末より活動するクラウトロック古参グループ、アナログ時代に良く見掛けたが、ジャケのセンスに食指が伸びずスルーしていたが、最終処分価格放出品にて思わずゲット、93年という時代には黴臭いハードロックサウンドだが、ベテランらしい余裕のステージング、確かなテクニックで聴かせるのりの良いオルガンハードロック、ヘビメタグループガンマレイの命名の由来となったナンバー有り、ガンマレイは聴いた事が無いので影響、接点など分からないが別に知りたくもない、メタル系には全く興味無いし、今更聴く気は更々無し!
13 クラナド / アネム (魂) 96(BMGビクター)
BVCP7440
アイルランド、トラッド、フォーク、オリジナルリリースは91年12作目。
クラナドといえばエンヤが在籍していたファミリー、
親族グループ、85年の「マカラ」が大ヒットし世界的グループへと成長、その余波に乗って前作87年の「シリウス」はラス カンケル一部プロデュース
、JD サウザー、ブルース ホーンスビー、メル コリンズが参加してアメリカナイズされたアルバムでクラナドらしくない豪勢なアルバムであった、本作では従来のトラッド、フォーク路線の音数の抑制の効いたバックサウンドにヴォーカルが映え、クラナド本来の幻想的な空間がアイルランドの凛とした空気感を伝える好アルバムとなってる。売れると何でもアメリカンなサウンドにしようとするのは悪しき傾向、アメリカのヒットチャートなんて最悪なんだから!?
パート4

14 STORMY SIX / LE IDEE DI OGGI PER LA MUSICA DI DOMANI
(VINIL MAGIC)VM 042
伊、サイケ、ロック、オリジナルリリースは69年ファースト作。
サイケデリックなビートロックにアシッドフォー、シタール、タブラビンビンのラーガサウンド、キラキラチェンバロにメロトロンが活躍するバロックポップ、ゲストのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽三重奏団による優美なアンサンブルも素晴らしい。本作のみで脱退し、カンタトウーレとして大成するクラウディオ ロッキ色の強い内容で、ロッキファンはマストなアイテム。
後のレコメンサウンドイタリア代表的なフリーキーなチェンバーロックとは異にするサウンドだが、サイケファンにも充分アピール出来るサウンドで私的にはかなり気に入った、この路線で何枚か作って欲しかったのだが、そうかロッキが抜けてソロに転じたから、ロッキはあの傑作アルバム群が生み出せたのだから良しとしよう!

15 ロンテオ / ロンテオ 12(VIVID)VSCD6019
紙ジャケ
独、加、フォーク、プログレ、オリジナルリリースは76年唯一作。
カナダ出身の二人組ロニー デ トマソとテオ ブッシュによるアコーステイックデュオユニットロンテオの唯一作はドイツのブライトコプフソングレーベルより1,000枚のみリリースされた希少盤。
クラシック楽譜出版社が親会社というレーベルからも窺い知れる様にクラシカルな気品溢れるサウンドは、クラシック畑のプロデューサー、アレンジャーの手腕もあるのだろうが、多分欧州に出自を持つ二人の素養も大きいであろう。
二人にゲストの友人によるエレキギターのみとは
思えない広がりのあるふくよかなサウンドは、プログレフォークと呼ぶに相応しい幻想的で叙情的な世界。ブッシュの奏でるヴァイオリンとギターのアンサンブルが生み出すスリリングな展開、内省的で沁みるヴォーカル、インストナンバーも
配したトータルアルバム的音世界が魅力的な好盤!

16 JOEY GREGRASH / TELL THE
PEOPLE 14(BIG PINK)319 ペーパースリーブ
加、フォーク、SSW、オリジナルリリースは73年セカンド作。
アナログ時代、ファースト作は良く見掛けたが、ファーストに比べていまいち印象に残らないステージショットジャケのせいか、このセカンドはあまり見掛けた記憶はない。
ジャケからは唄い挙げ系の汗臭いSSW作っぽいイメージだが、実にポップフィーリングに溢れたライトなSSWで英国のブライアン プロズロー、レオ セイヤー、B.A ロバートソンにも通じる洒脱でニッチな香り漂うサウンドが私的にはかなり好み、前作に続きニール ヤングの「ダウンバイザリバー」カバー有り、こちらはショートヴァージョンでシングルナンバーであろうか?どんだけニール好きやねんという話だが、同郷のスーパースターへの熱い思いなんだろう、しかし、本作の中では若干浮いた感有り。
まだまだ未知のSSWが犇めいている、新たな出合いを求めて、これからも猟盤の旅は続く。
17 EDWARD KA - SPEL / PIECES OF 8 04(BETA LACTAM RING)MT 082A デジパック
蘭、英、ノイズ、アヴァンロック、15作目。
レジェンダリーピンクドッツの中心人物、ティアガーデン他様々なユニットにソロ活動と膨大な作品数で知られる奇才エドワード カスペル、その全容は全く掴めないし、その音世界も膨大な宇宙の様でなかなか掴み処の無いユニークなもの。爬虫類ヴォイスによるアシッドフォークナンバー、ヨーロピアントラッド調の謡曲、エレクトロボディビート、不穏なインダストリアルノイズ、どうてことないミニマルエレクトロニクスにハンマービート、なかなか掴み処の無い8編の作品集。
今週は13枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY 328 0422-0428
1 SIXTH STATION / DEEP NIGHT
13(NUMERO)LPS 1588 LP
米、サイケ、フォークロック、オリジナルリリースは82年自主制作唯一作。
幻想的な落日ジャケに包まれたシックススステーションはイリノイ州のグループ、司祭でもあるトニー トロスリーを中心に結成、ギター、マンドリン、バンジョーにヴォーカル担当のトム ラブル、パーカッションのロブ ウィリアムス、ベースのプレイヤー シヤットがクレジットされてる。82年という時代には古臭い10年前位のサウンドを彷彿とさせる弾き語りフォークロック、リリシャスフォークの流れに属するのであろう、イノセントなほのめきに充ちたアルバム、フランジャーの効いたギター、マンドリン、バンジョーによる長閑なムード、頼りなげなヴォーカル、仄かに漂うサイケデリックな感覚、ジャケのイメージ通りのトワイライトでドリーミーなソフロ、メロウサイケアルバムの名品、丁寧な作りのアナログ盤が嬉しい一枚!
2 MASON / HARBOUR LP
米、サイケ、ロック、オリジナルリリースは71年唯一作。
メイソンはセカンドプレス?のメンバーショットジャケのCDリイシュー盤を紹介済み、オリジナルは白地に黄色地のロゴを貼り付けたもので激レア盤、
本盤は粗末な作りのリプロブート盤、どうせなら貼り付けも再現して欲しいものだが、何れにせよどうてことないジャケなのでどうでもよい話。
基本はオルガンハードロックトリオスタイル、曲によってメンバーが、ギター、フルート、サックス、コンガ、ピアノを演奏、典型的な70ズハードロックにオルガンハード、ジェスロタルばりのフルートが活躍するナンバー、サックス入りのジャージーチューン、アコギをフューチャーした叙情的な展開、更にプログレッシブな局面も見せる70年代初頭の雑多な雰囲気が面白い。
3 VICTORIA WILLIAMS / THIS MOMENT IN TORONTO WITH THE
LOOSE BAND 95(MAMMOTH)92642 2
米、SSW、オルタナカントリー、4作目ライブ音源。
95年3月29日トロントでのライブを収録、94年のアルバム「ルース」リリース後のライブでヴィクトリア以下7名のルースバンドのメンバーがクレジットされてる。
92年に多発性硬化症を発症し、現在も闘病しながら音楽活動を続けるヴィクトリア、その愛らしい天然キャラ振り、明るく天真爛漫な人柄、チャーミングなヴィクトリアの命を削った音楽なのだが、そんな悲愴感が無いところが良い!
4 AHORA MAZDA 13(PSEUDONYM)CDP 1114 2CD デジパック
蘭、プログレ、ジャズロック、サイケ、オリジナルリリースは70年唯一作の二枚組拡大盤。一枚目はオリジナルアルバム収録曲にボートラ4曲付、二枚目
は未発表デモ音源にボートラ3曲付。
本作の一枚ものCDは当ブログで紹介済み、この名盤の二枚組拡大盤とあっては入手せざるを得まい。
フリージャズ、アヴァンギャルドジャズに影響を受けたというアフォラマヅダ、フリーキーなジャズロックスタイルにサイケデリックスパイスをまぶした非常に魅力的な楽曲群、何といっても浮遊感溢れるフルートが絶品、更にサックス、ジュースハープ、ミュートトランペットにカリンバ、タブラ、パーカッションが呪術的な酩酊感を生みアシッド感を深めていく、気だるいヴォーカルもマッチしたメランコリックな音像が堪らない傑作!
デモ音源はヴォーカルトラック抜きのインストパートで更にフリーキーなジャズロックスタイルたが、一気に聴かせる魅力溢れるもので、このグループの実力の高さを十二分に味わえる。
同国のコズミックディーラーもそうだが、フルートが実に効果的で巧みに使用されてる。フルート好きは是非一聴を!
パート2

