1 JACK TREESE/MAITRO THE TRUFFLE MAN 74(SARAVAH)SH10046 LP
仏、米、SSW、仏オリジナル盤4作目、サラバでの二枚目。サラバからの一作目は割りと見掛けるが、本作は結構レアかも?
米出身SSW、ギター、バンジョーの弾き語りを中心に味のあるヴォーカルを聴かせるジャック ツリーズ、本作のバック陣にはスポイルズオブウォー、モルモスのジム クオーモ、アコーディオンの名手リシャール ガリアーノ、サラバの同僚ピエール アケンデング、ナナ ヴァスコンセロス等が参加。A面はバンジョー、B面はギターの弾き語り、ペーソス溢れるヴォーカルにもの悲しい弦の響き、サラバ以外のアルバムも欲しい!
2 MAGAZINE/PLAY.+ 09(VIRGIN)CDVX2184 2CD
英、NW、ライブ音源二枚組拡大盤。一枚目は80年9月6日メルボルン、二枚目は78年7月21日マンチェスター、全21曲内11曲が未発表音源。
三枚目のアルバムリリース後、ジョン マクガフ脱退後、ギタリストにウルトラヴォックスのロビン サイモンを迎えての豪メルボルンでのライブと、マクガフ在籍時の初期ライブ音源が貴重。
実力者揃いでライブ演奏にも高い評価を得ていたマガジン、NWシーン最高峰のギタリストの一人、マクガフ、この後、スージー&ザバンシーズ、アーモリーショウ、PILのメンバーとして活躍するも04年に他界。マクガフに負けじとロビン サイモンも刺激的なフレーズを繰り出してる。多彩なマガジンサウンドの色となるのがディヴ フォーミュラの変態キーボード、後にニック ケイヴのバッドシーズの一員として大活躍するバリー アダムソンの黒っぽいベース、両生類的なねちねちヴォーカルでハワード デヴォートが歌う、英国の退廃的な空気が立ち込めるマガジンの音世界は格別!
3 JAPAN/OBSCURE ALTERNATIVES 04(BMG)82876 566942 デジパック
英、NW、オリジナルリリースは78年セカンド作にボートラ4曲、ビデオトラック1曲付。
一作毎に目覚ましい進歩を遂げた驚異のグループジャパン、最終作「錻力の太鼓」はNWシーンが生んだ大傑作として高い評価を得てる。アリオラハンザ時代の初期ニ作は、デビッド シルビアンが封印したい過去として否定してるアルバムだが、もちろん酷い作品という事は無く、グラマラスでクールなホワイトファンクアルバムとして完成度は高い、レゲエビートを導入した「ローデシア」、後期ジャパンを彷彿とさせるアンビエントなインスト「愛の住人」は、デビッド ボウイ「ロウ」の影響を強く感じる、「サバーバンベルリン」というナンバーもある。大好きなアルバム!
ボートラはレアな12EP「ライブインジャパン」を収録、80年代初めには既にレアであまり見掛けなかった記憶がある。
4 SAM GOPAL/FATHER MUCKER 99(GSP)GSPCD001
英、サイケ、30年振りのセカンド作。
69年にリリースしたファースト「エスカレーター」はモーターヘッドのレミーが在籍していた事でも知られてるサイケファンに人気の一枚、オリジナルアナログはスタブルレーベル、デヴィアンツのセカンド、NSU、ジャクリンの4枚のアルバムをリリースしたのみのレーベルでコレクターズアイテムとしても人気。
バンド名でもあるサム ゴパルはマレーシア出身のドラマー、本作ではタブラ、パーカッション、ギターをプレイ、ゴパルの瞑想的なタブラにコズミックなエレクトロニクスがヒュルヒュル絡む、メデイテイションラーガインストサイケ!
WEEKLY LISTENING LIBRARY233 2015.0606-0612
パート2

5 CHRIS RAINBOW/WHITE TRAILS 93(センチュリー)CECC00499
英、モダーンロック、オリジナルリリースは79年サード最終作。
一人ビーチボーイズとも称されるイギリスのビーチボーイズフォロワーアーティストクリス レインボウ、クリス ホワイト、ギデアパークのエイドリアン ベイカーと並ぶ代表格、中でも最も有名で評価が高いのがレインボウ、アランパーソンズプロジェクトやジョン アンダーソンのグループ、キャメル等の活動で知られる有能なミュージシャンであったが、先頃逝去、残念。
独画家フランツ フォン レンバッハの絵画を使用した印象的なジャケが目を惹く、ゴードン ギルトラップも同画をジャケに使用してる。セルフプロデュースによる本作にはサイモン フイリップス、モー フォスター、ディブ ローソン、イアン ベアンソン、マックス ミドルトン、ディック モリッシー、ピート ゾーン等豪華ミュージシャンがバックアップ、レインボウのヴォーカル、多重コーラスによるドリーミーなマジカルポップスはエバーグリーンな輝きを放ち続ける!

6 パイロット/新たなる離陸 05(BMGファンハウス)BVCM37614 紙ジャケ
英、パワポ、オリジナルリリースは77年4作目。
諸問題でCD化は困難と云われてたパイロットの4作目が世界初CD化、快挙!ドラマーのスチュワート トッシュが脱退し二人組として再出発した新生パイロット、前作のハードに成りすぎたサウンドを反省してか?再びアランパーソンズをプロデューサーに迎え、ポップへとシフト、前作で封印されたハンドクラップを解禁したオープニングからパイロット王道パワポサウンドが炸裂、最高傑作との呼び声も高い名作!あまり語られる事は無いが、キーボードで参加したスティーブ スウィンドルズの貢献大、ソロアルバムはモダーンロックの知られざる名盤、お奨め!

7 I CAMALEONTI/AMICIZIA AMORE 73(CBS)CBS69056 LP
8 I CAMALEONTI/APPLAUSI 93(VOLTAGE)10024
伊、ラブロック、プログレ、オリジナルリリースは74年5作目の伊オリジナルLPと、68年ファースト?作を連聴き。
イタリアンラブロックの代表格カマレオンティはただ甘いだけではなく、熱いロック魂を感じるヴォーカルに荒削りな演奏も魅力的で、74年作ではプログレ的アンサンブルも導入したヴァラエティ豊かな力作、よりプログレ度を増した次作の最終作と共に代表作となってる。ファースト?作ではラブロックグループの指標となったプロコルハルムの「ハンバーグ」の伊語カバー有り。人脈的にもイルヴォーロ、フォルムラトレとも連なる重要グループ。
パート3
9 WORLD PARTY/ARKEOLOGY DIARY & MUSIC COLLECTION 12(SEAVIW)SEAVIW025 5CD
英、NW、未発表曲、ライブ、デモ、インタビュー、レアトラック満載の5枚組コンピ全70曲。142ページのダイアリーブック仕様盤。
大好きなウォーターボーイズの初期サウンドの要、マルチプレーヤーカール ウォーリンガーのソロプロジェクトワールドパーティー、00年代に入って新作リリースが途絶えて久しいが、病気を患い長らくリハビリ中だったらしく、06年頃に復帰、ツアー活動も始めたらしい。本作はカール自身のレーベルからリリースされた裏集大成的作品集。本作には10曲のカバーが取り上げられてるが、内4曲がビートルズ、マッカートニー作品、いかにビートルズの影響が大きいかが伺われる。ビートリッシュなメロディー、白いプリンスとも称されたファンク感覚、代表曲「シップオブフールズ」はそんなカールの魅力を凝縮した名曲!当時国内シングル盤もリリースされていた。5枚組があっという間に聴けてしまう胃にもたれない?普遍的なポップセンスと、ひねりの効いた変化球的マニアックなサウンドが飽きさせない。そろそろ新作が聴きたい処だが!

10 CORRIES/THOSE WILD CORRIES-KISHMUL'S GALLEY 96(BGO)BGOCD326
英、スコットランド、フォーク、トラッド、オリジナルリリースは66年コリーズフォークトリオ名義のサード作と、68年コリーズ名義のニ作目通算5作目の2イン1仕様盤。よく判らんBGOの変則カップリング。
ロニー ブラウン、ロイ ウィリアムソン、ビル スミスからなるコリーズフォークトリオからスミスが脱退し、コリーズ名義のフォークデュオとして活動、英フォーク正統派名グループとして90年ロイの死去まで多数のアルバムをリリース。
トラッドのカバーも含む素朴なフォークサウンド、どっか郷愁を感じさせるサウンドに心が洗われる。たまにはいいかもね!

