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Channel: ラメルの部屋~音盤我楽多骨董室~
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6  BRAIN POLICE 02 (SHADOCKS)008
米、サイケ、ガレージ、68年録音プロモ盤唯一作にボートラ10曲付。
今やサイケ定番アイテムとしてムック本や特集ものに登場するブレインポリス、ザッパナンバーより拝借したと思しきバンド名は我が国の頭脳警察と兄弟バンド的関係、といってもブレインポリスは白ジャケのプロモ盤が20枚程制作されただけの幻のグループで、レコードコレクター誌サイケ特集号の巻頭カラーページに掲載された超がつく激レア盤、このシャドックスによるCD化により一般的に知られる事となった。地元サンディエゴではトップクラスの人気を誇ったバンドではあったが、結局レーベル契約には至らずシングル一枚とプロモ盤を残して消滅。
粗削りなガレージのやさぐれ感にバロックポップ、サイケポップなわくわく感、ブルースにハードロック、あの時代68年の空気感を詰めこんだ一枚!ボートラは69年リリースのシングル曲に、メンバーが在籍していた64ー65のマンデルスのシングル曲、65ー66アザーフォーのシングル曲を収録と充実!
実力あるグループが群雄割拠、しのぎを削った時代、運に見放され埋もれたミュージシャンが数多いた広大なアメリカ、これからの発掘にも期待大!












7  BAD SEEDS ・ LIVERTY BELL 
97(EVA)642440
米、ガレージ、サイケ、プロトパンク、コンピ盤。
テキサス州コーパスクリスティの人気バンド、バッドシーズとリバティビルのシングルを中心としたコンピ集、バッドシーズは65-66年の三枚のシングル曲と6曲の未発表音源?を収録、R&Bガレージナンバーにサーフパンクなインストナンバー、サーティンスフロアーエレベーターズのカバー有り、ギタリストのロッド プリンスは後にバブルパピーを結成、サーティンスを擁したインターナショナルアーティスツよりアルバムリリース。
リバティビルは67-68年の4枚のシングルと二枚のアセテート音源に5曲の未発表音源?を収録、ヤードバーズにインスパイアされたブルースをベースとした荒々しいロックンロールガレーシナンバーがいかしてる。同郷のこれまた人気バンドのザカリーサクスとはメンバー間の行き来もある兄弟バンドで両バンドのリードシンガーがクリス ジャニオティスで後にキュブラハンを結成、コレクタブルレーベルから編集盤がリリースされてる、又、リバティビルとザカリーサクスをタッグした正当なコンピ盤もリリースされてる。









8  BELFAST GYPSIES / THEM & THE WHEELS (LCD)3 - 2
アイルランド、ビート、ロック、コンピ盤。
今ではベルファストジプシーズの音源もスウェーデンでリリースされたゼム名義でのオリジナルジャケ盤はじめ各種リリースされてるが、いち早くリリースされたこのブート盤?は重宝した。同郷の関係無いホイールスの音源を付した変則盤で、前掲盤と似たようなコンセプトの何でも有りのブート?ならではの一枚、ホィールスも単体でコンピ盤がリリースされてるので今では用無し盤。
ヴァン モリソン脱退後、瓦解してしまったゼムの名称はベースのアラン ヘンダーソンが引き継ぎ米を拠点に活動、キーボードのジャッキーにドラムのパトリックのマッコリー兄弟はベルファストジプシーズを始動、キム フォーリープロデュースでスウェーデンのみでゼム名義で67年にリリースされた唯一のアルバム。ゼムの正当な後継者は俺達だといわんばかりの「グロリアズドリーム」で意地を見せる荒々しいR&Bサウンド、うなるファズギター
、ブルースハープ、グルービーなオルガン、ヴァンスタイルの咆哮するヴォーカル、本家ゼムにも劣らない激烈ガレージ、ビートサウンドが格好良し!
ジャッキー マコーレィはこの後、トレイダーホーン、ソロとフォークフィールドで活躍。
黒人ヴォーカリストブライアン ロスボサム率いるホイールスはロッド デミックにハービー アームストロングが在籍している実力派グループ、「グロリア」をカバーしてるこちらもゼムタイプの好バンド、当ブログでコンピ盤を紹介済み。