5 TONY CARO & JOHN / BLUE
CLOUDS 12(GAARDEN)GAARD 005
LP
英、フォーク、72-77未発表音源集。
72年の100枚のみリリースの自主制作盤「オールオブザファーストデイ」が英国フォークファンの心を捕らえて放さないトニーカロ&ジョンの未発表音源集がアナログ盤でのリリース。
まずキャロライン嬢の美しいジャケ写が目を引く、フィメールフォークファンはこれだけでOKであろう。カロ嬢のリードヴォーカルが聴けるのはB面の一曲だけというのは残念だが、アルバム収録曲のアウトテイク、ライブ音源を含む貴重な音源の数々に感謝。インクレデビルストリングバンドフォロワーとして登場したトリオ編成グループ、素朴でいなたい雰囲気、オブスキュアなヒッピーフォークサイケデリアとして、儚く美しい桃源郷サウンドを聴かせる至高の一枚!

6 ALAN BOWN / OUTWARD BOWN
DELUXE EDITION (GRAPEFRUIT)
GRSE 80220
英、ビート、サイケ、オリジナルリリースは68年ファースト作の二枚組拡大盤、一枚目はオリジナルアルバム収録曲のステレオヴァージョンにボートラ1曲付、二枚目はモノヴァージョンにボートラ4曲付。
トランペッターのアラン ボウンをリーダーとするグループ、個人名義のグループ名で次作からはアランボウンセットに変更。
トランペッターがリーダーのグループというとニュークリアスにマイクコットンサウンド、ジャズ、プログレ系が主でロック、ポップス系では珍しい。ボウンのトランペットに更にサックス、クラリネット、リコーダー奏者を含む7人編成、若き日のジェス ローデンがリードヴォーカルを務めてるのも注目、プロデューサーはマイク ハースト、スウィンギンロンドンの息吹きにレイトシクスティーズなサージェントペッパーシンドロームのカラフルなポップサイケサウンド、ホーンセクションにオルガンがグルービーにうねるR&Bナンバー、ローデンの熱のこもったヴォーカル、ムーヴ辺りにも通じるビートサイケの名作!

7 JESS & JAMES 10(JAMES
& SMITH)5228 デジパック
ベルギー、ロック、サイケ、ファンク、オリジナルリリースは69年サード最終作にボートラ4曲付。
ポルトガル出身のアントニオ&フェルナンド ラメリンハス兄弟によるデュオグループ、ソウルフルなヴォーカルでファンキー、グルービーなサウンドのジェス&ジェームス、JJバンドがバックを勤めた事もある実力派で本作ではキーボードのスコット ブラッドフォード、69年にソロアルバムをリリースしてる事で知られてる。ドラムにジョン サーマンとの活動で知られるステュ マーティンが参加、この助っ人が強力、グルービーなハモンドにスティールドラムまで飛び出す多彩なプレイで盛り上げる、負けじと兄弟もギター、ベースで応酬、グルービーなオルガンモッドジャズ、ソウルフルなヴォーカルが格好良いファンクチューン、メロウなエレピインスト、テクニカルなプレイでブイブイ言わす、モッドファン、レアグルーブファンにも受ける事間違い無し!
8 GENTLE GIANT 96(DISKY)
CR 863762
英、プログレ、75-78コンピ盤全16曲。
オランダの廉価盤レーベルデスキーのコンピ、当然解説等の類い無し、曲タイトルのみという安価な作りの安物盤だが、後期GGのベストという事で手を出す、ワゴン投げ売り品で他に目ぼしいものが無かったというのが真相、普通は手を出さない代物。
75年スタジオ7作目の「フリーハンド」、76年8作目の「インタビュー」、77年9作目「ミッシングピース」、
78年10作目「ジャイアントフォーアデイ」からの編集。これといったヒット曲、代表作が有るわけでもないのに、英国五大プログレグループに続く存在と認識されてるのは、圧倒的なテクニックと高度なアンサンブル、いかにもプログレシッブな曲調から、多くのプログレファンの心を捕らえて放さないからであろう!
パート3

