6 MARK BURGESS AND THE SONS OF GOD/ZIMA JUNCTION 93(IMAGINARY)ILLCD044
英、NW、ネオサイケ、ファースト作?
私的にサウンド、スネークコープスと並んでネオサイケ御三家と目してるカメレオンズのヴォーカル、ベースのマーク バージェスがカメレオンズ解散後にリリースしたソロ作で、サンズオブゴッドなるグループを率いてる。カメレオンズの残されたメンバーはサンアンドムーン、リーグスを結成。
本作はフォーキー寄りの穏やかで風通しの良い心地良いサウンドを展開。この後、マークバージェス&イブスアルタナ名義でアルバム発表。
7 V.A/MESSAGE TO LOVE THE ISLE OF WIGHT FESTIVAL 1970 95(CASTLE)EDFCD327 2CD スリップケース付
70年8月26~30日英ワイト島で開催されたロックフェスティバル公演音源19組23曲収録。
60年代末に開催された数十万規模の大規模野外ロックフェス、モンタレー、ウッドストック、フィルモアと歴史に残る一大イベントの終焉ともいえる大失敗に終わった公演。68年、69年に続いて三回目となる本公演、採算が取れたら無料にすると無茶な発表をした主催者のせいで、無料だと勘違いした観客が押し寄せ暴動騒ぎに、、、ギャラはちゃんと貰えるのかという出演者、不穏な空気が渦巻く中、ミュージシャンは演奏を繰り広げる。フリー、ジェスロタル、レナード コーエン、最期となったジミヘン、テンイャーズアフター、クリス クリストファーソン、ジョニ ミッチェル、初の御披露目ELP、ドアーズ、フー、タイニー テイム、ティスト、ジョーン バエズ、ムーデイブルース、ドノバン、ファミリー、ジョン セバスチャン、マイルス デイビス、ボブ ディランを収録。
5日間の開催、他にも色々なアーティストが参加しており、ゲイリー ファー、アンディ ロバーツエブリワン、フェアフィールドパーラー、ペンタングル、ジューダスジャンプ、マイテイベイビー、ヘヴン、ロザリー ソレルス、キャシー スミスとかそそられる。映像版も是非観たい!
8 JACQUES BREL/JE T'AIME 10(NOT NOW)NOT3CD039 3CD デジパック
ベルギー、シャンソン、初期音源集三枚組。一枚目は55年ファーストに57年セカンド、二枚目は58年サード作にボートラ4曲付、三枚目は59年4作目にボートラ4曲付。
ジョルジュ ブラッサンス、レオ フェレと共にシャンソン三巨匠と称されるロック界にも信奉者は多く、スコット ウォーカー、デビッド ボウイ、マーク アーモンドが有名。先のアーティストを介して、その存在を知った人も多いであろう。自分もそう。我が国でシャンソンというとイブ モンタン、シャルル アズナーブル、アダモといった甘くお洒落なイメージがあり、自分とは縁遠い世界と思ってたが、ブレルを聴いて、その歌う姿を観て根底にあるロック魂を感じとり身震いしたものである。というわけでブレルの作品を収集してるのだが、後期作品は単体で揃えたが、初期になると編集盤とか色々入り乱れていたので、こうして4作まで纏めた編集は有難い!
9 RESIDENTS/FINGERPRINCE (ESD)RESIDE4
米、アヴァンロック、オリジナルリリースは77年サード作。
まずこの不気味なジャケにより中身の音楽が普通で無い事は容易に想像が付く、未だ正体不明の異形のグループレジデンツ!最初に耳にしたのが「エスキモー」、変テコな音源を買い漁ってたNW小僧の度肝を抜いた奇天烈盤、それまで聴いてきた音盤の中でも一際変。ラルフレーベルのコンピ「サブタレニアンモダーンズ」収録グループ、クローム、タキシードムーン、MX80サウンドの音盤を買い求めた、以後現在に至るまで奇妙な音盤を懲りもせず探し求めてる。
本作は当初三面二枚組として企画されたが、結局一枚ものとしてリリース、後に三面分はEP盤でリリース、CD化にあたり当初の企画通りの仕様に変更されてる。擬似辺境架空音楽?に脳味噌トロトロ?
10 NEW AGE/NEPTUNED CDR ペーパースリーブ
米、プログレ、シンフォ、オリジナルリリースは80年自主制作唯一作。
プログレ後進国と揶揄されたアメリカであるが、近年高水準のアルバムが続々と発掘リリースされ、残されたプログレ大国として評価、注目を集めてる。広大なアメリカ大陸、時流に関係無く、好きな音楽をとことん追究するミュージシャンが多々存在する。本作の主人公はラリー オリバーなるキーボディスト、プログレ衰退期の80年に自主制作された一大プログレ、シンフォアルバム!多彩なキーボードワークに流麗なギター、格調高いヴァイオリンにサックスも絡めたアンサンブルが絶妙、英欧プログレ名作群にも互する好アルバム!
本作はペラペラのいかにもなブート品だが、08年にジョーダン オリバー名義で正規CD化されたみたいだが、CDR品との事
パート2
パート3
11 SEDMINA/MELITA & VENO DOLENC (MELLOTRON)MRCD1003 2
ユーゴ、フォーク、プログレ、オリジナルリリースは80年ファースト作。
ベノ&メリタ ドレンク夫妻を中心とする幻想フォークグループセドミナ!先にセカンド作を入手し、その妖艶な幻想絵巻的アシッドフォークワールドにたちまち魅了され、探していたファースト、何とも奇妙なジャケに知らなきゃスルー必至だが、内容は極上の幻想フォーク、セカンドみたいな妖しさは薄いが、男女混声ヴォーカルに東欧、ジプシー的哀愁サウンド、伝統古楽器も使用した優雅な雰囲気も素晴らしい絶品!
セカンドリリース後夫妻は離婚、メリタはソロ活動、グループは新ヴォーカリストクラリノ ジョバノビッチを迎え三枚のアルバムをリリース、是非入手したい。
12 HUMAN INSTINCT/PEG LEG(THE LOST TAPES) 02(RAJON)RJCD004
NZ、サイケ、ハード、75年録音蔵出し音源。
NZを代表するサイケバンドヒューマンインスティンクト、ヴォーカル、ドラムのモーリス グリアーを中心に、ジミヘンフォロワーのギタリストビリーTKを擁した初期ヘビーサイケ期2、3枚目が有名たが、ビリー脱退後、4、5作目をリリース、本作は6作目にあたる作品だかお蔵入り、その後もグループは82年まで存続していたみたいだ。
75年に録音された本作はモーリス以外のメンバーは一新、ベース、ヴォーカルで参加してるザイン ミケルソンに注目、ザインという名前にピンときた人も多いと思う、渡英してザイン グリフ名義でアルバムを二枚リリースした、NWファンにはお馴染みのザインの若き日の姿なのである、グループ参加時は若冠15才。ザイン加入の影響か?デビッド ボウイ風のグラム、モダーンロックティストが加味された味わい深いサウンドが高ポイント!ザインリードヴォーカルナンバー二曲有り。それにしてもこのジャケどうにかならんの?
13 FONTESSA 14(TONE ARM)TA0023
蘭、ブルース、ハード、オリジナルリリースは73年ファースト作。
オランダにも渋いブルースバンドは多数存在し、キュービー&ザビザーズ、リビンブルースが有名処、本作のフォンテッサはドラマのギタリストフランク ヴァンデンクロットが結成した伝説のダッチブルースバンド、フランクのシャープでジャージなブルースギター、シェル シュレッキンスの細やかなドラミング、テクニカルなプレイが光る
クールなブルースロックがカッコイイ!
14 EUGENE CHADBOURNE & JIMMY CARL BLACK/PACHUCO CADAVER 95(FIREANT)FACD1007
米、アヴァンロック、コラボ一作目?
怪人ギタリストの異名を持つユージン チャドボーンは、あのクレイマーも在籍してたオルタナ重要グループショッカビリーの一員、ソロに転じてからは、先鋭的なアーティストとのコラボを実践するフリー系のギタリストとして多岐な活動で知られる、まさしく怪人アーティスト!ロックファンにはキャンパーバンベートーベンとのコラボで有名、そして本作、フランク ザッパ&マザースオブインベンションのドラマージミー カール ブラック、サイケファンにはジェロニモブラックに在籍していた事でも知られてる。二人の変態?アーティストによるコラボ、フリーキーなバンジョー、ギターが予測不可なフレーズを繰り出せば、負けじとドラムがやり返す丁々発止の攻防にすっとぼけたヴォーカル、会話、思わずにやりの面白盤!
15 ボブ ディラン/アイデン&ティティ 04(ソニー)MHCP166
米、フォークの神様、ベストコンピ盤全18曲。
ディランフリークとして知られるみうらじゅん作の漫画「アイデン&ティティ」に登場するディランの楽曲をじゅん氏が、グッとくる歌詞のベストアルバムとのコンセプトで選曲。ブックレットの歌詞対訳の字もでかいし、三浦 久氏の歌詞対訳も新たな翻訳となっていて聴きながら歌詞に目を通すのに最適なベスト盤!
今週は18枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY221 2015.0314-0320
1 V.A/A PERFUMED GARDEN VOLUME THREE (PAST & PRESENT)PAPRCD2043
英、サイケ、フリークビート、コンピ盤全18曲。
サイケ人気シリーズコンピCD盤の第三弾、いち早くサイケ激レア盤をリイシューした英サイコレーベルのアナログコンピが初出。ミュージックエンポリューム、CAクインテット、フェインジェイド、ハンガー、エレクトリックトイレット等を初めて知ったのがこのレーベルであった。さて本作にはマジョリテイワン、グラウンドホッグス、ハーバルミクスチュア、アンドウェラズドリーム、ルパーツズピープルといった有名処から、ミラー、アダムスリサイタル、バリーメイソン、セレンディピテイといったマニアックなアーティストに初見のグループまで英サイケのディープな音源を収録。各グループのデータなど、一切記されてなくて不親切なのが残念。
2 JADE WARRIOR/BREATHING THE STORM 92(RED HOT)CDR105
英、プログレ、アンビエント、8作目。
先頃45年振りに復活アルバムをリリースし驚かされた、英サイケの至宝ジュライのオリジナルメンバーであったジョン フィールドとトニー デューイが結成したのがジェイド ウォリアー、ヴァーテイゴに三枚、アイランドに4枚、更にヴァーテイゴ時代に二枚組のお蔵入りアルバム、後に一枚毎にリリース、と活動したがデューイが急逝、本作はそのデューイに捧げられた追悼アルバム、アイランド時代以降はインスト主体のアンビエント、ニューエイジ色の強い作風、本作では相棒を喪った哀しみ、喪失感が漂った美しい音色のアンビエントロック!