9  ブラックウィドウ / 悪魔と魔女と生贄
92(エピックソニー)ESCA5540
英、ロック、ハード、オリジナルリリースは70年ファースト作。
英ブラック三大バンド、ブラックサバス、ブラックキャットボーンズにブラックウィドウ、何れも70年にファーストアルバムをリリースしてる。圧倒的な実績を持つサバスに、レア盤コレクターに圧倒的人気を持つブラックキャットボーンズ~リーフハウンドには遅れをとるが、このウィドウも良いグループ、ピスキーズーを前身とするグループで女性ヴォーカリストケイ ギャレットが脱退して改名、本作はギャレットヴァージョンの録音も残されており、98年に「リターントウザサバト」のタイトルで蔵出しリリース、当ブログで紹介済み、というわけで仕切り直しの一枚でキップ トレバーがリードヴォーカルを担当、ジャケやタイトルに邦題通りの黒魔術、黒ミサをモチーフとしたアングラハードロックを展開、オルガンや鍵盤楽器にフルート、サックス、クラリネットも導入したサイケ、アートからプログレへの移行期の雑多なサウンドが聴ける70年という時代の音に魔術的なイメージをまぶした興味深い音が聴ける。米のコーヴェンのコンセプトに近いもので、この黒魔術に傾倒していたのが、ドラマーのクライブ ポックスで本作のみで脱退、セカンド以降は魔術的イメージを払拭したサウンドへとシフトチェンジするも失速、三枚のアルバムを残して解散。この後、ギタリストのジム ギャノンはフォックスに参加。










10  アートウッズクワイエットメロン / マニーデュー
98(日本クラウン)CRCL4036
英、ビート、パブ、ファースト作。
アートウッズといえば今や英モッズビートの定番アイテム、ジョン ロード、キーフ ハートレィも在籍していたこのグループのリーダーがアート ウッド、解散後69年に結成したのがクワイエットメロン、メンバーに実弟のロン ウッド、クリエイション、バーズ、ジェフベックグループを経ての参加でベックグループ時代の同僚ロッド スチュワートにスモールフェイセズのケニー ジョーンズにイアン マクレガン、バーズのキム ガードナーという怱々たる面子によるスーパーグループであったが、活動期間僅か二ヶ月と短命に終わり幻のグループへ。2曲のナンバーと1曲のインストヴァージョンが残されており95年にシングルCD、12インチ盤でリリース、アートウッズの再評価と相まって音楽シーンから引退していたアート ウッドが再始動したのが本作でダウンライナーズセクトのドン クレインにキース グラント、キンクスのミック エイヴォリー、モットザフープルのレイ メジャース、サンデイ ディロンという布陣で渋いパブロックサウンドを展開し健在振りを示した。末尾に旧クワイエットメロン時代の二曲、アート、ロッドのツインリードが強烈な来るべきハード&ヘヴィー時代を彷彿させるナンバーで、ロッドには敵わないとアートが身を引いたのかどうかは分からないが、あっさりと解散、フェイセズ結成への契機となった意義ある二ヶ月間であったといえる。
ラストには長兄のテッドを加えたウッド三兄弟による貴重なナンバーを収録。










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11  AEROVONS/RESURRECTION
03(RPM)261
英、ビート、サイケポップ、ソフロ、69年録音蔵出し音源にボートラ4曲付。
エアロボンズは米国のビートルズ大好き16歳のトム
 ハートマンを中心に結成された若いグループ、渡英しパーロフォンと契約、二枚のシングルをリリース、トム自身とノーマン スミスがプロデュース、エンジニアにアラン パーソンズ、ジェフ エメリック、アビーロードスタジオで録音されたビートルズの直系グループ、バッドフィンガーに続く末っ子にあたるグループと云えよう。何故か御蔵入りとなってしまったが、あまりにもビートルズ成りきり振りに微笑んでしまう、オマージュと捉えるか単なる物真似と見なすかで評価は分かれると思うが、16歳の少年のビートルズへの憧憬が素直に発露した楽曲群をプロフェッショナルな大人達のサウンドプロダクションにより纏め上げたアルバムで、ビートルズ云々抜きにしても優れたサイケポップ、ソフロアルバムと云える。












12  ART / SUPERNATURAL FAIRY 
TALES 87(DROP OUT)DOCD 1987
英、サイケ、オリジナルリリースは67年唯一作。
67年作でこのジャケなら惑うことなきサイケアルバムで今や英国サイケ定番アイテムのアートの「スーパーナチュラルフェアリーティルズ」は、R&B、ビートバンドヴイップスのキース エマーソンがナイス結成の為脱退し、残されたメンバーが変名でアイランドレーベルよりリリースした唯一のアルバム、サイケデリックなギミック満載の面白盤、エッジの効いたハードサイケなギター、アフロビートを導入した呪術的なナンバー等、うねるリズム隊、粘っこく絡みつくソウルフルなヴォーカル、アーシーな米ルーツロックへの憧憬とサイケデリックな時代感覚が産み出したトラフィックのファースト、スモールフェイセズのオグデンズと並ぶ英サイケ傑作アルバム!
グループは米国人ゲィリー ライトを迎えスプーキートウースへと変遷!