11 ジョン & ビヴァリー マーティン/ザロードトゥルイン 05(ユニバーサル)UICY9685 紙ジャケ
英、フォーク、オリジナルリリースは70年セカンド作にボートラ1曲付。
前作と同年にリリースされた本作は夫妻のパートナーシップが更に強固となり、特にビヴァリーの躍進が目覚ましい傑作となっている。プロデュースは前作に続きジョー ボイド、ポール ハリス、ウェルス ケリー、ディヴ ペグ、ダニー トンプソン、アラン スペナー、リン ドブソンといった腕利き陣をバックに、当時、色々なサウンドを試みたかったというジョンの言葉通り、多彩なサウンドが展開されてる。あまり雑多な要素を詰め込みすぎると、散漫でとっちらかった作品になりがちだが、すっきり上品に纏められてるのはボイドの手腕によるもの。
残念ながら二人のコラボ作はこれまで、ビヴァリーは家庭に籠ってしまう。後に離婚、00年代にビヴァリーはカムバックし、素晴らしいアルバムをぽつぽつと届けてる。

12 ROY HARPER/UN HINGED 95(SCIENCE FRICTION)HUCD020
英、フォーク、SSW、21作目?
オリジナルリリースは限定カセット。89-91にかけて行われた英国の六会場での実況録音盤。
ギター弾き語りに息子ニックが一部バッキングを勤めたシンプルなステージングだが、奇才ロイ ハーパー、得も謂えぬオーラが漂っている。
パート4
13 TERRY REID/SILVER WHITE LIGHT:LIVE AT THE ISLE OF WIGHT 1970 04(WATER)WATER108
英、ロック、発掘音源、70年ワイト島ロックフェスのライブ盤。
英国のワイト島で70年8月26日から30日まで5日間に渡るフェスティバル、50組近いアーティストが参加した一大祭典。フー、ジミヘンのパフォーマンスが有名。テリー リードは27日に登場、レッドツェッペリンのメンバーになったかもしれないというエピソードで知られる実力者テリー リードに、バンドメンバーは米カレイドスコープの鬼才デビッド リンドレー、黒人ベーシストリー マイルズにアラン ホワイトの代役でマイケル ジャイルズとかなり興味深い面子である。リードのヘビーなギタープレイ、シャウティングヴォーカルにリンドレーのスライド、バンジョー、ヴァイオリンが絶妙な味付けで、名バイプレイャー振りを発揮、マイケル ジャイルズ参加も要注目!
14 TREEPEOPLE/HUMAN VOICES 09(GUERSZEN)GUESSCD027
米、アシッドフォーク、オリジナルリリースは84年セカンド、カセットオンリーリリース自主制作盤。
本作は以前紹介済み、CDRコピー品だったので、やはり現物が欲しいという事で入手、ブツに拘るコレクター気質は変わらない、ダウンロードとか、この先もきっと無縁だろう?
フルート、パーカッションがポイントのダウナーアシッドフォーク、久しぶりに聴いたが、滅茶良い、この世界が一番癒される!
15 V.A/SUNNY AFTERNOONS 95(POLYGRAM)525 600 2 2CD
英、米、豪、ソフロ、ポップス、二枚組コンピ盤全48曲。
キンクス「サニーアフターヌーン」を中心に初夏に持ってこい、鬱陶しい梅雨空を吹き飛ばせ的爽やかソフロコンピ、誰もが知ってるスタンダードナンバー多数収録、ハニーバス、キース、サイモンデュプリー&ザビッグサウンド、ボブ リンド収録が嬉しい!
16 SOUL,INC./VOLUME ONE 99(GEAR FAB)GF134
米、ガレージ、サイケ、65-69コンピ盤全20曲。
ケンタッキー州ルイズビルを拠点とするローカルバンド、シングルのみしか残せなかったグループだが、同コンピはニ種リリースされており、かなり実積のあったグループと思われる。ボ ディドリー「フードウユーラブ」、ボブ ディラン「サブタレニアンホームシックブルース」のカバー有り、R&B、フォークロック、サーフインスト、フィフティーズポップス、サイケデリック、ソウル、様々なスタイルのナンバーを小気味良くプレイ!バンドはこの後、エリシアンフィールドへと発展、ヘビーサイケサウンドを追求。
今週は2枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY234 2015.0613-0619

1 SUB ZERO BAND (VOID)15 LP
米、サイケ、ジャグ、オリジナルリリースは71年自主制作唯一作。
男女混声ヴォーカル7人編成ジャグバンド、フィドル、マンドリン、バンジョー、ペダルスチールに蛙、山羊の鳴き声担当メンバーも居て、土の匂いプンプンのゆる~いジャグサイケアルバム、紅一点アン ハドソン嬢の気品あるヴォーカルが良い感じ、シーバズヘッドバンドにも通じる雰囲気の好グループ!

2 JOHN MARTYN/GRACE & DANGER 07(ISLAND)984 268 7 2CD デジパック
英、SSW、オリジナルリリースは80年10作目の二枚組拡大盤、一枚目はアルバムのリマスターにボートラ5曲付、二枚目は未発表アウトティク集全13曲。
前作「ワンワールド」に続いてデラックスエディションでの登場、この頃のマーティンの充実振りが伺われる。本作はマーティンのギター、ヴォーカルにーボード、シンセのトミー アイアー、ベースのジョン ギブリン、ドラムのフィル コリンズ、一部シンセでディブ ローソンという豪華布陣での制作。ジャージーでアーバンな洗練されたサウンドにアンビエントな雰囲気も漂う、以降のマーティンサウンドの基盤となるアルバムとして重要な位置を占める。
本作をもって一旦アイランドを離れWEAへ移籍、84年には復帰、充実作をリリースするも、話題となる事は無かった。

3 PAUL JONES/LOVE ME,LOVE MY FSIENDS 96(RPM)RPM169
英、ロック、オリジナルリリースは67年セカンド作にボートラ10曲付。
当ブログではヴァーティゴからリリースした渋いスワンプアルバムを紹介してるポール ジョーンズ、元マンフレッドマンのイケメンヴォーカリスト、脱退後にはアイドルシンガーとして売り出され、映画「傷だらけのアイドル」に主演、当時のジョーンズの心境ともオーバーラップする内容であった。そんなジョーンズのアイドル時代の本作は、マン時代のモッドなR&Bシンガーの面影は潜め、ポップシンガーに徹したエンターティナーなジョーンズを堪能出来る。リーバー=ストーラーらヒットメイカーのナンバーに混じって、ボブディラン「ハッティキャロルの淋しい死」のカバーを取り上げてるのはマンフレッドマンの一員らしい。
後にディブ ケリーらとブルースバンドを結成、ずっとこういうグループを演りたかったんだろうな!
4 MC5/キックアウトオブザジャムス 09(ワーナー)WPCR13731 紙ジャケ 被せ帯付き
米、ガレージ、ハード、オリジナルリリースは69年ファースト作。
当時、ビクターのワールドニューロックシリーズの7段目としてリリースされた本作、斬新な全面被せ帯を見事再現、ジャケが判らないのが難点だが、今やロックスタンダードと化した本作、すぐに目に浮かぶ。
デビュー作にしてライブ盤、「マザーファッカー」の叫びが問題となり回収、改訂版がリリースされ、オリジナル盤はコレクターズアイテムへ!今回オリジナル盤通りの収録、今ではどうって無い事だが、当時は危険なワードであった。
ストージーズと並ぶデトロイトハードロックの雄MC5、元祖パンクとして後身に与えた影響は多大。爆音、騒音、禍々しく狂おしいロックンロール、熱き魂の咆哮に体内マグマがジリジリ沸騰する。
ヴォーカルのロブ タイナーはデヴィアンツのミック ファーレン、エレクトリックイールズのディヴ マクマナスと共に、勝手にアングラロック三大アフロと呼んでる。
5 ECHO & THE BUNNYMEN 03(RHINO)2564 61164 2 スリップケース付
英、NW、ネオサイケ、オリジナルリリースは87年5作目にボートラ7曲付。
最高傑作の前作「オーシャンレイン」のプレッシャー故か、ほぼ年一作のリリースペースから、三年の月日を要して届けられた5作目は新機軸を打ち出した新生エコバニの意欲作、セルフタイトル、アントン コービンによるメンバーポートレイトのみのジャケとそれまでのグループのイメージとは違うものであった。実際、サウンドは明るく軽快でポップで、当時、エコバニも日和ったとがっかりしたものである。
この後、グループは解散、再結成し現在も活動するも往年の輝きは無い、しょうが無いけど、、
パート2

6 GRAEME ALLWRIGHT 66(MERCURY)6325 604 LP
仏、SSW、シャンソン、セカンド作、仏オリジナルアナログ盤。
マキシムとの共演盤でかろうじて名を記憶に留めてたグレム オールライ?本国では有名でかなりのアルバムをリリースしてるが、あまり見掛けない。26年生まれというから、ゲーンズブルより年長、デビューは65年だから、遅咲きといえる。出身はニュージランド、こないだ取り上げたジャック ツリーズは米国、シャンソン三大巨匠のブレルはベルギー、フェレはモロッコ、排他的と云われる仏人だが、本物は認めるという気質なんだろう。
本作はギター、バンジョー、ウッドベース、オートハーブ、ジャケに写る謎の弦楽器にタブラ等、生楽器による演奏、哀愁ある楽曲、ヴォーカルは仏映画のBGMに合いそう。映画音楽家クリスチャン シュバリエがかんでいるのも要因であろう。ボブ ディラン、お婆ちゃんSSWマルビナ レイノルズのカバーも興味深い!
7 リトル フィート/30イャーズ ボックス! 00(ワーナー)WPCR10788~91 4CDBOX
米、ロック、66-98コンピ4枚組全83曲。一枚目は70-75、二枚目は76-81、三枚目は88-98、四枚目はレアトラック集。
キンクスが英国を強く意識させるグループなら、米国のそれはリトルフィート、バンドってのも有りだが、カナダ出身なので、、本作ライナーにはビーチボーイズ並みに骨の髄まで南カリフォルニア的で、バンド並みにルーツを重んじ、ミーターズ並みにファンキーで、スティーリーダン並みに知性を刺激するバンドと記してある。成る程、グループの魅力を伝えるに申し分無い表現である。
本作の目玉となる4枚目が凄い、66年のファクトリー、フランク ザッパプロデュース、ピアノ、ヴォーカルで参加した超貴重トラックを皮切りに、デビュー前の音源に未発表セッション、ローウェル ジョージのデモと興味深いトラック目白押し、ネオンパークのイラストも米国的で良い!

