17 XHOL CARAVAN / MOTHERFUCKERS LIVE 01(WORLD SERPENT DISTRIBUTION)UDOR 5/6CD
2CD
独、サイケ、クラウトロック、68-69ライブ音源二枚組。一枚目は68年「フリーダムオペラ」と題された音源集。二枚目は69年WDRラジオでのライブ音源。
前身グループソウルキャラバン時代は凡庸なソウルミュージックを演奏していたグループが、サイケデリック、フリージャズの影響を受けたアヴァンギャルドなフリークアウト集団クソールキャラバンとして活動、強烈にフリークアウトした音世界、ストレンジなエレクトロニクス、サイケデリックに歪んだ音響、クラウトロックの魅力が味わえる重要グループ。
スティーブン スティープルトン、デビッド ティベット、クリストフ ヒーマンがライナーを寄稿している。
サンドと共に再評価されるに価するグループ!
18 LABI SIFFRE / CRYING, LAUGHING, LOVING, LYING 06(EMI)
356927
英、フォーク、SSW、オリジナルリリースは73年サード作にボートラ6曲付。
ソウルやブラコン系が苦手な骨の髄からロック野郎でヒネクレものなのでその手のアーティストは全く登場しない当ブログなのだが、ブラコン系にもSSW、フォーク系アーティストは存在する。その代表アーティストはリッチー ヘヴンスなんだけど、テリー キャリア、ユージン マクダニエルス、リンダ ルイスに本作のラビー シフレあたりか?シフレは5作目、ベストに次いでの紹介でフォーク好きにはジャケも含め本作がマスト、シフレを知る切っ掛けとなったマッドネスがカバーした「イッツマストビーラブ」も収録されてるしね。マッドネスがガキの頃に慣れ親しんだヒット曲だったわけ、ギター、ピアノのシンプルな弾
き語りに簡素なバッキングが脇を固める程度なんだけど、シフレの高音でしなやかなヴォーカルがフォーキーなサウンドとマッチして素直に心に沁みる、変なエロ心が無いのが良い!
19 POGUES / IF I SHOULD FALL
FROM GRACE WITH GOD 04(WEA)
5046759602
アイルランド、NW、オリジナルリリースは88年サード作にボートラ6曲付。
前作をコステロがプロデュースしNWファンの耳目を集めたポーグス、当時アナログ盤、12インチ、7インチまで買い漁ったものである。NWファンのクリスマスナンバーはこれ「フェアリーティルオブニューヨーク」、シェーンとカースティ マッコールのデュオが切ない名曲を含む最高傑作の「堕ちた天使」、ケルトミュージックをパンキッシュに展開したサウンドは痛快!恐らくトラッド、ケルトミュージックを最初に意識したのが本作、更に同年にヴァン モリソンがチーフタンズと共演した「アイリッシュハートビート」をリリース、私的にケルト、トラッド音楽への興味が高まった切っ掛けとなった。ゲイ&テリー ウッズのテリーがメンバーだったしね、ポーグス経由でトラッドに嵌まった人も居たのではないかな?
20 HALF JAPANESE / BONE HEAD
97(ALTERNATIVE TENTACLES)VIRUS 197 CD
米、オルタナ、ロウファイ、何作目かは不明。
米オルタナ界の奇才、変人ジャド フェアが率いるハーフ ジャパニーズ77年アルバムデビュー、今年40周年となるベテラングループだが、熟練、円熟、老練といった言葉とは程遠い永遠の音楽おたく青年といった風情がシンパシーを覚える。作品数は多作を極め、ダニエル ジョンストン、クレーマーといった類は友を呼ぶ的な変人とのコラボも多数、しかもジャケアートを手掛ける弟デビッドの作風が似たり寄ったりな
ので、持ってたかどうかなかなか分からない厄介な存在でもある。
しかし、そのサウンドはシンプルでロウファイなオルタナジャンクサウンドで良いんだよの安心マーク!
21 テリー キャリア / ファースト ライト 99(VIVID)VSCD 1475
米、フォーク、SSW、69-71未発表音源集全12曲。
ブラコン系SSWテリー キャリアはフリーソウルブームで再評価され、ミュージックシーンへ復帰し精力的に活動するも12年に死去。
アルバムデビューは65年「ザニューフォークサウンズオブテリ-キャリア」というタイトルが示す様に純正たるフォークシンガーとしてのスタートであったが脚光を浴びる事はなかった。そしてカデットレーベルへ移籍してリリースしたのが三枚の傑作アルバムで、僕のキャリアに対する興味はここまで。
以降はブラコン、ソウル、ディスコ色を強めたアルバムをリリース、時代の要請なのだろうが、やがて音楽活動は行き詰まり休止をやむ無くされる。リンダ ルイスも同様の経緯を辿り、フリーソウルブームで同じように再評価されたのは興味深い。
本作はカデットレーベル時代に残された最初期アルバムリリース前のリハーサル、デモ音源にアルバムリリース後のライブ音源も収録したキャリアファンには堪ら
ない一枚!
アルバム収録ヴァージョンよりは、当然ながらラフな作りなのだが、魂の奥底の芯がジリジリと燃えるかの様なフォーキーなヴォーカル、サウンドが最高!
22 JOHNY CASH / THIS IS GOLD
04(DISKY)HR 902140 3CD BOX
米、カントリー、フォーク、三枚組ベストコンピ盤全54曲。
ユーロの廉価盤専門レーベルデスキーの安物箱、当然ライナーブックレット、録音年等のクレジット一切無しのコストダウン盤、ジョニー キヤッシュの大物ともなればこの手のブツは多数リリースされており、取り敢えずつまみ食いみたいな門外漢には有難い。アウトロー、硬骨漢とイメージのキヤッシュの武骨な歌が良い。
今週は29枚ゲット!
パート4
WEEKLY LISTENING LIBRARY 321 0304-0310
1 CONTRACTION / LA BOURSE OU
LA VIE (PROG QUEBEC)MPM 04
加、プログレ、ジャズロック、オリジナルリリースは74年セカンド作。
カナダケベックシーンを代表するグループコントラクション、当ブログではマンフレッドマンズアースバン゙と並ぶ耳ジャケで有名?なファースト作を紹介済み。
クリスティアーヌ嬢のスキャットを交えたクール&ビューティーなフレンチヴォーカルが、流麗なピアノ、エレピによるクラシカルでシンフオニックな味付け、コンガも交えた的確なリズム隊によるジャージーでプログレシッブな楽曲に映える。表題曲の18分に及ぶ組曲が聴き処有り。ジャケも含め地味な印象だが聴き込む程に良さが増す好盤!
2 MARY HOPKIN / POST CARD
91(CAPITOL)CDP 7 97578 2
英、フォーク、ポップス、オリジナルリリースは69年ファースト作にボートラ3曲付。
アップルレーベルリリース、ポール マッカートニープロデュース、ビートルマニアの歌姫メリー ホプキンといえば、
本作オープニングの「悲しき天使」、英オリジナルアナログ盤には未収録の大ヒット曲であろう。ロシア民謡をモチーフとした5分という長さの曲は、2、3分のキャッチーなヒット曲が主体だった当時では異色のナンバーだが今やスタンダード。当時新進気鋭のドノバンのナンバーが三曲、マッカートニーがお気に入りだったハリー ニルソン、ジョージ マーティンの曲にガーシュウイン、ミキス セオドラキス、アーヴィング バーリンといったスタンダードナンバーを含む、当時10代のメリーの素朴で純真な煌めきに充ちたアルバム!
10年リマスター盤はボートラが違うみたいだ、入手するか?
3 TOM WAITS / CLOSING TIME
(EEKTRA)7559 60836 2
米、フォーク、SSW、オリジナルリリースは73年ファースト作。
今や逝くとこまで逝っちまった感のあるトム ウェイツ、初々しいとか瑞々しいといった形容が端から合わないウェイツのファーストアルバム、孤独な男の深夜のBGMとして最適の一枚、というわけで長年の愛聴盤、家庭は無いし、家族を失い、パートナーも友人もいない男にとってロックは心のより処なんだよね、帰る処も行く場所も無いというのは辛いけれど、これも身から出た錆び、因果応報、生来の孤独癖のせいなんだろうが、しようがないね、もう慣れっこだからどうて事はないのだけど、これからも一生ロックは外せないね!

4 BARIS MANCO / 2023 (EMREPLAK)HE128
トルコ、プログレ、サイケ、オリジナルリリースは75年セカンド作の改訂版。
デフジャケでジャケ隅にニューとある様に75年作の改訂版で曲順変更、かなりの曲の差し替えがあり、全く別のアルバムへと生まれ変わってるが、オリジナル仕様盤が無いので比較は出来ない、いずれ入手予定。
エルキン コライ、エディップ アクバイラム、ケム カックラとターキッシュサイケ四天王と称されるバルス マンチョ、99年には没してるがトルコでは現在も国民的人気を誇る大歌手。
本作はプログレ文脈でも語られる程、革新的なアルバムで当時のトルコで最前衛、最先端のプログレシッブなアルバムであった。2023年という近未来をテーマとしたコンセプトアルバムで、シンセ、キーボードを全面にフューチャーしたスペーシーなシンフォインストに、ディープなエフェクト処理によるコズミッシュサイケ、トルコ歌謡の歌ものが程よく配されたプログレファン向けの編集か為されてるみたい。これは是非ともオリジナル仕様盤をゲットしたい!

5 JETHRO TULL / TOO OLD TO
ROCK ' N ' ROLL : TOO YOUNG TO
DIE 02(EMI)541 5732
英、ロック、プログレ、オリジナルリリースは76年9作目にボートラ2曲付。
NW小僧だった頃は邦題の「ロックンロールには老だけど死ぬにはちょいと若すぎる」に何言ってんだよ親爺と思ってたんだけど、あれから幾星霜、しっかり身にしみる今日この頃、タルを聴く。
本作からゴッズ、トウフアット、カルメン、チッキンシャックといったグループを経た強者ジョン グラスコックを迎え、バリュモア バーロウとの強力リズム隊にアンダーソン御大、マーティン バレ、ジョン エヴァンによる中期タルのコンセプト作。レイ ローマスという実物の人物を主人公としたロックンロールミュージカルをベースとしたもの。コンセプトものといっても「ジェラルドの汚れなき世界」「パッションプレイ」みたいなどプログレではなく、アンダーソンらしいシニカルでブラックユーモア感覚溢れるハードロックサウンドに、凋落したロックンローラーの悲哀漂う焔暗いナンバー、フルート一本足奏法が目に浮かぶ!
本作にはグラスコック絡みでカルメンのアンジェラ アレン嬢、ステーライスパンのマディ プロイア嬢が参加、次作「森の詩」でトラッド、フォークに大胆に接近していく事となる。
パート2
6 I NOMADI / CANZONI D'ELFREMONICA E D'OLFREOCEANO
(EMI)31168
伊、プログレ、ラブロック、オリジナルリリースは74年9作目。
60年代末にデビューし現在も活動するベテラングループ、ビート、サイケ、プログレ、ラブロック、大衆ポップロックバンドと経緯したその国を代表するベテランロックグループとしての道を辿ったノマデイ、本作は英米ヒット曲のカバーアルバム、ラストの三連発、ムーディブルース「サテンの夜」、スモールフェイセズ「マイマインズアイ」、キンクス「デスオブクラウン」がグッド!アルバムを量産した人気グループのやっつけ仕事感は否めないが、安定した演奏は流石の余裕のアルバム!
7 MICHAEL CHAPMAN / LIVE AT
FOLK COTTAGE , CORNWALL 1967
14(THREE HOUSE 44)TH 44CD 0201
デジパック
英、フォーク、SSW、発掘ライブ音源。
69年「レインメイカー」でハーヴェストレーベルよりデビューして以来、多数のアルバムをリリースしているマイケル チャップマン、やはり初期ハーヴェスト時代の4枚が英国フォークファンにはマスト、ブルースをベースとした卓越したギターテクによる渋いSSWスタイルのフォークサウンドは通好みのアーティストといえる。近年ではドローン、音響系へのアプローチを見せるなど精力的に活動。
本作はデビュー前、フォークサーキットを回り腕を研いていた時期、20代半ばだが、既に老成した風貌、薄くなりはじめた頭髪が貫禄充分、ブックレット記載のラルフ マクテルとのショットでも歴然。67年コーンウォールのフォーククラブでのライブ盤、ブルースナンバー、トラッドナンバーを渋いヴォーカル、ギターでの弾き語り、渋い本格指向のフォーク、SSWファンにお奨め!