13  ANDY ROBERTS / THE BEST OF 92(MOONCREST)CRESTCD 014
英、フォーク、SSW、ロック、70ー72ベストコンピ盤全16曲。
リバプールシーン、グリムス、プレインソングと通好みのグループに在籍していたアンデイ ロバーツのソロ作、70年のファースト「ホームグロウン」71年「ニーナ&ザドリームツリーズ」、72年ボブ サージェント等と結成したエブリワン名義のアルバムから編纂されたコンピ盤、今では紙ジャケCD化されたこれらのアルバムも現在では入手困難、エブリワンだけ未入手だけど、何れもアナログ盤で所持してるから焦る事は無い。
ファーストの犬、セカンドの窓とジャケ買い購入アイテムとしても高ポイントの素敵なスリーブに包まれてるが、RCAからリリースされたファーストは翌年B&Cより別ジャケ、内容違いで再発、米盤はよく見掛けるが英盤はあまり見掛けないのでコレクターの方は要チェックとマニアックな話しはさておき、フォーク、ブルース、カントリー、米ルーツミュージックのアーシーな感覚に英フォークの気品さ、ポップフィーリングも加味した好アルバム、セカンド作は16分近い大曲ナンバーを有するプログレッシブフォークなコンセプト作でプログレファンにも人気のアルバムで本作に全曲収録されてる。












14  ビル キース & ジム ルーニー / リヴンオンザマウンテン  97(P-VINE)PCD5143
米、ブルーグラス、フォーク、オリジナルリリースは63年唯一作。
米フォーク、ルーツミュージック、アメリカーナと称される音楽を聞き齧ってると必ず目にするのが二人の名前、ビルモンロー&ブルーグラスボーイズで名を挙げたバンジョー、ペダルスティールギター奏者のビル キースとギター奏者、フォークシンガーのジム 
ルーニー、二人が始めてタッグを組んでリリースした初アルバムが本作、以来ブルーヴェルベットバンド、アースオペラ、ミュールスキナー、マッドエイカーズ、ボーダーラインといった重要グループに参加、アルバムへのゲスト参加は数知れない名プレイヤーなのだ。
バンジョー、ギター、オートハープ、マンドリン、フィドル、ウォッシュタブベースによる豊潤なアメリカーナミュージック、極上のウッドストック系和みミュージック、だんだん秋めいてくる今の季節にぴったり!









15  FRANK ZAPPA / SHUT UP ' N
PLAY YER GUITAR 86(RYKODISC) 
RCD 10029 2CD 
米、ロック、オリジナルリリースは81年31~33作目?

主に79ー80年のライブからギターソロだけを抜粋した編集盤で、元々は通信販売限定でリリースされた三枚のアルバムが売上好調の為、三枚組のBOXセットで一般発売されたもので
邦題は「黙ってギターを弾いてくれ」。
80年代末頃であっただろうか、アナログ収集に明け暮れ、月に数十枚近く購入、新品をばかすか買える余裕無い貧乏人だったので、今もそうだが、殆どが中古盤、そんな中有り難かったのが輸入レコ屋の定期的に催されるバーゲンセール、当時勤務地が渋谷だったので、通っていたのが今は無きシスコ、バーゲンセールの度、破格値で投げ売りされてるアナログを買い漁ったものである。
本作のBOXは1500円で入手したのを覚えてる。ギターインスト集という事もあって1回針を落としただけで段ボール箱行きへ、今回CDを入手して久し振りに耳にするが、意外にすんなり聴けるし、ザッパのギターは勿論だが、バック陣の演奏も凄い。アナログと違ってCDは2回トレースするだけで楽チン、アナログだと6回ターンテーブルに乗っけないといけないからね?

 







 今週はレコ屋行かず!




WEEKLY LISTENING LIBRARY 348 0909ー0915

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1  LAZY SMOKE / PICTURES IN THE SMOKE 96(PONDICHERRY)
PR6909 LP 
米、サイケ、ソフロ、69年録音、未発表音源。
68年の唯一作「コリドーオブフェイセズ」が、98年アーフアーフレーベルより正規リイシューされ、メロウサイケの名盤として高い評価を得てるレイジースモーク、それまではブート盤でのリリースはあったが、知る人ぞ知る存在であったから、アーフアーフのリイシューの意義は大きかった。その後、オリジナルジャケでのリイシューやデモ音源のリリースと色々アイテムが出てる中で本作、これが詳細不明、ディスコグスによるとリリースは96年、アーフアーフ盤より前になる。内容はセカンド作用
の録音なのであろうか?全曲ジョン ポラノ作によるソロ的色合いの濃い作品、何かでジョン ポラノのソロ作リリースの予定があるとの情報を見た記憶があるのだが、本作がそうなのであろうか?今一つ分からない。
ビートルズ、ジョン レノンの影響感じる作風にヴォーカル、哀愁あるメロウサイケサウンドが心地好い!