9 BUTTERFLY 10(REPLICA)MRRLP 01 LP
デンマーク、フォーク、SSW、オリジナルリリースは68年ファースト作。
バタフライことポール ソーレンセンのソロアルバム、ポール
バタフライ名義でも活動、ブルースターズというグループに所属していたようだが詳細は不明。全く未知のアーティストであったが、SSWファンなら気になるジャケにジャケ紙二枚にレコードを挟みこんだ、オリジナルが元々そういう仕様なのか分からないが、レア盤リイシューにある経費節減スタイルに手が伸びる。リリース年も分からなかったが、68年というサイケデリックエラ産、サイケな香りも仄かに漂う英詞による弾き語りフォークスタイルに一部リズム隊を加えたビートポップな曲調、バタフライというステージネーム、フラワームーブメントの洗礼にデンマーク産という澄んだ空気感が雰囲気良し!
10 BEVIS FROND / NORTH CIRCULAR 97 (FLYDADDY)FLY 029 2CD
英、サイケ、17作目。
現行孤高のサイケデリアニック サロマン率いるユニットベヴィスフロンド、見掛けたら入手する現行グループの一つで、作品数が多く、しかもなかなか見掛けないのでコレクションが大変、と言いつつも本作は三枚目の入手、同じもの何枚も買ってもしようがないのに、安価だとついというのはコレクターの悪い癖?
アナログはCDジャケとは違い黄色い花の絵ジャケで三枚組の力作、これも所持してる、二時間に亘ってベヴィスワールドが堪能出来る優れものでどっぷりその世界に浸る事が出来る。その深いサイケミュージックの知識によりサイケコンピ盤シリーズを編纂、あのトウィンクとデュオアルバムをリリースと現行サイケデリア最高峰の名に恥じないサロマン、その吐き捨てる様な唱法はグランジ勢、カート コバーンにも影響を与えたという、我が国では殆ど知られてないが、欧米では高い評価を得るアーティスト、そんな事は関係なく格好良し!
11 LUNA / LIVE (ARENA ROCK RECORDING CO)ARE 017 2 デジパック
米、オルタナ、ライブ盤、99年9月10日ワシントンDC、00年7月14、15日NYでの公演を収録。
前掲のギャラクシー500のディーン ウェアハムを中心に結成されたルナ、ファーストアルバムリリース時には随分話題になっていたと思う、92年リリースのアルバムはCD、アナログでの発売で結局、両方とも入手した。当時は手当たり次第、気になるブツを入手していた、今もそうだけど、基本は変わらない。
グループ名通り、ルナテイックなイメージ、もごもごしたディーンのヴォーカル、サイケデリックなギターの絡み、ラストは「ボニー&クライド」でいう事無し、朧月夜が似合うサウンドは夜中に聴くに持ってこい。
現在、ディーンはブリッタ フイリップスとデュオで活動、あまり知られてないが、キャグニー&レーシというユニットでも活動していたし、アングラ界の女王エンジェル コーパス クリスティとシングルをリリースしていた、女好き?
12 NEUTRAL MILK HOTEL / ON
AVERY ISLAND 11(FIRE)FIRE CD 53
ペーパースリーブ
米、オルタナ、ロウファイ、オリジナルリリースは96年ファースト作。
セカンドがピッチフォーク誌で10点満点を獲得したアメリカンオルタナ屈指の傑作アルバムとして知られるニュートラルミルクホテルのファースト作。
エレファント6のオリヴァートレーマーコントロールの初期メンバーであったジェフ マンガムを中心に結成、僅か二枚のアルバムを残すのみだが、フランツフェルデナンド、アーケイドファイアといった人気グループがリスペクトを表明し、再評価されたNMH。
本作のプロデュースはアップルズインステレオのロバート
シュナイダー、象六界隈のロウファイなドリーミーサイケポップにチンピラなインディーズのロック魂を感じられるのがツボ、素っ遁狂なトランペット、
変てこなエレクトロニクス、ストレンジな楽器の音色、随所に遊び心満載のサウンドが面白い。
但し、尺稼ぎなのか?ミニマムなドローンインストがだらだら続く、やたら長いインストはつまらん、こんのものはいらん、無ければもっと引き締まった作品になっていたのに残念。

13 YAVANNA / BILDER AUS MITTELERDE (PILA)CD 27276 2
独、プログレ、シンフオ、オリジナルリリースは84年ファースト作。
国内紙ジャケ盤がリリースされたエデンのリーダーディーク シュマレンバッハを中心に結成された後継グループのヤヴァンナ、エデンの持つトラッドフォーク色か減退し、よりシンフォニックに昇華したグループ、私的にはシンフォよりトラッドフォークが好みなのでエデンの方に軍配は上がるが、この時期のシンフォアルバムとしては格段の出来栄え、
曲によっては最高8名のミュージシャンがクレジットされ、クラシカルでエレガントな音世界を構築。
サウンドの核になるのはシュマレンバッハのシンセ、多彩な音色、メロディーでゲルマンの深い森を思わせる神秘的な世界が広がる。もっと鬱蒼とした秘境的な森が好みなのだが、時代故に管理された都市郊外の森といった処?確かに美しいんだけど。
パート4

14 SPACE OPERA / SAFE AT HOME 10(ITS ABOUT MUSIC)IAM 0259
米、サイケ、フォークロック、70 - 78未発表音源集。
72年の唯一作は当ブログで紹介済みのスペースオペラは、カナダよりアルバムをリリースしたホイッスラーチョーサーデトロイト&グリーンヒルを母体とするグループ、本作はテキサス州ダラスのスタジオにて70-71年、75年、77-78年の3ソースが収録。
ブルースインフューズドスペーシーフォークロックな唯一のアルバムはエピックレーベルとあってアナログ盤は良く見掛けていたのでスルーしていたが、内容は素晴らしくゲットしなかったのは失敗、グループ名とあのジャケだと出来損ないのプログレだと思ってしまったのは致し方ない、そのスペースオペラの怪しいブツを見掛けたのですかさずゲット、音楽性に見合ったジャケに包まれた本作は未発表音源集。
ドラマー以外の三人がリードヴォーカルを分け合いハーモニーを担当する、CSNタイプのフォークロックサウンド、ブリテイッシユロックにも通じるクールなポップセンスが光るナンバー、フルートが効果的な内省的なフォークソング、鍵盤、ハーモニカ、オーボエ、チェロ、トランペット、ヴァイオリン、パーカッションといった多彩な楽器が彩る後半部分ではプログレシッブ、サイケデリックなフィーリングも伺われる、更に興味深い展開へ、せめてもう一枚アルバム残して欲しかったが、こうして未発表音源集がリリースされたので良しとしよう!

15 BREW / A VERY STRANGE BREW 07(SECOND HARVEST)419
デジパック
米、サイケ、ガレージ、オリジナルリリースは69年唯一作。
カリフォルニアを中心に活動したグループでそのルックスからチカーノ、ヒスパニック系のグループで、ベネズエラのインパラシンドロムと関係があるとの事だが、詳細は不明。このシーンの出生頭の?&ミステリアンズを追従したガレージサイケロックンロール、切れの良いファズギター、グルービーなハモンドがフガフガと唸りを上げる、フックの効いたメロディー、ラテンらしい乗りの良い明快なサウンドが持ち味。後にヤキというサンタナタイプのラテンロックグループへと発展するが未聴。