8 V. A / FIFTEEN MINUTES A TRIBUTE TO THE VELVET UNDERGROUND 94(IMAGINARY)ILLCD
047P
米、英、オルタナ、NW、トリビュート盤全14曲。
ヴェルベットアンダーグラウンドといえばロックファンで知らない人はいないという有名グループだが、活動当時は全く売れず、メンバーであったルー リード、ジョン ケイル、ニコのその後の活躍もあるが、何といってもパンク、NW系のアーティストが多数リスペクトを表明し、ヴェルベッツフォロワー的なサウンド、カバーを手掛けるアーティストが多数輩出し、一気に再評価の機運が高まった事による。
本作はトリビュートアルバム、目玉のニルヴァーナをオープニングにスワーブドライバー、リー レナルド、バッフアロートム、イレブンスドリームデイ、スクリーミングトゥリーズ、ハーフジャパニーズの米グランジ、オルタナ勢にファテイママンションズ、ジェームス、エコバニ、ウェディングプレゼント、モックタートルズ、ライドといった英NW、ギタポ勢が参加。
9 ブライアン イーノ / ティキングタイガーマウンテン
88(ヴァージン)VJD28060
英、モダーンロック、オリジナルリリースは74年セカンド作。
ファースト作と同年早くも届けられたセカンド作、ロキシーミュージックでの鬱憤を爆発させたかの様なこの時期のイーノはエキセントリックで滅茶口茶格好良い。
イーノを意識したのはNW小僧だった頃、大好きだったバウハウスが本作収録の「サードアンクル」をかばーしたから、他に元フォールのマーク ライリーが結成したクリーパーズも「ベイビーズオンファイアー」をカバーしていた。勿論ロキシーミュージックのメンバーであった事位の知識は持ち得ていたし、ロキシーも大好きであったから、イーノのソロアルバムは程なくアナログ盤で揃えた、コレクターの気質故か?気に入ったものは全て揃えた、オブスキュアのシリーズやアンビエントのシリーズまで、今では不得手なインストまてお構い無しに揃えるコレクターバカっぷりは昔からってわけ。
本作はイーノらしいストレンジにひねくれ曲がったポップセンスが最高!
10 CAPTAIN BEYOND (CAPRICORN)314 536 107 2
米、ハード、ロック、オリジナルリリースは72年ファースト作。
ディープパープルの初代ヴォーカリストロッド エバンスがパープル脱退後に結成したグループでアイアンバタフライのラリー リノ ラインハルト、リー ドーマンにジョニーウィンターグループのボビー コールドウェルと、いわゆるスーパーグループのキャプテンビョンド、我が国ではパープル効果もあってそこそこに売れたが、英米でのセールは奮わずビッグインジャパンなバンドであった。
ボビーの引き締まったドラミングがグイグイ引っ張っていくハードロックサウンドに小気味良いアメリカンフィーリングの軽快さも感じられるのが日本人好みと言えるかも、それでも十二分に重たいサウンドは70年代初期アメリカンハードを代表する一枚!
ジャケアートはドアーズ「フルサークル」でも知られる
ジョー ガーネット、レーベルはザザンロックのキャプリコーン、そのせいかデュアン オールマンに献辞が捧げられてる。
パート3
11 LISTENING (AKARMA)050
米、サイケ、オリジナルリリースは68年唯一作。
本作は以前紙ジャケ盤を紹介してるが、プラケ盤という事で入手、同じアカルマ盤であるが、名盤だからだぶってても問題なし、こうしてブツがドンドン増えていく。
カントリージョー&フイッシュを擁したヴァンガードレーベル産の本作、このレーベルは地味だが通好みのサイケグループが多く、当ブログで取り上げた
エリザベス、サーティンファーストオブフェブュラリー、サードパワー、ノーツフロムジアンダーグラウンド、ファークライ、他に知られたものではエリック、サーカスマキシムス、フロスト、サーペントパワー辺りが思い浮かぶ。モロサイケな派手なグループはいないが実力派の好グループ揃い。
リスニングはボストン出身、いわゆるホスタウンサウンドの一派に属するグループ、当時まだ16歳、後にジャズシーンで活躍するギタリストピーター マリックの渋いギターワークに、サウンドの要となるマイケル チューディンのキーボードプレイ、渋いピアノ、雛びたハモンドにハープシコードも絡めた絶妙のアンサンブル、あのウィリー アレキサンダーが在籍していたボストン伝説のグループロストの出身ウォルター パワーズのベース、リードヴォーカルも担当するドラマーのアーニー カマニスの四人編成、リードヴォーカルはチューディンと分け合い、ハーモニーワークも抜群、モロサイケなギミックは少ないが、これぞ王道サイケ!
12 GENTLE GIANT / PLAYING THE
FOOL 89(CASTLE)ESSCD 006
英、プログレ、オリジナルリリースは76年9作目ライブ盤。
英五大プログレといえば、ピンクフロイド、イエス、ELP、キングクリムゾン、ジェネシスなのだが、10傑に拡大すると人それぞれなのだが、ジェントルジャイアント、VDGG、ムーディブルース、ソフトマシーン、キャラバン辺りか?キャメル、プロコルハルム、ニュークリアス、ヘンリーカウ、マイク オールドフィールド、コラシアム、ルネッサンス、カーブドエア、ジェスロタル、UKはどうなのよという声がありそう?プログレは疎いのでどうなんだろう?
イタリアンプログレの方が難しい?
さてジェントルジャイアント、ヴァーテイゴ、WWAからクリサリスへ移籍し、「フリーハンド」「インタビュー」に続いてリリースされたライブ盤でアナログは二枚組仕様。超絶技巧集団による演奏は難解複雑、マルチミュージシャン揃いで楽器を持ち替えての曲芸的パフォーマンスは圧巻、変拍子ビシバシ複雑なアンサンブルを楽々とこなす余裕綽々のステージングは動画で観たいグループ!
13 PATTI SMITH / TWELVE 07
(COLUMBIA)82876 87251 2 デジパック
米、ロック、SSW、11作目。
NYパンクの女王パティ スミスのカバーアルバム、題名通りの12曲、パンク上がりのパティだが、生年は46年だからロック第一世代に属するアーティスト、同世代のミュージシャンから、後続のミュージシャンまでパティがカバーしたい楽曲からなる興味深いカバー集。
ジミヘン、ティアーズフォーフェアーズ、ニール ヤング、ローリングストーンズ、ビートルズ、ジェフアーソンエアープレイン、ボブ ディラン、ポール サイモン、ドアーズ、ニルヴァーナ、オールマンブラザース、スティービー ワンダー、、、ビートニクスの作家と共にパティの胸を熱くしたロックミュージックの数々、これからも生涯ロックは聴き続けていくだろうという確信を持てたパティに感謝!
14 THURSTON MOORE / DEMOLISHED THOUGHTS 11(MATADOR)OLE 953 2 デジパック
米、オルタナ、サード作。
ご存知ソニックユースのフロントマン、米オルタナ界の重要人物サーストン ムーア、ユース以外にもコラボ作等、なんやかやリリースしてるので久々のソロ作になるが、そんな感じはしないのだが、既に6年前のアルバムで間にもう一枚リリースせれている、現行アーティストは熱心に追い掛けてないし、いつでも買えるという安心感からか後手に回してる。
さて本作はベックがプロデュースという事で話題、弾き語りを中心としたシンプルな編成でアシッドフォーク、フリーフォークといったカテゴリーに属するサウンド、2メートルの大男なんだけど繊細で華奢な風情あるところが好みなんだよね。
15 RAM JAM / THE VERY BEST
OF 90(CBS)467506
米、ハード、ロック、ベストコンピ盤全20曲。
ベスト盤の名目だが、77年ファースト「ラムジャム」と78年セカンド「ポートレイトオブジアーティストアズアヤングラム」の2イン1仕様盤。
「ブラックベティ」がヒットしたので我が国でも結構売れたみたいで国内アナログ盤は良く見掛けたアイテム、ラムジャムはバブルガム、ソフロシーンの人気グループレモンパイパーズのビル バーレット、
ビリー ジョエルが在籍していた事で知られるハッスルズのハワード アーサー フルーベルを中心に結成、ガレージ、サイケ時代を生き抜いたミュージシャンを意外なところで目にする事もある。
ブルースマグースのペピー カストロはバランス、アイズオブマーチのジム ペトロックはサバイバー、セイントスティーブン、フロントペイジレヴューのスティーブン カタルドはナーバスイーターズ、ビュアーガードのグレッグ セイジはワイパーズと思い付くまま記してみた。
さてラムジャム、プロデュースはレモンパイパーズゆかりのカセネッツ=カッツ、さすがはヒットメイカー、キャッチーなサウンドはお手のもの、大衆受けするハードロックブギー、ストーンズ、フェイセズタイプのバッドロックンロール、ザザンロック、Tレックスのパクリ?にヘビーメタルなナンバー、70ズハードロックのエッセンスが詰まった良盤ではあるが、77、78年といえばNWの全盛期、テレビジョン、トーキングヘッズ、
ペレウブ、スーサイド、クローム、レジデンツetc、前衛的なグループがガンガン出てきていたのでハードロックやラムジャムなど歯牙にもかけなかったけど全然間違ってはなかった。恐らく
ハードロック系に行ってたらこんなにロックに嵌まってなかったであろうと思う?
パート4

16 TIERE DER NACHT (夜の野獣)
/ ホット スタッフ 97(キヤプテントリップ)CTCD
073
17 TIERE DER NACHT (夜の野獣)
/ エヴァーグリーンズ 97(キヤプテントリップ)CTCD
069
独、アヴァンロック、オリジナルリリースは92年ファースト作と96年ライブ音源日本オンリー盤。
惜しくも閉館してしまった東京タワーの蝋人形館が主宰する蝋人形館レーベルの第一弾、社長はジャーマンロックコレクターで館にはマニアックな人形が展示してあり有名であった。
夜の野獣はグルグルのマニ ノイマイヤーとルイージ アルケッテイのユニットグループで、ファースト作にはジャーマンニューウェーブのブレッヒがゲスト参加。
マニの打楽器、ルイージの弦楽器を中心に緊張感ある濃密な空気感を生み出す、ライブ盤では更に緊迫感を増した超絶インプロバトルが味わえる。
ジャーマンロックの至宝ドラマーヤキ リーベツアイトも亡くなってしまった、マニさんにはこれからもガンガン叩き散らしてもらいたい!
18 アラーム / グレイテストヒッツライブ 01(テイチク)TECI24086
英、NW、再結成ライブ盤。
マイク ピータースを中心とする硬骨漢集団アラームの熱血ライブ!U2の系譜に連なる熱血NWのグループはフールズメイト誌、ニューズウェーブ誌とかでU2タイプと紹介され、ジョイデビジョンフォロワー
程ではないにせよ多数存在した。
サイレントランニング、バルタンファイアー、ボナパルト、ウェスタンプロミス、アンファンツetcと本家以外はぱっとしなかったが、音楽性が変容した後期シンプルマインズにこのアラームは成功した例であろう。本家U2は更にアメリカンルーツミュージックや、トレンドも巧みに吸収した音楽性で世界的バンドへと昇りつめていく。
アラームは初期の熱血スタイルを貫徹した頑固なグループ、それは現在のマイク ピータースの音楽にも貫かれている。無器用にしか生きれないミュージシャンにシンバシーを覚える、76年のスピリットを忘れるな!
米の熱血NW、レッドロッカーズ、ワイアートレインも印象深い、近年この辺語る事もないからどんどん記憶が薄れてる、やばい!

19 LES MILADY 'S / SUGARTOWN
99(DISGUES MERITE)22 2407
加、ソフロ、67-72ベストコンピ盤全25曲。
少し前にファースト作を取り上げたカナダケベック州のフレンチカナディアントリオレ ミラディス、目茶苦茶キュートなイエイエロリータポップス。タイトル曲のナンシー
シナトラ「シュガータウン」、ビートルズ「フールオンザヒル」、
サンドパイパーズ「グアンタメラ」、サイモン&ガーファンクル「フィーリングルービー」、ペトラ クラーク「アイクドントライブウイズアウトユアラブ」、フランス ギャル「ジャズアゴーゴー」、カバー主体の構成、フレンチポップイエイエ三人娘、フランス ギャル、シルビィ バルタン、シェイラが揃ったかの様な楽しさいっぱいのアルバム!

20 INCREDIBLE STRING BAND /
THE 5000 SPIRITS OR THE LAYERS OF THE ONION (HANNIBAL)HNCD 4438
英、サイケ、アシッドフォーク、オリジナルリリースは67年セカンド作。
本作は以前紹介済みのダブリ買い盤、しかも同じ規格盤ということで純正ダブリ盤。
クライブ パーマーが脱退しロビン ウィリアムソン、マイク ヘロンのデュオ体制となった新生インクレデビルストリングバンドの第一弾、時代を反映したサイケデリックなジャケはフールのシーモン&マールケ、プロデュースはジョン ボイド、フェアポートコンベンションのダニー トンプソンのベース、ジョン ホプキンスの
ピアノにリコリス嬢のヴォーカル参加のみとシンプルな編成。フォーク、トラッドをベースとした弾き語りに異国情緒溢れるストレンジな感覚、タブラ、シタールによるラーガ、サイケでヒッピーなスパイスは
常套手段、ジャケからも伺いしれるようにインド、東洋の死生感はかなりな影響を与えていたに違いない。ジョージ ハリスン、ドノヴァンのインド詣では有名、ロビン ウィリアムソンも若い頃、色んな処放浪したらしい!
21 ウェンディ ウォルドマン / ベスト オブ 97(ワーナー)WPCR1247
米、SSW、ポップス、73-78ベストコンピ盤全18曲、1曲再録、未発表デモ含む。
95年のブリンドル再結成盤は一部スキモノの間では大いに話題となった、カーラ ボノフ、アンドリュー ゴールド、ケニー エドワーズ(リンダ ロンシュタットのストーンポニーズ)、そしてウェンディ ウォルドマンと怱々たる面子による伝説のグループ、結局活動期間中はアルバムを残す事なく解散、メンバー個々の活躍を経て再結成に至る。そしてウェンディのベストアルバム、73年「ラブハズガットミー」74年「ジプシーシンフォニー」75年「ウェンディウォルドマン」76年「ザメインリフレイン」78年「ストレンジカンパニー」の5枚のアルバムからピックアップ。代々続く音楽一家に生まれたウェンディ、音楽的素養に恵まれたウェンディは学生時代にブリンドルの仲間や遊び仲間にグレン フライ、JD サウザー、そうロングブランチペニーウィッスルの二人、ジャクソン ブラウン、ライ クーダーといった音楽仲間との交流を経て音楽的才能を深めていく。かつての音楽仲間や一流セッションメンに混じってピーター アイヴァース!