2  PETE FINE / NORTHSTAR 
(SHADOKS)056 LP 
米、サイケ、ハード、76年録音セカンド作、蔵出し音源。
ハードサイケトリオフロウのギタリストピート ファインが74年にリリースした「オンアデイオブクリスタラインソウツ」はアシッドフォークの名盤として知られてる、本作は76年に録音されたセカンド作だが、何故か御蔵入りとなったアルバム、ドイツのシャドックスから350枚限定でのアナログリリース。
前作と趣向を変え、ファインはギタリストに徹したバンドスタイルでの録音で女性リードヴォーカリストにダイアン パロセックを迎え、もう一人のギターマーク ウォルフェがヴォーカルも担当、リズム隊にフルート奏者を加えた6人編成。
オープニングはシンフォニックなインストフュージョン、ダイアン嬢のヴォーカルをフイチャーしたハードロックナンバーに、フルートが良い味のプログレッシブな展開の楽曲、ポップなアメリカンプログレハード、マークがリードヴォーカルをとるバラッド、聴き処多いなかなかの充実作だが、どうしてもファーストのイメージがあるので違和感は否めない。









3  CAT STEVENS / MAJIKAT 09
(AUDIO FEDELITY)AFZLP2 040 2LP 
英、SSW、ロック、発掘ライブ音源、オリジナルリリースは05年のリイシュー盤。
76年アースツアーと題された北米公演を収録したライブ盤でアラン デイビス、ジェーン ルーセル、ジェリー コンウェイに女性コーラス隊を含めた総勢11人のメンバーによる白熱のステージが展開される。アルバム「ティーフォーザティラーマン」「ティーザー&ザファイアーキャット」が米国で各々300万枚のセールスを挙げ、アル スチュワートと共に米国でも成功したSSWキャット スティーブンス、翌77年にはイスラム教に改宗、ユスフ イスラムと改名、音楽界より引退するのでファイナルツアーとなった貴重な音源、代表曲「ワイルドワード」で幕を開け、「ムーンシャドウ」「ハードヘーテッドウーマン」、ラストに「ファザーアンドサン」「ピーストレイン」と米国では良く知られたヒット曲満載のスティーブンスキャリアの集大成。しかし、「雨に濡れた朝」を演ってないのが残念。
その後、話題となったのがサルマン ラシュデイの「悪魔の詩」騒動で殺人予告は正当だとイスラム教徒としての発言が米国でスティーブンスの曲を締め出す動きが広がり、キャット スティーブンスの存在は米音楽界から抹殺された。 
06年にスティーブンスはユスフ名義でアルバムを発表して音楽界へ復帰、10枚近いアルバムをリリースしてる。














4  A PASSING FANCY 00 (PACEMAKER)PACE 034 TB デジパック
加、ガレージ、サイケ、オリジナルリリースは68年唯一作。
学生バンドデイメンションズを母胎にトロントで活動したアパッシングファンシイ、67年にシングルデビュー、ローカルヒットを記録し立て続けにシングルリリースするも活動はあまり順調には行かず、本作発表時にはオリジナルメンバーはおらず、シングル曲を中心としたコンプリート盤的なアルバムとなってる。シングルチューンらしい明快なガレージポップナンバーで占められ、ファズギターが唸りを上げ、オルガンが迫り来るガレージサイケ定番サウンドにソフロ的な胸キュンナンバー、ミュージックマシーン「ピープルインミー」のカバー有り、ジャケも含めてカナダガレージサイケの代表アルバム!










5  AU PAIRS / SENSE & SENSUALITY 93(RPM)111
英、NW、パンク、オリジナルリリースは82年セカンド作にボートラ6曲付。
アードヴァーツのゲイ アドバートもリスペクトする女性シンガー、ギタリストレスリー ウッズに切れ味鋭いカッティングギターが最高のポール フォードを中心に女性ベーシストも擁した4人編成オーペアーズのセカンド、女性兵士ジャケが印象的なファーストが有名、本作は地味なジャケに包まれたセカンド作のジャケを変更し曲順も大幅に変更された新装盤、曲順変更の意味も分からないしジャケも全然良いとは思えない。 
「アーグミュージックウォー」でのソリッドなステージアクトが同じく女性メンバーを擁したアレイキャッツと並んで印象深かったペアーズ、スリッツ、レインコーツと並ぶ元祖フェミニズムバンドで切っ先鋭いカッティングギターにベースがリードをとるファンク、ダブに影響を受けたサウンドはギャングオブフォーに通じるものがあり、リーズ一派とも称されてる。
ゲスト陣にサックス、トランペット、ヴィブラフォン、シンセ奏者を迎え、ファーストでのパンキッシュな攻撃性あるサウンドから脱パンク、ポストパンク的指向性を打ち出した意欲的なアルバムであったが、本作のみで解散。翌83年に「ライブインベルリン」がリリースされてる。