3 BILL STAINES/BILL STAINES 09(BIG PINK)7 ペーパースリーブ
米、SSW、オリジナルリリースは72年サード作。
現在まで多数のアルバムを発表する現役カントリー系SSWビル ステインズ、中でも最高傑作の声も高いSSWファンに大人気のアルバムが本作、モノクロ、木陰に座り込み傍らにギター、テンガロン?麦わら帽子?に眼鏡に髭とSSWファンなら、誰しも食い付くジャケにやられる。端正なヴォーカルによる弾き語りをベースにリズム隊、リチャード グリーンのフィドル、ラステイ ストレンジのドブロ、ジェフ バクスターのエレキ、スチールギターと腕利きのサポート陣の好演も素晴らしい珠玉の一枚!
4 TRIFLE/FIRST MEETING 10(ESOTERIC)ECLEC2212
英、ロック、ブラス、オリジナルリリースは71年唯一作にボートラ2曲付。
シカゴ、BS&Tの影響を受けた、いわゆるブラスロックなグループも英にも存在した、イフ、キーフハートレイバンド、アクィーラ、ブレインチャイルド、ヘヴンetc、本作のトライフルも二人の管楽器奏者がメンバーに在籍するブラスロックバンド、元々は60年代から活動するビートポップバンドジョージ ビーン&ザランナーズを母体とするグループ。ブラスロックといってもブリブリブラスが幅を効かせるといったタイプではなく、ハモンドオルガン、キーボードを主体にじわじわとブラスが被さる、パワーよりクールで洗練されたポップフィーリングに重きを置いた英国産らしい一枚。
キーボードのアラン フェルドマン、重厚なドラミングのチコ グリーンウッドはヘビーサイケバンドジャスパー出身、フロントマンビーンの急死でトライフル解散後、二人はニッキージェームスバンドに参加、チコは他にトウモロウのキース ウェストのグループムーンライダー、プリティシングスのフィルメイのフォーリンエンジェルスでも活動!
5 デイヴィッド グラブス/ザスペクトラムビトウィーン 00(PーVINE)PCD24023
米、オルタナ、ポストロック、4作目?
スクィレルベイト、バストロ、ガスターデルソルを経てソロ活動に転じたデイヴィッド グラブス、作品によってアヴァンギャルドなミニマルインストと、極上の歌ものSSW的作風に分かれるのだが、もちろん歌ものが好みで本作は歌もの路線の傑作、参加メンバーは旧友のジョン マッケンタイア、マッツ グスタフスンに仏の鬼才ギタリストノエル アクショテらが、流れるようで、ささくれだった刺激的なバッキングでグラブスの朴訥なヴォーカルを引き立てる!
パート2
6 PAUL JONES/CRUCIFIX IN A HORSESHOE 10(RPM)RETRO877
英、ロック、スワンプ、オリジナルリリースは71年4作目にボートラ6曲付。
マンフレッドマンの初代ヴォーカリストポール ジョーンズがヴァーテイゴからリリースしたアルバム。いち早く独レパトアーからリイシューされてて馴染みのアルバムだが、本作のボートラが目玉、72年にヴァーテイゴからリリース予定だったが突然お蔵入りとなった欠番アルバム、6360 075というカタログナンバーは、キャタピラー「チェンジス」、イアン カー「ベラドンナ」の間。71年作がNY録音、トーマス ジェファーソン ケイ率いるホワイトクラウドがバックアップしたスワンプ色濃い内容。72年作はゲイリー ボイル、ディヴ マクレエ、ロイ バビントン、グラハム プレスケット、ジョージ カーンら英国腕利きセッションメンがバックアップ、女性ヴォーカルジョイ アスキューを迎えツインヴォーカルによるグルービーで、ジャージーでメロウなファンキーロックへとシフト、なかなかの力作なので未発表に終わったのが残念、売れそうには無いけど?
7 RESIDENTS/HEAVEN? 86(RYKODISC)RCD20012
8 RESIDENTS/HELL? 86(RYKODISC)RCD20013
米、オルタナ、アヴァンロック、ベストコンピ盤「ヘヴン」編全24曲。「ヘル」編全20曲。
ライコのコンピシリーズヘヴン&ヘル、他にスパークスを所持してる。天国と地獄をコンセプトにそれ風の楽曲をチョイス。ゲストミュージシャンの記述はあるものの、収録アルバム等の記載は無く不便。脳みそが痙攣しそうになるくらいな快楽音楽又は不快音楽?
9 ジュン上久保/サンフランシスコの奇跡 04(富士)FJ0001
日、ニューロック、ヘビーサイケ、オリジナルリリースは72年唯一作。
我が国では全く知られてないが、海外のマニア、コレクターの間で高い評価を得てるアイテムがある。ジャステインヒースクリフ、マーサ、ピープル、3/3、ブラッシュ、トウマッチ、そして近年、高騰著しいのが本作。それまでに名のあるグループに所属していたわけでもない、ジュン上久保というサンフランシスコ帰りの無名の若者が、スタジオに籠ってたった一人で作り上げたアルバム。ギター、ベース、ドラム、キーボードを手掛けるマルチプレーヤーとしての才能、歌詞は日本詞、後に作詞家として大成する千家和也が殆ど手掛けてる。「半分終わった俺の人生は」「殺ったのは俺じゃない」といったロック的殺伐とした世界を上久保のやさぐれたヴォーカルとヘビーサイケなサウンドで聴かせるプライベート盤的乗りの作品。メジャーの東芝音楽工業(東芝EMIの前身)産というのが不思議だが、逆に大手であった為、売れない、即廃盤、回収廃棄処分へ、というわけで現存数は極めて少ないとの事。音工独自の赤盤仕様だったら良かったのに?
10 V.A/LES REJOUISSANCES (TAMANOIR)TCD1901 2 2CD
加、フォーク、77年9月2日、3日のコンサートの実況録音盤。カナダケベック州は仏語を公用語とし、多数のミュージシャンを輩出する北の地、アルモニウム、セギン、ムーンストーンといった優秀なフォークロックグループが有名、本作はそのケベックで開催されたフォークコンサート、ALAIN LAMONTAGNE、LE RAVE DU DIABLE、QUEBREIZH、BEAUSOLEIL BROUSSARD、MICHEL GARNEAUと5組のアーティストを収録、寡聞にして知らないアーティストばかりだが、ボーソレイュブラッサードはアナログ一枚所持しており、これ目当てで入手した次第。総勢20名近くの演者によるステージジャケから察して、全員によるジャムセッション部分を収録したものと思われる。カントリー、トラッド色の強いフォークサウンドに、笑いを誘うMC、楽しいコンサートの様子が伝わってくる。
パート3
11 SPOT (BLACK RILLS)006 三面デジパック
スイス、ヘビー、サイケ、オリジナルリリースは72年自主制作ファースト作。
いわゆるクラウトロックにカテゴライズされるヘビーで混沌としたサウンド、アングラ感漂うワウワウ、ファズギター、重たいリズム隊、時おり鳴る電子音など典型的。ボートラでハチャトウリアンの「剣の舞い」をカバーしてるが、ラブスカルプチュアーには劣る。
12 RATS/FIRST LONG PLAYER RECORD 06(RPM)RPM322
英、グラム、オリジナルリリースは74年唯一作。
NWファンにはA&Mからリリースされたソロアルバム、サイケファンにはワールドオブオズのフロントマンとして、プログレファンにはメインホースの初期メンバーとして知られるデビッド キュービネック!本作はCWTのメンバーらと結成したグラムロックグループラッツ!ラッツといえばミック ロンソンが在籍していたビートバンド、硬派パンクバンドにも同名グループがいる。英国ロックのニッチな存在キュービネック、そのグラマラスなヴォーカルスタイルはデビッド ボウイを彷彿させ、ソロアルバムではボウイに続くアーティストとして喧伝されていた。ボウイよりは線が細いのだが、NW時代、米のデビッド ワーナーと共に好みであった。グラハム クイントン ジョーンズのグラムチックなギターソロ、リフを中心にキュービーの粘っこいヴォーカル、キャッチーなメロディーが英国ニッチポップの王道?を行くサウンド、カッコイイ!
13 SEEDS/BACK TO THE GARDEN 10(FLOATING WORLD)FLOATM6065
米、サイケ、最終作。
ロッキー エリクソン、メイヨ トンプソンと並ぶサイケレジェンドスカイ サクソン、09年6月25日マイケル ジャクソンと同日に死去、本作は08年に録音され遺作としてリリースされたアルバム、シーズのオリジナルキーボディストダリル フーパー、マース ボンファ、ピート シアーズといった馴染みの面々が参加。ゆるやかなサイケデリックな響きにサクソンの渋みを増したチンピラヴォーカルが涅槃に誘う。
ヤホワ教団の幹部として知られるサクソン、教団名はサンライト、ファザーヨッドの元に召されたサクソン、ばら蒔かれた種は悪の華を永遠に咲かせ続ける。
14 DIVINE COMEDY/BANG GOES THE KNIGHTHOOD 10(DIVINE COMEDY)DCRL101CD
英、NW、デカダンポップス、10作目。
ニール ハノンによるソロプロジェクトデヴァイン コメディ、リリース枚数が二桁に突入し、ベテランの領域に達してきた英国随一のダンディーシンガー、ナルシス入りまくった自己陶酔型デカダンポップワールドは益々磨きがかかっている。ダックワースルイスメソッドというユニットでコンビを組むパグウォッシュのトーマス ウォルシュ、キャシー デービー嬢をヴォーカルに迎えヴァリエーション豊かな英王道ヒネクレポップに仕上がってる。
15 FALL/IT'S THE NEW THING!-THE STEP FORWARD YEARS 03(SANCTUARY)06076 81303 2
英、NW、ポストパンク、78ー80初期コンピ盤全20曲。
英NW界の裏番長マーク E スミス率いるフォールは今も現役バリバリ、多数の作品をリリースし続ける英ロック界の名物バンド、本作はデビューしたステップフォワードレーベルに残した4枚のシングルと2枚のアルバムから編纂されたコンピ盤、極初期のフォールを堪能出来る。前にも書いたが、フォール初体験はファーストアルバムの米仕様盤、そのつんのめる様なフォールビートと、しゃくりあげる様なヴォーカルに一気にのめり込んだNW小僧であった。
今週は9枚ゲット!
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WEEKLY LISTENING LIBRARY222 2015.0321-0327