16 HORRIFIC CHILD / L ' ETRANGE MR WHINSTER 09(FINDERS KEEPERS)FKR 027CD
仏、モンド、サイケ、オリジナルリリースは76年作にボートラ2曲付。
鬼才プロデューサージャン ピェール マッセラのプロジェクト作。まずこのジャケに変てこもの好きは反応必至の強烈なジャケが目を惹く。
近年この人の編集ものや関連盤が数多くリリースされ再評価が著しいプロデューサー、ライブラリーものや70年代のスペーシーディスコものが特に評価されてるみたいだが、ロックファンにはプログレのヴィジターズの仕掛け人、ヘビーサイケのチコ&マグネティクスの奇妙なエレクトロニクスの張本人、メレディクタスサウンドでの仕事が有名。多才で才気溢れるプロデューサー、コンポーザー、ミュージシャンとしての活躍振りは米のキム フォーリーを思わせるものがある。
本作はジャケ通りのストレンジなシンセ、SE、サウンドコラージュ、不穏なパーカッション、エスニックチューン、エクスペリメンタルなエレクトロサウンドに怪しいヴォイスが生む強烈なサイケ感覚、ブラックユーモア、狂気渦巻く怪作!
17 GALAXIE 500 / 1987 ・ 1991
96(RYKO)RCD to 10355 4CDBOX
米、オルタナ、4枚組コンピ、一枚目は89年ファースト「トウデイ」にボートラ1曲付、二枚目は90年セカンド「オンファイア」にボートラ3曲付、三枚目は
91年サード「ジスイズアワーミュージック」にボートラ1曲付、四枚目はレアトラック集、各々ビテオトラック1曲付、48ページのブックレット付。
ギター、ヴォーカルのディーン ウェアハム、ドラムのデーモン クルコフスキー、ベースのナオミ ヤンのトリオ編成ギャラクシー500は4年間の活動で三枚のアルバムをリリース、後のオルタナ、スロウコア、ドリーミーポップ、シュゲーザーに多大な影響を与えている。
全作のプロデュースはクレイマー、バンドの持つサイケデリックな感覚、朦朧とした空気感をパックしてる。本作の目玉となる四枚目だが、後に単体でもリリースされ、あまり意味の無い箱となった、ジャケットワークを楽しみたいならアルバム単体での購入でも良い、ジャケはアナログで眺め、音はこの箱で楽しむ事にしよう。
解散後、ルナとデーモン&ナオミへと発展し活躍する。
今週は11枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY 329 0429-0505
1 JONES FAMILY BAND / AN
ELECTRIFIED JOINT EFFORT ? 02
(WORLD IN SOUND)RFR 015 LP
米、サイケ、71-73未発表音源集。
ジョイントエフォートというグループは幾つか存在するのだが、71年に200枚の自主制作盤「トゥーサイデッドカントリーブルース」をリリースしたデトロイトのアシッドサイケデュオ、本作と同じワールドインサウンドからCD化済み、メンバーであったヴァル ズコウスキとスティーブ スタークの二人にリードギターのグレイム スリッグリィを加えたエレクトリック化したジョイントエフォートがジョンズファミリーバンドという事なのだろうか、結局アルバムリリースには至らず、こうして未発表音源が残された。
宅録ヒッピーアシッドフォークなジョイントエフォートの延長線上にあるサウンドで、ヴァルのリコーダー、ハーモニカが良い味出してる。B面はブルーススタイルのナンバーが多く、彼等のルーツが伺える。音楽性を感じさせる脱力感溢れるジャケも良い感じ、流石はワールドインサウンド、グッジヨブ!
2 WESTCOAST NATURAL GAS /
TWO ' S A PAIR 12(RD RECORDS)
RD 22 LP
米、ガレージ、サイケ、66-68コンピ盤。
「ハシシ」で知られるインディアンプディン&パイプの前身グループウェストコーストナチュラルガス、どちらも殆ど知られてないが、有り難い事にコンピ盤がリリースされてる。インディアンの方は未入手だが、見掛けたらゲットしたい。こうしてコンピ盤の類いがリリースされたらゲットする気になるが、シングル盤のみのリリースで終わったグループの音源をオムニ盤の類いで追いかけるのは切りが無く、そんな事はマニアに任せて、気になる音源だけを追いかけるという姿勢が何に対しても中途半端な知識とコレクションのいつまでも三流コレクターに甘んじてるのだが、誰の為でもなく自分の為に好きなものだけ聴いていく事にしよう。
さてウェストコーストナチュラルガスは結局シングル一枚だけしかリリース出来なかったが、インディアンで再録するアシッドサイケな「ハシシ」、ガレージロックンロールなナンバーにオートハープのきらびやかな旋律が素敵なソフロサイケナンバー、66年録音のヤードバーズ、ラビンスプーンフル、ゾンビーズ、バーズのカバーによるデモ音源と貴重なトラック満載のナイスコンピ!
3 JULY / DANDELION SEEDS 87(BAM CARUSO)KIRI 097 LP
英、サイケ、オリジナルリリースは68年ファーストにボートラ2曲付。デフジャケ再発。
今や英サイケの定番アイテムとして「スーパーサイケデリックジュライ」の邦題で紙ジャケ化され、海外の様々なレーベルから再発されるジュライだが、オリジナル盤は激レアで入手困難、そんな中、ジャケ違いだが有り難い再発だったのが本作、人気サイケコンピシリーズラブルやサーカスデイズリリースで知られるバムクルーゾレーベル、現行のポール ローランドをリリースしていたレーベルとして認知していたし、レフトバンク、ゴースト、アイズ、クーバス、ハーツ&フラワーズ、ニルヴァーナ、モンタージュ、SRC、ライオットスクワッド、ジョンズチルドレン、ウィンプルウィッチといったレアな音源をリリースしてくれた優良なレーベルであった。
マイク オールドフィールドの「チューブラベルズ」のエンジニアやソロアルバムでも知られるトム ニューマン、ジェイドウォリアーのジョン フィールド、トニー デューイグが在籍していた事でも知られてる。サージェントペッパーシンドロームを代表するめくるめくカラフルポップサイケワールド、オリジナルの爬虫類ジャケのインパクトは無いが、このジャケもなかなか示唆的で面白い!
4 KOUERIAN / REEDITIONS 97
(COOP BREIZH)CD 871
仏、トラッド、73-75コンピ盤全20曲。
フランスブルターニュといえばケルト文化圏でトラッドミュージックの盛んな処、アラン スティーベル、ダンアブラ、コルノグといったアーティストが世界的に知られてる。コーリアンもブルターニュ出身のグループでオリジナルアナログ盤の素敵なジャケから欲しいと思っていたのだが、コンピ盤を見掛けたので入手。アルバム単体でのCDリイシューはされてないのだろうか?
73年から75年にかけてリリースされた三枚のアルバムからの編纂、9人編成で曲によっては女性ヴォーカル、コーラスも交えご機嫌なトラッドミュージックを奏でてる。
パート2
5 BLACKOUT 67(MUZA)XL 0437
LP ポーランドオリジナル盤
ポーランド、ビート、ロック、ファースト作。
ポーランド初のブルースバンドと称されるブレイクアウトがブラックアウト名義でリリースしたファースト作。ギター、ヴォーカルのタデウシュ ナレパと後に妻となるミラ クバシンスカを中心に結成されたブラックアウトはポーランドを代表するグループ、ブルースを基調とした渋い音楽性でリリースされた10枚のアルバムはどれも重要、本ファーストはブラックアウト名義でリリースされ、まだブルース色は無く、英ビートミュージックの影響濃いサウンドでプロテスタントな歌詞、英語表記のグループ名と共産圏下のポーランドでは異色のグループでロックな存在であった。本作の東欧的湿り気の多い我が国の演歌調のビート、R&Bサウンドはなかなか魅力的。次作よりブレイクアウトと改名、ブルース、ハード色の強い音楽性でポーランドロックを語る上で欠かせないグループへと成長。
本作はワールドサイケデリアからボートラ付きでCD化済み。
6 POZO SECO / SHADES OF TIME 13(REAL GONE MUSIC)RGM 0112
米、フォーク、ソフロ、オリジナルリリースは68年サード作にボートラ11曲付。
PPMタイプのフォークトリオポゾセコシンガーズから一人抜け、ドン ウィリアムスとスーザン ティラーの男女デュオ体制てポゾセコ名義でリリースしたアルバム。PPMスタイルからイアン&シルビア、ソニー&シェールスタイルへ。この後、カントリーシンガーとして大成するドン ウィリアムスの低音ヴォイス、スーザンの可憐なヴォーカルでボブ ディラン、ビートルズ、エヴァリーブラザーズにポール マックニール、イアン タイソン、ソニー ボノ、レン チャンドラ等のカバー主体の楽曲を綴っていく。プロデュースはボブ ジョンストンにエリオット メイザー、丹精なソフロ、フォークロックにカントリーフレイバー、サンシャインポップな味付けがハートウォームな作品、シングル曲で構成されたボートラも素晴らしく、後にコンポーザーとして成功するスーザンが手掛けた楽曲が素晴らしい。
ポゾセコ名義でもう一枚リリースし、二人はソロ活動へと転じ成功を収める。
7 PARADE / SUNSHINE GIRL THE
COMPLETE RECORDINGS 08
(NOW SOUNDS)CRNOW 1
米、ソフロ、88年初出コンピ盤にボートラ9曲付。
88年我が国で初CD化、城戸真亜子の絵画ジャケも話題となった、その後米国でもCD化、そして決定打ともいえるコンプリートレコーディング集、ソフロ系のナイスリイシューで注目のナウサウンドの第一段となるのが本作でレーベルの意気込みが感じられる。
ソフロ代表グループロジャー ニコルス&スモールサークルオブフレンズのマレイ マクレオド、フィル スペクターの一番弟子フィレルレーベルのジェリー リオペルに俳優でもあるスモーキー ロバーズという実力派トリオ。
活動期間中に残したのは6枚のシングルのみで、それらを網羅した本編にボートラとして
マレイ絡みのロジャーニコルストリオにスモーキーのソロシングルに「サンシャインガール」「カインダウェステッドウイズアウトユ-」のモノヴァージョンにデモ、オルタナミックスとお宝音源収録。オープニングのこれぞサンシャインポップなヒット曲「サンシャインガール」から、御機嫌なヴォーカル、ハーモニーがキラキラ美しいソフロナンバーのオンパレード!
8 HARRY CHAPIN / THE GOLD
MEDAL COLLECTION 88(ELEKTRA)
9 60773 2 2CD
米、フォーク、SSW、72-81二枚組コンピ盤全32曲。
12枚のアルバム、ライブ音源、その他からの編集盤。アナログ時代はその多数のリリース量とどこにでも転がってるありふれたアーティストとの認識でスルーしていたハリー チェイピン、二枚組と手頃なヴォリュームのコンピ盤という事で入手。「タクシー」「キャッツインザクレードル」「W.O.R.D」といった代表曲はもちろん収録、チェイピンといえば社会派シンガーとして痛烈なメッセージをユーモア、ペーソス交えて綴っていくといったイメージ、ステージでのMCも面白く観客の笑いを誘っていて、本作にもそのシーンが差し込まれてる。チェロ、ヴァイオリンをフューチャーした染々聴かせる曲も多く、日本でいえばさだまさしみたいなミュージシャンなのであろう。
残念ながら81年に交通事故で亡くなっている。
パート3