8 SUBWAY (GUERSZEN)GUESSCD007 スリップケース付
仏、アシッドフォーク、オリジナルリリースは72年唯一作。
オリジナルアナログ盤は200枚のみの激レア盤、以前、リイシューLPを紹介済み、今回CDでもゲット。ギター、ヴォーカル、コンポーズを担当する米国人のアーウィン モーレイと、ヴァイオリン担当の英国人マルコム ワトソンのデュオがフランスでリリースしたアルバム、木立の中、楽器を手に面妖な風貌の二人組が佇むジャケからしてそそられる、ふにゃふにゃ不安定なヴォーカル、ジプシーヴァイオリンが揺らめくアシッドフォーク名作!
モーレイは79年にソロアルバム「コンチネンタルドリフト」をリリース、乞CD化!

9 VIRAJE 78(クレジット無し) LP
メキシコ、フォークロック、唯一作?メキシコオリジナルアナログ盤。
素敵なジャケに魅せられジャケ買い、紅一点含む5人組グループ、しっとりした女性ヴォーカルにフルート、ケーナを中心としたたおやかなバック陣の演奏が哀愁たっぷり、軽いラテンタッチのナンバー有り、B面はインスト、ラストはバッハの「アヴェマリア」。
10 LOU REED/LIVE IN ITALY 92(BMG)ND90607
米、ロック、オリジナルリリースは83年ライブ盤。
「ロックンロールアニマル」「ライブ」「ティクノープリズナーズ」に続くライブ盤でスタジオ作「レジェンダリーハーツ」後のツアー、イタリアでの公演を収録。ルー、ロバート クイン、フェルナンド ソーンダース、フレッド マーの最強布陣による最高の演奏!元リチャード ヘル&ボイドイズのクインのスリリングな痙攣ギターが刺激的なフレーズを繰り出す、負けじとルーが応酬する、タイトでしなやかなリズム隊ががっちり土台を支える、テンション高い演奏にオーディエンスのボルテージも上がる名ライブ盤!
パート3
11 MAGMA/LIVE (SEVENTH)REX10/11 2CD ペーパースリーブ
仏、ジャズロック、オリジナルリリースは75年5作目に2曲プラスしたCD仕様盤。
マグマの最高傑作!全ロックのライブアルバムとしても上位に食い込むであろう、圧倒的なテンションで突き進む怒濤のパフォーマンス、当時、若冠17歳のディディエ ロックウッドの天才的ヴァイオリンが宙を裂き、ハマタイの掛け声の下、クリスチャン ヴァンデの超人的ドラミングが駆け回り、ベルナール パガノッテイの地響きの様なベース、クラウス ブラスキスのコバイアヴォーカルが異空間を生み、スティラ ヴァンデらコーラス隊が荘厳な儀式を盛りたてる。
沸点に達したマグマが地上へと一気に放出する様をまざまざと目撃せよ、その超大なエナジーに圧倒されよ!
12 SCRUBBERS 91(ELASTIC CAT)CDEC1
英、ロック、パブ、74年録音の蔵出し音源。
スモールフェイセズ、ハンブルパイを経たスティーブ マリオットがパイ時代の同僚グレッグ リドリー、パイの前にはスプーキートウースに在籍、ジョデイグランドのティム ヒンクレーと歴戦の強者による幻のグループスクルーバーズ、ボズ バレル、メル コリンズ、クレム クレムソン、イアン ウォーレス、BJ コールら怱々たる面子がゲスト参加。
ラフなデモ セッションといった趣きのリラックスした雰囲気が心地良い。独レパトワーでもリリースされてる。
13 ニック ドレイク/ブライターレイター 94(パイオニアLDC)VACK5063
英、フォーク、SSW、オリジナルリリースは70年セカンド作。
生前に遺した三枚のアルバムで伝説となったフォークシンガー、80年代の再評価を機運に、今や英フォーク定番アイテムとして多くの人に認知されてる。云わずと知れて自分も80年代の再評価によってその存在を知り、ティム バックレー、ティム ハーディンと共に勝手に三大死人フォークシンガー?として聴き漁ったものである。
さて、本作は前作に続き、プロデュースジョー ボイド、エンジニアジョン ウッドのウィッチシーズンプロダクションの制作によるもので、前作が評論家筋の高評価にも関わらずセールス的に失敗した反省を踏まえ?幾分ポップへと方針を転回したように思える。参加ミュージシャンはフェアポートコンベンション、ディヴ ペグにマタックス、リチャード トンプソン、マイク コワルスキー、ポール ハリス、リン ドブスン、レイ ウォーレイ、ジョン ケイル!、PP アーノルド、ドリス トロイ、ストリングアレンジは前作に引き続きロバート カービー、同年同プロダクションが手掛けたドレイクの盟友ジョン マーティン&ビバリーの「ロードトウルーイン」と大半がだぶってるのが興味深い!スリーブデザインのナイジェル ウェイマウスも同じ。
深夜ひっそりと、不眠でぼんやり頭の早朝でも、屋外の喧騒など意にせず昼下がりに、春爛漫の日溜まり、うだる夏の熱気、秋の木漏れ日、凛とする冬の冷気の中で、耳を傾けるのも良い、「ファイブリーブスレフト」「ブライターレイター」「ピンクムーン」どのアルバムにするかは、その時の気分次第!
14 ソニックユース/ラザーリップト 06(ユニバーサルインターナショナル)UICF1075
米、オルタナ、20作目、CDのみのボートラ3曲付。
本作は以前輸入盤で紹介済みだが、国内オンリーボートラやら解説、対訳やらに惹かれて国内盤も入手。
ジム オルークが脱退し、再び4人組となった新生ユース第一段、若々しいノイジーロックンロールが炸裂、キム姐さんが良い!
15 サディステイックミカバンド/ベスト 88(東芝EMI)CT32-5092
日、モダーンロック、72-75ベストコンピ盤全20曲。
後に再、再結成するサディステイックミカバンドの第一期は活動期間僅か三年、三枚のスタジオアルバムとライブ盤を遺した、人脈的にも日本ロックの金字塔的偉大なグループ、クリストーマスがプロデュースしたセカンドの名盤「黒船」はじめ、アルバムはイギリスでもリリースされ、ハーベスト原盤はコレクターズアイテムに!
ロックンロール、ブギ、プログレ、ソウル、ファンク、ラテン、タンゴ、レゲエ、ワールドミュージックと雑多な音楽を取り込んだミクスチャー感覚と言語感覚は、来るべきニューウェーブの時代を先取りしていた新感覚派のロックバンドとして世界的にも最先端を行く早すぎたグループであった。
今週はレコ屋行かず。
パート2
6 P.G.SIX/THE WELL OF MEMORYP.G.SIX/THE WELL OF MEMORY 04(AMISH)AMI019
米、フリーフォーク、セカンド作。
MV&EEも所属してた重要グループタワーレコーディングスのパット ガブラーのソロプロジェクトPGシックス、ギター、バンジョー、ハープ、ピアノ、オルガン、シンセ、ティンホイッスル、リコーダー、ハーモニカ、パーカッション等を手掛けるマルチプレーヤー、本作は一曲のみドラム、パーカッションのスコット フレーャーが参加。他に女性ヴォーカリストヘレン ラッシュ、ノーフォークストリートオールスターハーモニカクワィアーが参加。ハープの幽玄な響きがジャケ通りの幻想的な世界のオープニングのインストから、バンジョー伴奏のPG、ヘレンのデュエットヴォーカル、トラッドカバー含む、内省的で仄暗い歌世界が沁みる。
7 BONNIE PRINCE BILLY & THE CAIRO GANG/THE WONDER SHOW OF THE WORLD 10(DRUG CITY)DC2012 デジパック
米、オルタナ、フォーク、何作目かは不明。
ソロ、コラボと順調にリリースを続けるボニー プリンス ビリーことウィル オールダム、パレス時代から変わらぬ歌心溢れる音世界は円熟味を帯び、風貌と合わせもはや仙人の域に達してる。
本作のカイロギャングはビリー作品ではお馴染みのエメット ケリーのソロユニット?で二人のギターに最小限のリズム隊、二人のヴォーカルが醸す深淵で豊潤な歌世界が沁みる。

8 WALLY GONZALEZ/WALLY ON THE ROAD 05(VICOR)VCDSA012
フィリピン、ハード、オリジナルリリースは78年セカンド作。
スピードグルーシンキのドラマージョーイ スミスが帰国後結成したグループファンデラクルーズのギタリストウィリー ゴンザレス、フィリピンロックシーンを代表する名ギタリスト、前作の延長上にあるサウンドでギターが炸裂する大ハードロックナンバーに、大泣きのバラッドナンバーが同居する硬軟メリハリの効いたアルバム、どっちつかずという感もあるが、どっちかに焦点を絞ったらとんでもないアルバムが出来たかもしれない。それだけ才能あるミュージシャンといえる。

9 DOLPHIN/GOODBYE 77(PRIVATE STOCK)PVLP1028 LP
英、モダーンロック、ファースト作。英オリジナル盤、リリックシート付。
バンド名にこのジャケ、思わず手にしてしまう一枚、最低価格という事もあって二枚目の購入。ポール カーマンを中心とするユニット、ミュージシャンとしてカーマン以下7人がクレジットされてる、ジョン ギブリン、ジェリー コンウェイのリズム隊が目に付く、ヴァイオリンのロジャー チャーチヤードがフォーク畑で知られてる位で他は寡聞にして知らない名ばかり。ジャケのイメージ通りのファンタスティックなフォークロックサウンドも聴けるが、スティーリーダン風のクールでアーバンなモダーンロックサウンドを展開。カーマンのいかにも英国なジェントルなヴォーカルが好み!
80年にはセカンドアルバムリリースしてるが、今まで一度しか見掛けてないレア盤?もちろん即購入!