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6  ARZACHEL 94(DROP OUT)
DOCD 1983
英、サイケ、プログレ、オリジナルリリースは69年唯一作。
カンタベリーの祖となった伝説のグループワイルドフラワーズにユリエル、アルザチェルはユリエルの変名で
スティーブ ヒレッジ、ディブ スチュワート、モント キャンベル、クライブ ブルックスがメンバーの若いグループ、ヒレッジが学業に専念する為に脱退、残りのメンバーはギタリストを探すもヒレッジ以上のギタリストがそうそう見つかるわけもなく、キーボードトリオとして再出発、エッグと改名してデッカと契約、そんなおり舞い込んだのがサイケなアルバムを録音しないかというバイト話、デッカとの契約があるので素性を隠し、学生のヒレッジを呼び寄せアルザチェル名義でリリースしたという経緯を持つアルバム。
ブルージーなフレーズをバシバシ決めるヒレッジ、歪んだ音色のサイケなオルガン、重たいリズム隊によるヘビーなサイケアルバム、ヒレッジとキャンベルのヴォーカルも味があって良い、アナログではB面丸々費やしたラスト曲は17分に及ぶサイケデリックジャムセッション、インプロ主体の丁々発止のプレイが劇的に繰り広げられる。まだ10代のメンバーによる荒々しくもテクニカルな演奏、カンタベリーシーンの底力を感じる一枚で英サイケを代表するアルバム!













7  ANDROMEDA / RETURN TO SANITY 92(BACKGROUND)HBG 122/5
英、サイケ、ハード、未発表音源集全10曲。
フリークビートバンドアタックのギタリストジョン デュ カンとベースのミック ホークスウォース、ドラムのイアン マクレーンが結成したトリオ編成のアンドロメダは69年唯一のアルバムをリリースしている。間にファイブデイウィークストロウピープルという変名?で同名のアルバムをサーガレーベルよりリリース、ノンクレジットによる匿名性強い一枚で前掲のアーザチェル同様のバイト仕事であろうか?
本作はアルバム「アンドロメダ」収録曲のミックス違い、ヴァージョン違いに未発表曲2曲から成るアウトテイク集。 
リフマスターと称されるギタリストとしての才能は勿論だが、コンポーザーとしての才能も素晴らしく、ハードサイケな魅力的な楽曲で占められてる。ヴォーカルがやや弱っちいがそこも良い、もう一つの「アンドロメダ」としてファンは押さえておきたい一枚!
この後、カンはアトミックルースターを経てバレット、ダエモンと変遷してハードスタッフを結成、ジョン カン版ハードロックの完成形に至る。
残念ながら11年に逝去。









8  ALBANIA / LIFE AFTER DEATH IS ON THE PHONE 96(ACE)
CDWIKD 157
英、NW、モダーンロック、ベストコンピ盤全16曲。
ベスト盤の体裁だがチズウイックからリリースした81年の唯一作「アーユーオールマイン」に6曲を付したほぼ全曲集といった内容。少し前に取り上げたベントーラの項で触れたアルバニア、唯一のアルバムは国内アナログ盤がリリースされており、東欧の小国アルバニア出身のニューウェーブグループというのが売りであったがでっち上げでイギリス出身というのが真相。アナログ盤引っ張り出して赤岩和美氏のライナー確認すると、メンバー名が判明してるだけで、なかにはいい加減な名もあり、他にジャケのコピーとカセット、宣伝資料でアルバニア観光案内パンフレット仕様のチラシがあるのみの詳細不明のお手上げ状態、しかし、流石は赤岩氏、プロデューサーのロバート アッシユ、他にジョナ ルウイを担当、参加ミュージシャンにスペシャルズのホーンセクション担当メンバーや元ビーズメイクハニーのメンバー名から
、イギリスのパブサーキットから登場したバンドと推測が見事に当たってる。  
同ライナーでセイラー、コックニーレベル、デフスクール、スクラウンジャー、メトロ、ドジャースバンク、オーケストラルナなどの異国情緒プンプン漂わせたモダーンロックバンドの系譜に位置すると述べてる。サックスが良い味出してるご機嫌なナンバー多し、先のグループお好みの方にお薦め!