当ブログでアルバムを紹介したスティーブ ファーガーソン
参加にテンションが高くなる。
先日ヴァレリー カーターが亡くなった、ジョン リンドとハウディムーンを結成していた、ウェンディを聴いていたら思い出した、合掌!
今週はレコ屋行かず。
WEEKLY LISTENING LIBRARY 322 0311-0317
1 ライフ / エクスパンデッド エディション 13(ディスクユニオン)DUSC 017 2CD
スウェーデン、ヘビーサイケ、プログレ、オリジナルリリースは70年唯一作の二枚組拡大盤。
スウェーデンロックを代表するアルバムの決定盤、一枚目にオリジナルのスウェーデン語ヴァージョンにボートラ3曲付き、二枚目に71年にリリースされた英語ヴァージョンを収録したコンプリート盤。
以前リリースされていたCDは英語ヴァージョンであったから、スウェーデン語ヴァージョンは初CD化とあってファンは是非押さえたいアイテム。
ジミヘンフォロワーの名グループキングジョージディスカバリーのギタリストアンデシュ ノルドとベースのポール サンドリンにドラムのトマス リュードベリで結成されたトリオ編成ライフの唯一作は、ジャケやグループ名からも伺いしれるように「生命」をテーマとしたコンセプト作。
プロデュースはトーゲスのアンデシュ ヘンリクソンでブリロックマニアにはクォーターマスを手掛けてる事で知られてる。そのクォーターマスを思わせるサウンドは当時スウェーデンで最もヘビーなグループといわれ、ビートルズの影響を受けたメロディアスなポップスとレッドツェッペリンのヘビーネスを融合したハードロックに、ビョルン イェーソン リンドがアレンジを担当したスウェーデン放送交響楽団のストリングスを導入したプログレシッブ、アートロック感覚をおもいっきりまぶした70ズ北欧ロック屈指の大名盤!
2 ELECTRIC FLAG / OLD GLOLY
95(COLUMBIA)CK 57629
米、ブラス、ロック、ベストコンピ盤全17曲。
68年「アロングタイムカミン」、69年「アンアメリカンミュージックバンド」からの編集に未発表曲、モンタレーポップでのライブ音源を収録。
ポールバターフィールドブルースバンドのマイケル ブルームフィールド、この後ジミヘンのバンドオブジプシーズに参加するバディ マイルス、ボブ ディランがプロデュースしたソロアルバムで知られるバリー ゴールドバーグ、フェビュラスラインストーンズに参加するハービー ブルックス、 ジョン シポリナとのコラボアルバムでも知られるニック グラビティスに三人のホーン奏者を含む8人編成の大所帯バンドエレクトリックフラッグ、ファーストアルバムを少し前に紹介済み。
アメリカンルーツミュージックにホーンセクションを導入した元祖ブラスロックといえるサウンド、腕利きミュージシャンによるダイナミックな演奏、ブルームフィールドの超絶ブルースギターが最高!
3 HARRY NILSSON / A TOUCH MORE SCHMILSSON IN THE NIGHT 88(BMG)PD 90251
米、SSW、ポップス、73年9作目「夜のシュミルソン」の続編。
「ニルソンシュミルソン」「シュミルソン二世」に続くシュミルソン三部作の最終作「夜のシュミルソン」の続編にあたる未発表音源集。
ニルソンといえば「うわさの男」「ウィズアウトユー」のヒットで知られるが、フレッド ニール、バッドフィンガーのカバー曲、自身のナンバーでは「ワン」をスリーナイトドッグが取り上げ大ヒット、シンガーとしてもSSWとしても極めて優秀なミュージシャンであった、出来れば自作曲による歌唱でのヒットがあったらと思う。
ランディ ニューマンのカバーアルバムをリリースしていたニルソンが、「夜のシュミルソン」ではスタンダードナンバー、オールディーズのヒットナンバーをカバー、本作はその時の別テイク、没トラックを纏めたもので、全編ゴードン ジェンキンスのオーケストレーションをフューチャーしたノスタルジックなサウンドに、ニルソンのシルキーなヴォーカルが夜の街灯の奥から立ち込めてくるようなスタンダード作品集!
4 STEVE JORDAN / THAT 'S MY
BOY ! 94 (EL GRITO)GCD 801
米、テックスメックス、オリジナルリリースは77年何作目かは不明。
ロックファンにスティーブ ジョーダンといえばローリングストーンズ関連のセッションドラマーが有名だが、もう一人アコーディオン界のジミヘンの異名を持つスティーブ ジョーダンこと、本名エステバン ホルダンはテックスメックス界のスーパースター、隻眼の伊達男。多数のアルバムをリリースしてるが、近年はなかなか見掛けない。20年程前、我が国で制作、CD化していたのがエルグリートレコード、江古田にあった中古レコード店クランが主宰したレーベル、一時期勤務地が西武池袋線にあった為、何度か訪れた事がある。商店街のはずれにある店舗は中古オーディオ機器が積み重なり、作業着、古着も扱われていたなかなかアナーキーな店でジョーダンにフラーコ ヒメネス、フレディ フェンダー、オーギー メイヤーズ等他店では滅多に見掛けないテックスメックス、ケイジャン系のアナログ、CDが大量に揃っていて壮観であった。
10年程前に店舗は閉店、店主の平野実さんは15年に亡くなられたとの事である。
先日、明大前にあったモダーンミュージックの店主生悦住英夫さんも亡くなられた。京王線沿線に住んでいた為、モダーンミュージックにはよく行ったものである。アングラな音源が処狭しと詰め込まれた宝の島のような場所であった。常連客と生悦住さんのマニアックな会話に耳を傾けてるだけでとても勉強になった。引きこもりでシャイな性格ゆえ、一度も話しかけた事がなかったし、今もブツを買ったらそそくさと店を後にするのみ、、、、
個人経営の本当に音楽が好きで好きで堪らない情熱的な店や店主の方が亡くなっていく、悲しい。
5 CAMEL / MOONMADNESS 02
(DECCA)8829312
英、プログレ、シンフォ、オリジナルリリースは76年4作目にボートラ5曲付。
前作「スノーグース」が高い評価を受け最高傑作の呼び声も高い、英プログレ史上に残るアルバムと絶讚されていたが、血気盛んな若僧には退屈すぎた、歌もないし、甘たるいし、いまいち分が悪かったキャメル、しかし、あれから30年近く、すっかり丸くなった男には実にしっくりくるんだよね、キャメルに限らずプログレ全般が。今でも苦手なジャンルはあるんだけど致し方ない。
さてキャメル、アンデイ ラティマー、ピーター バーデンス、アンデイ ワード、ダグ ファーガーソンと不動の布陣、英メジャープログレグループで4作目までメンバーチェンジが無いのはELP位か?尤もELPの場合チェンジしようがないが?
メンバー間のコンビネーションはばっちり、静動めりはり効いた演奏、ラティマーの流麗なギター、バーデンスのシンセも効果抜群、フルートにヴォーカルも良い味出してる、もっと甘々なイメージあったがそんな事はない、月の砂漠には駱駝だね?
次作からはキャラバン、ハットフイールズザノースのリチャード シンクレアが参加、ヴォーカルパートが一気に強化、CD揃えよう!
パート2
6 MEHRPOUYA / SOUL RAGA 12(PHARWAY SOUNDS)PHS 006CD 2CD
イラン、ラーガ、モンド、エキゾ、68-76二枚組コンピ盤全26曲。
1927年生まれ93年に没したシタール奏者アッバース メフハルプーヤーがリリースした一枚のLPとシングル盤を編集。
エコービンビンの靄の向こうに沸き立つシタールの響きにクールなバリトンヴォイスがエキゾチックな世界を現出する。イランに初めてインド音楽の要素を持ち込んだというメフルプーヤーは実に柔軟に欧米ポピュラー音楽、ファンクサウンドに、バッハの「トッカータとフーガ」の大胆な引用、クラシック、宗教音楽にラウンジミュージック、更に伝統的なペルシャ音楽までミクスチャーした刺激的な音世界は面白い!
7 FOSTER & LLOYD / FASTER &
LLOUDER 89(BMG)9587 2 R
米、オルタナ、カントリー、パワポ、セカンド作。
ラドニー フォスターとビル ロイドのデュオユニットフォスター&ロイド、三枚のアルバムを残して解散、其々ソロ活動に転じてる。ビルのソロは当ブログにて紹介済み。
ベス ニールセン チャプリン、マーシャル クレンショウ他、多数のミュージシャンが参加してるが、カントリーをベースとしたシンプル、明快なパワポサウンド、カナダのブルーロデオに通じるサウンド!
8 VIC CHESNUTT / SILVER LAKE
03(NEW WEST)NW 6044 デジパック
米、オルタナ、SSW、8作目。
車椅子のSSWヴィック チェスナット、孤高という名が相応しい現行アーティスト、10代の終わりに自動車事故で下半身不随に、車椅子生活を余儀なくされる。90年、REMのマイケル
スタイプの協力の下アルバムデビュー、以降コンスタントに活動するも09年クリスマスに自ら羽ばたいていってしまった。
人生の辛酸を舐めた枯れきったヴォーカル、歌う事でさえ救われなかった深い絶望とは何だったのだろうか?
深い孤独を抱える男には身につまされる、チェスナットのヴォーカルが切実に響いてくる。遅かれ早かれ、、、
9 SHOES / TWO ON ONE 04(HUNTER)HMR 15852
蘭、ビート、ポップス、オリジナルリリースは68年ファースト「ウィーザシューズパスト」と70年セカンド「レットザシューズシャインイン」の2イン1仕様盤。
シューズといえば米パワポバンドが有名だが、こっちのシューズはオランダのビートポップバンドで、当ブログでも紹介したダッチビート5枚組のBOXセットに4曲収録されている。活動歴は古く63年にシングルデビューしてる。
ダッチビートの雄アウトサイダーズ、Q65みたいなガレージ色は希薄でティーセット風のソフロビートタイプなのだが、我が国に吹き荒れたダッチブームの波には乗れず知られざるグループで終わった。ジャケの格好は野暮ったく60年代には見えず70年代風、ヴォーカルは結構ソウルフルでハードロックや色々対応出来そうだが、74年にスタジオ作、82年にライブ盤をリリースして解散?
ベスト盤CDの類いは色々リリースされてる。
10 BLIND FACE 01(POLYDOR)
314 531 818 2
英、ロック、ブルース、オリジナルリリースは69年唯一作。
クリームのエリック クラプトン、ジンジャー ベイカー、トラフイックのスティーヴ ウインウッド、ファミリーのリック
グレッチにより結成されたスーパーグループブラインド フェイスの唯一作、邦題は「スーパージャイアンツ」。
オリジナルジャケはロリータヌードジャケで有名、さすがに米国ではまずいのか、オリジナル盤の内ジャケのメンバーシヨットを表にした本ジャケに差し替えられた。アナログは英オリジナル盤?で所持してるので米ジャケ仕様盤のCDを入手。
クリームとトラフイックの合体、天才ギタリストエリック クラプトンと若き天才スティーヴ ウインウッド、二人の天才にベイカー、グレッチの凄腕によるスーパーグループの登場に大きな話題となり英米ナンバーワンの大ヒットとなる。
アルバムはクラプトンが1曲、ウインウッドが3曲、ベイカーが1曲、バディ ホリーのカバーで構成、ウインウッド色強いアルバムとなっている。69年といえばブルースブームも終息し、プログレ、ハードロックの台頭と革新的なロックグループが出現していた時期だけに、ブルースティストの旧態依然としたブラインドフェイスのサウンドはやや時代遅れか、私的にはこの地味な音が好みである。
クラプトン的にはハイドパークフェスでのデビューコンサート、その後のツアーでレパートリー不足によるクリーム時代の楽曲の演奏に盛り上がる聴衆に辟易、疲弊し、前座を務めていたデラニー&ボニーのレイドバックしたサウンドに強く惹かれていき合流、デレク&ドミノス結成へと向かっていき、ブラインドフェイスは僅か半年あまりの活動で解散となる。結局ドミノスも短命に終わり、グループ活動に限界を感じたのか、ソロに転じるもうまくいかずドラッグに溺れ廃人同様となってしまう。
レイドバックした米音楽へと傾倒していくクラプトンの最後のブリテイッシュロックアルバムといえるのが本作かもしれない。
パート3
11 ARMANDO TIRELLI / EL PROFETA 97(RECORD RUNNER)
RR0190
ウルグアイ、プログレ、シンフォ、オリジナルリリースは78年ファースト作。
ウルグアイロックといえばエドワルド マテオ関連エルキントやシグロ、ジェネシス、ホハス、オパスアルファ、デアスドブルース、リモナーダ、モンテビデオブルース等を当プログでは紹介してるが、サイケ系のグループが多い、その中で本作はウルグアイ随一のプログレ作というか、南米屈指のプログレ、シンフォアルバムとして昔から有名なアルバム!
原盤は激レア、そもそも南米ものは流通量の少なさや雑な保管等で絶対数が少いのでアナログ盤はレアなのだが、本作はペンダント付きであったというから、オリジナル盤は幻であろう。
セクステットエレクトロニコモデルノのメンバーとして活動していたアーマンド ティレリかリリースした初ソロアルバムは、レバノン出身のカリル ジブランの作品「プロフェット」を題材とした一大トータルアルバム!