10 MARK BOLAN & T.REX/ZINC ALLOY AND THE HIDDEN RIDERS OF TOMORROW 02(EDSEL)MEDCD717 2CD デジパック
英、グラム、オリジナルリリースは74年通算11作目「ズインクアロイと朝焼けの仮面ライダー」の二枚組拡大盤。一枚目はアルバム収録曲にボートラ5曲付。二枚目は95年初出のオルタネイト版他24曲。
マーク ボラン&Tレックス名義、プロデュースにトニー ビスコンティにボラン自らがあたった意欲作。グラムロックブームの衰退によって新機軸を打ち出したボランが取り組んだのが、妻グロリア ジョーンズの影響もあってか?ソウル、ファンクサウンド!フロー&エディに替わって大胆な黒人女性コーラスの導入、ファンキーにうねるブギー、ボラン節が炸裂、「ティーンネイジドリーム」のシングルヒットは生まれるも、この頃から人気は下降線を辿る。
翌75年にはライバルボウイも「ヤングアメリカン」でファンクへと接近する。
パート3

11 КИНО/ГРУПЛА КРОВИ 98(MOROZ)
旧ソ連、NW、オリジナルリリースは88年5作目。
英語表記ではKINO/BLOOD TYPES キノー「血液型」というタイトルで日本盤もリリースされた代表作でソ連での人気も絶頂を迎え、90年リーダーのヴォーカリストヴィクトル ツオイの交通事故死によって伝説となったグループキノー!
ツオイという苗字からも察せられる様に朝鮮系の血筋のシンガー、サウンドはファドガジェットを大人しくした感じのエレクトロNWで、ツオイのヴォーカルも内省的で抑制されていて、過激にアジテートするタイプではないので、詞が重要なのかもしれない、26歳で事故死という悲劇性、更にその死には謀殺説もあるという、旧ソ連に於いて神格化されるのもよく判る。

12 COCKNEY REBEL FEATURING STEVE HARLEY/CAVALIERS:AN ANTHOLOGY 1973-1974 12(EMI)50999 973926 2 4CD
英、モダーンロック、初期音源コンピ4枚組全49曲。
一枚目は73年ファースト作「ヒューマンメネジェリー(美しき野獣の群れ)」にシングル音源4曲。二枚目は74年セカンド作「サイコモドー(さかしま)」にシングル音源2曲、三枚目はオルタナヴァージョン他の未発表曲集、四枚目は3ソースからなる74年BBCライブ音源集。
コックニー、ハーレー好きには堪らないコンピ、特に初期コックニーが死ぬ程好きな者にとってはマストなセット。ポストグラム時代の徒花、シュールでデカダンな音世界は、ユイスマンスの奇書「さかしま」のごとき幻想絵巻に目眩がする。特にセカンドの「パステルカラーのデカダンス」から「偏執的ノスタルジー」の流れにはくらくらする、ラストは「転落」でカタルシス、マイフェイバリットアルバム!
13 GRAHAM PARKER/12 HAUNTED EPISODES 95(RAZOR & TIE)RT2817
英、パブ、16作目。
エリオット マーフィーも所属していた米レーザー&タイレーベルからの第一段。名グループルーモアを従えた初期パーカーは強力で、イアン デューリー、ドクターフィールグッドと共にガツンと一撃を食らわされたアーティスト、アナログ時代のアルバムは押さえていたが、CDでは久々のパーカー、本作は自身のプロデュース、シンプルなフォークロックスタイル、肩の力の抜けた円熟味を増したヴォーカルが最高!