9 ハンター / インフォーザキル 06(エアーメィルレコーディングス)AIARC1215 紙ジャケ
英、ハード、オリジナルリリースは78年セカンド作。
「威風堂々」と題されたファーストのアナログ盤は良く見掛けたが、このセカンド作はラリー ペイジが興した最後のレーベルとなったランペイジに残されたレア盤、タイガーと並ぶ虎ジャケの一枚。ヴォーカルのレスター ハントを中心とするグループ、ヴァイオリニストをメンバーに含む構成はほぼ同時期のドクターズオブマッドネスと同様だが、NW的モダーンロック感覚のドクターズは時流に乗り、リーダーのリチャード ストレンジはソロで活躍、ややオーソドックスなハードロックのハンターは時流に乗れず、やや遅れてのNWOBHMムーブメントのディーモンにハントとキーボードのクリス エリスは参加するがメタル系は苦手なのでスルー、もちろん名前位は知ってるし、いかにもヘビメタなホラーなジャケは嫌というほどアナログ時代に目にしてる。
さて本作はミドルテンポの味わい深いナンバーで幕を開け、アメリカ的なライトなハードロック、ブリテイッシユらしい陰影に富んだメロディー、泣きのバラッド、ややハスキーなハントのヴォーカルにコーラスワーク、あまりヴァイオリンが目立ってないのは残念だが、同時代の英ミスタービッグに通じるメロディアスなハードロックが痛快な好盤!

10 KENNY YOUNG / CLEVER DOGS
CHASE THE SUN 11 (BEYOND THE MOON)BTMW 01 ペーパースリーブ
英、SSW、ロック、オリジナルリリースは71年ファースト作。
イスラエル生まれ、渡米し60年代所期よりブリルビルディングのソングライターとして活躍、多数のヒット曲を産むが一番有名なのが「渚のボードウォーク」の共作、本作は活動の拠点をイギリスに移してリリースしたソロアルバム。アナログ時代、このジャケにリリース年よりSSWものを漁ってた時に入手。米盤はゴロゴロ転がってたし、英盤も難なく入手出来た、セカンド作もしかり。スタジオミュージシャン中心の参加メンバーに混じってマイケル ジャイルス、クリス スペディング、ディヴ エドマンズ、バリー デ スーザのクレジットが目を惹く。とにかくソングラィティングの妙に心を奪われる、オープニングからグッとくる名曲でバック陣の堅実な演奏と共に地味ながら沁みるSSW作の名品となってる。ヴォーカルは決して上手くなく頼りない系の繊細なものでこのサウンドにはマッチしてる。
この後、ヤングは元ウッデンホースのスーザン トレイラーが改名したヌーシャ フォツクス嬢をフロントとしたフォツクスを結成、三枚のアルバムをリリース、ヌーシャ脱退後、イエロードッグとして二枚のアルバムをリリース、英ロックニッチもの好きには堪らないアーティストがケニー ヤング!
11 LOOSE GRAVEL 82(FAN CLUB)001 12EP
英、ブルース、ロック、75年録音?4曲入り12インチシングル盤。
カントリー、サイケの名グループシャーラタンズといえばダン ヒックスが在籍していた事で知られているが、マイク ウィルヘルムも在籍しており、本作は渡英したウィルヘルムが結成したトリオ編成のハードブルースバンド、76年にはファーストソロアルバムをリリースしており、その前哨戦に当たる作品。78年にはフレイミングルービーズに参加、脱退後は地道にソロ活動、97年には来日公演ライブ盤がリリースされてる。
ルースグラベルではもう一枚7EPをリリースしてる。コンピ盤CDもリリースされてるみたいなので是非入手したい。
12 V.A / AT CLOSE QUARTERS 93 (THESE)THESE 7CD
英、ノイズ、アヴァンロック、ライブ音源。
ジスヒート関連アルバムのリリースで知られるジーズレコーズはレコード店みたいで、本作はロンドンの店舗でのライブ録音。
92年3月14日スティーブ ベレスフォードとジョン ブッチャー、91年1月5日チャールズ ヘイワード、92年3月28日アレックス バーロウとアレックス マッケーニ、92年2月15日デビッド トウープとマックス イーストリィ、90年3月31日ニコラス コリンズとピーター
キューザック、91年12月21日モルフォジェネシスのパフォーマンスを収録。
なかなか興味をそそる面子ではあるが、期待のヘイワードはドラムを叩いておらず、シンセの垂れ流し、正直眠くなる。他もこれといって耳をそばだてる様な演奏は無く、ノイズのライブなんてこんなもの?オーディエンスは居るのか居ないのか?殆ど反応無し、
全く面白くなく外し盤。

13 ARTHUR VEROCAI (LUV 、オリジナルリリースは72年ファースト作。
ブラジルものには全く疎い門外漢なれど、本作は激レア、激プレミア、幻の名作として
有名な一枚と記憶に留めたアルバム。
コンポーザー、アレンジャーとして著名なアルトウール
ヴェロカイのファースト作は総勢20名を越えるストリングスをフューチャーした渾身の一枚。アシッドフォーキーなオープニングからフルートをフューチャーしたメロウなインストチューンに、ジャズ、ソウル、ファンクにブラジリアンフィーリング溢れるライト&メロウな洗練された楽曲群、ラストのホーンをフューチャーしたスリリングなジャズロックインストナンバーまであっという間の28分間は短か過ぎなのが難、えっもう終わりなのの物足りなさ感有り、CDだと尚更。
しかし、オリジナル盤は激レアといえど2000ドルのプレミアが付くとは思えない普通のアルバムだと思うんだけど、ブラジル音楽には全く疎いから多分凄さが分からないのだろう?まぁ、いいか?
パート4

14 WHITELIGHT / PARABLE 15
(SOMMOR)SOMMCD 027
英、サイケ、オリジナルリリースは74年自主制作唯一作。
米サイケにも同名のグループが存在するが、こちらのホワイトライトは英グラスゴーを拠点に活動したグループで、自主制作レーベルより唯一リリースされたアルバムは激レア幻のアイテム。
アングラ臭プンプンのジャケに包まれたアルバムはいきなり19分に及ぶ大曲で幕を開ける、ダーティでルーズなブルージーガレージサイケサウンドがゆるゆるな展開の中、ロウなファズギター、チープなオルガンがアングラな雰囲気を盛りたてダークに突っ走っていくカルト作、まだまだこんなものが数多く埋もれてるのだろうか、発掘が楽しみ、スペインガレセンの傍系レーベルソマーのこれからにも期待!