ナレーションを交えたストーリー性のある展開、アーマンドのシンセ、キーボードが構築する叙情的でシンフォニックな世界、躍動感溢れるリズム隊、起伏にとんだドラマチックな展開は、リック ウエイクマンやイタリアンプログレを想起させるもので、スペイン語による憂いを帯びたヴォーカル、ツボを押さえたフルート、南米らしい叙情性とダイナミックな展開が堪らない南米屈指のシンフォニックプログレの傑作との評価も納得、満足の一枚!
12 RUSS TOLMAN & THE TOTEM POLEMAN / GOODBYE JOE
90(SKYCLAD)WEST 65CD
13 RUSS TOLMAN / CITY LIGHTS
98(BLUE ROSE)BLU CD 0047
米、オルタナ、SSW、サードと6作目。
ラス トールマンといっても殆ど知られてないと思うが、トゥルーウェストといえば熱心に米インデーズシーンを追いかけてた方はピンとくるのではないかな?ペイズリーアンダーグラウンドのグループとして、当時国内アナログ盤がリリースされていた。勿論ゲットしてる。ラス トールマンはトゥルーウェストのギタリスト、解散後はソロ活動に転じていてファースト、セカンドはアナログ盤で押さえてる。80年代後半はCDに切り替わりアナログ盤がリリースされなかったアルバムもあり、この辺から抜け落ちてるアルバムが多数あるし、見切ってしまったアーティストも多い。トールマンはお気に入りであったが、CDはあまり見掛ける事がなかった、先日、店頭に並ぶまでもない不良在庫処分セールにてゲット、まあそんなものであろう?
トゥルーウェストの鋼ヴォーカルケビン ブレアより好みのトールマンのヴォーカル、エリオット マーフィーの大名盤と同名のアルバムタイトル、おそらく影響を受けてるであろうマーフィー的なストリートロックサウンドが最高。6作目のフロデュースはラスにドリームシンジケートのスティーヴ ウィン、エンジニアはクリス ヴォン スナイダーン、ゲストにジョン ウェズリー ハーディン、
グリーンオンレッドのチャツク プロフェット等が参加。
こういう拾い物があるからジャンクセールも外せない?
14 C . O . M . A . 14(DESIRE)
DSR 064CD ペーパースリーブ
仏、NW、ポストパンク、オリジナルリリースは79年唯一作にボートラ3曲付。
本作のアナログはニューウェーブ系のアナログ盤をバカみたいに買い漁ってた頃に入手、とにかく変てこなブツを嗅覚のみでゲット、今でも詳細不明盤が沢山埋もれてる。CDリイシューによってその存在を思い出したり、ある程度の情報が得られる様になった。
単にコマと読んでいたグループはCLINIK ORGANIK MUZAK ANATOMIKの略であった。
ひきつるフレンチヴォーカル、ノイジーなギター、弾けるシンドラ、インダストリアルなシンセ、アヴァンギャルドなエレクトロニクス、アングラ臭ビンビンのカルトウェーブグループ、同国のメタルアーヴェインのエレクトロパンク、カスプロダクトのシンセポップを思わせるサウンドは革新的、これぞニューウェーブ!
この後、グループはダンスマカブルへと発展。
15 INCREDIBLE STRING BAND /
THE BIG HUGE 93(ELEKTRA)
7559 61548 2
英、アシッドフォーク、ロック、オリジナルリリースは68年4作目。
オリジナルは「ウィータム」とのカップリングの二枚組でリリースされたアルバム、後にバラしてのリリース、米盤は最初からバラでのリリースであった。
ロビン ウィリアムソンとマイク ヘロンのデュオユニット
インクレデヴィルストリングバンド、60年代英国のフォークグループで最も成功を収めたグループであった。本作では二人の恋人ローズとリコリスが参加、パーカッション、アイリッシュハープ、ヴォーカルを担当。
プロデュースはいつものジョー ボイド、ウィリアムソン作が6曲、ヘロン作が3曲の構成、ほぼ半々が通例であったが、「ウィータム」はどのような構成であろうか?二枚組盤のCDも所持してるが、毎度の事ながら直ぐに探しだせないので確認できない。
ウィリアムソン色の強いアシッドフォーク、エキゾチックフォークなサウンドが並ぶ、ギター弾き語りにシタール、ハモニカ、オルガン、ピアノ、ホイッスル、ヴァイオリン、1曲のみドラム、ゲスト参加も三曲のみ、非常にシンプルなスタイルながらも味わい深い楽曲が並ぶアシッドフォークファンにはマストな一枚!
16 レッドツェッペリン / 永遠の詩 (ワーナー)
AMCY2439-40 2CD 紙ジャケ
英、ロック、ハード、オリジナルリリース76年ライブ音源サントラ盤。
ZEPが当ブログに登場するのは初めて、というか、所謂大物アーティスト、定番といったものが殆ど登場しないマイナーブログ、聴きログスタイルなので昨今入手したブツの紹介ばかり、この辺はアナログ時代に殆ど押さえているので、当ブログに登場するのはこうしてCD押さえた時くらい。大物、定番は今後も無くなる事はないだろうし、聴いた事無いわけではないのでどんどん後回し、だってアーマッド ティレリなんて今後再発される保証なんて全くないし、大昔に再発されたものを中古で入手するしかない。まだまだマイナー盤発掘の旅は続く。というわけで今後も大物出てくる可能性は低い、まだまだ取り上げてないブツは段ボールの山に幾らでもあるしね?
さてZEP、映画のサントラとしてリリースされた本作、やはり映像の凄さは百聞は一見にしかず、身震いする程の格好良さだ、ライブバンドZEPの本領がここにあり!
パート4
17 PICCHIO DAL POZZO / CAMERE
ZIMMER ROOMS 01(CUNEIFORM)
RUNE 153
伊、プログレ、ジャズロック、77-80未発表デモ音源。
76年にファースト、80年にセカンドをリリースしたピッキオダルポッツオはイタリアンプログレ最後の煌めきともいえるグループ。ニュートロルスのヴィットリオ デ スカルツィの弟アルドー デ スカルツィを中心に結成。英カンタベリー、レコメン派とも呼応する緻密なジャズロックサウンドにアヴァンギャルド性とユーモア感覚を交えたユニークな存在。本作はスタジオライブ形式での録音、スタジオ作よりラフでダイナミック、フリーキーな演奏が生々しく、歌心あるヴォーカルも良い。
04年に再結成しアルバムリリース、未聴。
18 MARK LANEGAN / SCRAPS AT
MIDNIGHT 98(SUB POP)SPCD 419
デジパック
米、オルタナ、SSW、セカンド作。
スクリーミングツリーズのヴォーカルマーク ラネガン、ソロに転じてからは、ヤニ臭いヴォーカルと陰鬱なサウンドで人気、一般的には元ベルセバのイザベル キャンドル嬢とのユニットでの方がうけは良いかもしれない。
J マスシスが参加しているのが目を引く。
19 COAL PORTERS / THE GRAM
PARSONS TRIBUTE CONCERT 98
(PRIMA)SID 010
米、オルタナカントリー、ライブ音源。
98年9月19日ロンドンでのグラム パーソンズのトリビュートコンサートの音源。インターナジョナルサブマリンバンド、バーズ、フライングブリトーバンドに参加し、カントリーロックの始祖といわれたグラム パーソンズの信奉者として知られるロングライダーズのシド グリフィンを中心に結成されたのがコールポーターズ、パーソンズの楽曲、所縁のナンバーで占められた愛情溢れるトリビュート盤。パーソンズの伝記も著したパーソンズ研究の第一人者がグリフィン!
20 OCTOBER COUNTRY 03
(REV OLA)CR REV 51
米、ソフロ、ハーモニーポップス、オリジナルリリースは68年唯一作にボートラ6曲付。
ジェファーソンエアプレインの大成功により、女性メンバーをメインにしたグループが多数出現した、ラブエクスチェンジ、ラブジェネレーション、エタニティーズチルドレン、グローウィンコンサーン、ソルトウォータータフィー、とこのまま20、30と続けられる程、枚挙に暇がない、構成上ソフロ系のグループが多いのだが、オクトーバーカントリーはジョー&カリル デ フランカの兄妹(姉弟)を中心とした6人組、まずこのアルバムを語る上で外せないのが、プロデューサー、コンポーザーのマイケル ロイド、
サイケ定番グループとして定着した感のあるウェストコーストポップアートエクスペリメンタルバンドのメンバーで脱退後に関わったのが本作、プロデューサー、アレンジャーやコンポーザーと裏方としての才能にも長けたロイドはマイク カーブに見出だされ、若くしてMGMレコードの副社長に抜擢され、カーブの片腕としてオズモンズ、ショーン キャシデイ、ニューシーカーズ等多数のアーティストを手掛け、ピンクレディの米進出盤のプロデュースも手掛けてる。更にアーティストとしては本作と同年にスモーク、70年代にフレンズ、コットンロイドクリスチャンにソロとしてAOR畑で活躍、ソロアルバム2枚は当時邦盤もリリースされてるので、この辺はAORの定番アーティストとして認識されていると思う。
さて本作、サージェントペッパーシンドロームなきらびやかなサイケポップ、可憐なヴォーカル、めりはり効いた男女ツイリード、爽やかなハーモニー、サンシャインポップの王道をいくもの、ソフロファンにオススメの一枚!
ロイドは同年本作から2曲を流用?し、スモークのアルバムを完成させリリース、こちらはサイケポップファンに人気のアイテム!
21 MR BIG / BITTER STREETS 11(SOUNDFACTOR)SFACCD004
デジパック
英、ハード、モダーンロック、5作目?
デイッケンことジェフ ペインを中心に結成されたミスタービッグの復活アルバム、デビュー時はクィーンに続くグループとして宣伝された、米国からはエンジェル、スターズ、レックス、パイパーがカナダからはティーズ、モキシー辺り?の新人グループがメディアのプッシユを受けていたと思う。ビッグインジャパンの二番煎じを狙ったわけだが、結果的にはジャパン、チープトリックが次のビッグインジャパンな座に着いた。
ミスタービッグはツインドラムの本格派ハードロックバンドとしてデビューしたのたが、そのサウンドは英国モダーンロックの系譜に属するもので、グラム、ハード、キャッチーなメロディーにコーラス、デイッケンの哀愁ある泣き声ヴォーカルが良い味出していた70年代の二枚のアルバムは人気盤、是非CD再発乞う。
78年お蔵入りサード、83~90年にレコーディングされた曲を編集した96年「バーニングブリッジ」
に続く復活アルバム、本作はデイッケンのソロ的色彩の濃い内容で、オリジナルでは二人いたドラマーもデイッケンが担当、殆どは打ち込み主体、のっけから哀愁バラッドの内省的で落ち着いた内容の英国ロック、枯れた泣き声ヴォーカルも良い、名曲「恋するロミオ」のセルフカバー有り、バンド体制での新作も聴きたい!
今週は35枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY 323 0318-0324
1 TOWNES VAN ZANDT / LEGEND
03(SNAPPER)SNAD 541CD 2CD
米、フォーク、SSW、カントリー、二枚組ベストコンピ盤、ボートラとしてウィリー ネルソン、フレディ フェンダー、エミルー ハリス、キミー ローズ、ダグ サーム、キャシー マティアとのデュエットを収録。
テキサス出身のSSWタウンズ ヴァン サント、酒とドラッグに溺れ、治療の後遺症の為、子供時代の記憶を亡くし、旅と巡業の放浪生活、ホーボーシンガーとしてザントは活動する。
68年にアルバムデビュー、年1作のペースでアルバムをリリースするも全く売れず73年にはレーベル閉鎖もあり、人知れぬ隠屯生活に入るが、80年代に入りエミルー ハリス、ドン ウィリアムス、ウィリー ネルソン、マール ハガードがカバーした楽曲がカントリーチャートでヒットを記録し、再評価の機運が高まり、87年と94年にはアルバムリリース、更にその影響はオルタナ世代にも伝わり、あのカーディガンズがジョン プラインと並んでリスペクトを表明したのには吃驚した記憶がある。そんな追い風があったものの酒とドラッグにまみれた生活から抜け出せず身体は蝕まれていた。97年手術の際の心不全の為死去、享年52歳。
伝説となったSSWタウンズ ヴァン ザントは全く無名であろう、我が国でリリースされたのは活動休止中にリリースされたライブ盤のみで知る人ぞ知る存在であったし、テキサス出身のシンガーという事でレッドネック派としてガイ
クラークと並んで紹介される事が多かった
のもマイナス要素?我が国ではカントリー系は人 気無いからね、実際ザントはカントリー色は強くない、深く落ち込んでいく内省的な音世界に死生感を感じる詩世界はアシッドフォークに通じるものがある。
2 DAVIDE SPITALERI / UOMO IRREGOLARE (MELLOW)MMP 261
伊、プログレ、カンタトウーレ、オリジナルリリースは80年セカンド作。
二枚の傑作アルバムを残したメタモルフォシのヴォーカルダヴィデ スビタレリがリリースしたセカンド作、マウロ パガーニが全面参加してるのも話題、時代故、カンタトウーレの意匠に基づいたサウンドで、メタモルフォシ時代はかなり癖のある歌唱で独自な世界観を築いていたが、ここでは伸びのある高音を生かした唱法でうた心に溢れたカンタトウーレな世界を展開、しかし、そこはプログレな世界を生きてきた強者バック陣、プログレッシブな匂いがそこかしこに漂ってる。
何とメタモルフォシは04年に復活サード、そして昨年4作目にあたるアルバムをリリースしてる!