1 FUNGUS/THE COLLECTION 00(EMI)7243 5 26075 2 2CD
蘭、フォーク、トラッド、二枚組コンビ盤全43曲。
74年ファースト「ファンガス」75年セカンド「リーフエンドレイド」76年「ヴァンダーキールナーウラリン」77年「マッシュルームズ」の4枚のアルバムをパック?
オランダのフェアポートコンベンションの異名を持つファンガス、髭面の人の良さそなオッサン集団の産み出すサウンドは、素朴で暖かい温もりを覚えるトラッドに、ロックの躍動感を加えた楽しさに溢れてる。

2 EDDIE MOTTAU/NO MOULDING (SMALL TOWN)CAMD7
米、フォーク、SSW、オリジナルリリースは77年セカンド作。
60年代にはボーグランパスに在籍、他にハングリーチャックのジム ゴールグローブ、ND スマート等が在籍した伝説のグループ、その後身ジョリバーアーカンソーを経てソロ活動へ、73年に雪ジャケが有名なファースト「ノーターニングアラウンド」リリース、ジヨン レノンのアルバム等にギタリストとして参加したりのセッションワークを経てリリースされたのが本作、プロデュースは前作に続いてPPMのノエル ストーキー、ストーキーが設立したニューワールドというインディレーベルからのリリースの為、アナログオリジナル盤はレア、近年高騰著しいアイテムの一つとなってる。内容については文句無し、SSWファンの琴線をビンビン震わせる珠玉の銘品!

3 DON ROBERTSON/DAWN (AKARMA)AK240 ペーパースリーブ
米、サイケ、ラーガ、オリジナルリリースは69年ファースト作。
コンポーザー、スタジオミュージシャンであるドン ロバートソンがギター、ハープ、キーボード、タブラ、他を駆使して繰り広げるエクスペリメンタルストレンジラーガサイケ!リズム隊、フルートをゲストに迎え、ミステリアスな女性ヴォイス、小鳥、虫の鳴き声のSE、アングラな雰囲気にラーガ旋律が酩酊感を生むトリップミュージック!
自身による詳細なバイオグラフィー、ディスコグラフィー付き、本作以降、80年代から10枚以上の作品をリリースしてるみたいだ。又、トム パロット、ボビー カレンダー、アランローバーオーケストラ、ハルミ、オルフェスとサイケファンにはお馴染みのアーティストのアルバムに参加、タブラ、インド音楽に関する著作なども多数リリースしてる、なかなか興味深いアーティストである。
4 SOFT CELL/SAY HELLO、WAVE GOODBYE : LIVE 05(DEMON)MCCD573 2CD
英、NW、エレクトロポップス、03年ライブ音源集。
バーミンガム、マンチェスター、リーズ、ロンドン、ブリュッセルでの公演からチョイスされた二枚組全26曲。曲間の繋ぎもつぎはぎ感は無く、まるで一公演をそのままパックしたかの如き編集がグッド、廉価盤専門?レーベルミュージッククラブ良い仕事してる。
再結成後は地味であまり話題になる事は無いが、その存在感とパフォーミングはさすが!
5 NICK CAVE AND THE BAD SEEDS/THE FUNERAL TOUR 92(RED LINE)RFCD1189
豪、NW、ブート?ライブ音源。4作目「ユアフュネラルマイトライアル」のプロモーションツアーからの音源で音質はまあまあ。オリジナルバッドシーズの気合いの入った演奏、ケイヴの咆哮、ヴェルベッツ「オールトウモロウズパーティー」、シングルカットされたジョニー キャッシュ「シンガー」と納得のカバーに、ジミー ウェッブの「恋はフェニックス」、シーカーズ「カーニバルイズオーバー」といったポピュラーナンバーのカバーにケイヴのルーツが垣間見れて興味深い。もっともケイヴがカバーすると暗黒のケイヴ節に塗りたくられるが!
パート2

6 EDWARD & HARDING (UNIDISC)AGEK2406
加、フォーク、オリジナルリリースは71年ファースト作。
ドナルド エドワード オウエン、ウィリアム ハーディング キャンデイによるデュオユニット。イングランド ダン&ジョン フォード コリーみたいな爽快なオープニングに、柔らかなヴォーカルによる陰影に富んだ穏やかな楽曲、ラストのフルート、ストリングスが効果的なナンバーがグッド!グループは以降、トリオ編成となり活動を続けたみたいだ。

7 CARAVAN/LIVE AT THE FAIRFIELD HALLS、1974 02(DECCA)8829022
英、プログレ、シンフォ、74年ライブ音源。
80年に仏のみでリリースされたアナログ二枚組のブート?が初出。曲を追加しコンサートに準じた曲順となった編集が為された完全盤。傑作「夜毎に太る女のために」のツアー音源で、ディブ シンクレア、パイ ヘステングス、ジェフ リチャードソン、リチャード コフラン、マイク ウェッジウッドによる布陣、ジョン G ペリーの替わりに参加したウェッジウッドのお披露目ライブでもあった。叙情性、幻想性にダイナミックな演奏、ライブバンドとしての実力を遺憾無く発揮するキャラバンの聴き応え満点の実況録音盤。
8 JOSEPHINE FOSTER & THE VICTER HERRERO BAND/ANDA JALEO 10(FIRE)FIRECD150 ペーパースリーブ
米、SSW、フリーフォークシーン最高峰のジョセフィン フォスターと夫のスペイン人ギタリストビクトール エレロとのユニットによる第一段。
スペイン最大の詩人ガルシア ロルカが採譜、録音した31年のスペイン民謡集から11曲をカバー、グラナダで一発録りされた作品集。ラテンミュージックの根源となったボレロ、フラメンコ、トラッドソングの簡素な響きが胸を打つ。次作の第二段とのカップリングの国内盤もリリースされてる。
9 THEE HEADCOATS/BROTHER IS DEAD)... 98(VINYL JAPAN)ASKCD70
英、NW、ガレージ、パンク、何作目かは不明。
英ガレパン仙人ビリー チャイルデッシュはソロ、様々なユニットで膨大な作品を発表し続ける、米ガイデッドバイヴォイシズのロバート ポラードと並ぶ偉大なミュージシャン、ミルクシェイクス、マイテイシーザーズと並ぶ重要ユニットがヘッドコーツ!本作はカバー集でバズコックス、クラッシュ、ヴォイドイズ、オルタナーティブTV、ジョニーモープド、エレクトリックイールズ!ほぼ同世代のアーティストにスモールフェイセズ、ディブ ベリー、ボー デイドリー、キングスメンとチャイルデッシュの音楽ルーツが垣間見れる選曲が興味深い、痛快ガレパンサウンドが滅茶苦茶カッコイイ!