 
 
9  ATLANTICS WITH JOHNNY REBB ON VOCALS (CANETOAD)
CTCD 003
豪、ビート、サーフ、64-69コンピ盤全20曲。
61年結成のサーフインストグループが時代の波に乗ってビートポップグループへと変遷、ヴォーカリストとして迎えられたのが58年デビューのロックンロール、R&Bシンガーのジョニー レブ、本作はレブのソロ音源も含むレブ時代の音源集。人気のサーフ時代の音源は各種リリースされてるみたいだが、この時代の音源集は少ないので貴重、サーフインストは苦手なので他の音源は所持してない。
ジョニーのジェントルでクールなヴォーカル、サーフインスト時代に培ったツインリードの絡みあい、フィルフイッサオルガンのチープな響きに緩急自在のリズム隊、太陽サンサン明るいサーフインビートスタイルにはない仄暗さが良い。










10  ADRIAN BORLAND / CINEMATIC 
       96(SETANTA)SET US003
英、NW、ネオサイケ、4作目。
アウトサイダーズ、セカンドレイヤー、サウンドを率いたエイドリアン ボーランドのソロアルバム、カメレオンズ、スネークコープスと並んで私的ネオサイケ御三家と目してるサウンドは近年再評価?され、アルバムリイシュー、発掘ライブ音源等、色々リリースされている。89年にソロ作をリリースして、結局5枚のアルバムをリリースして99年に自死してしまう、その間プロデューサーとしてフェルトのラスト作やサウンドではなくザウンドのスティーブ レイク、イントウパラタイス、ドール、レッドハーヴェスト等、私的に好みのアーティストが多いので、つくづく死が残念でならない。
さて本作はセルフプロデュースによる総勢14名のミュージシャンが参加したボーランド節が随所に聴ける好盤、タイトル曲のアンプラグドなサウンドといった趣きの楽曲に涙、、、











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11  GLENN SCHWARTZ AND THE 
 ALL SAVED FREAK BAND / MY POOR GENERATION 98(HIDDEN VISION)AC 026
米、サイケ、フォークロック、オリジナルリリースは73年ファースト作。
ジェイムスギャング、パシフイックガス&エレクトリックを経たグレン シュウォーツが率いたオールセイブドフリークバンドはCCMに属するグループ。
本作のプロデュースはロル ガルブレイス、近年アルバムが紙ジャケ化され高評価のSSWでもある。シュウォーツさんには悪いが本作の聴き処となっているのが、女性ヴォーカルナンバー、美しい歌声による珠玉のトラックは英女性フォークの世界に通じるもので本作のハイライトであるのは間違い無い、恐らく神に対する崇高な宗教心を切々と綴った内容なのであろう?美しい女性ヴォーカルとシュウォーツのダミ声との対比が妙ともいえる不思議な魅力を持った好盤!
オールセイブドフリークバンドの諸作はCD化されているのだが、何れも入手困難、紙ジャケ化してくれないかな?











12  AFTERGLOW 95(SUNDAZED)
SC 6074
米、サイケ、ガレージ、オリジナルリリースは68年唯一作にボートラ4曲付。
グループ名通りの淡い残光を思わせるサイケデリックグループ、バーズとジェフアーソンエアプレインの中間を行く穏やかなフォークロックサウンドが心地良いメロウサイケの定番アイテム、オープニングの「モーニング」のフォルフイッサオルガンの淡い響き、物憂いヴォーカル、ハーモニーが生み出すメランコリックな世界にトリッピーなサイケギミックを交えた幻想的なサウンドが癖になる一枚、初秋の暮れなずむ残光が美しい夕焼けが映える今の季節に良い、凡庸なジャケに騙されてはいけない名作!

 









13  ALBERTO Y LOST TRIOS PARANOIAS / THE BEST OF THE 
ALBERTOS 91(MAU MAU)MAU CD 604
英、NW、パンク、パブ、76-78ベストコンピ盤全31曲。
ふざけたパンクバンドといった感のあるアルベルトイロストトリオスパラノイアスは英国ではコメディというカテゴリーに属するグループでレコ屋ではボンゾス、モンティパイソンとかと同じ棚に納められてるらしい。かなりユーモラスなサウンドは破茶目茶で何でもありのNWの時代を思わせるもの。三枚のアルバムをリリースしており、レーベルはトランスアトランテイック、サードはトランスアトランテイックの後継のロゴでプロデュースはチャス ジャンケル、前二作はピーター ジェナー、本作にも全曲収録されてる代表作のセカンドはジャケが花に猫と綺麗なので、レーベルのイメージと相まって騙されて?ジャケ買いした人も多いのではないか?してやったりの悪趣味なユーモアセンスはサウンド同様、多様な音楽性を投げ込んで引っ掻き回した変てこ感が面白い。ボンゾスのロジャー ラスキン スペアがゲスト参加したナンバーもあり。
この後、メンバーは初期ドルッテイコラムと合流、ドラムのブルース ミッチェルはヴィニ ライリーと共にドルッテイコラムの名作群を創造していく、残りの連中を中心にモスメンを結成、ポストパンクのカルト盤として知られる唯一のアルバム「ペイアテンション」をON-Uレーベルよりリリース、当ブログで紹介済み。