15 GROOVE / GROOVE 01
(ROCK IN BEAT)RB 167 CDR
豪、ビート、ポップス、オリジナルリリースは68年唯一作にボートラ1曲付。
ブート?のロックインビートレコーズ、コアなものをリリースしており、有り難いレーベルではあるが、作りが雑、本作のボートラ曲名のクレジット無し、恐らくシングル収録曲。
当ブログで取り上げたスティーブ&ボードのドラマージェフ ブリッドフォード等5人編成グループ、この後ジェフは69年から72年までビージーズに参加して活動。
「クールジャークス」「サイモンセイズ」「モージョウォーキン」のカバーにオリジナル曲をおりまぜ、オージーらしいおおらかさ、いなたさが何ともいえない、ほっこりしたビートポップスが良い味出してる。

16 RICHIE GILBFRT ENSEMBLE
12(BIG PINK)180 ペーパースリーブ
米、ソフロ、サイケ、オリジナルリリースは78年唯一作。
解説によるとニューヨークで開催されたユダヤ人キャンプ中間が同窓会的に集まって結成されたグループで、グループ名通りリッチー ギルバートを中心にヴォーカリスト名義でリッチーはじめ6人のクレジット、3名の女性シンガー含む。ミュージシャンとしてリッチーはじめ7人のクレジット有り。
全曲ギルバート作によるソフロ、サイケ調のモダーンフォークな楽曲に男女ヴォーカリストによる魅惑的な歌声が素晴らしい、安直なジャケにグループ名、イージーリスニングな歌ものかと大して期待はしてなかったが、なかなか聴かせる一枚。
17 フランキー アームストロング / ラブリーオンザウォーター 90(キング)KICP 2084
英、トラッド、フォーク、オリジナルリリースは72年ファースト作。
本作はオリジナル盤のジャケが大好きでトピックの原盤を入手、本作は何故かデフジャケ、裏ジャケに使用されてるので逆に差し込めばOK。
サンディ デニー、アン ブリッグス、ブリジット セント ジョン、ヴァシュテイ ヴァニヤン、キャサリン ハウといった歌姫が我が国では人気だが、実力では全く劣らないどころか凌駕するフランキー アームストロングがあまり知られていないのは残念、かなりトラッド色の強いスタイルは我が国では少々辛いかも、アン ブリッグスのファーストに近い純トラッドアルバムなので。
英国での人気は絶大でいわゆるフランキーアームストロングスタイルのシンガーと形容される程の認知度を誇る、基準となるシンガーなのである
。
本作は全曲トラッドのバラッドカバーによるアルバムで、プロデュースはAL ロイド、無伴奏シンギングを基調にギター、ダルシマー、バンジョー、ホイッスルによる簡素なバッキングを施したもので、フランキーのヴォーカルの魅力がダイレクトに伝わってくる、その豊かな表現力で聴かせる英トラッドファンには堪らないアルバム!
今週は16枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY 330 0506-0512

1 SALLY ' S FRIENDS / BOYS OF
THE TOWN (KISSING SPELL)KSCD 948
英、トラッド、フォーク、オリジナルリリースは79年唯一作。
77年に唯一のアルバムをリリースしたブラックソーンは以前紹介済みだが、そのメンバーであったクリス ウォルデとピート オニオンズのデュオサリーズフレンズ、ギターとフィドルのデュオということでマーティン カーシー&ディヴ スウォーブリック、ロビン&バリー ドランスフィールド兄弟が思い浮かぶ。二人のギター、フィドルにバンジョー、マンドリン、曲によってベーシストがゲスト参加するという簡素なスタイルでトラッドナンバーをカバー、親しみやすい軽妙なプレイがトラッドの面白味を伝えてくれる。プロデュースは自身もアルバムをリリースしてるジョン ゴールディング、この人のアルバムはCD化されてるのかな?

2 BAUMSTAM / 72 ー 12 = 40 12
(GREEN TREE)GTR 139 1 LP
独、ハード、再結成後通算5作目?
バムスタムの75年にリリースしたファースト作は余程ジャーマンロックに精通してなければ知る事も無いアルバムだと思う。ましてや04年に復活しアルバムを4枚出してるとは、ニューリリースもののチェックを怠ってる者としては全く知る事が無かった。本作は未開封品値札3200のシール付き、しかし売れず中古コーナーへ680円という破格値で放出されるも長く売れ残り、遂に最終放出100円のゴミ箱行き、仕方無いので拾い上げた好き者が私です。
72年結成、40周年記念盤としてリリースされたのが本作、ファーストの混沌としたクラウトロックなアングラ感は影を潜め、当然ながら今日的普通のハードロックを展開、70ズクラウトロックのダークな世界が好きな身としては、特に要らんアルバムだが、100円なので文句は言えない?