10 PULSAR/THE STRANDS OF THE FUTURE (M2U)1011 ペーパースリーブ
仏、プログレ、シンフォ、オリジナルリリースは76年セカンド作。
我が国では「終着の浜辺」の邦題でいち早く紹介され、松本零士のイラストが付された人気の一枚であった。SF的でシュールなジャケが異星の郷の幻想譚を想わせイマジネーションをかきたてる。オープニングの22分に及ぶ表題曲で一気にパルサーの世界に引き摺りこまれる、仄暗い叙情性を湛えるメロトロン、琴線を刺激するアコースティックギター、フルートによる泣きのアンサンブル、どっか遠い彼方から漂ってくるような、独特な音空間が魅力の一枚。
パート3
11 T2/WAITING FOR THE BAND 93(SPM)WWRCD0050
英、ハード、サード作?
ネオンパール、プリーズ、フライズ、ガンといった好グループを渡り歩いたピーター ダントンがブルドッグブリードに加入し発展したのがT2、70年にリリースしたファースト作が高い評価を得てる。その後90年代に再結成、本作は第二段にあたる作品で多数のライブトラックを含んだアルバム、ハードロックトリオの醍醐味が味わえる。本グループやトラクター、ダーク、クリアブルースカイ等70年代初期に伝説のアルバムを残し、その後人知れず再始動し、地味ながらも良質な作品を届けてくれるベテラン勢の頑張りが英ロック界を支えてる。もっともそのまま伝説のまま完結するのも浪漫というもの!
12 EDWYN COLLINS/LOSING SLEEP 10(HEVENLY RECORDINGS)HVNLP81CD ペーパースリーブ
英、NW、ネオアコ、7作目。
脳溢血で倒れ、生還するも再起不能とも云われていたが、長いリハビリを経て見事復活、07年にリリースされた前作は病気に倒れる前、04年に録音されたもの、実質、復帰第一作となったのが本作、ロデイ フレーム、ジョニー マー、ポール クックの旧友、エドウィンを慕うフランツフェルデナンド、マジックナンバーズ、クリブス、リトルバーリー、ドラムスのメンバー等が参加した豪華なアルバムとなってる。エドウィンの渋味が出たヴォーカル、ブランクを感じさせない力強いアルバム、見事な復帰作!エドウィン画による細密な鳥ジャケも素晴らしい、個展も開く程の腕前、鳥好きには堪らない。
13 HAMKWIND/EPOCHECLIPSE 30 YEAR ANTHOLOGY 99(EMI)521 751 2 3CDBOX ビニールケース付
英、サイケ、ハード、三枚組コンピ全44曲。
一体何枚のアルバムがリリースされてるのだろうか?その膨大な量にたじろぐばかり、ベストコンピも数知れず、本作は本家EMIの優良コンピ、質量共に申し分無い。英サイケの梁山泊ノッテイングヒルゲイトを代表するバンド、そのファミリーツリーに関連ディスコグラフィーは英アングラロックシーンを俯瞰出来る重要なものだが、なかなかその全容は掴めない。本作は69年のデビューアルバムから97年の「デスタントホライゾンズ」まで22枚のアルバムからピックアップ、リリース順に収録、ラストに代表曲「シルバーマシーン」のライブトラック。NW期にホークローズと改名した頃迄のアルバムは押さえてるが、それ以降はスルー、下手に手を出さない方が無難な気がする。
14 BANCO DEL MUTUO SOCCORSO/DA QUI MESSERE SI DOMINA LA VALLE 91(VIRGIN)BMSX1CD 2CD 壷形ケース入り
伊、プログレ、再録音盤。
恐らくイタリアンプログレ最高峰のレア、プレミアを誇るバンコファーストオリジナルアナログの壷、国内紙ジャケにてめでたくCD化、当然ちゃちいけどね。本作リリース時にはあまり詳細が判らず、単純にファーストのCD化だと思ってたが、レーベルはヴァージンだし、二枚組だし何なんだろう?程なくファーストと「ダーウィン」の再録と知りスルー(笑)、そのうちあまり見掛けなくなったが、20余年が過ぎ機も熟した?のでゲット、ジャコモ翁も亡くなってしまったし残念。そのジャコモ翁の巨体に似合わない繊細で表情豊かなヴォーカリゼーションと巧みな演奏、地中海の匂い立つ様な熱気と空気感が漂ってくる。再録の本作は時代故のデジタルシンセの音色に好みが割れそう、軽すぎて重厚感が薄れてしまいNGだが、生楽器のアンサンブル、ジャコモのヴォーカルはさすが、貫禄の一枚!
15 JESS RODEN/THE BEST OF 09(LEMON)CDLEM126
英、ロック、ブルーアイドソウル、ベストコンピ盤全18曲。
フランキー ミラー、ロバート パーマーと並ぶ英実力派ヴォーカリスト三羽烏、ジェス ローデン!アランボウンセット、ブロンコ、ドアーズの残党と組んだバッツバンド、NW時代にはリベッツというグループを渡り歩いたローデン、本作は74-80年にアイランドレーベルに残した5枚のソロアルバムからセレクト。今一つ知名度は落ちるがヴォーカリストとしての実力は素晴らしく、ニューオリンズ録音、ミーターズをバックに付けたファンキーチューンにアーシーなスワンプサウンド、AORメロウナンバーまで燻し銀の喉を響かせる。
今週は11枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY223 2015.0328-0403

1 IN GOWAN RING/COMPENDIUM 1994-2000 (BLUE SANCT)
米、フリーフォーク、コンピ盤全18曲。
以前当ブログで二枚組のコンピ盤を紹介したが、これもコンピ、5枚のアルバムからセレクト、どうやらプロモ盤っぽい?ビーやバーチブック名義でも活動するベアースのユニット!ひたすら暗いアシッドフォーク、ストレンジフォークな世界にはまっているのだが、オリジナルアルバムはなかなか見掛けない。古楽器を使用した祭祀的、幻想的なアンサンブル、自然音のSE、アンビエントな音響空間が生むエクスペリメンタルな雰囲気、ベアースの訥々とした呟きヴォーカル、一度はまると脱け出せないウロボロスの輪的インゴ-ワンリングの世界!

2 STAFF CARPENBORG AND THE ELECTRIC CORONA (DR)47102 NT
独、サイケ、オリジナルリリースは70年唯一作。
オリジナルジャケとは似ても似つかないデフジャケ仕様でのCD化だが、こちらの方が内容にはマッチしてる、オリジナルジャケではまるでソフロ系のコーラスグループといった趣きだが、本編は怪しさ満開のカルトサイケ作!冒頭の「運命」の有名なフレーズから一転、これぞクラウトロック的ディープなカオスワールドへと突入、フリージャズ的フリーキーなリズムセクションにすっとん狂な笛類にエレクトロニクス、ハンドクラッピング、何やら呻いてるヴォーカル、異様な熱気を孕んでひたすらフリークアウトするジャーマンサイケ怪作中の怪作!これは凄い!

3 MISTY HUSH REVIVAL/YOUR HEART IS BROKEN (GUERSSEN)GUESSCD040
米、ガレージ、サイケ、オリジナルリリースは72年自主制作唯一作にボートラ2曲付。
僅か100枚のみのリリースで現存数は極少数という幻の一枚、72年リリースだが、音の質感は67、8年頃のトワイライト感満載のガレージサイケ、ティーンネイジビートサウンド、胸掻きむしられる様なイノセントでナイーブな音世界が堪らない!一部ライブ音源とかも含まれていて、録音自体はもっと前なのかもしれない、オブスキュアサイケ傑作!
4 CHRIS DIFFORD/THE LAST TEMPTATION OF CHRIS 08(AIRLINE)ARCD0211 デジパック
英、NW、サード作。
スクイーズの声の低い方クリス ディフォード、グレン ティルブルックスとのソングライティングは高い評価を得てる、主に作詞を手掛けるディフォードの今回の相方はブー ヒューワダイン、枯れた味わいの都会的で温もりのあるメロディーはディフォードの資質にピタリとはまってる。極上という言葉が似つかわしい大人の為のポップソングス!
5 BREATHLESS/HEARTBURST 94(TERRA VOSSA)BREATHCD13
英、NW、ネオサイケ、84-91ベストコンピ盤全13曲。
ヴォーカル、キーボードのドミニク アップルトンを中心とするグループ、ドミニクはジスモータルコイルのセカンド作参加でも知られてる。ジャケをはじめ美意識に貫かれた、初期4ADレーベルのサウンドに通じるヨーロピアン耽美世界、時にエキセントリックなフレージングも特徴的なキーボード、ギター、深く沈みこむダークなヴォーカル、地味だがなかなかの好グループで良い!レコ棚チェックしたらサードが無い、どこに行ったんだろう?一番好きなジャケなのに、、、
パート2
6 OAK/COUNTRY SONGS AND MUSIC 03(MUSICAL TRADITIONS)MTCD327-8 2CD CDR
英、トラッド、フォーク、二枚組コンピ全32曲。
71年トピックからリリースされた唯一のアルバム「ウェルカムトウアワーフェア」に多数の未発表ライブ音源等を付した集大成盤。以前当ブログで紹介済みのフィメール名シンガーペタ ウェッブに、プロデューサーとしても名高いトニー イングルが在籍していた事で知られる伝説のトラッドグループオーク!無伴奏シンギングにコンサルティナメインのインスト、簡素なフィドルをバッキングに男女混声による重唱、ジグ、リールによるダンスチューン、トラッドの真髄がとことん味わえる重要盤!ペタ嬢の芯の強さを感じる凛としたヴォーカルが素晴らしい!
7 DRUNK/A DARBY SPIRITUAL 96(JAGJAGUWAR)JAG02
米、ポストロック、スロウコア、ファースト作?
リチャード ヤングス、サイモン ジョイナー、パトリック フェラン、オッカービルリバー、ジュリー ドワロン等、うたものポストロックの宝庫ジャグジャグウォーの極初期リリース盤ドランクもウォー生え抜きのグループドランク!暗い陰鬱なヴォーカルにオルガン、チェロ、ヴァイオリン、ハーモニカ、バンジョー、マンドリン、スライドギター等が奏でる美しい室内楽的サウンドがひたすら沁みる。
8 INGA RUMPF/THE BEST OF ALL MY YEARS...SO FAR 97(REPERTOIRE)IMS7037WR
独、ロック、66-96二枚組ベスト盤全35曲。
ドイツロック界を代表する女傑インガ ランフ!30年に及ぶベスト盤。一枚目は66年シテイプリーチャーズ、本グループにはダグマー クラウゼ、ウド リンデンバーグも在籍していたジャーマンフォークの名門、そのダグマーとのIDカンパニー(本作には未収録)、67年、69年のレアシングル収録曲、70年代に結成していた名ハードロックグループフランピーにアトランテス、75-81年のソロアルバムから収録、二枚目は84-91年のソロアルバム収録曲に、インガが参加したフランピー、アトランテスのキーボデイストジャン ジャック クラベッツの72年のアルバム、77年ヴィンス ウェーバー、82年ウド リンデンバーグ、94年アキム レイチェル他、インガ参加曲も収録した優れものコンピ盤!
ハードロック時代のドスの効いたインガの強烈なヴォーカル、後年の円熟味を帯びたヴォーカルが味わい深い!マギー ベル、ジュデイ ツーク、エルキー ブルックス、本格派女性ロックヴォーカリストファンにお勧め!
9 BREAKOUT/KARATE 05(POLSKIE NAGRANIA)PNCD942 ペーパースリーブ
ポーランド、ブルースロック、オリジナルリリースは72年5作目。
60年代半ばにブラックアウト名義でデビューした古参グループ、ポーランド初のブルースロックバンドと称されるブレイクアウト、本作でも本領発揮、東欧らしい燻んだ味わいの枯れたブルースロックを展開。
10 フライング リザーズ/フォースウォール 95(東芝EMI)VJCP17502
英、NW、オリジナルリリースは81年セカンド作にボートラ3曲付。鬼才デビッド カニンガムのソロユニットであるフライングリザーズのセカンド、これぞニューウェーブという極めつけの一枚「ミュージックファクトリー」の翌年にリリースされたアルバム、素人が閃きと発想、DIY精神で作り上げた大傑作のファーストから音楽的、実験的に進化した本作には、ロバート フリップ!マイケル ナイマン、スティーブ ベレスフォード、ラブオブライフオーケストラのピーター ゴードン、スナッチのパティ パラディン嬢等が参加、ダブ、エスノファンクに大胆かつチープな実験的手法、斬新で前衛的で何でもありなニューウェーブの時代を象徴する一枚!
パート3
11 TAMOUZ/THE ORANGE SEASON IS OVER 89(NMC)81095 2
イスラエル、ロック、プログレ、76年唯一作。
なかなか高水準のイスラエルロック、興味深いグループ目白押しだが、入手困難なのが難。本作は後に活躍するシャロム ハノックとアリエル シルバーが在籍していた事で知られる名グループ。ヘビーなモダーンロックといった趣きの凝ったアンサンブルと高い演奏力が魅力!
12 LA DE DA'S/FIND US A WAY 11(NOSMOKE)NSCD0012 ペーパースリーブ
NZ、ガレージ、サイケ、オリジナルリリースは67年セカンド作にボートラ2曲付。
ローリングストーンズ、スモールフェイセズ、プリティシングスといったグループの影がちらつく、NZを代表するビート、ガレージバンドラデダス、ナゲッツに唯一収録されたNZのグループとして知られてる。前作よりサイケ色を増したサウンドが魅力。次作のサード作はドリーミーサイケなトータルアルバムの傑作!
13 KEVIN COYNE/CASE HISTORY 13(TURPENTINE)TURP4
英、SSW、ブルース、オリジナルリリースは72年ファースト作にボートラ9曲付。
本作は独レパートワーレーベル盤を入手済みだが、大量のボートラ付きとあって手を出す。アナログ時代にはダンデライオンイャーズのタイトルで、サイレンの二枚との三枚組BOXでもリリースされていた。我が家のどっかにあるはず!
激シブフォークロックバンドサイレンのフロントマンケビン コインが、サイレンと同じくジョン ピールが主催するダンデライオンレーベルからリリースしたソロ作。コインのアコギ弾き語りをメインに一部サイレンのメンバーによる簡素なバッキングが付くという地味な内容、コインの灰汁の強い個性的なヴォーカルが五臓六腑に沁みわたる。
14 DIMENSION 5 04(KING)8SSX142 8CMCD 非売品
米、モンド、電子音楽、5曲入りシングル。
キングレコードによるデメンション5レーベル、ブルース ハーク関連アルバムのリリースは快挙であった。本作はその特典盤で60年代に録音されたデモ用の音源集、キングオブテクノとも称される奇人電子音楽家によるストレンジでガジェットなトイミュージック!興味深いミュージシャンである。
15 パステルズ-テニスコーツ/トゥー サンセッツ 09(P-VINE)PCD93259 紙ジャケ
英、NW、ギタポ、コラボ作。グラスゴーの至宝、元祖アノラックパステルズの前作より12年振りのアルバムは我が国のテニスコーツとのコラボ作。テニスコーツは男女ユニットでその女性ヴォーカルによる日本語ソングが半数を占め、あまりパステルズ感は感じないが、たどたどしい儚げなヴォーカルのドリーミーポップが印象に残る。パステルズとしては13年に単独のオリジナルアルバムとしては16年振りの新作をリリースしているので、何れは入手する予定!
16 HOUSE OF LOVE/LIVE AT THE BBC 09(MERCURY)5312944
英、NW、ギタポ、ライブ音源集全19曲。
90-92年にかけてBBCでの4回のライブセッションからセレクト、名ソングライターガイ チャドウイックを中心とするハウスオブラブの絶頂期のステージをとらえた好ライブ、ガイの色気あるヴォーカル、サイケデリックなギターがじわじわと響く、名曲「シャインオン」「クリスティーン」のニ連発が堪らん、オーディエンス入りなので臨場感有り、改めて良いグループだと思う!
今週は24枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY224 2015.0404-0410