14  BROTHERHOOD / THE COMPLETE RECORDINGS 14(REAL GONE MUSIC)RGM 0220 2CD 
米、ソフロ、サイケ、二枚組コンプリート盤。
一枚目に68年リリースのファースト「ブラザーフッド」と
69年リリースのセカンド「ブラザーフッドブラザーフッド」
、二枚目に69年リリース、フレンドサウンド名義の「ジョイライド」を収録。
アナログ時代、ブラザーフッドのアルバムはよく見掛けたが、ぱっとしないジャケにスルー、フレンドサウンドの方もジェフアーソンエアプレイン風のジャケにフォロワー的なグループと思い込みスルー、この両者が関係あるとは本作CD化まで知らなかった。フレンドサウンドは以前アナログリイシューされ、エクスペリメンタルサイケのカルト盤との評に気になっていたので入手。
ブラザーフッドはポールリヴィア&ザレイダーズのドレク
 レビン、フィル ヴォルク、マイク スミスにビートオブジアースに参加していたロン コリンズによって結成、パワポ、ソフロ、ソフトサイケデリックな音像が心地良い好盤、そしてフレンドサウンドはブラザーフッドのメンバーにジム ゴードン、クリス エスリッジが参加したプロジェクト作でブラザーフッドとはがらりと異なる実験色濃いサイケアルバム、SEビンビンのサウンドコラージュ、サイケギミックが随所に施されたパラレルワールド、現代音楽風アプローチ、本物のエクスペリメンタルサイケの傑作として評価されるのも頷ける内容!










15  NICK CAVE & THE BAD SEEDS / LIVE FROM KCRW 13
(BAD SEEDS)BS006 CD デジパック
豪、NW、ライブ音源。
大ヒットアルバム「プッシュザスカイアウェイ」のツアー時、13年4月18日アポジースタジオでのKCRWのラジオセッションを収録、「プッシュザスカイアウェイ」からの4曲に「マーシーシート」「アンドノーモアシャルウイアパート」「ジャックザリッパー」といったお馴染みのナンバーをバリー アダムソン、マーティン カーシー、ウォーレン エリス、ジム スクラフノス、バッドシーズのツボを心得た演奏にケイヴの円熟したヴォーカルが台風で荒れる風の中、心に染み入る。










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WEEKLY LISTENING LIBRARY 349 0916ー0922

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1  ARMADA / BEYOND THE MORNING 11(RPM)RETRO 901
英、プログレ、ジャズロック、72ー74未発表音源集。
ジャズクラリネット、サックス奏者サミー リミントンを中心に結成されたアルマダ、二枚のシングルを残して消滅してしまったが、アルバム用の音源なのであろうか、72年8月、73年8月23日~9月3日、74年の音源にラストに73年7月7日サリー大学でのライブ音源を収録。 
ジャケ裏にキングクリムゾン、マハビシュヌオーケストラ、フランク ザッパの影響を受け、ウイッシュボーンアッシュ、レアバードとツアーをまわったと記してある実力派グループ、テンション高い演奏で迫り来るジャズロックサウンド、変拍子を多用したプログレッシブな展開に気品あるヴォーカルはブリテイッシュロックそのもの!











2  SPINETTA / A 18 ' DEL SOL 
(COLUMBIA)8869 741545 2 デジパック
アルゼンチン、ロック、オリジナルリリースは77年サード作。
チャーリー ガルシアと並ぶアルゼンチンロックの至宝ルイス  
 アルベルト スピネッタ、アルメンドラ、ペスカドラビオソ、インビジブルとアルゼンチンロック界を代表するグループを牽引してきたスピネッタはソロに転じてから、スピネッタジェイド、スピネッタイロスソシオスデルデシェルトといったグループ名義やソロ名義で12年に死去するまで30枚以上のアルバムをリリース、その数に圧倒されなかなか手が出せないのだが、初期のアルバムは入手したいと思ってる。
スピネッタといえば、何とも色気のあるヴォーカルとテクニカルなギター、流麗なアンサンブルによる優れたソングライティングが魅力だが、本作でもスピネッタの才能が遺憾なく発揮されたジャズロック、クロスオーバー、メロウフュージョンサウンド、緻密なカンターベリーサウンドに通じる世界に南米の叙情性を加味した魅惑的な世界を堪能出来る。