3 V . A / WITHOUT THE BEATLES
(JAR MUSIC)JAR 015 LP
英、ロック、ポップス、ビートルズトリビュートアルバム。
ビートルズトリビュート、カバーアルバムは数知れずだが、ディープフリーズマイスのアラン ジェンキンスが主宰するジャーミュージックからリリースされた本作は英ヒネクレNW好きには堪らないアルバム。確かCDは当ブログで紹介済み。本作も一時期はそこそこの値段で取引されてたが、本作は付属の5曲入り7EPが欠品の為か、先のバムスタムと一緒に100コーナーから救出。7EP付き完品盤は所持してるが、安物買いの癖は治らず、いい加減アナログは辞めたいのだが、これ以上増えるのは困りものなのだが、アナログも面白くて棄てがたいんだよね。
さて本作、アランはもちろんアラン所属のクリームス、クリサンテマムスのユキオ ヤング、宅録の帝王R
スティービー ムーア、ディヴ グレゴリーの変名コリンズ ハーミス、クリナーズフロムヴィーナスのマーティン
ニューエル、ベヴィスフロンド、ジェットセット、スモールタウンパレードのポール ベヴォワ、トッド デリングハムといったアラン周辺のミュージシャンが集結、この面子好き者には堪らない。ビートルズのお馴染みのナンバーがヒネクレポップスに変身。
出来ればディープフリーズマイスをCD再発して欲しいんだけどアラン!
4 MASAKI BATOH / COLLECTED
WORKS 95 - 96 04(DRAG CITY)DC 180
LP
日、サイケ、アヴァンロック、編集盤。
日本が世界に誇るサイケグループゴーストのリーダー馬頭将器のソロ編集盤。
全ての楽器を馬頭一人で担当、カンの「ユードウライト」で幕を開けクリームの「ワールドオブペイン」のカバーでゴーストみたいなアシッドフォークサウンドで一気に持ってかれるが、ひなびた電子音がだらだら垂れ流されるつまらない曲や、虫、鳥の鳴き声とシンセの絡みと良くあるパターンに、チベットの太鼓と笛によるミニマルな楽曲が退屈なだけで面白くも無い、まあこの辺は好みの問題だが、安易にノイズに逃げるのはどうだか?
パート2
5 CHRIS CUTLER & FRED FRITH /
LIVE IN PRAGUE & WASHINGTON
83(RE RECORDS)RE 1729 12EP
英、アヴァンロック、レコメン、ライヴ録音。
ヘンリーカウ、アートベアーズのクリス カトラーとフレッド フリスによるデュオライヴ、79年のライヴパフォーマンスを収録。レコメンシーンの二大巨頭による緊張感溢れるインプロビゼーションがスリリング、12インチ45回転で音も良し、テンション高く迫り来る。別公演録音を追加したCD盤有り。
6 LURDES IRIONDO & XABIER LETE 09(ELKAR)KD 823
スペイン、フォーク、オリジナルリリースは73年デュオ作。
スペインのバスク地方のフォークシーンは活発で素晴らしいグループが多数存在する。イトイス、イスカイツ、イツィアール、ヘイゼア、エロビ、エンボルといったグループは当ブログで紹介済み。本デュオのルーデス イリオンドはバスク地方の民俗音楽復興グループの創設に携わった人物、夫でもあるザビエル レテは詩人、作家としても活躍。夫婦デュオである本作は殆どが互いのリードヴォーカルをフューチャーした内容でデュエットナンバーは少ない、ギター弾き語りを基調とした米プロテストフォークへの返答といった趣き、バスク地方の叙情性や哀感に情熱が伝わってくる奥深く、滋味深いヴォーカルに心を奪われる。スペインバスクのこれまた好盤の一枚!
7 PANNA FREDDA / UNO 07
(VINYL MAGIC)VMCD 118 ペーパースリーブ
伊、プログレ、ハード、オリジナルリリースは71年唯一作にボートラ6曲付。
オリジナル盤はメタモルフォシと同じベンデッテレーベルに残された激レア盤。前身グループは60年代半ばから活動するビートグループ、紆余曲折、メンバーチェンジ、バンド名を代えリリースした唯一作。ユーライアヒープ、クォーターマスタイプのオルガンハードロックにグレイシャスにインスピレーションを受けたプログレッシブなナンバー、70年代前半の混沌とした雰囲気が全編に立ち込める、SE、ストレンジな電子音による実験的でシリアスな展開に、チェンバロ、キーボードによる牧歌的でユーモラスな味付け、ダミ声で熱く歌い上げるイタリアンなヴォーカル、時にメランコリックに表情豊かな表現力で纏めあげる。クラシカルでテクニカルな演奏がイタリアンらしい情熱を秘めた魂で迫り来る好盤!
8 HORSLIPS / THE TAIN 08
(HORSLIPS)MOOCCD 005 ペーパースリーブ
アイルランド、オリジナルリリースは73年セカンド作にボートラ1曲付。
ホースリップスの諸作の中で最初に入手したのが本作のアナログ盤であったろうか、大して知識も無く、このジャケからアングラなハードロックだろうとの予想だったのだが、出て来た音はトラッドロック、その音の意外性とトラッドをロック化した面白さに、超変形ジャケのファースト以外のアルバムは簡単に揃える事が出来た。その音故か我が国では人気がなく、アナログ盤は安く転がっていた。ファーストも後に米盤、アイルランド原盤を入手する事が出来たし、紙ジャケも購入、当ブログで紹介済み。
本作はアイルランドの英雄譚を題材としたコンセプト作で、ドラマテイックに迫り来るロック色の強いエレクトリックトラッドサウンドとアイリッシュの伝統と香りが濃厚に匂い立つ独特のサウンドが癖になる、純トラッドファンにはそっぽを向かれそうだが、ひねくれものの自分には相性が良い!ボートラはNYの公演ライヴのメドレーを収録!
ストレンジデイズから全作12枚紙ジャケリリースされてるが、本作のボートラの収録は無し。
パート3
9 MADS / 1969 EN CONCIERTO
(REPSYCHLED)CD 1024 ペーパースリーブ
ペルー、サイケ、ガレージ、69年12月18日リマでのライヴ録音にボートラ2曲付。
トラフイックサウンド、ラゴニア、ウイオールトウゲザー、テレグラフアヴェニュー、タルカスといった優れたサイケバンドが存在するペルーに凄いグループが埋もれていた、以前、未発表音源集がリリースされ、その存在がクローズアップされたマッズのライヴ音源が発掘、大学講堂でのフェアウェルギグを収録、かなりジミヘンの影響色濃いグループで、フリーキーでサイケデリックなギターが炸裂するドラムソロを交えた15分近いメドレーのオープニングからヘビーサイケデリックでワイルドな演奏が格好良すぎ、ジミヘンの「ヘイジョー」、ニルソンの「ワン」、スライ&ザファミリーストーン「シングアシンプルソング」
、バッファロースプリングフィールドの「ロックンロールウーマン」
のカバーもグッド!
この後、彼等はパーティーで意気投合したジャガー、リヂャーズの知己を得て渡英、ストーンズのスタジオで録音したのがボートラ収録曲。マッズ改めモレスト名で精力的にライヴ活動も行っており、ケビン エイヤーズ&ザホールワールドのゲストとしてオープンロード、ラウドン ウェインライト等と参加、サザンコンフォート、ブリンズレィシュウオーツ、パトウと並んだ告知ポスターがブックレットに掲載。アルバムを残せなかったので無名に甘んじてるが実力派グループであったのは間違い無い!
10 NO - NECK BLUES BAND / LETTERS FROM THE EARTH 06
(SER)SO1 26 27 2CD
米、ノイズ、オリジナルリリースは96年何作目かは不明。
バンド名とアルバムタイトルは判読出来るが、読み辛い曲名とゲストミュージシャンに白石民夫、アルトサクソフォンとの表記が為されただけで、情報が全く無いジャケ、ブックレットに至っては意味不明のイラスト?が書き殴られた不親切極まり無い、四の五の言わずに音だけ聴けやと聴者を置き去りにしたノイズ系に有りがちなパターン、その音もだらだらフリーインプロの垂れ流しで面白くもなんともない、どうでもいいサウンドがCD二面に、、聴き手のイマジネーションにおもねているのか?こちとらイマジネーションなどは枯渇した単に忙しいだけの男、移動中の電車の中でなければ途中で放棄していたかもね、イマジネーション豊かな我慢強い人向け?
11 DENIZ TEK GROUP / ITALIAN
TOUR EP ' 96 DTGO 1