1 フックフット/ピースオブパイ 10(エアーメイルレコーディングス)AIRAC1584 紙ジャケ
英、ロック、69年蔵出し音源。
エルトン ジョンのバックバンドとしても知られるフックフットが69年に録音するもお蔵入りとなった幻のファーストアルバム用音源。フックフットはDJMレーベルのセッションミュージシャンカレブ クエイ等を中心に69年結成、アルバム用のマテリアルを録音するも、同レーベルのエルトン ジョンはカレブとブルーソロジー時代の同僚という旧知の仲、フックフットはエルトンのバックバンドとしても活動するが、あれよあれよという間にスターダムへ昇りつめるエルトンとの活動が忙しく、ファーストアルバムのリリースは一旦棚上げお蔵入りとなる。71年に仕切り直してファースト作、73年に解散するまで4枚のアルバムをリリースしている。本作はその4枚のアルバム紙ジャケリリースと共にリリースされた御宝盤。ほとんどが一発録りのまだ初期の段階の音源だが、凄腕のミュージシャン揃い、完成度は高い、陰影に富んだブリテイッシュロックマナー、ブルースフィーリングに米スワンプ、ファンキーティストがブレンドされたダイナミックな演奏、12分に及ぶ「シューシャインボーイ」のカレブとイアン ダックのギターバトルが圧巻、これは凄い、英ロックファン要注目の発掘音源!

2 3 HUR EL/ HUREL ARSIVI 03(WORLD PSYCHEDELIA)WPC6 8463
トルコ、サイケ、オリジナルリリースは76年セカンド作。
ハレル三兄弟によるアッパーターキッシュサイケ、トルコの伝統楽器サズとギターのダブルネックの改造楽器を駆使した強靭なオリエンタルグルーブに、ズンドコリズム隊が生む辺境ビート、演歌風拳回しのヴォーカルに掛け声、手拍子とターキッシュサイケの醍醐味が味わえる。
正直、何を聴いても同じに聴こえる?ターキッシュサイケ、それだけ特徴的とも云える。

3 MORIS/TRENTA MINUTOS DE VIDA (COLUMBIA)8 869 738045 2 デジパック
4 MORIS/CIUDAD DE GUITARRAS CALLEJERAS 04(BMG)8287 665491 2
アルゼンチン、SSW、オリジナルリリースは70年ファースト作と74年セカンド作を連聴。
南米の叙情性と情熱、エモーショナルなヴォーカルが素晴らしい、イタリアンカンタトウーレや仏のジャック ブレルにも通じる深みある歌世界、低音の落ち着いたヴォーカルに、捲し上げる様な唱法、ヴァラエテイに富んだ楽曲を歌い上げる実力派SSW作!
5 T.REX/THE SLIDER 02(EDSEL)MEDCD715 2CD デジパック
英、グラム、オリジナルリリースして72年7作目のニ枚組拡大盤、一枚目はオリジナルアルバムにボートラ3曲付。二枚目は「ラビットファイター」と題されたオルターネイトトラック集、以前単体でリリースされた時にゲット済みで、本作は単にドッキングさせたものだが、ついゲットしてしまう、デラックスエディションとかに弱いんだよね(笑)。
ロック永遠のマスターピース、グラムロック金字塔、Tレックスといえば、このアルバム、このジャケを思い浮かべる人が多いであろう!「メタルグルー」「テレグラムサム」のナンバーワンヒットをはじめ、「ミステイックレディー」「ザスライダー」「スペースボールリコシェ」「ビュイックマッケンナ」と名曲揃い!
パート2

6 CHRISTOPHER 97(GEAR FAB)GF108
米、サイケ、 オリジナルリリースは70年唯一作。
クリストファーというグループは幾つか存在していて、同年リリースの激レア盤「ワッチャゴナドウ」の同名グループの方が有名だが、こちらの方もそこそこ知られてるテキサスのバイカートリオ、一応テキサスサイケの範疇に入るのだろうが、レコーディングはカリフォルニアの為、シスコサイケ、ジェファーソンエアプレイン、ドアーズの影響が感じられる。全体的にアシッド感が濃厚で、リコーダーをフューチャーしたアコーステイックでミステリアスなダウナーナンバー等なかなか聴かせる実力派!
オリジナルドラマーのダグ タルは重度のドラッグ癖の為、バンドを馘になりヨゼファスを結成、強烈などくろジャケで有名!
7 BAUHAUS/MASK 09(BEGGARS BANQUET)BAUBOX2 3CDBOX
英、NW、ゴス、オリジナルリリースは81年セカンド作の三枚組拡大盤。
一枚目はオリジナルアルバム、二枚目はシングル曲、ヴァージョン違い、未発表曲等のレア音源、三枚目は81年11月9日ロンドンハマースミスプレスでのライブ音源。Tレックス繋がりでバウハウス、「テレグラムサム」をカバー、「ジギースターダスト」もカバーしており、ルーツはグラム、NW最重要バンドバウハウス、元祖ゴスとしてルックスもサウンドも最高であった。4枚のアルバムの中で最もポップで聴きやすい最高傑作の声も高い本作、私的にはどのアルバムも最高なのだが!「ヘアーオブザドッグス」のオープニングに名曲「パッションオブラバーズ」、最高、NW金字塔!自分の原点となるサウンドはいつ聴いても熱くなる!
8 V.A/REFUGEES A CHARISMA RECORDS ANTHOLOGY 1969-1978 09(EMI)CASBOX2 3CD
英、レーベルコンピ三枚組全44曲。
英ロックマニアには避けては通れないレーベルカリスマ、アナログコレクターの方ならピンクカリスマ、マッドハターのラベルが頭に思い浮かぶであろう。ヴァンダーグラフジェネレイターのマネージャーであったトニー ストラットン スミスにより69年に設立。そのVDGG、ナイス、レアバード、リンデイスファーン、ブライカンデビソンズエビリーウィッチアウェイ、ピーター ハミル、ジエネシス、ベル&アーク、ジャクソンヘイツ、オーデイエンス、モンティパイソン、ボーハンソン、ホットサムズオライリー、アラン ハル、ジャックザラッド、キャパビリティブラウン、レフュージ、クリフォード T ワード、キース エマーソン、ストリングドリブンシング、ホークウィンド、スティーブ ハケット、アランパーソンズプロジェクト、ブランドX、ホークローズ、ピーター ガブリエル、ニックターナーズスフィンクス、レッグスラリースミスのトポデビルと超豪華なミュージシャンを擁した重要レーベルである事が分かる!