14 LEON ROSSELSON/PERSPECTIVES 97(FUSE)CFCD006
英、フォーク、SSW、ベストコンピ盤全18曲。
60年代初期から活動するベテランフォークシンガー、マーティン カーシーが在籍していたスリーシティフォーのメンバーでもあった。そのカーシーの参加作や、ロイ ベイリーとのコンビアルバム収録作、ジョン カークパトリック&スー ハリス、ローリー マックレオドやビリー ブラッグ&オイスターバンド参加作を収録。飄々としたヴォーカルのギター弾き語りがメイン、12分近いピアノ弾き語り曲では、間にトーキングを挟み、ミュージックホールでの活動を伺わせる。
15 DELGADOS/BBC SESSIONS 97(STRANGE FRUIT)SFRSCD037
英、ポストロック、95-96ライブ音源集。
06年に二枚組のコンプリート盤がリリースされたので今や用無し?とはいえアルバムリリース以前のライブ音源がまとめて聴けるのは嬉しいという事で、二枚組持ってるのに買ってしまった言い訳にしよう。
16 GUIDED BY VOICES/CLASS CLOWN SPOTS A UFO 12(FIRE)FIRECD249 ペーパースリーブ
米、オルタナ、ロウファイ、再結成後二枚目、通算18作目。
再結成以来、又、いつものペースで量産するロバート ポラード、1、2分足らずのコンパクトな楽曲で占められた小気味良い、いつものGBV節炸裂に御機嫌!
今週は38枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY234 2015.0620-0626
1 THIRD ESTATE/YEARS BEFORE THE WINE (MELLOW)MMP309
米、サイケ、アシッドフォーク、オリジナルリリースは76年自主制作唯一作。
本グループは以前、ライオンプロダクションズよりリリースされた二枚組を紹介済み。前身グループの未発表音源も収録した同盤で事足りぬのたが、安価に釣られゲット。ロバート エベレットを中心にドラム奏者含むトリオ編成。今やドリーミーサイケの定番として認知されてる本作、オープニングのゲスト参加の女性ヴォーカルナンバーで一気に引き摺りこまれる。きらきら繊細なギターの絡まり、エベレットの諭す様なまろやかなヴォーカルも沁みる。冷めた月光の中で奏でられる美しい音楽!
2 ROBERTO VECCHIONI/PARABOLA (CGD)9031 71294 2
伊、カンタトウーレ、オリジナルリリースは71年ファースト作。
20枚以上のアルバムを発表してるベテランシンガーロベルト ベッキオーニのデビューアルバム、元高校教師、ミーナ、オルネラ ヴァノーニ、ジリオラ チンクオッテイ、イヴァ ザニッキ等への楽曲提供からキャリアをスタート、本作でもまだカンツォーネ色の強いサウンドでロックファンには少々物足りないが、所々感情露なヴォーカルに熱いイタリア魂を感じる。
3 OST/THE TYRANNY OF THE BEAT 91(MUTE)9 61237 2
VA、ミュートレーベルのインダストリアル部門グレイエリアのコンピでサントラ盤。
収録順に豪のSPK、スロッビンググリッスル、キャバレーボルテール、TGのクリス カーター、独のディー クルップスにDAF、ノイバウンテン、ノン(ボイドライス)、カン、ワイアー、スウェルマップス、バースディパーティの前身ボーイズネクストドアー、ワイアーのG ルイス、BC ギルバートのユニットドーム、モンテガザザ、ハフラートリオ、ループ、ファドガジェット、この辺好きな方には馴染みのアーティストばかり、確か本作のVHS持ってたはずなんだけど、内容が滅茶気になる。さて、何処に埋もれてるのだろうか?
4 スポンジトーンズ/トーンアパート 08(エアーメイルレコーディングス)AIRCD096 紙ジャケ
米、NW、パワポ、オリジナルリリースは84年セカンドミニアルバムにボートラ5曲付。
当時、ビクターのアメリカンポップルネッサンスシリーズの一枚として国内アナログ盤がリリースされていた。リック メンクが在籍していたリバーブス、トミー キーン、スリーオクロック、ロングライダーズなんかと共にゲット。ジャケのおっさん風貌からも察せられる様に、実は60年代のガレージサイケシーンから活動するベテランミュージシャン揃い、ニューミックス、アロガンス、ジェレミア等に参加してるパット ウォルターズ、スティーブ ストッケル、ロブ ソーンに若いジェイミー フーバーが参加し、70年代末に結成、パンク、NW、オルタナの時代、シンプルなビートサウンドの復権、再び時代の波ニューウェーブに乗って快進撃、若い頃に影響受けたブリテイッシュインベンション、マージービートサウンドをご機嫌に鳴らすスポンジトーンズビートを炸裂させる!
5 V.A/PUISSANCE 13+2 93(MUSEA)FGBG4087 AR
仏、米、ロック、オリジナルリリースは71年レーベルコンピ盤にボートラ1曲付。
ローラン チボーが主宰するレーベルTHELEMEに所属してたアーティスト13組と米国のSSW2人のコンピ、71年7-8月に公園、スタジオで収録。
マグマに関連のエルゴスム、ザブ、クラウド エンゲルにカトリーヌ リベロ&アルプ、カタルシス、ソリテュード、アラン マークスフェルド、ダンアーブラスが在籍してたMORに本作のみでアルバムを残してない?スペクトレ、ヴォヤージ、デザイン、コントレポイントにスティーブ ワーリング、ロジャー メイソンの米国勢を収録。
ジャズロック、フォークロック、ブルース、カントリーとスタイルは様々。
WEEKLY LISTENING LIBRARY235 2015.0627-0703
1 GENTLE GIANT/IN'TERVIEW IN CONCERT 00(GLASSHOUSE)GLASS103CD
英、プログレ、76/07/03ニューヨークライブ音源。
8作目のアルバム「インタビュー」リリース後のツアーからの音源で初出はブートのオフィシャルリリース盤、というわけで音質はブートの上クラス。圧倒的テクニックでライブでも定評の高いジェントルジャイアント、目まぐるしい変拍子、高度な演奏で畳み掛ける超絶アンサンブル、しかも楽器をメンバーで次々と回し替えて演奏するという離れ技、リコーダー全員合唱と、愉しげな様子が伝わってくる。映像で観たいグループ!
2 ORPHAN EGG 12(PILOT)PILCD6009
米、サイケ、オリジナルリリースは68年唯一作にボートラ2曲付。
レディオアクティブからもリリースされてたが本作はボートラ付きの再発。裏ジャケにカリフォルニア州サンホゼ出身、67年「VOXバンドバトル」コンテストに優勝したと記してある。
ファズギターにドタバタリズム隊のヘビーサイケチューンに、キラキラハープシコードに爽やかなコーラスのソフロサウンド、ブリテイッシュビートポップ風、メロウな胸キュンナンバー、本編最後には何故か唐突なブルースジャムと多様性に富んでいるというか、ややとっちらかった感がB級ぽくて悪くない。
3 TRONICS/SAY!WHAT IS THIS? (MLADYS)10 デジパック
英、パンク、NW、78-83年録音の未発表音源含むレアコンピ集。
ジロ ベイビーことロニー ギットのソロユニットトロニクス、10代半ばにパンクバンドを結成するも、直ぐに解散、続いて結成したのがトロニクス、81年にファーストアルバムリリース、同年カセットのみのセカンド作リリース、こちらのCDリイシュー盤は以前紹介済み、以降はザージャズ名義で活動、前回12インチを所持してるが、同一のものだろうか?と記したが、やはりそうであった、バロックポップ調の好内容、是非コンピCDリリースして欲しい。演奏は下手っぴでへろへろ、そこはまだ10代のギット君、とにかく演らなきゃどうするのDIY精神溢れるグッドボーイ!
4 DIONYSOS 04(ESTELLA ROCKERA)ER42113
加、サイケ、ハード、オリジナルリリースは70年ファースト作。
ケベック産5人組オルガンブルージーヘビーサイケ、オープニングから12分の大作で分厚いハモンドオルガン、ヘビーなファズギター、ブルースを基調にプログレ的展開も見せる本格ナンバー、ハイトーンの仏語ヴォーカル、切れのいいリズム隊、フルートの小技も効いた、しっかりしたテクニックに裏付けされた好グループ!サードのアナログ、どっかにあるんだけど段ボール海に沈没してるな、、、
5 DREAM SYNDICATE/3 1/2 THE LOST TAPES 1985-1988 96(ATAVISTIC)ALP65
米、NW、ペイズリーアンダーグラウンド、未発表音源集。
米中西部のインディーシーンを中心に起こったサイケデリックリバイバルペイズリーアンダーグラウンド、スリーオクロック、レインパレード、グリーンオンレッドと並んでシーンを牽引したのがドリームシンジケート、スティーブ ウィンを中心にポール B カトラーのサイケなギター、クリス カカバスの60ズティストのオルガン、格好良し!
パート2
6 SEEDS/TRAVEL WITH YOUR MIND 93(GNP CRESCENDO)GNPD2218
米、サイケ、ガレージ、レア音源集全20曲。
サーテンスと並ぶサイケモンスターシーズ、スカイ サクソンのチンピラヴォーカル、ダリル フーパーのチープオルガン、彼等によってバラ蒔かれた種子は色んなとこで花を咲かせた、まさにフラワームーブメントの申し子、花といっても芥子の華だけど?
代表曲「プッシントウハード」のオルタナ、オリジナルシングルヴァージョン収録が嬉しい!
7 BIRCH BOOK/FORTUNE & FOLLY 06(HELMET ROOM) ペーパースリーブ
米、フリーフォーク、セカンド作。
ベアースことボビー アースのインゴーワンリングの後のプロジェクトバーチブック!更にベアースのパーソナルな色彩が強まったうたもの指向のサウンド、ほとんどがベアース一人による録音でアウトサイダー、エグザイルス、ランブラーズ、レベルスに捧げられてる。世間から疎外された者へのレクイエムが悲しく響く!
8 JACK HARDY/THE COLLECTED WORKS OF 98(PRIME)PCD50 5CDBOX
米、フォーク、SSW、84-95年5枚組セット集第二段。一枚目は84年6作目「カルドロン」、二枚目は87年7作目「ザハンター」、三枚目は90年8作目「ソロウ」、四枚目は91年9作目「ツーオブスワーズ」にボートラ2曲付、五枚目は94年10作目「シビルウォーズ」。
韓国ビッグビートより初期7作が一挙に紙CD化され、海外での高い評価が伺われるジャック ハーディ、正直我が国では評価が低すぎ、本国米ではミュージシャンとしてももちろんだが、フォーク雑誌の編集者としての功績も評価されてる。残念ながら12年に亡くなってしまった。
グリニッジビレッジフォークの伝統にケルト、トラッド、フォークロック、パブスタイル、基本はシンプルな弾き語りスタイル、若干甘酸っぱさを残した訥々としたヴォーカルが好み!
9 SIMON FISHER TURNER/STILL MOVING LIGHT 99(CHERRY RED)CDBRED153
英、NW、ローズマリー ブッチャーという振り付け師、ダンサー、教師とのコラボで退屈なインストヒーリング音楽がだらだらと流れるアルバムで面白味は無い、ジェレーミーズシークレットをCD化してくれないかな。
10 MATEO/CUERPO Y ALMA 08(LA VIDA LENTA)DISCOS04
ウルグアイ、SSW、オリジナルリリースは84年セカンド作。
ウルグアイロックシーン伝説のグループエルキントを率い、ウルグアイ音楽シーンに多大なる影響を与えたエドゥアルド マテオ、当ブログで紹介済みの72年のファーストから随分間を置いてのセカンド、その間ホルヘ トラサンテとのコラボアルバム有り。
浮遊感溢れる微睡む様なサウンドに漂うふわふわしたマテオのヴォーカルに弛いカンドンベパーカッション、フォーキーなギターの爪弾き、揺らめくシンセ、エキゾチックでノスタルジックな南米の陽光がゆらゆら揺らめく名作!
パート3
11 マイク ハート/バッシャーチョーキーボンゴアンドミー 08(エアーメイルレコーディングス)AIRAC1467 紙ジャケ
英、ロック、SSW、オリジナルリリースは72年セカンド最終作。
ビートニク詩人エイドリアン ヘンリ率いたリバプールシーンのオリジナルメンバーマイク ハート、フォーキーな資質を持ったミュージシャンでファースト作はごった煮フォークロック、本作は作家、役者が関わった演劇的なコンセプト作でリバプールシーンのファースト作やスキャッフオルド、ボンゾスを思わせる英国らしいエスプリ、アイロニー、ユーモア溢れる一枚。ジョン ピールのダンデライオンレーベルからのリリース、参加ミュージシャンも興味深くボンゾスのビビアン スタンシャル、ヒューマンビーストのエド ジョーンズ、ブレッドラブアンドドリームスのジョン ラムゼイとコアなミュージシャンが参加。ナレーション、しゃべくり、寸劇等が多いので少々きついが音楽部分は面白い!
12 BEAUSOLEIL BROUSSARD 77(LE TAMANOIR)TAM27003 LP
加、トラッド、フォーク、ファースト?作、ゲートフォルド、カナダオリジナル盤。
まず、アモンデュール2「ファラスダイ」風の樹木ジャケにそそられるフレンチカナディアンバンドボーソレイユ ブルッサール、男女混声ヴォーカルによるトラッドカバーを含むフォークロックグループ、全編に渡ってヴァイオリンがフューチャーされ、マンドリン、ピアノ、ジュースハープ等のアンサンブルも美しい、特にイザベル ロイ嬢の美声が素晴らしい!
13 ROBERT CHARLEBOIS (GAMMA)GS146 LP
加、SSW、ロック、カナダオリジナル盤。
前掲に続き一緒に購入したフレンチカナディアンもの、同じ人による放出物と思われる。ロベール シャルルボワは60年代半ばから活動する大御所でモジャモジャ頭がトレードマーク?、68年のルイーズ フォレスティエ嬢とのデュオアルバムが有名、制作年のクレジットが無いが本作は70年代半ば頃のアルバムでグラムロック風のジャケにそそられる。冒頭のオーケストレーションを配したシャンソンフォークナンバー、グルービーなパーカッションが炸裂するナンバー、ポルナレフ風ポップス、聴き処多し。
確か、バンド、グレイトフルデッド、ジャニス ジョプリンが参加したイベント「フェステイバルエクスプレス」に参加していたと思う。
14 BILLY DAVIS/TELL HIM THE DECCA YEARS 09(SPECTRUM)981 817 1
英、ポップス、63-70コンピ盤全20曲。
スウィンギンロンドンを象徴する女性シンガー、ビリー ディビス!63年のセカンドシングルエキサイターズのカバー「テルヒム」がヒット、ハスキーで溌剌とした歌声がキュート、唯一のアルバムが70年、レーベルが勝手にリリースしたのか?旬を過ぎた後で遅すぎた感有り。
15 DAEVID ALLEN/AUSTRALIA AQUARIA:SHE MOTHER GONG/WILD CHILD 01(PILOT)PILOT72 2CD
仏、豪、プログレ、ジャズロック、オリジナルリリースは94年のマザーゴングのアルバムと、オリジナルリリースは90年デビッド アレンのソロアルバムとの変則的なカップリング盤、アレンのアルバムは以前紹介済み。
ジリ スミスを中心とするマザーゴングにはアレンアルバムにも参加してるハリー ウィリアムソン、ロバート カルバート、ロブ ジョージにコンラッド ヘンダーソン、グラハム ペティットが参加、ジリのウィスパーヴォイスが浮遊するスペーシーなジャズロックを展開。
アレン亡き後、ジリにはロック最年長老婆としてまだまだ頑張って欲しい!
今週は3枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY236 2015.0704-0710