豪、ロック、6曲入りCDEP。
セインツと並ぶOZパンクの雄レディオバードマンのギタリストデニス テクはバードマン解散後、ビジターズ、アンジーペーパーバンドやバードマン時代の盟友ロブ ヤンガーにストージーズのロン アーシュトン、MC5のデニス トンプソンとスーパーグループニューレースを結成して活動。本作はその後ソロユニットとなるデニステクグループでのイタリアンツアー時のシングル盤、デトロイト系のルーズでダーテイなガレージロックンロールが最高にいかしてる。
12 ハッピー & アーティ トウラム / ライヴレコーディングス 1970'S ー 1980'S 06(SLICE OF
LIFE)SLCD 1015
米、フォーク、SSW、ライヴ音源集。
ウッドストックを代表する名ギタリストでフォークデュオのハッピー&アーティ トウラム兄弟が70年代に残した二枚のアルバムは名盤として長らくフォーク、SSWファンに親しまれてる。我が国のVIVIDから2イン1にてCDリイシューもされている。
本作は75年5月9日と76年9月9日のNYロングアイランド、81年2月14日カリフォルニア
サンタモニカ、85年12月7日ヴァーモントモントペリエでの公演を収録、ボートラとして05年の新録音トラックを収録。
さすが兄弟の息の合ったコンビネーションがばっちり、卓越したギターアンサンブル、渋いヴォーカル、フォークデュオの妙が聴ける。処によってはエリック カズがゲスト参加、ハーモニカ、ピアノでバックアップしてるのが嬉しい、アーティとエリックは68年にベアーを結成してアルバムをリリースしていた、二人にスティーブン ソールズという怱々たるメンバーによるトリオであったが、あまり売れなかったらしい。確か未CD化だったような?乞CD化!
13 LOST AND FOUND /EVERYBODY ' S HERE 02(SUNSPOTS )SPOT 532
ペーパースリーブ
米、サイケ、オリジナルリリースは67年唯一作。
テキサスのインターナショナルアーテイスツはサーティンスエレベーターズにレッドクレヨラをリリースしたサイケ名門レーベル、他にゴールデンドーン、バブルパピー、エンドルセントクラウドに本作のロストアンドファウンドをリリースとサイケファンにはマストなレーベル。本作は何度かリイシューされてるサイケ定番アイテム、近年ではチャーリーレーベルのボートラ付きのリイシュー盤が丁寧な作りで良い。当ブログで紹介済み。
本作はボートラ無しのストレイトリイシュー、しっかりした作りの紙ジャケは評価出来る。ロッキー エリクソンの口利きでレーベルと契約した様に、サーティンスの影響色濃いサウンドでサーティンスのカバーにちょこっとエレクトリックジャグも飛び出すフォロワー振り、サーティンスに比して線が細いがそこが味なライトなサイケサウンドにブルースをベースとした渋いブルージーサイケ、メロウなフォークロック、浮遊感あるヘロヘロなヴォーカル、腰抜けなサーティンス、品行方正なクレイヨラとかつて記した通りの味のある一枚!
パート4
14 JUANA MOLINA / WED 21
13(CRAMMED DISCS)CRAM 220
アルゼンチン、ポストロック、エレクトロニカ、6作目。
前作より5年振りとなるアルバム、アルゼンチン音響派に属するミュージシャンファナ モリーナは元々は女優、TVタレントとして南米では著名な女性、エレクトロニカやフォークトロニカといってもさっぱり解らないし、興味も無いのだが、ファナのアルバムは何枚か所持してる、自分にとっては魅力的な女性SSWの一人、単にシンガーとして好きかどうかという単純な摂理。
本作はファナ自身のセルフプロデュース、全ての楽器を一人でこなした力作、ミステリアスな音響空間の中をファナのヴォーカルが漂う。
15 PRIDE / PRIDE 09(WOUNDED
BIRD)WOU 1848
米、サイケ、フォークロック、オリジナルリリースは70年唯一作。
デビッド アクセルロッドといえばサイケファンにはエレクトリックプルーンズを解体した極悪業界人として、クラブシーンではアルバムが人気のプロデューサー、アレンジャー、ミュージシャンとして著名、今年2月に亡くなってしまった。本作はデビッドと息子?甥?のマイケル、ノーニー リケットのトリオ編成による唯一作。ワーナーからリリースされたオリジナルアナログ盤はジャケ買い、以来愛聴盤の一枚、その時はアクセルロッドが噛んでいるとは全く知らず、10数年前にアナログのリイシューもあり、黄色が黄土色にくすんだジャケは頂けなかったが何故か入手した、本CDも入手済みで記事った気もする。
ノーニーの哀愁あるヴォーカルが郷愁を誘う、もの悲しいギターの響き、田舎の家並みが眼前に広がるノスタルジックな気分にさせられるメランコリックサイケの名盤!
16 BLACK CILLAS / STEP OUTSIDE
LOVE 14(FIRESTATION)FST 111
英、NW、ネオアコ、86-89発掘コンピ集。
音源サルベージの波はガレージ、サイケ、ビートからその直系ともいえるパンク、NWシーンへと拡がり、当時見た事と無いグループの音源発掘が始まった、その前にちゃんとリイシューしろよといったアイテムも沢山あるのだが、取り合えずは嬉しい発掘である。ロック胎動期に世界各地にブリテイッシュインベンションの影響を受け、続々と登場したバンド群、やがてロックも肥大化産業化してしまったのだが、再びティーンネイジの元へ、ストリートへの復権がパンク、NW革命、自分達がガキの頃に聴いていたビート、ガレージサウンドへのオマージュであった。DIY精神に乗っとったインディーズレーベルの勃興により数多くのグループがシングルのみのリリースで終わったり、音源を残さず終わったグループも雨後の筍の如き存在する。
ブラックシラスはシングル「セバスチャン」だけを残したグループ、80年代半ば数多く登場したスミスフォロワーなネオアコグループで、ウルフハウンズ、ワンサウザンドヴァイオリンズ、セントクリストファー、エコバニが引き合いに出されてる。これらのグループが好きな人は聴いても損は無いであろう。ブラックシラスという変わったグループ名はガールズポップシンガーのシーラ ブラックに因んだのではないだろうか?スミスはサンディ ショウだったからねってあくまで推測というか、タイトルもシーラの曲のもじりだし間違いないたろう!
17 ビリー ニコルス / ウッドユービリーヴ
00(ビクター)VICP61205 紙ジャケ
英、ソフロ、サイケポップ、オリジナルリリースは68年ファースト作にボートラ2曲付。
ビートルズの「サージェントペッパー」といえば同時代のミュージシャンに多大なる影響を与えたロックの金字塔的アルバム、そしてもう一枚の金字塔的アルバムが言わずもがなのビーチボーイズの「ペットサウンズ」、その影響力は絶大で今もフォロワーを生み続けてる。特に同時代のイギリスには太陽燦々ウェストコーストへの憧憬であろうか?トニー リバースのキャスタウェイズ、ハーモニーグラス、サマーワイン、トニー バロウズのファーストクラス、ホワイトプレインズ、ファーストクラスにも参加していたジョン カーターのフラワーポットメン、エイドリアン ベイカーのギデアパーク、クリス レインボウにクリス ホワイトに本作のビリー ニコルスがイギリスのビーチミュージック、ハーモニーポップスのメジャーどころであろう。
中でも本作はリリース直前の発売延期、その後のレーベルイミデイエイトの倒産により、市場に出回ったのは少部数とされ、昔から激レア、激プレミアで知られる幻のアルバムであった。我が国のテイチクから初CD化された時に狂喜したのは云うまでもない。その後も何度かリイシューされ、紙ジャケも何種かリリースされ、今や定番アイテムと化した本作、レーベルメイトのスモールフェイセズのメンバーが参加しているのも話題、プロデュースはレーベルのボスアンドリュー オールダム、ストリングアレンジにジョン ポール ジョーンズ、エンジニアにグリン ジョンズ、演奏にスモールフェイセズの面々、ビッグ ジム サリバン、ニッキー ホプキンス、ジェリー シャーリー等が参加、幻云々に関係無くアルバム自体の出来が素晴らしく、スウインギンロンドンの息吹きをたっぷり吸い込んだサンシャインポップの名盤!
ニコルス関連でいえばフィフスアベニューバンドのメンバーと結成したホワイトホースも重要。
今週は30枚ゲット!