9 OFFICER/OSSIFICATION 14(MEGAPHONE)025CD デジパック
英、アヴァンロック、NW、RIO、オリジナルリリースは84年ファースト作。
ワーク、ファミリーフォッダー関連人脈によるプロジェクトグループ、ミック ホッブス、ティム ホッジキンソン、トム コラ、ジーナ パーキンスのRIOビッグネームにアクサクマブールのカトリーヌ ジュノオー、ハットシューズのビル ジノイス、ヘンリーカウのジョージ ボーン他、総勢21名が参加したプロジェクト作。
架空のトラッドを演奏するというコンセプトでレコメン、カンタベリー的ストレンジなチェンバーポップサウンドが魅力!

10 TORMENTORS/HANGING'ROUND 09(GEAR FAB)GF240
米、ガレージ、サイケ、オリジナルリリースは67年唯一作。
ジャケはバーズ風魚眼レンズ、ボーブラメルズのカバー、フォークロックスタイルにガレージな粗野なビートも取り混ぜ、ブリテイッシュインベンションの香りもそこかしこ、オルガン、フルートのいなたい味付け、ダサイ風体の男達によるのほほんサイケ?
パート3
11 YVES SIMON/J'T'IMAGINE 07(SONY BMG)8 8697126072 3CDBOX
仏、フレンチポップス、作家、73-85三枚組全54曲。
現在は作家としての知名度の方が高いイヴ シモン、70年代我が国では人気のフレンチポップシンガー、SSWであった。端正で知的な風貌、文学的な詩世界、名ロックグループトランジットエクスプレスがバックアップとサウンド的にもロックファンにもアピール出来る内容。
12 JJ BURNEL/UN JOUR PARFAIT 98(EASTWORLD RECORDINGS)EW0003CD
英、パンク、NW、オリジナルリリースは88年セカンド作にボートラ5曲付。
唯一現存する五大パンクストラングラーズのベース奏者ジャン ジャック バーネルが発表した二枚のソロアルバム、79年ファーストの「ユーロマンカメス」は我が国でもリリースされたので、良く知られてるが、本作は仏、カナダのみでのリリースだったので熱心なファン以外には余り知られてない。オリジナルジャケも地味であったが本CDも極めて地味なデフジャケ、武闘派ストラングラーズの強面兄ちゃん、空手有段者のジャンジャックのアルバムとは思えないスリーブに包まれてる。
初期ストラングラーズはジャンジャックのリードベースとも言われるタイトなベースがぐいぐい煽る攻撃的なパンクサウンドであったが、「メニンブラック」辺りからヨーロピアンモダニズム溢れるNWサウンドにシフトしてるのだが、本作もフランス人であるジャンジャックの資質でもあるヨーロピアンデカダンなサウンドに、打ち込み、エレクトロニクスを大幅に導入したもので、ヴォーカルは仏語、キーボードは盟友ディブ グリーンフィールドが担当し、エレクトロNWの好盤に仕上がってる!
13 ALAN TAYLOR/FADED LIGHT 95(T RECORDS)TCD005
英、フォーク、SSW、11作目。アラン テイラーといえばユナイテッドアーティスツレーベルの70年代の初期の三枚が有名で、76年にケイジャンムーンというグループを結成した頃までは語られる事も多いのだが、その後もコンスタントにアルバムをリリースしている。84年には自身のレーベルTレコーズを設立、本作はレーベル最後のリリースとなった作品。円熟のヴォーカルに滋養豊かなバッキング、地味渋の極みとも言うべきSSW作、ライ クーダー「アクロスザボーダーライン」のカバーが秀逸!
14 CORTEX/TROUPEAU BLEU (DARE DARE)DDCD005
仏、ジャズロック、レアグルーヴ、オリジナルリリースは75年ファースト作。
今やフレンチレアグルーヴの定番アイテムとしてクラブシーンで人気を誇るコルテックス!ミレーュ ダルブレイ嬢のチャーミングなウィスパー、スキャットヴォーカルがフューチャーされたボッサジャズティストに溢れたお洒落な音盤。テクニカルなエレピも聴き処!
15 JOHN GREAVES PETER BLEGVAD LISA HERMAN/KEW.RHONE. 97(VOICEPRINT)VP200CD
英、プログレ、レコメン、オリジナルリリースは77年唯一作。
ヘンリーカウのジョン グリーヴスとスラップハッピーのピーター ブレグヴァドにリサ ハーマン嬢を加えたプロジェクト作。マイケル マントラー、カーラ ブレイ等がバックアップ。ハーマンの魅惑的なヴォーカルを中心にレコメン的アヴァンギャルドなチェンバーロックを展開。
この後、グリーヴスとブレグヴァドはジャコ等とロッジを結成、82年にアルバムリリース、こちらも名作。アントン フィアのゴールデンパロミノスともシンクロし、刺激的な活動を続ける。ソロ作は当ブログではお馴染み。
今週はレコ屋行かず。
WEEKLY LISTENING LIBRARY225 2015.0411-0417
1 MATTHEWS'SOUTHERN COMFORT/FIRST 93(LINE)LCCD9.01261 0
英、フォークロック、オリジナルリリースは70年ファースト作。
フェアポートコンベンションを脱退したイアン マシューズが結成したリーダーグループ!フェアポートファーストは米コンテンポラリーフォーク指向の強いサウンドでマシューズも存在感を示したが、セカンドで超強力なヴォーカリストサンディ デニーが加入し、英トラッドフォーク志向のサウンドへと変遷し、マシューズの影は全く薄くなり、マシューズは脱退、自身のサウンドを追及すべき本グループを結成、米フォーク指向のサウンドに英フォークの気品をブレンドした美しい田園フォークをクリエイト!しかし、マシューズは二枚で脱退、アンディ ロバーツ等とプレインソングを結成、更に米フォーク、スワンプ指向の強いサウンドへ、その後、何とパプロフドッグのデビッド サーカンプとハイファイを結成、NW風のサウンドでびっくりさせられる。近年はエリオット マーフィーとのコラボ作とソロ以外にも色々活動してる。自分好みのアーティストと共演していて興味深い!
2 STRETCH/ELASTIQUE 95(REPERTOIRE)REP4522
英、ハード、ブギー、オリジナルリリースは75年ファースト作。
エルマーガントリーズベルベットオペラの名ヴォーカリストエルマー ガントリーが、カーブドエアーに参加していたギタリストカービー グレゴリー等と結成したグループストレッチ!渋いパブロックの宝庫アンカーレーベルから3枚、ホットワックスレーベルから一枚アルバムリリースしてる。我が国では一挙紙ジャケ化されてるそこそこの人気を誇る中堅グループ、本作収録の唯一のヒット曲「ホワイデイドユードウイット」が近年ではクラブシーンて人気というが、それも納得のタメの効いた弛いグルーブのファンキーロックチューンでカッコイイ、ガントリーの渋いヴォーカル、カービーの多彩なギタープレイ、ハードブギーにアコーステイックバラード、聴き処満載のB級ブリテイッシュロックの名品!
カービーのソロアルバムは紹介済み。
3 LISA MILLER/WITHIN MYSELF 10(SUNDAZED)SC6263 デジパック
米、ソフロ、オリジナルリリースは67年にボートラ2曲付。
イエローバルーン、ニューウェーブをリリースしたソフロファン注目のレーベルカンタベリーの最後の一枚リサ ミラー、11歳のちびっ子歌手。カンタベリー産でなければ手を出さない一枚、ロリ声でキャンキャン歌われたらたまったものではないが、意外としっかりした声でじっくり歌われる、かといって抜群に歌唱力のある天才キッズシンガーといったわけでもない。母親がルイスシスターズのメンバーという事でパイプも太かった様で、その母親の手による楽曲、ルルやビートルズのカバー有り、バブルガムなキッズガールズポップの秀作といった処、その後リサちゃんがどうなったかは知らない。
4 ANTHONY MORE/FLYING DOESN'T HELP 94(VOICEPRINT)VP177CD
英、プログレ、カンタベリー、オリジナルリリースは78年サード作。
スラップハッピーの英国人アンソニー ムーアのソロ作、スラップハッピー以前に実験的なアルバムを二枚リリースしており、ポップフィールドでは初のアルバム、しかし、その前に実験音楽のアルバム、ヴァージンから「アウト」という二枚のアルバムがお蔵入り、どちらも近年蔵出しリリースされてる、というわけで実質5枚目にあたる作品、しか~し、何とスイスのイエローと制作したお蔵入り盤が二枚あるという、これも早く蔵出しして欲しいものである。さて本作は来るNWの波に呼応するかの如き、サウンドであるが、そこは余裕綽々、懐の大きいアヴァンポップアルバム、耳の早いNWファンの方は先刻承知であろうが、実はまだという方は是非一聴を!
5 ECHO & THE BUNNYMEN/OCEAN RAIN 03(WARNER)2564 61165 2 スリップケース付
英、NW、ネオサイケ、オリジナルリリースは84年4作目にボートラ8曲付。
キュアー、ジャパン、U2と共に我が国で最も人気の高かったNWグループ、エコー&ザバニーメンの最高傑作でNWシーンを代表する名盤。前作「ポーキュパイン」で昇りつめ、本作で絶頂に達したエコバニ渾身の一枚。オーケストラを大胆に導入したクラシカルなサウンド、美しすぎる「キリングムーン」は稀代の名曲、ジャケも秀逸な大名盤!
パート2
6 ULTRAVOX!/HA!HA!HA! 06(UNIVERSAL ISLAND)IMCD325
英、NW、パンク、オリジナルリリースは77年セカンド作にボートラ6曲付。
ジョン フォックスズウルトラボックス、ファーストと同年に早くもリリースされたセカンド、三枚のアルバムの中で最もパンキッシュな作品、随所に実験的な要素や過激なフレーズ、音色が刺激的でハイテンションのまま一気に突き進む、冒頭の「ロックワーク」からラストのサード作へと連なるクワイエットな名曲「ヒロシマモナムール」へと、ソリッドでエネルギッシュ、スタイリッシュなグループの魅力が目一杯詰まった傑作!ボートラの先行シングル「ヤングサベージ」のかっこよさ、パンキッシュな「ヒロシマモナムール」のオルタナヴァージョンと、ボートラも充実!
7 V.A/PSYCHEDELIA AT ABBEY ROAD 1965-1969 98(EMI)496912 2
英、ビート、サイケ、レーベルコンピ盤全22曲。
EMI百周年記念リリース盤アットアビーロードシリーズのサイケ編、ドノバン、トウモロウ、ホリーズ、プリティシングス、シド バレットといったメジャーものに、スレイドの前身インビトウィーンズ、ジェントルジャイアントの前身サイモンデュプリー&ザビッグサウンド、サイケファンにんまりのクーバス、ロコモーティブ、ゴッズ、マンドレイクパドルスチーマーに、フィンガーズ、ティルスオブジャスティン、ノクターンズ、モールスといったマニアックなところまで、全18アーティスト収録!
8 CLAIRE HAMILL/OCTOBER (BLUEPRINT)BP238CD
英、フォーク、SSW、オリジナルリリースは72年セカンド作。
当時18歳クレア ハミル嬢、ローラ ニーロ、ジョニ ミッチェルの影響伺われるフォークポップサウンドに、英国の湿り気を帯びた10月の冷気を少しまぶした空気感が素敵な一枚で裏ジャケのはじけるクレアがキュート!ポール サミュエル スミスプロデュース、アラン ホワイト、ジェリー コンウェイ、パット ドナルドソン、ハリー スピネッテイに米のスミス パーキンソン スミスの三人が参加。ストリングアレンジはニック ハリソン、堅実なサポート陣のバックアップによる英女性フォーク傑作!
3、4枚目はキンクスのレイ デイビスのコンクレーベルからのリリース!
9 ROD STEWART/REASON TO BELIEVE:THE COMPLETE MERCURY STUDIO RECORDINGS 02(MERCURY)440 063 422 2 デジパック 3CD
英、ロック、69-73初期コンピ三枚組全56曲。
ロック界のスーパースターロッド スチュワートの初期マーキュリーコンピ一枚目は69年ファースト「ロッドスチュワートアルバム」、英盤はヴァーティゴ「アンオールドレインコートウォントエバーレットユーダウン」のデフジャケ、70年セカンド「ガソリンアレイ」、英盤はヴァーティゴデフジャケにシングルヴァージョン1曲、二枚目は71年サード「エブリピクチュアーテルズアストーリー」、72年4枚目「ネバーアダルモーメント」にシングルB面曲、三枚目は73年5枚目「スマイラー」にシングル、米未発表曲等8曲収録、これ一枚でマーキュリー音源をコンプリート?出来る優れもの。一般的にロッドといえば、これ以降の所謂スーパースターの時代なんだろうけど、私的にはマーキュリーにフェイセズ辺りまで。表題曲ティム ハーディン作の「リーズントウビリーブ」が最高、名唱やね!
10 ディス ヒート/偽り 02(ロクスソルス)LSI2055 デジパック