1 HEP STARS/HEP STARS 96(EMI)7243 4751872 0
スウェーデン、ビートポップス、ソフロ、オリジナルリリースは66年サード作にボートラ8曲付。
アバのベニー アンダーソン在籍、カート ベッチャー絡みで語られる事の多いヘップスターズであるが、なかなかどうして、実力派グループなのである。品の良いルックスからも伺われる様にロック的ワイルドさからは遠い、マイルドなビートポップス、ソフロサウンドでその辺が好みの方にはお薦め!
2 BREATHLESS/CHASING PROMISES 89(TENOR VOSSA)BREATH CD7
英、NW、ネオサイケ、サード作。以前ベスト盤を紹介したが、その時本作のアナログ盤が見当たらないと記したが、CDを安価にて見掛けたので入手。
カメレオンズ、サウンド、スネークコープスの三大ネオサイケバンド、コムサットエンジェルス、サッドラバース&ジャイアント、アンドオルソーザツリーズといった実力派バンドの次辺り、ロウライフ、ネイムスとかと並んで好きなグループ、本作収録の「サムタイムズオンサンディー」は名曲。今なお活動中!

3 GERRY AND THE PACEMAKERS/FERRY CROSS THE MERSEY 97(EMI)8 56567 2 デジパック
英、ビート、オリジナルリリースは65年サントラ盤、実質的なセカンド作のモノ、ステレオヴァージョンを収録。
ビートルズに続けと売り出されたマージービートの代表グループジェリー&ザペースメイカーズ、ブライアン エプスタインの肝入り、ビートルズ以上の演奏力を誇る実力派としてプッシュ、マージービートシーンを題材にした映画に主演、本作はそのサントラ盤で実質的にセカンドとなる作品、映画に出演したフォアモスト、シーラ ブラックの楽曲がそれぞれ一曲、本作のプロデュースも担当したジョージ マーティンオーケストラが一曲、他は全てペースメイカーズの楽曲で占められ、全曲ジェリー マースデンがソングライティングを手掛け、その非凡すぎる才能を遺憾無く発揮してる。本編ラストの表題曲は甘酸っぱい青春の光と影をとらえた名曲!
映画が観たくなった!
4 JAMES BURTON/THE GUITAR SOUNDS OF JAMES BURTON 97(A&M)540 553 2
米、ギタリスト、オリジナルリリースは71年唯一作。
エルビス プレスリーを支えたギタリスト、初期スコッテイ ムーア、後期がジェームス バートン、15才の時にディル ホーキンスと「スージーQ」を共作、リッキー ネルソンのバックバンドでも活躍、数多のアルバムに参加した名セッションギタリスト!
68年にラルフ ムーニーとのデュオアルバム有るが、本作は唯一のソロアルバム、「スージーQ」や「ハウンドドッグ」、プレスリーがレパートリーにしていたトニージョー ホワイトの「ポークサラドアニー」、ジェイムス テイラー「ファイアー&レイン」、レオン ラッセル「デルタレディ」、「ジョニーBグッド」等を独自のチキンピッキング奏法に、ドブロの名手としても知られる巧みなスライドギターでスワンピーにカバーしたレイドバック感漂うギターインスト作。

5 FAIRPORT CONVENTION/LIVE 05(ISLAND)IMCD311 スリップケース付
英、トラッド、ロック、オリジナルリリースは74年ライブ作にボートラ5曲付。
フェアポートのライブといえば76年リリースの「ライブアットLAトルバトール」という火を吹く様な名演が聴ける大名盤があるし、近年初期ライブ音源が続々発掘リリースされ嬉しい限りである。本作はサンディ デニーが復帰した公演を中心に編纂された初のライブアルバム、シドニーのオペラハウス、ロンドンのレインボーシアター、クロイドンのフェアフィールドホールの3ソースから収録、サンディにディブ ペグ、マタックス、スウォーブリック、トレーバー ルーカス、ジェリー ドナヒューの布陣。正直サンディは本調子では無いし、演奏もいまいち大人しめで不満は残るが、お帰りサンディという事でファンは必聴!
パート2
6 V.A/THE FREAKBEAT SCENE 98(DERAM)844 879 2
英、フリークビート、コンサート盤全25曲。
ヒップスターイメージを収録した「モッズシーン」が有名なこのシリーズ、英デッカレーベルに残された音源コンピ集なのだが、過去にビートルズを落とすという大失態を反省してか、数多くのアーティストと契約、かくしてシングル一枚のみ消えていった幻のグループを多数抱えたデッカのシングルカタログはマニアに大人気。本作にはスモールフェイセズ、マーク ボランのビッグネームにパトウの前身タイムボックス、アタック、イエス絡みのシン、ファイアー、バーズ、クリエイションの前身マークフォーといったお馴染みのグループに、マジョリテイ、フライズ、ポエッツ、 アウターリミッツ、フェアリーテイル、イランのシーダース、NZのヒューマンインスティクト、Sフェイセズ絡みのジミー ウィンストンといったマニアック処に、スコア、ポールリッチー&ザクライアンシェイムス、シェル ネイラー、デニスコードリー&ザネクストコレクション、ブルースターズ、ニューブリード、キース シェルズ、ルーズエンズ、ビーツトーカーズといったマイナー処を収録、ワイルドでエキサイティングなビートが炸裂!
7 A CERTAIN RATIO/I'D LIKE TO SEE YOU AGAIN 05(LTM)LTMCD2438
英、NW、コールドファンク、オリジナルリリースは82年4作目にボートラ5曲付。ファーストはカセットオンリーリリース。
ファクトリーレーベルの屋台骨を支えた重要グループで、米のリキッドリキッド、ESGと並ぶコールドファンクの始祖アサーティンレイシオ!低体温のファンクビートにサイモン トッピングの外した?トランペットに根暗ヴォーカルが肝、本作では一皮剥けたのか、ファンク度が増し、ラテンにも接近したやけに明るいサウンド、ヴォコーダーも駆使した似合わないナンバー、クラブ受けはしそうだが、根暗NWファンには辛い、案の定?トッピングは本作で脱退。
8 DIANE DENOIR EDUARDO MATEO/INEDITAS 98(VADE RETRO)DD1533 2 ペーパースリーブ
ウルグアイ、ボサノバ、ポップス、66-68年録音蔵出し音源。
ウルグアイ音楽シーンの鬼才エドウァルド マテオとアルゼンチン出身のシンガーディアネ デノイール嬢とのコラボレーション(ライブ音源も有り)が蔵出しリリース。
「イパネマの娘」「おいしい水」他、ボサノバの名曲カバーにシャンソン、マテオのオリジナル曲をディアネ嬢がクールでアンニュイなヴォーカルで綴っていく。仏語を交えたヴォーカルはとにかく官能的で、マテオのツボを押さえたボッサギター、エルキントを中心としたバック陣の演奏も素晴らしい、ウルグアイボッサの名盤!
近年再発されたらしい!
9 WARA/QUIMSA-PUSI (LYRA DISCOLANDIA)CD13977
ボリビア、フォルクローレ、オリジナルリリースは78年4作目と82年5作目の2イン1CD。
72年のファースト「エルインカ」は本グループの中でも突然変異的なプログレッシブな作品で、当ブログで紹介済み。以降ワラは路線変更しフォルクローレグループとして、10枚以上のアルバムを発表しボリビアを代表するグループとして活動してる。本作はそれぞれのアルバムで10分越える大作を含み、元プログレバンドの片鱗?を見せつつ、ボリビアの土着フォルクローレをどっか懐かしい郷愁溢れるサウンドで聴かせる。ケーナはじめ笛の響きにアンデスの山並みを悠然と飛ぶコンドルが眼前に現れて来そう。
10 DODSON AND FOGG/SOUNDS OF DAY AND NIGHT 13(WISDOMTWINS))WTR03 CDR
英、プログレフォーク、自主制作サード作。
マルチプレイャークリス ウェイドのソロプロジェクト、ドッドソンアンドフォッグ、血塗られた?城塞、異様な雰囲気のジャケに魅せられる。前のアルバムにはメロウキャンドルのアリソン オドネルが参加してるみたいだ。本作は一曲のみトランペットのコリン ジョーンズが参加してるのみで、残りは全てクリスによる演奏でソングライティングも全てこなしてる。何だろうこのビンテージ感は、70年代初頭の録音と云われても違和感が無い、あの時代の音が充満してる。陰影あるフォークサウンドにジェントルなヴォーカル、深い森の奥に煙る霧、森の精霊達のざわめきが聴こえてくるようだ、面白い!
パート3