3 I GIGANTI / MILLE IDEE DEI
GIGANTI (ON SALE)52 OSM 048
伊、ロック、オリジナルリリースは69年セカンド作にボートラ7曲付。
サード作にあたるコンセプト作「犯罪の唄」がイタリアンプログレを代表する一枚として評価されてるジガンティ、60年代半ばよりビート、ラプロックグループとして活動、本作はジャケからも伺われる様にサイケデリックな装いのビートポップといった趣き、年代からみればやや古くさいサウンドなのだが、次作で一気に突き抜けるのだから面白い。
4 BARBARA MANNING / UNDER
ONE ROOF SINGLES AND ODDITIES 00(INNERSTATE)7009
米、オルタナ、インディ、SSW、シングル、未発表コンピ盤全18曲。
無名の女性SSWバーバラ マニング、成功とは程遠い存在だが、その才能には瞠目せざるを得ない、何より女性では珍しい音楽マニアという処にシンパシーを感じる。ニュージーランドインディシーンにはまり、現地に赴き、クリン、トップドワーフス、バッツ、ヴェルレーヌスのメンバーが参加したアルバムを録音、バーバラを知る切っ掛けとなったスチュワート モックスハムとのコラボ作と興味深いアルバムをリリース。
更に28スデイズ、ワールドオブプー、SFシールズ、
ゴーラッキーズといったグループでも活動、この辺は全く追いきれてない。
多彩な活動で全容は全く掴めないし、プツ自体を殆ど見掛けないのがネック。オルタナ、ロウファイ、ギタポ、インディーズの魅力が詰まった音楽は面白い!
5 FABRIZIO DE ANDRE / LE NUVOLE 90(FONIT CETRA)CDL 260
伊、カンタトウーレ、14作目。
イタリアンカンタトウーレの巨匠ファブリッツオデアンドレの代表作「雲」という題で、前作「地中海への道程」と共に国内盤がリリースされていた。コンピ盤の類いがやたらリリースされていて、よく見掛けるので多作とのイメージがあったが、実際はそうでもない16枚程、10枚位は入手済みなので全部集めよう!
さて本作、多分前に取り上げた気がするが記事見つからず、ジャケが特殊仕様なので入手。前作に続いてマウロ パガーニがプロデュース、コンポーズ、演奏と全面的に参加して前作の延長線上にある地中海音楽の真髄が聴ける。パガーニが弾くブズーキの旋律に地中海の青い空に浮かぶ雲を思い浮かべる。
この後、二枚組のライブ盤、96年最終作となるスタジオ作、97年本人選曲となるベスト盤を残し99年に没してる。
パート2
6 TRAFIC SOUND (LION)CD LION
7661 ペーパースリーブ
ペルー、ガレージ、サイケ、オリジナルリリースは68年ファースト作のデフジャケ再発、ボートラ7曲付。
ラゴニア、ウイオールトウゲーザー、テレグラフアヴェニュー、タルカス、パックス、マッズと好グループばかりなのだが、最高峰と云えるのがトラフィックサウンド。
本作は「アバリアーアゴーゴー」というタイトルでリリースされたトラフィックサウンドのファーストアルバムと位置付けられてるが、シングルを編集した6曲入りのミニアルバムで必ずしもグループの本質を捉えてるとは言い難い初期コンピ盤的アルバム。
全て英米ロックのカバーで英詞によるGS的なヴァージョン、クリーム、アイアンバタフライ、アニマルズ、
ジミヘン、ラスカルズの楽曲でガレージ、GS的なサウンドでこれといった特色は無い。
本領を発揮するのはオリジナルナンバーで固められた次作の「ヴァージン」で南米サイケ屈指の名盤となってる。
「アバリアーアゴーゴー」とボートラも一緒なのでお持ちの方は不要、但しライオンならではの丁寧立派なブックレットは魅力有り!
7 STEVE BARON QUARTET / THE
MOTHER OF US ALL (FALLOUT)
FOCD 2067
米、フォークロック、オリジナルリリースは69年唯一作。
原盤はテトラグラマトンレーベル、ディープパープルの1、2枚目をリリースしていた事で知られているが、私的にはマーレィ ローマン、エルシ ウェインバーグ、クワートレイン、ビフ ローズ、スイートサースディ、トム ゲント、サマーヒル等のアナログを入手した事で馴染み深い。本作のアナログはよく見掛けたが押さえてない。
大体カルテット付くのってジャズ系でしょう?てな感じでスルーしてたけど、今回入手。
ジャズ系というのは的外れではなく、グリニッチビレッジで活動していたSSWスティーブ バロンがジャズ系ミュージシャンと結成したのが本グループ、バロンの端正な弾き語りをベースにジャージーな味付けをしたフォークロック。ティム ハーディンをかなりフォーク寄りにしたサウンドといった感じ。これは拾いものの一枚!
バロンは73年にソロ名義でパラマウントよりアルバムリリース!
8 MARSHMALLOW OVERCOAT / 26
GHOSTS 05(TIMOTTY GASSEN)
ID1233113 DVD 付
米、ネオサイケ、ガレージ、86-05ベストコンピ盤全26曲にDVD付。
カルトネオサイケデリックバンドマシュマロオーバーコート、米本国ならず英欧州でも高い人気を誇るグループ、各国から色々リリースされていてよく分からない状態なのでベスト盤は助かる。
今回動画を初めて観たがヴォーカルが結構太っててイメージダウン、サウンドは本格的なサイケデリックサウンドで格好良し!
連綿と続くアングラサイケシーンの系譜に連なるグループで、所謂サイケデリックリバイバル、ペイズリーアンダーグラウンドシーンとの関わりは不明、その流れを横目に自らのガレージ、サイケ道を追究していた感あり、DVDにはガレージでの演奏シーンも収録、壁にはレコ棚、コレクターとしては内容が気になる。オリジナルサイケ、ガレージバンドの音源聴きこんだろうな!
単純にロックの初期衝動に突き動かされた先にあったのがそれらのサウンドであったのであろう。ロック第一世代のミュージシャンの先にあったのが、先日亡くなったチャック ベリーのロックンロールであった様に、ガキの頃に慣れ親しんだ音楽の影響は大きい!
9 CHRIS WHITLEY / HOTEL VAST
HORIZON 03(MESSENGER)MSGR 14
米、ロック、ブルース、SSW、7作目?
癌に犯され痩せ細ったクリス ウィートリィのジャケ写が痛々しい、ウィートリィのギタ、バンジョー、
ヴォーカル、ヘイコ シュラムのベース、マティアス マシェットのドラムというシンプルな編成で02年12月16-22日にレコーディングされたもの。
枯れた味わいのブルージーなSSW作、命を削ってとか、心血注いでとか、そんな悲壮感は無い、極自然に音楽を奏でる事がウィートリィの日常なのであろう!
最期まで自身の音楽を奏でたウィートリィは05年に死去、あの世でも音楽を奏でる日常は変わらないであろう!
10 FINCH AND HENSON / FREE
AND EASY 98(ONE WORD ENTERTAINMENT)WOND 116
南アフリカ、SSW、ポップデュオ、77-80ベストコンピ盤全15曲。
南アフリカを代表するロックグループフリーダムズチルドレン、アブストラクトトウルースにも参加していたという、ブライアン フィンチとケン E ヘンソンのデュオユニットのベストコンピ盤。76年から80年にかけて年一枚のペースで4枚のアルバムをリリース、南ア盤とあって見掛けた事がない。フィンチは74年にソロアルバム、グループ解散以降もソロとして現在も活動中。
AOR風爽やかなナンバー、ライトなレゲエビートのサマーブリーズナンバー、プログレッシブな感覚も漂うモダーンロック、耳障りの良いシティポップ、実力派らしい洗練された楽曲か並ぶ、知られざるポップデュオのベスト!
パート3
11 WATERFALL / COMIN' DOWN
11(BIG PINK)160 ペーパースリーブ
英、アシッドフォーク、オリジナルリリースは76年自主制作唯一作。
原盤は4トラック録音100枚のみという激レアアイテム、まさしく幻の一枚。
ウォーターフォールといえば世界中に幾つか存在するが、同時期に同じく英国に存在したラビリンス本でお馴染みのグループが思い浮かぶ、今回再発されるまでは、混同されてたみたいだが、別のグループっぽい、メンバーの名が違う。女性メンバー一人含む四人編成、女性は1曲しかリードを取ってないのが勿体ないのだが、あまり上手くない男性ヴォーカルとのデュオで彩りを添えている。男性ヴォーカルがいまいちなのでもっとリードを取れば良いと思うのだが、こっちも魅力薄なんだよね、この手のグループとしてはヴォーカルの魅力に乏しいのが残念、その辺は個人の好みなので何とも言えないが、サウンドは繊細で情緒に充ちたブリテイッシュフォークで申し分は無い。
ともあれレアものフォークマニアは要チェックのアイテム!
12 PAVLOV 'S DOG / HAS ANYONE HERE SEEN SIGFRIED ?
07(ROCKVILE)21258
米、プログレ、モダーンロック、77年録音サード作蔵出し音源に75-77ライブ、未発表音源のボートラ10曲付。
本作は今までに少なくとも4アイテムリリースされてるが、オリジナル通りの曲順での収録、充実したボートラからいってもマストな一枚であろう!
70年代に二枚のアルバムをリリースしたパブロフスドッグ、ビル ブラッフオードが参加したセカンド作は当時邦盤アナログがリリースされ話題となった、何といってもデビッド サーカンプの個性的なハイトーンヴォーカルとシュールでデカダンでプログレッシブなモダーンロックサウンドが魅力。特にファースト作は傑作!
本作はセントルイスハウンズ名義でリリースされた自主制作盤がオリジナル。セカンド作のポップ性を押し進めた内容でかなり聴きやすい、その分灰汁が抜けすぎて往年のファンには物足りないのは否めない。ジェフ バクスター、エリオット ランドールがゲスト参加してるのは注目。その代わりボートラがばっちり、音質も申し分なく名曲「ジュリア」「シーケームシャイニング」のライブ音源が最高!
13 GIANT SAND / RAMP 91(ROUGH TRADE)R2763
14 GIANT SAND / GLUM 94
(IMAGO)72787 21037 2 ペーパースリーブ
米、オルタナ、インディ、7作目と11作目。
先に取り上げたマシュマロオーバーコートと同郷のアリゾナ州ツーソンの顔役、デザートロックの雄がジャイアントサンド、とにかく多作で30枚近いアルバムをリリースしている
砂漠のルー リードの異名を取るハウ ゲルブ、
キャレシスコの二人ジョン コベンディーノ、ジョー バーンズにポーラ ブラウンの四人で11作目も同じメンバーで充実期の作品。7作目のプロデュースはゲルブ自身、ゲスト参加でベテランのパピー アレン、ヴィクトリア ウイリアムス参加が目を引く、
11作目のプロデュースはマルコム バーン、ゲストに
先の二人が参加、更にピーター ホルサッブル、クリス カカバス、スーザン カウシル、リサ ジェルマノ等が参加。
ルー的スポークンヴォーカルにバーストするギター、ジャージーなピアノのアクセント、ドブロ、バンジョーによるアーシーなティスト、ヴィクトリア嬢のキュートなヴォーカル、味わい深いサウンドが荒涼たる砂漠に渡る一陣の風の様に染みわたる。
15 カリ ブレムネス / ムーンストーン 97(オーマガトキ)OMCX1016 デジパック
ノルウェー、SSW、ポップス、7作目。
知的なクールビューティ、エレガントな女性シンガーというイメージのブレムネスは自国の画家ムンクをモチーフとした93年の「別離」が知られてる。
本作は1曲のみ、ベット ミドラーの「ローズ」のノルウェー語カバーを除いてブレムネス作のナンバーで占められてる。北欧らしい冷やかな澄んだ空気感が伝わってくる好作!
16 KIM FOWLEY / AUTOMATIC
(SECRET)339007
米、ロック、グラム、オリジナルリリースは74年8作目。
50年代末よりコンポーザー、プロデューサーとして活動、ミュージシャンとしても30枚近いアルバムをリリースしてる米音楽界のフィクサー的存在のキム フォウリー、70年代までのフォウリーのアナログは押さえてたつもりだったが、本作が抜け落ちてた、ここはアナログもゲットしたいが、本作はあまり見掛けない。
参加ミュージシャン等のクレジットが無く詳細は不明だが、時代を反映してかグラム調のバッドロックンロールが並ぶ、チープなキーボード、やさぐれたキムのヴォーカルがマッチしていて格好よかったりする。
リー ヘイゼルウッドのアングラ版的存在といったところか?いまいち概要が掴めないので分かりにくいアーティストではあるが、面白い存在!