英、NW、レコメン、オリジナルリリースは81年セカンド作。
本格派シンガーの後は変なものが聴きたくなるというわけでジスヒート、いきなり脱力ソングの「アスリープ」、無気味で眠れない子守唄に嬉しくなってしまう。当時アナログを聴きまくった、オリジナルはラフトレ、邦盤は徳間ジャパン、刺激的なラフトレ盤を多数リリースしていて、随分揃えたものである、ポップグループ、キャバレーボルテール、ペレウブ、フォール、スウェルマップス、レインコーツ、レッドクレヨラ、スロッビンググリッスルと刺激的なアーティストばかり、その中でもディスヒートは群を抜いてアヴァンギャルドでオルタナティブでプログレシッブであった。本グループの核となるのが、ドラマーのチャールズ ヘイワード、フィル マンザネラのクワイエットサンに参加してた名手、70年代初めから活動を共にしてたチャールズ ブレン、本グループが初の音楽キャリア、楽器演奏経験も無かった素人のギャレス ウィリアムズからなるディスヒート!テープコラージュにダブ手法を駆使して解体、再構築される先鋭的な音響サウンドは近年伝説のグループとして高く評価されてる。
パート3
11 パブロフスドッグ/条件反射 93(ソニー)SRCS6287
米、プログレ、モダーンロック、オリジナルリリースは76年セカンド作。
70年代当時カンサスと並んで最も有名だったプログレバンド、国内盤のリリース自体が少なく、又、欧州のグループと比してポップ寄りなサウンドはプログレ不毛の地とも云われた。しかし、近年高水準の埋もれたグループが続々と発掘され衆目を集めてる。本作はビル ブラッフォードがゲスト参加してる事で話題となり、国内盤リリース、まずその強烈なジャケ、そして特異なサウンド、リードヴォーカリストのデビッド サーカンプの特徴的な声に驚かされたものである。その声を受付られるかどうかで好き嫌いが別れそうだが、シュールでモダーンでプログレシッブなサウンドは病み付きになる、サーカンプのハイトーンヴォーカルも合ってる。
グループはこの後サード作を録音するもお蔵入り、サーカンプはマシューズサザンコンフォートの項でも触れたが、イアン マシューズと共にハイファイを結成、以前紹介済み。
12 ONLY ONES/ORIGINAL ALBUM CLASSICS 11(SONY MUSIC)88691904312 3CD ペーパースリーブスリップケース入り
英、NW、オリジナルアルバムコンピ三枚組。
オンリーワンズが残したスタジオアルバムのすべて78年ファースト「オンリーワンズ」79年セカンド「イーブンサーペンツシャイン」80年サード「ベイビーズゴットアガン」にそれぞれ3曲のボートラを付したオリジナルジャケ紙スリーブ仕様盤。
近年良く見掛けるオリジナルアルバムをセットにした廉価版シリーズ、大好きなオンリーワンズとあって入手、一体何アイテム目であろうか?
ボブ ディラン、ルー リードから影響を受けたというピーター ペレットのシュールでデカダンな音世界に、ミャーミャー声、いつ聴いてもオンリーワンズは良い、マイフェイバリットグループ!新作アルバムをリリースして欲しいのだが!!!
13 PETER HAMMILL/A BLACK BOX (VIRGIN)CDOVED140
英、プログレ、モダーンロック、オリジナルリリースは80年9作目。
デビッド ジャクソンのサックス、フルート、デビッド ファーガソンのシンセ、タンバリンが一部参加したのみのセルフレコーディングアルバム、ドラムはリズムボックス、ノイジーなキーボード、パーカッション、攻撃的なギター、荒らぶるヴォーカル、NW全盛時代、元祖パンクロッカーハミルが放つ80年代新時代の幕開けを飾った傑作!
14 フー/フェイス ダンシズ 99(ポリドール)POCP9207 紙ジャケ
英、ロック、オリジナルリリースは81年。キース ムーンの死去という悲劇を乗り越えリリースされた新生フーの第一段アルバム。キースの後釜はスモールフェイセズのケニー ロジャース、激動の60年代しのぎを削ったライバル、戦友が後任にあたったのだが、キースの存在はあまりにも大きすぎて、穴を埋めるべく健闘するも評価は厳しいみたいだが、それも仕方ない、やはりあのドラムあってのフーだと思う。とはいえ、オープニングの「ユーベターユーベット」がヒット、ポップでキャッチーな佳曲ではあるが、当時、刺激的なNWサウンドが溢れる中にあっては、フーも随分軟弱になったなとの印象を抱いたし、既に過去のバンドであった。久しぶりに聴いたがシャープでポップなハードロックで悪くはないが、軽いシンセ音がそぐわない。
15 PILOT/MAGIC 97(COLLECTABLES)COL5868
英、ロック、パワポ、オリジナルリリースは74年ファースト作にボートラ5曲付。
ブレイク前のBCRのメンバーであったデビッド ペイトンとウィリアム ライオールの二人に、スチュワート トッシュから成るトリオ編成パイロット!元祖パワポ英代表として、又ソフロシーンでも高い人気を誇る名グループ、キャッチーでポップなメロディー、爽やかなハーモニー、心浮き浮きするマジックに溢れたナンバー、ズバリ「マジック」がヒット、英情緒溢れるソフトなナンバーも魅力、プロデュースはアラン パーソンズ、英ロックマニアは押さえておきたい!
今週は3枚ゲット!
WEEKLY LISTENING LIBRARY226 2015.0418-0424
1 THE FANTASTIC STORY OF MARK WIRTZ AND THE TEENAGE OPERA 01(RPM)503 2CD
英、ソフロ、サイケ、64-72プロデューサーワークコンピ盤二枚組全41曲。
独出身、EMIレーベルのプロデューサーとしてトウモロウ、架空サントラ「ティーンネイジオペラ」のプロデュースを手掛けた事で知られるマーク ワーツの仕事を纏めたコンピ盤、トウモロウ、ティーンネイジ関連キース ウェスト、スティーブ ハウ、キッピントンロッジや自身のプロジェクトムードモザイク、フィルウィット&ペガサス、アクエリアンエイジ等、サマンサ ジョーンズや自身のソロ名義のシングル、アルバム収録曲etc、etc、フィルスペクター風ポップス、モンドオーケストラ、ティーンネイジサイケ、ソフロ、才人ワーツの類い稀なサウンドが一望出来る優良コンピ!
2 JOHN MARTYN/LONDON CONVERSATION 05(ISLAND)IMCD319
英、フォーク、SSW、オリジナルリリースは67年ファースト作にボートラ1曲付。
09年に没するまで多数のアルバムをリリースした英フォーク界の巨人、あのニック ドレイクの盟友としても知られてる。アイランドレーベルが契約した初の白人アーティストで、いかにレーベルが嘱望していたかが伺われる。事実80年までに同レーベルからリリースした11作は傑作揃い。本作はデビューアルバム、ギター弾き語りによるシンプルな作品で影響を受けたボブ ディランのカバーを含む、渋いヴォーカルにバート ヤンシュ、ディビイ グレアムばりのフィンガーピッキングによるギタープレイが冴える60ズ英SSWの名作!
3 AMERICAN MUSIC CLUB/CALIFORNIA 88(GRIFTER FRONTIER)FMCD1
米、オルタナ、サード作。
孤高のSSWマーク アイツェル率いたアメリカンミュージッククラブ、デビュー時はまだ若々しかったマークのヴォーカルも随分と渋味を増し、その落ち着いたヴォーカルにフォーク、カントリー調のたおやかなサウンド、時に激しく咆哮するヴォーカルによるアグレッシブなサウンド、内省的なアシッドフォークナンバーと充実した内容!
4 SHRIMP BOAT/CAVALE 93(BAR/NONE)A HAON027 2
米、オルタナ、インディ、4枚目ラスト作。
サム プレコップがシー&ケイクの前に結成していた伝説のグループシュリンプボート!我が国でも一時期、三枚組の未発表音源集やオリジナルアルバムはじめ、初期シングル集、レアトラックス集が一挙国内発売され盛り上がった事があった。後身のシー&ケイクやトータス等、いわゆるシカゴ音響派が盛り上がってた時期だったと思う。
どっか捻れたサウンドによれったヴォーカルがはまる一枚、シー&ケイクにも通じる部分が散見され興味深い!
5 SUICIDE 00(MUTE)9104 2 2CD
米、エレクトロパンク、NW、オリジナルリリースは77年ファースト作の二枚組拡大盤。一枚目はオリジナルアルバムにボートラ3曲付。二枚目は78年CBGB'Sでのライブ音源に78年ベルギーブリュッセルでのライブ音源。
ヴォーカルのアラン ヴェガ、エレクトロニクスのマーティン レヴによるデュオユニット、東のスーサイド、西のクロームとも云われるエレクトロパンクデュオの代表的グループ!グループ名、血塗られたグループロゴジャケに、錆臭いエレクトロサウンドに痙攣、絶叫ヴォーカル、あらゆるものが衝撃的であった。パンク小僧にとっては恐ろしいサウンドであった。カーステで「フランキーティアドロップス」を大音量でかけ、真夜中の山道を突っ走ってるとまるで地獄へ道連れの恐怖体験が味わえた。そんな事を思い出すスーサイドサウンドは未だ強烈な腐敗臭を放ち続けてる。
パート2
6 RAY COLUMBUS/THE SOLO YEARS 04(EMI)571281
NZ、米、ビート、サイケ、66ー74ソロコンピ集全25曲。
レイコロンブス&ジインベーダーズを率いて63年と65年にアルバムをリリース、本作はインベーダーズ解散後、ソロ作、渡米しアート コレクションを結成しての音源等を纏めたコンピ集。アート コレクションは解散後、残りのメンバーがパウダーを結成と興味深い。パウダーのコンピ盤「ビフバンパウダー」は最高!本作はホーンセクションを導入したフリークビートナンバー、フォークロック、ストリングスが効果的なソフロナンバー、女性コーラスも交えたビートポップス、オルガンサイケ、ほとんどが自作曲から成るソングライティングの才も光るコロンブスの魅力溢れる一枚!
7 JULIAN COPE/FRIED (MERCURY)822 832 2
8 ジュリアン コープ/マイネーションアンダーグラウンド 88(ポリスター)P33D20078
英、NW、ネオサイケ、2、4作目を連聴。
リバプール御三家の一人ティアドロップエクスプローズのジュリアン コープ、エコバニのイアン マッカロック、マイティワーのピート ワイリー、三人はクルーシャルスリーという伝説のグループを結成していたという枕詞は今でも通用するのだろうか?ジュリアンのシド バレット的趣向、鬱の部分が早くも表出したセカンド、亀の甲羅を被ったジャケからして相当逝っちゃってる、英オリジナルアナログは特大ポスター付きでファンは是非押さえておきたい逸品。アシッドフォーク調の暗い内容で、「ビルドラモンドセッド」なんていう曲もある、お返しにビル ドラモンドはソロアルバムで「ジュリアンコープデッド」と殺してる、余程酷い事を言われたのかな?
続いてサード作の「セイントジュリアン」は繰に振り切れたアッパーな快作でジュリアン最大のヒット作に、4枚目も前作の延長線にあるロックンロール路線にファンク色を増したもので、へなちょこなホワイトファンクは大して面白く無い。
9 TOM PETTY & THE HEARTBREAKERS/THE LIVE ANTHOLOGY 09(REPRISE)517462 2 4CDBOX
米、ロック、80ー07ライブ音源集大成4枚組全48曲。
76年米パンクの一派としてデビュー、79年出世作のサード「破壊」から一気にメインストリーム浮上し以来、アメリカンロックのトップグループとして走り続けるトムペティ&ザハートブレイカーズ、トムはウィルベリングトラベラーズの一員でもあり、今や大物ミュージシャンなのだが、未だ万年音楽青年といった趣きがカッコイイ!エリオット マーフィー風のヴォーカルも良いし、終始一貫変わらぬロック魂が芯の部分で燃え続けてるのが良い、たとえ心は砕けようともロック魂は永遠に!
10 PIL/PLASTIC BOX 09(VIRGIN)PILBOXXX1 4CD
英、NW、アヴァンロック、4枚組コンピ盤全63曲。
PILのメタルBOXは衝撃的であった、初盤円形のスチール缶に45回転の12インチアナログ三枚の仕様盤はなかなか入手困難で手に入れた時は小躍りしたものである。後年、缶も大分錆付き始めた為、程度の良いものをもう一セット入手するなんて、馬鹿な事もしたが、それももう錆付いてしまってるだろう?そのメタルBOXに倣ってプラスチックBOXとは洒落てるが、普通のCDケースで面白くも無い。そんな事はさておき、セックスピストルズのジョニー ロットン改めジョン ライドンが始動したパブリックイメージリミテッドは新たなるNWという大海へ一石を投じた重要なグループだ。ピストルズにおいて社会に対するアンチテーゼという強烈なエナジーを一気に外へ向け放出していたロットンが、そのエナジーをひたすら内に向け凝縮、圧縮し凝固した核となる強靭なサウンドを生み出したPILの集大成、レアトラック入りの再発廉価御徳用盤!
パート3