1 フィリップ ジョン ルーウィン/アムアイリアリーヒアオールアローン 11(VIVID)VSCD5019 紙ジャケ
米、SSW、アシッドフォーク、オリジナルリリースは75年自主制作ファースト作。
原盤は韓国ビッグピンク。ギター、ピアノ弾き語りのワンマンレコーディングによる簡素でデモ風なつくりが、アシッドフォーク的内省的歌世界を現出してる。深い靄の奥から立ち昇るヴォーカルにたらたらしたギターが酩酊感を生む異色の一枚。

12 VAINICA DOBLE/TODAS SUS GRABACIONES PAPA OPALO 98(RAMA LAMA)RA50272
スペイン、フォーク、ポップス、オリジナルリリースは71年ファースト作にボートラ4曲付。
国民的人気を誇る女性デュオグループ、プログレファンにも人気の高い激レアアイテム。二人の明朗で美しいヴォーカルにプログレッシブでサイケデリックなサウンドが、不思議な空間を産むドリーミーな玩具箱みたいな世界。ミャーミャーちびっ子コーラス隊に陽気な笛が愉快なナンバー、ビリンバウがビュンビュンと不思議な余韻を残すナンバー、哀愁トラッド、なかなか凝った意匠に彩られた女性ヴォーカルものの快作!
13 RALPH McTELL/SLIDE AWAY THE SCREEN & OTHER STORIES 94(ROAD GOES ON FOREVER)RGFCD021
英、SSW、オリジナルリリースは79年10作目にボートラ5曲付したデフジャケ新装版。
名曲「ストリーツオブロンドン」で知られるラルフ マクテル、30枚近いアルバムをリリースする英国を代表するSSW、70年代の諸作はアナログでほぼ所持してる、本作のアナログも所持してるがジャケが全く違うので気付かなかった次第。
プロデュースにディブ ペグがあたり、ディブ マタックス、ジェリー ドナヒュー、リチャード トンプソン、サイモン ニコル、ジョン カークパトリックらフェアポートファミリーにミック ウェーバー、ロバート カービー、フィル パルマーにテレフォン ビルなんてニッチな人も参加。堅実なサポートを得てマクテルの滋味深いジェントルなヴォーカルが沁みる名作。