パート4
17 マティア バザール / 1 89(キング)
260E 52068
伊、ロック、ポップス、オリジナルリリースは75年ファースト作。
イタリアンポップスシーンで最も有名なグループがマティアバザール、我が国でも83年「愛のブルートレイン」がCMに使用され話題に、更に86年「失われた島」もCMに使用、収録された国内アナログ盤は中古レコ屋の常連アイテムで良く見掛けた。しかし、初期のアナログ盤はあまり見掛ける事が無く、結局入手には至らなかった。マティアバザールが注目されたのはあのムゼオローゼンバッハの後身グループであったから、実際はムゼオのドラマージャンカルロ ゴルツィにジェットのギターカルロ マッラーレ、ベースのアルド ステッリータ、キーボードのピエロ カッサーノというから凄すぎ、レコード会社が女性シンガーアントネッラ ルッジェーロを売り出す為に集めたメンバー達で結成したのがマティアバザール、腕利きメンバー揃い、アントネッラの魅力的なヴォーカルを盛り立てる演奏はお手のもの、ポップなナンバーからプログレッシブな楽曲も難なくこなした。もし、強力な男性ヴォーカリストをあてがわれていたら、物凄いハードロックバンドが生まれていたかもしれないがたらればの話は止めよう。
18 KEEF HARTLEY / LANCASHIRE
HUSTLER 04(WALHALLA)WH90339
英、ロック、オリジナルリリースは73年7作目。
アートウッズ、ジョン メイオール&ブルースブレイカーズを経た名ドラマーキーフ ハートレイが結成したキーフハートレイバンドはミラー アンダーソン、ゲィリー タインといった優れたミュージシャンが在籍していたグループ、本作はハートレイのソロ名義でリリースしたアルバム。ヴォーカルにジェス ローデン、ギターにジュニア カー、ベースにフィリップ チェン、キーボードにミック ウェーバーといった怱々たる面子にヴィネーガージョーのロバート パーマー、エルキー ブルックス、ピート ゲイジ等が参加。
オープニングからローデン、パーマー、ブルックスの名ヴォーカリストの絡みにゾクゾクする。ホーンセクションがうねる豪快なナンバー、ブルース、スワンプフィーリング溢れる渋いサウンドに英国らしい叙情的な枯れたナンバー、ズシリと締めるハートレイのドラム、バンド時代を踏襲したアルバム、何といってもローデンのヴォーカル、ジェス ローデンファンは外せないアイテム!
19 DION 94(RIGIT STUFF)
T2 29667
米、SSW、オリジナルリリースは68年8作目?
名ホワイトドウワップグループディオン&ざベルモンツを率いて50年代末にデビュー、大ヒットを飛ばしてアイドルに60年代初頭にはソロに転じR&B、ブルーアイドソウルシンガーとして多数のアルバムをリリース、本作は心機一転、セルフタイトルによる再デビューアルバムでSSWとして最初のアルバム。といっても自作曲は3曲のみで残りはカバーナンバー、ジミヘン「パープルヘイズ」、ディランの「トウモロウイズアロングタイム」からフレッド ニールの「噂の男」のメドレー、フレッド ニールはもう一曲「ドルフィンズ」、ジョニ ミッチェル「青春の光と影」、レナード コーエン「シフターズオブマーシー」と好みのナンバーが並ぶ堪らない内容、偉大なる100人のシンガーに選出されたディオンのヴォーカル、まだ30前のディオンの味わい深いヴォーカルが沁みる。オールディズのディオンには興味無いが、SSW時代のディオンは良いね!
20 V.A / AMBITION VOLUMES 1 & 2
97(CHERY RED)CD BRED 140 2CD
英、米、ロック、NW、79-91レーベルコンピ盤二枚組全47曲。
チェリーレッドといえばネオアコ、ギタポ、所謂NW系の代表的レーベルなのだが、初期に於いては大手からはそっぽを向かれた愛すべきアーティストや米国の新進アーティストの作品もディストリビュートしていた。本作はマーク ボラン、ロバート ワイアット、モーガン フイッシャー、ケビン コインに米勢デストロイオールモンスターズ、ランナウェイズ、デッドケネディーズにNW系のフェルト関連、アイレスインギャザ関連、インエンブレイス、シアーズ、モノクロームセット、EBTG関連、パッセイジ、ケビン ヘイウイック、ファンタステイックサムシング、ナイチンゲールズ、マット ジョンソン、アンデイ パートリッジ、メディムメディム、ジェーン、レッドボックス、ブロウアップ、
更にホルガー ヒラー、レイバッハにHMSバウンテイといったところまでお馴染みのラインナップが並ぶ、一つだけクエンティン クリスプという見馴れないアーティストがと思ったらホモセクシュアルな役者さんであった、どうりてしゃべくり、女装ジャケのアナログ盤は見掛けた事有り。
21 JONATHAN RICHMAN / BECAUSE HER BEAUTY IS RAY AND
WILD 08(VAPOR)2 453180 ペーパースリーブ
米、ロック、27作目?
多作なジョナリッチ、いつの間にか未入手のアルバムが数枚リリースされていて、どうなっているのか全く把握出来てないという有り様、見掛けてもどうせ直ぐには売れないだろうと放置プレイしてる間にどっかに行ってしまうというパターン、今回は数合わせでゲット、しかし、聴けば良いんだよね、いつものジョナリッチ印で間違い無し、ドラマーのトミー ラーキンスとのジョイント、殆どが一発録りのリラックスした内容、モダーンラバーズ時代のセルフカバー「オールドワールド」、レナード コーエンの「ヒアイットイズ」のカバー有り。
ヴェルベッツの追っかけをしていた若かりしジョナリッチ、マックスカンサスシティのライヴも観たのであろうか?
22 VELVET UNDERGROUND / LIVE
AT MAX ' S KANSAS CITY 15(RHINO)081227950736 ペーパースリーブ
米、ロック、オリジナルリリースは72年ライブ盤の改訂版。
本作は決定版ともいえる二枚組のデラックスエディション盤を入手して安心?していたのだが、最新リマスター盤とあって思わず入手。ヴェルベッツファンとしてはつい押さえたくなる。
元々はルーの友人が観客席で録音した70年8月23日NYのライブハウスマックスカンザスシティでのテープ音源、半世紀近く前のテープなんだけど、随分音質が向上してる。デラエネ盤はどうだったか覚えてない?が、コテリオンのアナログ盤より数段アップしてるのは間違いない、デラエネ盤より二曲少ないのは致し方ないが、ゲイトフォールドの紙ジャケ仕様も嬉しい。
ルー リード脱退直前のライブとして有名でスターリング モリソン、ダグ ユールにドラムがダグの弟ビルという布陣、ドラムがバワーアップしてます。ルー的には演奏に不満で脱退の要因となったパフォーマンスであるが、悪くはない、アナログ時代は音質もあり精彩を欠くライブ、記録として留めておく位のコレクターズアイテムとしての認識で繰り返し聴く事はなかったが今回はリピート、アナログより倍以上のヴォリューム、寝る前に二度聴いて、目覚めて聴く、4時間近くも聴いた事になるが、麻薬の様なサウンド、私的トリップサウンドがここにある!
今週は11枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY 324 0325-0331
1 MILESTONES / EMIGRATION 02
(THINK PROGRESSIVE)TPCD 1 907 256
オーストリア、フォークロック、オリジナルリリースは73年セカンド最終作にボートラ12曲付。
マーキーのジャーマンロック集成に掲載され気になってたアイテム、いつの間にかCD化されていた、しかも15年前、新譜もののチェックはしない中古専門の貧乏コレクターなのでタイムラグが甚だしい、しかし、今では入手困難なアイテムがひょっこり見付かるから中古屋巡りは止められない。
マイルストーンズはオーストリア出身のグループでドイツのレーベルからアルバムをリリースした女性メンバーを含む5人編成、男女混声によるフォークロック、アナログ盤では片面丸々費やした19分以上の大曲の存在がプログレファンの心を掴んだのであろう、クラシカルなフォークプログレサウンドでルネッサンスにも通じる世界。
幽玄なドリーミーフォーク、清涼感溢れるフォークロック、軽快なソフロサウンド、ドイツ語ではあるが、あまりゴツゴツした感じは受けず英国フォークに通じるものでその筋のファンにもオススメ出来る。確かファーストもCD化されてるので入手したい!
2 O TERCO / MUDANCA DE TEMPO
(EMI)864365 2
ブラジル、プログレ、オリジナルリリースは78年サード作。
ブラジルプログレを代表するオ テルソは現在も活動するベテラングループで、フラビオ ベントリーニ、ヴィニシアス カンタトゥーリアも在籍していた事でも知られている。
本作はフラビオ脱退後のアルバム。フラビオは弟のクラウジオ等と14BISを結成。
南米らしいラテフレイバーとメロディアスでライトなクロスオーバー風プログレサウンドで実に軽快、明朗極まりなくて申し分無いのだろうが、暗くて重いサウンド好みの根暗男には今一つ?
3 WALKER BROTHERS / AFTER THE
LIGHTS GO OUT 90(FONTANA)
842 831 2
英、ビート、ロック、65-67ベストコンピ盤全22曲。
スコット エンゲル、ジョン マウス、ゲィリー リーズ、
全員がウォーカーの芸名を名乗った三人組でアメリカ出身、渡英し結成したのがウォーカーブラザーズ、スコットは本名名義でアルバムデビューしていたティーンネイジアイドルであった。その王子チックなルックスで我が国ではビートルズ以上の人気を誇るアイドルグループ、本作は60年代に残した三枚のアルバムからピックアップされたベスト盤。
「心に秘めた想い」「孤独の太陽」「太陽はもう輝かない」といった代表曲は収録されてるが、「ダンス天国」は無し。最後に日本でのインタビュー収録、日本での人気が伺われる。
現在、孤高のSSWとして独自の世界に到達したスコット ウォーカー、この稀代のカルトシンガーの原点としてウォーカーブラザーズは外せないグループ!
4 FRANK BLACK / THE BLACK SESSIONS - LIVE IN PARIS - 95
(ANOISE ANNOYS)ANAN CD 7
米、オルタナ、グランジ、94年パリでのライブ盤。
ピクシーズのフロントマンブラック フランシスは93年のピクシーズ解散後フランク ブラック名義でソロ活動に転じ、カソリックスを率いてのアルバムリリース、ブラック フランシス名義でもアルバムリリース、SSWのリード
ペイリーとのペイリー&フランシス、12年にピクシーズ再結成と精力的に活動、アルバムを多数リリースしていてフォローしきれない状況。
本作はセカンドアルバムリリース後のツアーのライブ録音、本家?の4ADからリリースされてる黒ケース版のデフジャケ仕様盤、黒盤は持っていたし、二枚組のアナログ盤もあった様な気がすると相変わらずのバカ買い、どんどんブツに侵食され部屋が狭くなってるというのに考えて買えよという話だが、、、
本作にはジョーイ サンチャゴが参加したフランクのキッチンでDAT録音されたトラックが2曲収録されてるが黒盤に収録されていたかは不明。
この人の不気味な存在感は独自のオーラ発揮していて最高、ルックスは最低だけど?
5 KEVIN COYNE / DYNAMITE DAZE 90(VIRGIN)CDV 2096
英、ロック、SSW、オリジナルリリースは78年7作目。
激渋ブルースロックバンドサイレンを率いたケビン コイン、グループ解散後はソロに転じ、ダンデライオンから一枚、ヴァージンに移籍して80年までに11枚のアルバムをリリースし、チェリーレッドに移籍、その後ドイツのレーベルから地道にアルバムリリース、04年に没するまで40枚以上のアルバムをリリースしてる。正直全作追いきれてない状況だが、チェリーレッド時代までは押さえているし、ヴァージン時代がコインの全盛期であろう。
本作はコインとギタリストのボブ ワードとのプロデュース、前作に続きズート マネーが参加、アンディ サマーズはポリス結成で不参加、代わりにワードが参加、他にショワデイワデイのベースアル ジェイムス、アランボウンセットのドラムヴイック
スウィーニー、他にポール ウイッケンス、ティム ライスが参加。燻し銀ミュージシャンが参加してコインの海水てうがいを続けた様な悪声ダミ声ヴォーカルを盛りたてる。こういう不器用にしか生きれない頑固一徹の職人気質のミュージシャンに惹かれる!
パート2
6 EL SHALOM / FROST 01
(GARDEN OF DELIGHTS)CD 055
独、プログレ、シンフォ、オリジナルリリースは76年唯一作にボートラ4曲付。
オープニングはややどたばたしたいかにもクラウトロック的なぎくしゃく感に肩透かしを喰らうが、徐々に哀愁のオルガン、キーボード、ストリングスシンセにツインリード、メロウなフルート、あまり上手くないが語りかけてくる独語ヴォーカル、終盤にかけてどんどん琴線に触れてくるスルメ的な味わいに充ちた好盤、ジャケの雰囲気もあいまってカルトな一枚として心に残る作品、良いね!
7 V. A / NIGHT TIME MUSIC 03
(REV OLA)CR REV 38
米、ソフロ、ハーモニーポップ、67-68レーベルコンピ盤全20曲。
トーケンズが主宰するBTパピーレーベルのコンピ盤、トーケンズの様なソフロ、ハーモニーポップなグループばかりなのだが、ほぼシングルリリースのみで終わった無名グループばかり。同じくレヴオラよりリリースされてるカンタベリーミュージックフェスティバルにサイケファンにはお馴染みのマジックシップが知られてるくらいか?
サンディトトレイン、シーン、アグリードッグス、マーゴマーゴメドレス&シーゲル、アマンダ アンブローズ、ロックガーデン、ランディ&ザレインボウス、スティプルピープル、ボブ マランダ、ビバリー ウォーレン、ロリポップツリーといった面々、この辺も掘ればドンドン出てきそう!
8 SCRUFFS / ANGST THE EARLY
RECORDINGS 1974 - 1976 97(NOTHERN HEIGHTS)NHM 40210
米、パワポ、初期未発表音源集全24曲。
77年のデビューアルバムは全く売れず埋もれてしまったスクラフスだが、パワーポップ再評価の機運に乗って浮上、ガイドブックの常連、今や大定番アイテムとしてパワポファンにはマストなアイテム!
