6 BRAIN POLICE 02 (SHADOCKS)008
米、サイケ、ガレージ、68年録音プロモ盤唯一作にボートラ10曲付。
今やサイケ定番アイテムとしてムック本や特集ものに登場するブレインポリス、ザッパナンバーより拝借したと思しきバンド名は我が国の頭脳警察と兄弟バンド的関係、といってもブレインポリスは白ジャケのプロモ盤が20枚程制作されただけの幻のグループで、レコードコレクター誌サイケ特集号の巻頭カラーページに掲載された超がつく激レア盤、このシャドックスによるCD化により一般的に知られる事となった。地元サンディエゴではトップクラスの人気を誇ったバンドではあったが、結局レーベル契約には至らずシングル一枚とプロモ盤を残して消滅。
粗削りなガレージのやさぐれ感にバロックポップ、サイケポップなわくわく感、ブルースにハードロック、あの時代68年の空気感を詰めこんだ一枚!ボートラは69年リリースのシングル曲に、メンバーが在籍していた64ー65のマンデルスのシングル曲、65ー66アザーフォーのシングル曲を収録と充実!
実力あるグループが群雄割拠、しのぎを削った時代、運に見放され埋もれたミュージシャンが数多いた広大なアメリカ、これからの発掘にも期待大!
7 BAD SEEDS ・ LIVERTY BELL
97(EVA)642440
米、ガレージ、サイケ、プロトパンク、コンピ盤。
テキサス州コーパスクリスティの人気バンド、バッドシーズとリバティビルのシングルを中心としたコンピ集、バッドシーズは65-66年の三枚のシングル曲と6曲の未発表音源?を収録、R&Bガレージナンバーにサーフパンクなインストナンバー、サーティンスフロアーエレベーターズのカバー有り、ギタリストのロッド プリンスは後にバブルパピーを結成、サーティンスを擁したインターナショナルアーティスツよりアルバムリリース。
リバティビルは67-68年の4枚のシングルと二枚のアセテート音源に5曲の未発表音源?を収録、ヤードバーズにインスパイアされたブルースをベースとした荒々しいロックンロールガレーシナンバーがいかしてる。同郷のこれまた人気バンドのザカリーサクスとはメンバー間の行き来もある兄弟バンドで両バンドのリードシンガーがクリス ジャニオティスで後にキュブラハンを結成、コレクタブルレーベルから編集盤がリリースされてる、又、リバティビルとザカリーサクスをタッグした正当なコンピ盤もリリースされてる。
8 BELFAST GYPSIES / THEM & THE WHEELS (LCD)3 - 2
アイルランド、ビート、ロック、コンピ盤。
今ではベルファストジプシーズの音源もスウェーデンでリリースされたゼム名義でのオリジナルジャケ盤はじめ各種リリースされてるが、いち早くリリースされたこのブート盤?は重宝した。同郷の関係無いホイールスの音源を付した変則盤で、前掲盤と似たようなコンセプトの何でも有りのブート?ならではの一枚、ホィールスも単体でコンピ盤がリリースされてるので今では用無し盤。
ヴァン モリソン脱退後、瓦解してしまったゼムの名称はベースのアラン ヘンダーソンが引き継ぎ米を拠点に活動、キーボードのジャッキーにドラムのパトリックのマッコリー兄弟はベルファストジプシーズを始動、キム フォーリープロデュースでスウェーデンのみでゼム名義で67年にリリースされた唯一のアルバム。ゼムの正当な後継者は俺達だといわんばかりの「グロリアズドリーム」で意地を見せる荒々しいR&Bサウンド、うなるファズギター
、ブルースハープ、グルービーなオルガン、ヴァンスタイルの咆哮するヴォーカル、本家ゼムにも劣らない激烈ガレージ、ビートサウンドが格好良し!
ジャッキー マコーレィはこの後、トレイダーホーン、ソロとフォークフィールドで活躍。
黒人ヴォーカリストブライアン ロスボサム率いるホイールスはロッド デミックにハービー アームストロングが在籍している実力派グループ、「グロリア」をカバーしてるこちらもゼムタイプの好バンド、当ブログでコンピ盤を紹介済み。
9 ブラックウィドウ / 悪魔と魔女と生贄
92(エピックソニー)ESCA5540
英、ロック、ハード、オリジナルリリースは70年ファースト作。
英ブラック三大バンド、ブラックサバス、ブラックキャットボーンズにブラックウィドウ、何れも70年にファーストアルバムをリリースしてる。圧倒的な実績を持つサバスに、レア盤コレクターに圧倒的人気を持つブラックキャットボーンズ~リーフハウンドには遅れをとるが、このウィドウも良いグループ、ピスキーズーを前身とするグループで女性ヴォーカリストケイ ギャレットが脱退して改名、本作はギャレットヴァージョンの録音も残されており、98年に「リターントウザサバト」のタイトルで蔵出しリリース、当ブログで紹介済み、というわけで仕切り直しの一枚でキップ トレバーがリードヴォーカルを担当、ジャケやタイトルに邦題通りの黒魔術、黒ミサをモチーフとしたアングラハードロックを展開、オルガンや鍵盤楽器にフルート、サックス、クラリネットも導入したサイケ、アートからプログレへの移行期の雑多なサウンドが聴ける70年という時代の音に魔術的なイメージをまぶした興味深い音が聴ける。米のコーヴェンのコンセプトに近いもので、この黒魔術に傾倒していたのが、ドラマーのクライブ ポックスで本作のみで脱退、セカンド以降は魔術的イメージを払拭したサウンドへとシフトチェンジするも失速、三枚のアルバムを残して解散。この後、ギタリストのジム ギャノンはフォックスに参加。
10 アートウッズクワイエットメロン / マニーデュー
98(日本クラウン)CRCL4036
英、ビート、パブ、ファースト作。
アートウッズといえば今や英モッズビートの定番アイテム、ジョン ロード、キーフ ハートレィも在籍していたこのグループのリーダーがアート ウッド、解散後69年に結成したのがクワイエットメロン、メンバーに実弟のロン ウッド、クリエイション、バーズ、ジェフベックグループを経ての参加でベックグループ時代の同僚ロッド スチュワートにスモールフェイセズのケニー ジョーンズにイアン マクレガン、バーズのキム ガードナーという怱々たる面子によるスーパーグループであったが、活動期間僅か二ヶ月と短命に終わり幻のグループへ。2曲のナンバーと1曲のインストヴァージョンが残されており95年にシングルCD、12インチ盤でリリース、アートウッズの再評価と相まって音楽シーンから引退していたアート ウッドが再始動したのが本作でダウンライナーズセクトのドン クレインにキース グラント、キンクスのミック エイヴォリー、モットザフープルのレイ メジャース、サンデイ ディロンという布陣で渋いパブロックサウンドを展開し健在振りを示した。末尾に旧クワイエットメロン時代の二曲、アート、ロッドのツインリードが強烈な来るべきハード&ヘヴィー時代を彷彿させるナンバーで、ロッドには敵わないとアートが身を引いたのかどうかは分からないが、あっさりと解散、フェイセズ結成への契機となった意義ある二ヶ月間であったといえる。
ラストには長兄のテッドを加えたウッド三兄弟による貴重なナンバーを収録。