14 HENRY TREE/ELECTRIC HOLY MAN 07(FOOTPRINT)FPR29018 デジパック
米、ジャズサイケ、ハード、オリジナルリリースは68年唯一作。
ジャズ系ミュージシャンによるトリオ編成のヘンリーツリー、マイナーサイケの宝庫メインストリームレーベルからのリリースでアナログは白地では無くエンジ色、よく見掛けたが入手には至らなかった一品。ジャズミュージシャンによるそつの無い演奏、アンサンブルが聴き応え有り、トラフイック「ディアミスターファンタジー」のファンキージャージーサイケなカバー、ジャズシーンでは有名なギタリストビル デアランゴをゲストに迎えてのタイトル曲、エンディングでのファズギターの掛け合いがスリリング。ただヴォーカルが野暮ったすぎてマイナスポイント。
15 FLAIRCK/THE EMIGRANT 89(CLOUD)8012 040
蘭、フォーク、トラッド、プログレ、10作目にボートラ2曲付したデフジャケ改訂CD再発盤。
91年の来日公演に於ける超絶技巧演奏、アクロバテイックなパフォーマンスにて観客の度肝を抜き、音楽雑誌の絶賛記事にて広くプログレファンにもアピール、翌年も来日し、TV番組にも出演、超絶テクを垣間見せてくれたのを今でも覚えてる。
ルネッサンス時代の音楽を当時の楽器を用いて再現するというコンセプトの元に創始されたネオクラシカルなチェンバーインストミュージック。映像で見たいグループ。
今週は10枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY237 2015.0711-0717
1 T.REX/DANDY IN THE UNDERWORLD 02(EDSEL)MEDCD720 2CD
英、グラム、オリジナルリリースは77年マーク ボラン生前最後の作品「地下世界のダンディ」にボートラ5曲、98年にリリースされたオルタナヴァージョン「プリンスオブプレイヤーズ」にボートラ6曲を付した二枚組拡大盤。
トニー ビスコンティの元を離れボラン自身がプロデュースを手掛けた新生Tレックスの力作なれど、30歳までは生きられないであろうというボランの予言通り同年交通事故死、30歳の誕生日の二週間前であった。タイトル、遺影の如きジャケ、何やらオカルトめいた雰囲気が漂うが、当時パンクに触発されたボランは「アイラブトウブギー」に顕著な初期のブギー、ロックンロールスタイルへ回帰し、新生Tレックスの起死回生に相応しい力作を手に、自らの嫡子たるパンク、NW世代に引導を渡すのである。
ボートラのデモ音源ギター弾き語りトラックが良い、デビューは本名トビー タイラー名義のフォークシンガースタイル、ヴォーカルのみでグルーブを産む魔法の声なのだ!
2 JOAN MILLS/IN MELANCHOLY MOOD 00 MR82
英、トラッド、フォーク、ファースト作?CDR。
マイケル レヴィンとのコンビでフォークヘリテッジレーベルに二枚のアルバムを残したジョアン ミルズ、本作もレヴィンがバックアップ、レヴィンの端正で気品のある美しいギターの音色に乗って、ジョアンの天使の様な清楚な歌声が響く、これぞブリティッシュフィメールフォークの鑑といえる作品!絶品!
3 MARK ALMOND/THE BEST OF 91(RHINO)R2 70571
英、モダーンロック、71-79ベストコンビ盤全12曲。
当ブログではお馴染みのマー君の方ではなく、ジョン メイオール&ブルースブレイカーズの僚友、ジョン マーク、ジョニー アーモンドによるデュオグループのマークアーモンド、マークはスィートサースディ、アーモンドはジョニーアーモンドミュージックマシーンでも活動した実力派。都会的なフュージョンクロスオーバーサウンドの先駆となった重要グループ、マークの枯れたメロウなヴォーカルにアーモンドのクールなサックス、フルート、トミー アイアーの幻想的なキーボード、暗い英国的な翳りのあるサウンドが癖になる。
ファースト、セカンドのアナログ原盤は英国ハーベスト、米国ブルーサムでジャケ違い、ブリティッシュロックマニアは是非英国盤をゲットしたい。
4 ALEX CHILTON/ELECTRICITY BY CANDLELIGHT NYC 2/13/97 13(BAR NONE)BRNCD220 ペーパースリーブ
米、SSW、ロック、発掘ライブ音源。
97年2月13日NYニッティングファクトリーのライブ盤だが、通常のライブとは違い、ファーストステージ後、予定されてたセカンドステージが中止となり、客電が落ちた中、現れたチルトンがキャンドルライトの中で急遽行ったハプニングライブの模様をオーディエンスが録音した音源、音質はブート並みだが、臨場感は半端無く観客の笑い声、話し声がアットホームな雰囲気のアンプラグドライブ。全曲がカバーでビーチボーイズ、ジョニー キャッシュ、ジョニ ミッチェル、ラウドン ウェインライト、「イパネマの娘」や古くから慣れ親しんだナンバーを思い付くまま弾き語ったあったかいライブ盤!
5 PROMISE! 15(GOT KINDA LOST)GKL003CD
米、パワポ、オリジナルリリースは80年自主制作唯一作。
何とも人相の悪い年季が入った風貌の4人組だが、サウンドは爽やかパワポ、添付シールにはバッドフィンガー、ビッグスター、初期チープトリック、エミット ローズ、ラズベリーズ、スクラフス、シューズ、ドワイトトワイリーバンドが引き合いに出されてる。ビートリッシュなメロディー、爽やかなハーモニー、英国王道ポップスの影響を受けた知られざる米パワポグループ!
リリース元のゴットカインダロストレコーズはスペインのガーセンの関連レーベルでアグリーシングス誌のジェレミー カーギルが咬んでるみたいだ、今後が楽しみ!
パート2
6 ATHANOR/INSIDE OUT:THE DEMOS 1973-1977 14(GUERSSEN)GUESSCD055
米、パワポ、未発表音源集。
「フラッシュバック」に次ぐ未発表音源集第二段。ジョン レノン狂のグレッグ ヘリッジスとビーチボーイズ、ホリーズ信者でクロウダディ誌のライターリック ベッテンソンによるデュオユニットアタノール!ホームレコーディングによるロウファイな音質が夢見心地感を倍増?ビートリッシュなメロディーに漂うサイケフィーリング、とろとろとたゆたう浮遊感、酩酊感が最高!
7 MAWUHA BPEMEHU/BHEWTATHBIU KOMAHDUP BEMNU 93(SINTEZ)SRCD00009
ロシア、ロック、何作目かは不明。
全く情報の無い正体不明の一枚、プログレと紹介されてたが、割りと普通のロック、5人編成、しっかりとした演奏で可も無く不可も無く、これといって特色無し。
8 GROUNDHOGS/SOLID 00(HTD)HTDCD118
英、ブルース、ハード、オリジナルリリースは74年7作目にボートラ1曲付。
ギタリストトニー マクフィーを中心とするグループ、マクフィーはジョンダマーブルースバンド、ジョアン ケリーとのコラボアルバムでも知られる英ブルースロックシーンの重要人物、我が国での評価は低いが欧米では高い人気を誇る。ファースト作は4人編成だが、以降はトリオ編成が基本、ベースのピーター クルイックシャンクに本作ではドラムが元エッグのクライブ ブルックスにチェンジ、エドガーブロートンばりのアングラハードブルース、うねるスライド、シンセ、メロトロンを導入した実験的なナンバーまで気合いの入ったブルージーハードロックを展開、カッコ良し!
9 BO NINGEN 11(KNEW NOISE RECORDINGS)KNR009 2CD 紙ジャケ
英、日、サイケ、オルタナ、ファースト作にボーナスディスクを付した国内仕様盤。
英国からの逆輸入サイケバンドとして話題になったボーニンゲン(棒人間)、ベース、ヴォーカルのタイゲン カワベを中心とする4人編成、ファズギターが唸りをあげる轟音サイケで全編日本語歌詞によるエキゾチックな感覚が海外で受けているのかもしれない。
オリジナルサイケ道を追求するタイプではなく、自然にオルタナ、サイケ感覚が身に付いてるという感じ。
10 ダン ペン/ブルーナイトラウンジ 01(TOM'S CABIN)TCR001
米、スワンプ、4作目となるデモ音源集。
ファースト「ノーバディズフール」が渋谷系リスナーに支持され復活、スプーナー オールダムとの奇跡の来日公演のライブアルバムに次いでリリースされたのは、デモシリーズと題された音源、ダン ペンサウンドの要となるキーボードにはカーソン ウィットセット、ロジャー ホーキンス、ウェイン ジャクソン、レジー ヤング、アル クーパー等が参加。一部打ち込みを使用した曲もあるが、全編ペンの味わい深いヴォーカルに珠玉のメロディーが米南部の熱気ある空気感を運んでくれる。ラストに南部の大地を濡らす雨音が10分以上収められてる。
パート3
11 BUZZCOCKS/SINGLES GOING STEADY 01(EMI)7243 5 34442 2
英、NW、パンク、オリジナルリリースは シングルコンピ集にボートラ8曲付。
NW、パンクムーブメントによるシングルレコードの復権は良質なシングルを生み、アルバム未収録のナンバーも多くコレクターにとって重要なアイテムとなった。次々と素晴らしいシングルをリリースしたバズコックスは当時、なかなか入手困難だったので、本作のアナログが米IRSからリリースされた時はすぐに飛び付いた。
後のメロコア勢やポップパンクなグループに多大な影響を及ぼしたコンパクトでキャッチーでフックの効いたサウンドはシングル向き!「オルガスムアディクト」のジャケ最高!後にシングル盤は殆ど揃える事が出来た。
12 PETER HAMMILL/ENTER K 03(FIE!)FIE9101
英、プログレ、モダーンロック、オリジナルリリースは82年11作目にボートラ1曲付。
ニック ポーター、ガイ エバンス、デビッド ジャクソンにジョン エリスからなるKグループを率いて、自身のレーベルナイーブよりの第一段、新参者の元ヴァイブレーターズのジョン エリスに刺激されてか、ハミルのパンクなヴォーカルが炸裂、75年にはリキナディアというパンク少年のキャラクターをいち早く創造した元祖パンクスなのだ。
13 JOHN MARTYN/COULDN'T LOVE YOU MORE:NO LITTLE BOY 98(ONE WORLD)OW1002CD 2CD
英、フォーク、SSW、オリジナルリリースは92年21作目と93年22作目のカップリング二枚組。
90年代といえば、SSWにとっては不遇の時代、メジャーのアイランドレコードとの契約を解除され、パーマネントというマイナーレーベルへ移籍しての3、4段目。セルフカバー集の92年のアルバムはマーティンの意向に反してレーベルが勝手にリリースしたもので、翌年マーティンの意に沿う形でリリースされたのが「ノーリトルボーイ」、タイトルにジャケが何やら曰くあり。というわけで9曲がだぶってる。ジェリー コンウェイ、フィル コリンズ、ディヴ ギルモアに22作目には更に、ジョン ギブリン、レヴォン ヘルム参加が目を惹く。マーティンは21作目のクリーンで甘いミックスが気に入らなかったらしく、直ぐに出し直すというマーティンの変わらぬジョンブル魂、トレンドとは関係無く自己の音楽を追求する孤高のSSWの名に相応しいアーティストの一人!
14 STEAMHAMMER/JUNIOR'S WAILING 99(REPERTOIRE)REP4787WG
英、ハード、サイケ、69-70ベストコンピ盤全16曲。
ドイツで人気を博した混沌としたクラウトロック風ヘビーサイケバンドスティームハマー、69年「リフレクションズ」70年「マーク2」に「マウンテンズ」の三枚のアルバムにシングル曲からセレクト。サイケを通過したブルージーハードロックからプログレシッブな展開も見せるサウンド、フルート、サックスが効果的でなかなか魅力的。
72年には最終作「スピーチ」を独のみでリリース、インスト主体の全3曲の大作の野心作であったが不評、ドラマーミック ブラッドリーの急死もあって解散。マーティン ピュー、ルイス セナモはヤードバーズのキース レルフとアルマゲドンを結成!
15 リーラ/リーラ 14(VIVID)VSCD5167 紙ジャケ
米、アシッドフォーク、オリジナルリリースは78年自主制作唯一作。
以前、ブート?のCDR盤を紹介したが、紙ジャケリイシュー盤という事で入手、韓国ビッグピンク盤に帯、解説を付したVIVIDの国内仕様盤。ヨガコミューンに所属する三人の女性によるグループリラ、三様のリードヴォーカルにハーモニーが織り成すスピリチュアルな音世界はCCM、リリジャスミュージックといった範疇に入るのであろうが、宗教云々に関係無く素晴らしい音楽がここにある。
今週は12枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY238 2015.0718-0724
1 シド バレット/帽子が笑う・・・不気味に 01(東芝EMI)TOCP65783 紙ジャケ
英、プログレ、アシッドフォーク、オリジナルリリースは70年ファースト作。
あっちの世界に行き、遂に帰ってくることはなかったシド、部屋の隅に佇み、否、何かに怯え直ぐに逃避出来る様に、全身全霊を緊迫させた、シドの圧し殺した息遣いが聞こえてくる音世界、正気と狂気の狭間で揺らぐ音、一瞬にして狂気へと針が振り切れる瞬間はあるのだろうか、、、蝉時雨の中、うだる熱気が陽炎のようにまとわりつきじりじりと焦がれていく精神、優しく発狂するのを待つのだが、永遠にその瞬間は訪れない?
2 KAWABATA MAKOTO & MICHISHITA SHINSUKE/BASEMENT ECHO 07(IMPORTANT)IMPREC196
日、ノイズ、コラボ作。
アシッドマザーテンプルの河端 一とLSDマーチというグループの人によるギターノイズミュージック。
3 AFFINITY 00(AKARUMA)AK112 ペーパースリーブ
英、ジャズロック、オリジナルリリースは70年唯一作にボートラ2曲付。
キーフジャケ、ヴァーティゴレーベル、オリジナルアナログはマニア垂涎の一枚。傑作揃いのキーフジャケの中でも高い人気を誇るジャケは購買意欲を高める美しさ!このジャケはやはりアナログ大でという事でアカルマの再発LPに、CD5枚組盤も購入。いち早くリイシューされたレパトワー盤にエンジェルエアー盤に本盤、更に国内紙に二枚組拡大盤も狙ってるんだけど、何アイテムになるんだろう?未発表音源集とかも色々リリースされてるが、全部揃えてもオリアナ盤価格の数分の一?でしょう。
リントン ネイフのヘビーなオルガンがのたうつジャージーなサウンドに、リンダ ホイル嬢のハスキーな熱いヴォーカル、セッションミュージシャンとして名を馳せるモ フォスターにセイラーに参加するグラント サーペルのリズム隊によるダイナミックな演奏に、ジョンポール ジョーンズによるブラスセクションの導入と60年代末70年代初頭のブリテイッシュロックの醍醐味が漫喫出来る傑作!
4 ルー リード/死の舞踏 01(BMGファンハウス)BVCM37403
米、ロック、オリジナルリリースは74年5作目にボートラ2曲付。
「トランスフォーマー」「ベルリン」と二枚の大傑作アルバムの後、「ロックンロールアニマル」「ライブ」という二枚のライブ盤の間にリリースされたアルバム、意外にもルーのアルバムの中で最も売れたらしい、そんな事はどうでもいいが、オープニングの「ライドサリーライド」から退廃的でキッチュなルーワールドが展開、「キルユアサンズ」「アンニュイ」「ビリー」といったシリアスなテーマを持った佳曲揃い、ディスコティークな標題曲は好みではないが、良作!
5 DAVID GARRICK/THE PYE ANTHOLOGY 98(SEQUEL)NEECD297 2CD
英、ロック、ポップス、65-69コンピ二枚組全54曲。
一枚目は67年ピカデリーレーベルからのファースト「アボーイコールドデビッド」にシングル、未発表音源4曲、二枚目は67年ピカデリーからのセカンド「ドントゴーアウトイントウザレイン、シュガー」にシングル、未発表音源7曲からなるパイ系列アンソロジー盤。
ストーンズ「レディージューン」のカバーヒットで知られる美形アイドルシンガーデビッド ギャリック、自作は一曲のみで全編カバー、職業作家によるナンバーで占められてる典型的アイドルシンガー、これといった特色も無く、何より曲を書けないという致命傷からシーンから姿を消すのだが、英国での人気は根強くコンピ盤の類いが多数リリースされてる。カーター=ルイス、マコーレィ=マクレオドのナンバーを取り上げておりソフロ系シンガーとしてもオススメ出来る。