お蔵入りとなってたセカンドの蔵出し、更に再結成しアルバムリリース、来日公演と盛り上がったスクラフスの初期音源集。
このスクラフス再評価の切っ掛けとなったのが、同郷のビッグスターのアレックス チルトン、一足早く再評価されたチルトンがシューシヤインのオーナーフランシス マクドナルドに送ったスクラフスのテープを気に入ったフランシスがCD化した事が起因となっている。本作には同郷のヴァン デューレン、トミー ホーエンが参加、このメンフィス音楽シーンの繋がりは興味深い。
ラズベリーズ、ビッグスター直系のパワーポップサウンドにガレージ、パンクティストにスティーヴン バーンズのメロディーメーカーとしての抜群なセンスが詰め込まれたナイスコンピ!
9 セルジュ ゲーンスブール / 囚われ者
88(フォノグラム)32PD434
仏、ロック、ポップス、18作目?最終作。
91年に没したゲーンスブールのスタジオ録音最終作となったアルバム、79年「フライトゥジャマイカ」81年「星からの悪い知らせ」でのレゲエビートから、84年前作の「ラブオンザビート」ではファンクビートを大胆に導入し、ヒップポップシーンにも目配せし、前作の延長線上にある本作、更に次作ではグランジサウンドが念頭にあったというから、最期まで貪欲な親爺であった。
あのボリス ヴィアンの後継者としてサンジェルマンデプレの帝王として、シャンソンのアンダーグラウンドシーンを歩み、常にスキャンダラスでデカダンでエロテイックなダンディズムを貫いたゲーンスブールの生きざまは格好良かったし、強烈なロック魂を感じる。
20年生まれで39歳で没したヴィアン、29年生まれで49歳で没したブレル、28年生まれで62歳で没したゲーンスブール、マイフレンチ三大ヒーロー!
10 VODKA COLLINS / TOKYO NEW
YORK 98(MAN'S RUIN)MRI 36CD
日、米、グラム、オリジナルリリースは73年ファースト作。
ジャズシンガーヘレン メリルの息子アラン メリルのヴォーカル、ギターとテンプターズの大口広司のドラム、ベースのタケ横内によって結成されたウォッカコリンズのファースト、ゲストとして先頃亡くなってしまったムッシューかまやつ、加藤和彦がバックグラウンドヴォーカルで参加。
シングルカットされた日本語の楽曲を含むチープでルーズなバッドロックンロール、ブギーは彼等がリスペクトしたストーンズ、キース リチャーズに通じるものでなかなかに痛快だが、本場のグラムロックの如何わしさ、妖しさに及ばないのは致し方ない。
アランはこの後、渡英しアロウズを結成、ロックンロールクラシックスの「アイラブロックンロール」を生む!
パート3
11 POLIFEMO / POLIFEMO Ⅱ 99
(CONDORS CAVE)C's C 333
アルゼンチン、プログレ、ロック、オリジナルリリースは77年セカンド作にボートラ2曲付。
単眼の巨人ポリフェモスをグループ名に冠したポリフェモの強烈ジャケのファーストとコンピ盤は当ブログで紹介済み、これまた強烈リアルな目玉ジャケのセカンド、目玉ジャケに外れ無しというが、米サイケの二大目玉ジャケにサーテンスにフリークシーンがあるが、南米二大目玉ジャケはポリフェモの二枚で決まりか?なんてどうでもいいことはさておき、ポリフェモはパポズブルース、
カラーヒュマーノ、ペスカドラビオソを経たアルゼンチンロック界屈指のギタリストデビッド リーボン、カラーヒュマーノ、スイヒネリスのベースヒナルド ハファネリ、スイヒネリスのドラムファン ホドリゲスというスーパートリオ編成に、本作ではロスガトスのキーボードチロ フォグリアータが参加。
アルゼンチンロック界歴戦の強者か参加したテクニカルで懐の深い高い音楽性は南米ロックの真髄といえる。特にヨーロッパ系移民の末裔多いアルゼンチンは中世欧州の陰影を強く感じさせ、私的にグッとくるアーティストが多い、ギラギラ南米ラテン全開のサウンドは苦手なので、、、
この後、リーボンはスイヒネリスのチャーリー ガルシア、アラスのペドロ アスナール、カラーヒュマーノのオスカー モロとスーパーグループセル ヒランを結成、南米トラッド、フォークロア色を強めた国民的グループとして高い人気を誇る。
12 DAVID LEBON (MICROFON)
2 478894
アルゼンチン、ロック、SSW、オリジナルリリースは73年ファースト作。
前掲ポリフェモのフロントマンデビッド リーボンがペスカドラビオソ在籍時にリリースしたファーストソロ作、ジャケからも窺われる様にアイドルロッカー路線?を打ち出したソロアルバム、歌こころ溢れるギタープレイにやや甲高い甘酸っぱいヴォーカル、ハードロック、アコースティックなしっとりしたSSWナンバー、グラムロッキンなブギー、インストアーバンブルースとリーボンのソングライティングセンス溢れる好作。サポートメンバーとして腕を磨いたリーボンの才気爆発するのがポリフェモ、前哨の肩慣らし的作品と捉えられるのもやむ無しかな?
13 COPELAND / YOU ARE MY
SUNSHINE 08(TOUCH & NAIL)
5 09924 207522 DVD付 BOX入り
米、エモ、ポストロック、4作目。
繊細で儚い中世的なヴォーカル、美メロ満載の流麗なサウンド、透明感溢れる音世界 、霞みかかった春山の美しさと長閑さを感じる今の時季にぴったりの一枚!
DVDは映像付きのイマジネーション溢れるコープランドの美意識がダイレクトに伝わってくる優れもの!
14 CHAD & JEREMY / THE ARK
06(SUNDAZED)SC 6227
英、サイケ、ソフロ、オリジナルリリースは68年7作目最終作にボートラ3曲付。
邦題の「ノアの方舟」からも分かる様にコンセプト作で前作の「キャベツと王様」と並んでサイケ、ソフロファンにも人気のアルバム。プロデュースは前作に続いてゲィリー アッシャー、ミレニウム、サジタリアスも手掛けた、この手のサウンドのオーソリティ、めくるめく多彩なサウンドプロダクション、シタール、タブラによるラーガ風味、SE、テープコラージュ、68年という時代に相応しいサイケギミック満載のドリーミーサイケの名盤!
初CD化された邦盤に続く2アイテム目だが、国内紙ジャケはボートラ内容違いの4曲入り、入手するか?
15 ロリー ギャラガー / ライヴインアイルランド
96(TDKコア)TDCN5603
16 ロリー ギャラガー / ディフェンダー 88
(テイチク)28CP 7
アイルランド、ロック、ブルース、オリジナルリリースは74年6作目と88年15作目。
熱血ブルースギタリストロリー ギャラガーの真骨頂、72年リリースの「ライヴインヨーロッパ」に続く、はやくも二枚目となるライヴ盤の登場、いかにギャラガーのライヴが高い評価を受け、熱望されていたかが分かる。地元アイルランドのツアーをパックしたもので映画監督のトニー パーマーがドキュメント映画を撮影しており、20代半ばギャラガー渾身のステージングの姿も観る事が出来る。
メンバーはベースのブルース マッカヴォイにキリングフロアーのドラムロッド デ アスとキーボードのルー マーティンという布陣、ブルースロックはかくあるべきという魂の籠った熱演、魂の奥底がじわじわ来る熱さこそロック!
「ディフェンダー」は前作より6年振り、意外にもエルビス コステロのディーモンレーベルからのリリース、意外と書いたがコステロの趣味性の強いレーベルだからこそともいえる。
ギャラガーが突如時代に即したニューウェーブになるわけもなく、変わらぬブルース魂を感じる音楽、しかし、時代的には取り残された音楽であった、95年に47歳で没してる、もう少し長生きしてくれてたらと思う。
パート4
17 PHILIP JOHN LEWIN / DIAMOND LOVE AND OTHER REALITIES 11(BIG PINK)150
ペーパースリーブ
米、SSW、オリジナルリリースは76年セカンド作。
自主制作でリリースされたファースト作は当ブログで紹介済みのフィリップ ジョン ルウィンのセカンドはバンド編成でのリリースで、トニ ホイランドという女性シンガーを加えたスタイルでジョン&ビヴァリー
マーティンにも通じる音世界、バンドを思わせるアーシーでスワンピーなフォークロック、ブルージーでアーバンな雰囲気も漂うアンサンブル、サイケデリックな陰りあるもやっとした音像が妖しいフィーリングを醸すジャケの雰囲気にぴたりの好盤!
18 マイケル ケリー ブランチャード / クウェイル
11(VIVID)VSCD2344 紙ジャケ
米、フォーク、SSW、オリジナルリリースは77年セカンド作にボートラ2曲付。
73年に妻グレタとのデュオユニットでアルバムデビュー、本作もグレタは参加しており裏ジャケにツーショットが記載されてる。
米フォークの夫妻デュオというとサーペントパワーのデビッド&ティナ メルツアーが思い浮かぶ。本作のプロデュースはPPMのノエル ポール ストーキー、ピアノ、ギターの弾き語りをベースとしたシンプルな楽曲、ライトなジャズボッサナンバー、二人のヴォーカルが生み出す清廉な世界、管弦楽器が生み出す幻想的なインスト、シンプルながら味わい深い世界、寄り添うように飛翔する鳥ジャケも素敵な好盤!
19 ジェーン バーキン / 思い出のロックンローラー
99(ユニバーサル)PHCA2021
仏、英、フレンチポップ、オリジナルリリースは78年サード作。
ジェーン バーキンの存在を強烈に意識したアルバム、もちろん「ジュテーム」といったキラーナンバーがあったのだが、私的には本作のタイトル曲「思い出のロックンローラー」、60年代のロックイコンが歌いこまれた麗しのナンバー、シャドウズ、バーズ、ドアーズ、アニマルズ、ムーディブルース、ポール マッカートニー、ジョージ ハリソン、リンゴ
スター、ジョン レノン、ブライアン ジョーンズ、ジム
モリソン、エディ コクラン、バディ ホリー、ジミ ヘンドリックス、オーティス レディング、ジャニス ジョプリン、T レックス、エルビス プレスリー、愛しのロックンローラー、グループ名がゾクゾクするセルジュ
ゲーンズブルのソングライティングが見事、ドラマの主題歌に起用されバーキンブーム?の発端となった「無造作紳士」、ラストの「メロメロメロディ」の言葉遊びもユニーク、バーキンの舌足らずのロリータヴォイス、小悪魔的な魅力を最大限に引き出したゲーンズブル面目躍如の名盤!
20 HOLGER CZUKAY / ROME
REMAINS ROME / DER OSTEN IS ROT 87(VIRGIN)CDV 2408
独、プログレ、オリジナルは84年リリース4作目と87年リリース5作目のカップリング仕様。
4作目「ロームリメインズローム」と5作目の「ダーオステンイストロット」から3曲カットした編集盤、何故か20分位余らせた解せない収録で、全部収まるんでないの?という不満たらたら、というわけで5作目は単体でCD入手したい。もちろんアナログ盤はゲット済み。
4作目はカンのヤキ リーベツアイトにミヒャエル カローリ、ジャー ウォーブルが参加。5作目には盟友ヤキにコニー プランクが参加。
異国情緒たっぷりの女性ヴォーカルに独特の浮遊感あるシューカイの音響サウンドにリーベツアイトのドラム、ウォーブルのベースが生むグルーブが癖になる最強トライアングル。偏執狂的なサウンドに突き抜けたポップ感は正に天才の為せる技、独逸音楽魔術師舟海翁最高!
21 スモールフェイセス / オグデンズナットゴーンフレイク
00(ビクター)VICP61143 円形紙ジャケ
英、サイケ、ビート、オリジナルリリースは68年4作目。
何アイテム目になるのだろうか?英オリジナルアナログ盤にキャッスルの再発アナログ盤、ボートラ大量付きのCD、缶入り、缶入り三枚組に本作のストレイトリイシュー盤と六枚目?
煙草ケースを模した円形特殊ジャケ盤は見掛けたらついゲットしたくなる魅力的なもので、ジャケだけでもコレクターマストアイテムなのだが、そのサウンドも英サイケを代表するアルバム!
フェイセズ、ハンプルパイといったグループへと発展していくスモールフェイセズは英モッズビートシーンで真のモッズバンドと云われた本格派のモッズR&Bサウンドは66年のファースト作、オリジナルナンバーで固められた67年のサード、そしてサージェントペッパーシンドロームの影響を受けてリリースした本作はコンセプトアルバムでもあった。アナログA面にあたる前半部はサイケデリックなギミック満載の凝った音作りのヘビーなサウンドは実に刺激的、名曲「レイジーサンディ」までの豪華なプロローグといった感じで一気に突き抜ける。アナログB面にあたる後半部は曲間をナレーションで繋ぐストーリー性の高いプログレッシブなロックオペラで、トラッド臭も漂うロニー色が濃厚なのも嬉しい、正直ナレーションがやや鬱陶しいのは否めないのは当方の語学力不足のせいで理解出来れば面白いのだろう?
本作はオリジナルスモールフェイセズの最後のアルバムとなり、スティーブ マリオットが脱退、ハードのピーター フランプトンとハンブルパイを結成、残されたメンバーは幻のスーパーグループクワイエットメロンのセッションを経て元ジェフベックグループのロッド スチュワート、ロン ウッドと合流、新生スモールフェイセズ結成へと向かうのだが、デカ顔?の二人の加入よりスモールフェイセズと名乗るには矛盾があったのか、又は心機一転か、フェイセズ名義で活動、どちらも英ロックシーンの重要グループとして成功!