11 VANGUARDS/COLLECTION 03(ROCK IN BEAT)RB337 CDR
ノルウェー、ガレージ、ビート、63年のアルバムを中心としたコンピ盤全27曲。
北欧ジャズギタリストの第一人者テリエ リピダル、ノルウェーのジミヘンの異名を持つフレディー リンクィストが在籍していた伝説のノルウェーロック名グループ、母国語、英語によるヴォーカル、カバー曲、オリジナル曲織り交ぜ、巧みな演奏を聴かせる高水準の一枚、やはり非凡なギタープレイが聴き処、この後、リピダルはポップサイケグループのドリームを経て68年二枚組大作でジャズギタリストとしてソロデビュー、以来多数のアルバムをリリース。リンクィストも70年ソロアルバムをリリース、是非入手したい!
12 MARK LANEGAN & DUKE GARWOOD/BLACK PUDDING 13(IPECAC RECORDINGS)IPC143 デジパック
米、英、オルタナ、SSW、コラボ作。
元スクリーミングツリーのマーク ラネガンと英出身のSSW、マルチインストメンタリストのデューク ガーウッドとのコラボ作。ラネガンといえばイサベル キャンベル嬢とのコラボでも知られるが、本作のガーウッドはアルバムを5枚程発表してる実力派SSWとの事だが、聴いた事は無い。本作ではほとんどのインストパートを手掛けてる。拡張高いラウンジ調の雰囲気あるサウンドにラネガンのヤニ臭い、苦味走ったヴォーカルがマッチした真夜中音楽!

13 MADRUGADA 06(AMS)107CD ペーパースリーブ
伊、プログレ、オリジナルリリースは74年ファースト作にボートラ4曲付。
ギターレストリオによるキーボードメインの叙情シンフォサウンド、風のSEに美しいピアノが印象的なグループと同名のオープニング、スペイン語で夜明けを意味するマドルガダ、エンディングで再び取り上げトータルアルバムといった趣きに。ジャケから想起される枯れた秋の気配が濃厚なリリカルなサウンドにぐっとくる一枚!

14 I FLASHMEN/DERCANDO LA VITA 91(VINYL MAGIC)VM025
伊、ビート、ラブロック、オリジナルリリースは70年ファースト作。
顔面ペイントのメンバージャケはオザンナのファーストを思わせ、おどろおどろしいヘビーシンフォを思わせるが、そんな事はなく、歌い上げ系のヴォーカルがひたすら感情に訴える叙情的なラブロックを聴かせる、サイケデリックなオルガングルーヴもばっちり!本作に一曲追加し、翌71年に「ヒュドラ」というタイトルでデフジャケにてリリースされてる、こちらはサードの最高傑作「ペンサンド」と共にエジソンより国内盤がリリースされてるので、ご存知の方も多いであろう。
15 SAM BROWN/43 MINUTES... 92(POD MUSIC)PODCD1
英、ポップス、SSW、サード作。
ジョー&ビッキー ブラウンの娘というサラブレット、サム ブラウン、美麗ポートレイトのジャケが多い彼女の中では異色のアルバムで自主制作でリリースされている。兄のピートがプロデュース、父やトニー ニューマン、ハービー フラワーズや弦楽カルテット等多数のミュージシャンが参加、ブラウンの巧みな歌を盛り上げる。歌の上手いシンガーによる普通のヴォーカルアルバム。
16 DINOSAUR JR/BUG 88(SST)SSTCD216
米、オルタナ、グランジ、サード作。
ニルヴァーナと共にグランジを象徴するグループダイナソーJR、轟音ギターにやる気のないへろへろヴォーカル、殺伐とした時代に咲いた徒花、ロックがロックらしかった最後の輝きだったのかも知れない、私事だが、それ以降のロックシーンに興味を失せてしまった。
今週は13枚ゲット!