今週はレコ屋行かず!
WEEKLY LISTENING LIBRARY 325 0401-0407
1 LA MAQUINA DEL SONIDO
08(MARCA REGISTRADA)
メキシコ、ガレージ、サイケ、オリジナルリリースは70年唯一作にボートラ6曲付。
ヴォーカルのアーマンド モリーナを中心に結成された5人編成ラマッキーナデルソニード、このジャケからも窺われる様にフリークアウトしたアングラ臭ビンビンのガレージサイケサウンドが強烈、まずアーマンドの
スペイン語ダミ声ヴォーカルが胡散臭い、時折唸るファズギター、チープなオルガン、ズンドコ突き進むリズム隊、時に本格的なブルースもぶちかます、ガチャガチャ猥雑な雰囲気も良い。アイアンバタフライ「インアガダダビダ」、アニマルズ「悲しき願い」のカバー有り、更にシングルを収録したボートラでは「僕のサンドーズ」をカバー、ヴォーカルスタイルといい、アニマルズの影響を感じる。他にドアーズ「ピーポルアストレンジ」、グラスルーツで有名な「今日を生きよう」、アーサーブラウン「ファイアー」、スピリット「アイゴットアラインオンユー」をスペイン語でカバー。
アナログ盤起こしで元々の盤が粗悪なのか、スクラッチノイズバリバリなのだが、このサウンドでは全く気にならない、むしろリアルで良し!
2 RESIDENTS / PRESENT THE THIRD REICH ' N ' ROLL 93(INDIGO)INDIGO 2123 2 デジパック
米、アヴァンロック、オリジナルリリースは76年セカンド作。
レジデンツで最初に入手したのは「エスキモー」、いきなり極北的アルバムから触れたので、本作などは聴きやすいポップなアルバムとの感想であった。
40年以上の活動歴を誇るのにいまだに正体不明という謎のグループ、チリウィリー&ザレッドホットペッパーズのギタリストフィル リスマンがスネークフィンガー名義で参加していた事は知られてる。一般的には目玉の被り物の変態音楽集団って位の認識だろうが、それで充分のレジデンツ。「第三帝国のロックンロール」という邦題が示す様にジャケのイメージといいナチスドイツをモチーフとしてるのかもしれないが、音楽的には関係が無い、本作はロックンロールやR&Bのヒット曲をズダボロにしレジデンツ流に再構築した痛快作、サンプリングがなかった時代にカット&メソッドな発想、恐れ入る、さすがマルチメディアの鬼子レジデンツ!
3 LOU REED / METAL MACHINE
MUSIC 00(BUDDHA)74465 99752 2
米、ロック、ノイズ、オリジナルリリースは75年5作目。
ルー リード最大の問題作と云われる本作、確かに二枚組LP全編ノイズのみで構成されたアルバムは何だこれとお手上げ状態であった。長じてノイズミュージックなるものを拾い食いしてみると凡白の垂れ流しノイズよりは数倍はまし、寧ろギターのみであのサウンドを構築したのは革新的。後に本人は失敗作と認めて謝罪?したみたいだが、ノイズミュージックなんぞ、右の耳から左の耳に素通りして脳内に一切残らないといったもので失敗も成功も無いといったら身も蓋も無いかもしれないがそんなものであろう?
ジョン ケイル主導のヴェルベッツ「シスターレイ」への高まる評価に対するアンチ、ルーからすればノイズミュージックなんぞ、簡単に出来るし、前作「サリーキャントダンス」で売らんが為のポップなサウンドを押し付けられたレーベルに対する腹いせだったのかもしれない。
4 DEUTSCH AMERIKANISCHE
FREUNDSCHAFT / DIE KLEINEN UND
DIE BOSEN 90(MUTE)CDSTUMM 1
独、NW、アヴァンロック、オリジナルリリースは80年セカンド作。
DAFを初めて耳にしたのはスネークマンショーの桑原茂一のFMラジオであったと思う、ドイッチェアメリカニッチェフレインシャフトと長たらしく覚えにくいグループ名と斬新なサウンドは深く記憶に残った。ジャーマンNWノイェドイチェビレの代表グループとして有名なDAFの出世作となったのが本作、 モスクワオリンピックの表彰台をモチーフとしたジャケも印象的、ガビ デルガト、ロバート
ゴール、ウルフガング スペルマンズ、クリス ハースの4人体制時代のアルバム、プロデュースはコニー
プランク、アナログではA面にあたる前半部はスタジオ録音、B面はライブ録音で構成。
エレクトロボディビートなデュオDAFとは違いアヴァンギャルドなエレクトロパンクで格好良し、ライブでのテンション高いガビのヴォーカル、アグレッシブな演奏、この時期の音源はもっと残ってないのだろうか?
脱退したハースはリエゾンダンジュールス、スペルマンズはマウマウを結成、ノイェドイチェビレの重要アルバムをリリースする!
パート2
5 LOUNGE LIZARDS (EG)EEGCD 8
米、NW、ジャズ、オリジナルリリースは81年ファースト作。
NWシーンを這いずり回った三匹の蜥蜴、フライングリズーズにこのラウンジリザーズ、そして我が国のリザード、何れも強烈な個性を発した重要グループばかり。ラウンジリザーズはサックスのジョン、キーボードのエヴァンのルーリー兄弟に
ギターにDNAのアート リンゼイ、ドラムにフィリーズのアントン フィア、ベースのスティーブ ピッコロと最強布陣、プロデュースはマイルス ディビスを手掛けた巨匠テオ マセロが手掛けてるというのだからジャズファンには驚きであろう。フィアのロックなドラム、リンゼイのノンチューニングのノイジーなギター、ジャズのイデオムから大きく逸脱したサウンドはフェイクジャズと揶揄されたが、本格的なジャズなんぞは畏れ多くて聴いた事が無い自分には、こういった紛い物がピッタリで実にしっくりくる、肩肘張らずにほんと下らねえ、最低と悪態付けるのが良い。ジャズには百年早いロック野郎にはもってこい。
案の定、ルーリー兄弟以外は馘?となり、以降は普通のジャズ、フュージョングループへと堕落?し面白味無し。リンゼイ、フィアのその後の活躍は衆知の事。実はスティーブ ピッコロは80年代に少なくとも二枚のソロアルバムをリリースしてる、これが私的ツボ突きまくりのアヴァンポップの名作、乞CD化!
6 ヴァンダーグラフジェネレーター / ワールドレコード
05(東芝EMI)VJCP68763 紙ジャケ
英、プログレ、オリジナルリリースは76年7作目にボートラ2曲付。
本作は以前、輸入CD盤を取り上げてるが、国内紙ジャケ盤とあって入手。ヴァンダーグラフジェネレーター名義での最後のアルバム。前作「スティルライフ」より僅か半年というインターバルで届けられたハミルの創作意欲爆発した渾身のアルバム。パンクロック前夜の不穏な空気を感じとったのか、ギターを掻きむしり激しく咆哮するハミル、負けじと応酬するガイ エヴァンス、ヒュー バントン、デビッド ジャクソンの面々。元祖パンクロックシンガーハミルのヴォーカルは神々しい、英プログレグループの中で私的ナンバーワンヴォーカリスト!
7 PETER HAMMILL / MODERN REVISITED CDR
英、プログレ、モダーンロック、ブート盤。
VDGGのピーター ハミルのライブブート盤、78年10月日ロンドンレインボウ公演を収録。
VDGG、ハミル関連のブート盤は多数リリースされており、きりがない状態なのだが、よせばいいのに見掛けたらつい入手してしまう。ブートなので玉石混淆様々なのだが、結論からいえば駄目盤、なにしろ音質が劣悪、後半の「モダーン」「スティルライフ」「アフターワーズ」怒濤の三連発が凄い、内容はハミル印で間違いないが、何せ音質が、、、同公演の質の良いブート、他に出てそうだし、既に押さえてるかもしれない、CDは箱収納あっちこっちに四散してるので確認が無理。
8 スペンサーディヴィスグループ / セカンドアルバム
06(ユニバーサル)UICY93174 紙ジャケ
英、ビート、ロック、オリジナルリリースは66年セカンド作にボートラ8曲付。
天才少年スティーブ ウィンウットが兄のマフと在籍していたグループ。その後、ブラインドフェイス、トラフイック、ソロと英国随一のブルーアイドソウルシンガーとして確固たる地位を築くウィンウッドの原点。その黒い本格的なヴォーカルはスモールフェイセズのスティーブ マリオット、ラブアフェアーのスティーブ
エリスと共に三大スティーブとも称された。
本作収録のナンバーワンヒットとなった「キープオンランニング」に「我が心のジョージア」のスティーブのドス黒いヴォーカルはとても10代とは思えない本格的なもので、米国のボックストップスのアレックス チルトンと並ぶ天才少年ぶり、チルトンは何故か長じてヘロヘロの情けないヴォーカルに変貌してるが、それも味?
パート3
9 ソフトマシーン / 4 91(ソニー)ESCA5417
英、プログレ、ジャズロック、オリジナルリリースは71年4作目。
私的にソフトマシーンってサードまでって認識でアナログ盤もサードまでと他に二枚位しか所持していない、ジャズにインスト苦手なロック野郎としてはそんなていたらく、CDはやたら安価で落っこちてるし、発掘盤の類いのブツも沢山出てるからね。
前作サードは二枚組の大作だが、各メンバーのナンバーを各面に配したソロ作の合体みたいなアルバムであった。本作は前作に続きCBSからリリースされ、セルフプロデュース、メンバーはロバート
ワイアット、ヒュー ホッパー、エルトン ディーン、マイク
ラトリッジにゲストとしてロイ バビントン、マーク
チャリグ、ニック エヴァンス、ジミー ヘイスティングス、
アラン スキッドモアが参加とこの面子からも伺われる様にジャズ色が強いというかジャズそのもの、ラトリッジにディーンが各1曲、残りはホッパー作、ワイアットナンバーは無し、見事なドラミングできっちり仕事はこなしてる。残念ながらヴォーカルパートも無くなった完全ジャズインスト作、緊張感溢れる演奏はスリリングで結構聴ける。
ワイアットは本作で脱退、マッチングモールを結成、二枚の傑作アルバムをリリース、自分にはこの路線が合ってるのは云うまでもない。
10 JACKIE O MATHERFUCKER / FIG 5 04(ATPFETIVAL)ATPRCD 11
デジパック
11 JACKIE O MATHERFUCKER / CHENGE 02(TEXTILE)996555
デジパック
米、フリーフォーク、アヴァンロック、オリジナルリリースは00年ファースト作とサード作?を連聴。
トム グリーンウッドを中心とする即興音楽集団ファースト作には12人のメンバークレジット、サード作は8人とメンバーはかなり流動的で多数の使用楽器が記載されてる。
トラディショナルナンバーのカバーを含む、サイケ、フォーク、ジャズ、サントラ映画音楽、ノイズミュージックに即興演奏をベースとしたフリーキーな演奏が繰り広げられるが決して難解なものではなく、開放感に充ちたサウンドはフリーフォークの先駆け的グループと評価されてる。
サード作は別ジャケで国内盤リリース有り、所期の代表作。
12 エリック ジャスティン カズ / イフユアロンリー
98(ワーナー)AMCY2581
米、フォーク、SSW、オリジナルリリースは72年ファースト作。
ワーナーの名盤探険隊シリーズの一枚、当然選出されてしかるべきアルバム、アナログ時代からSSWファンにはマストなアイテムで、アナログ盤買い漁ってた時代に入手した時は嬉しかったものである。ハッピー&アーティ トウラムと結成したベアーのアルバムを入手した時は悦に入ったし、後期ブルースマグースに参加していたことしているのを知った時には驚いたものである。
本作のプロデュースはマイケル カスカーナ、ストリングアレンジはエミール デオダート、リッチー ディビス、グレディ ティト、チャック レィニー、ラルフ マクドナルドとジャズ系ミュージシャンが参加しているのはレーベルの意向との事。ボニー レイット、トレーシー ネルソン、ダイアン デヴィッドソンと女性ミュージシャンの参加はカズの意向だろう?
美しいタイトル曲はじめ全編カズのソングライティングが光る名曲揃い、ソファーに寝転んで耳を傾けるに最適、春眠暁を覚えず、良い夢見れそう?
13 NICK DRAKE / RIVER MAN
04 (ISLAND)CID 871 CDEP
英、フォーク、SSW、シングル盤。
ニック ドレイクが残した三枚のアルバムは今や定番アイテムとしてすっかり認知された感があるが、生前、そして死後10数年間は全く評価される事がなかったが、NW以降ポール
ウェラー、ドリームアカデミー、ネオアコ、ギタポ系アーティスト、フリーフォークブームにより一挙に再評価の機運が高まり、アルバムのCD化、発掘音源、トリビュートアルバムのリリース、幾度となく再発されカタログから抜ける事のない定番アイテムとして定着。何がそこまで、このニック ドレイクというアーティストが多くの人を惹き付けるのか?若くして没した悲劇性も勿論だが、何よりも楽曲の魅力に尽きるのではないか、このシングル盤「リバーマン」を一聴すれば瞭然であろう。ファーストアルバムに収録された代表曲にノラ ジョーンズをフューチャーしたチャーリーハンターカルテットによる「デイイズドーン」のカバーにティム ポープによる「リバーマン」のビデオクリップが収録されたシングル盤でコレクターズアイテム!