3  OKKERVIL RIVER / DON ' T FALL 
IN LOVE WITH EVERYONE YOU SEE 02(JAGJAGUWAR)JAG 39
米、ポストロック、ファースト作。
ウィル ロビンソン シェフを中心とする枯れ歌系ポストロックの代表グループオカービルリヴァーのファースト作、メンバー4人にゲストミュージシャン、ホーンセクシン、ストリングセクション等、総勢17名のミュージシャンによる深淵なるオカービルの世界がジャケも含めて既に確立、シェフの表現力豊かなヴォーカルが紡ぎ出すストーリー性ある歌世界は格別。
御大ダニエル ジョンストンが1曲ヴォーカル参加、ほのぼのしたオルタナカントリーサウンドに壊れたヴォーカルがマッチ、本格的なコラボアルバム期待したいが、既に15年の時が過ぎてるから、もう無いだろうね?










4  ANGEL CORPUS CHRISTI / THE 
80 ' S (a&r ENT)CD 007
米、NW、オルタナ、85ー90ベストコンピ集。
米NW界の裏女王エンジェル コーパス クリスティ、80年代初頭から現在まで地道に活動を続けるSSW、アルバムは10数枚だがあまり見掛ける事はない、近年はトリビュートアルバム、カバー集を主体のリリース。アコーディオンを片手に独自な世界観を唄うシンガー、我が国の須山公美子みたいな存在と云えるかもしれない?
本作は80年代のコンピ集、自作の代表曲「ジョン カサビテス」、アリス クーパー「エイティーン」、スーサイド「ドリームベイビードリーム」、リチャード ヘル「ブランクジェネレーション」、ルー リード「ザデイジョンケネディダイド」のカバー、旦那であるMX80サウンドのリッチ スティムが全面サポート、ゲストミュージシャンにMX80のブルース アンダーソン、スーサイドのアラン ベガ、クリッターズ、フォーシーズンズのドン シコーネは楽曲も提供してる。
スカスカなバッキング、チープなアコーディオンに意外に可愛らしいヴォーカル、所々に尖った演奏、アングラ臭プンプン漂う好き者には堪らないアーティスト!











5  AL JONES / ALUN ASHWORTH 
JONES 01(MOONCREST)CRESTCD 068
英、フォーク、SSW、オリジナルリリースは69年ファースト作にボートラ16曲付。
アナログ原盤はパーロフォンレーベルリリースの激レア盤、サンディ ロバートソンのセプテンバープロダクション制作
、ジョーンズの弾き語りにベースのパーシー ジョーンズ、ドラムのブライアン ドブソン、スティールギターのゴードン ハントリー、フルートのハロルド マックニア、ヴァイオリンのマイク ピゴットと強者がバックアップ、英国の気品、情緒溢れるサウンドにジェントリーなジョーンズのヴォーカル、マクニアのフルートが醸し出す燻んだ雰囲気に何処か英国らしいエスプリ、ユーモアも漂うジャケ通りの英国フォークの逸品! 
本編に続いて楽しめるのがボートラ、「49グリークストリート」収録曲のボブ ホール、マーティン ストーン他が参加したブルージーなナンバーに弾き語りの未発表音源集にライブ音源と盛り沢山。











パート2

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6  ANALOGY / THE SUITE 93
(OHRWASCHL)OW19
伊、独、プログレ、80年録音、蔵出し盤。
72年リリースの「アナロジー」がユーロロック屈指のレア盤として知られるグループ、そのヌードジャケも相まってマニアに大人気の一枚でもある。
伊独混合のグループで、イタリアを拠点に活動して74年に解散、ヴォーカルのユッタ ニーンハウス嬢とギタリストのマーティン トウルン ミットホフは渡英、アースバウンドというグループを結成、EPを一枚のみリリース。本作は74年以降に作曲され、ライブでも演奏していたナンバーを80年に録音したもので、本盤リリースの際にアナロジー名義となったもの。
ソーニャ クリスティーナに似たヴォーカルからカーブドエアが引き合いに出される事が多い、フルート、ヴィオラやストリングス、シンセも導入したクラシカルなサウンドに変拍子による目まぐるしい展開、ロックオペラ、コンセプト作として創作された多彩なアンサンブルにユッタ嬢の時に気だるく、オペラ風に展開するヴォーカルが存在感有りすぎの好盤、ファースト持ってる方は押さえといた方がいいかも?












7  AUDIENCE (SPM)CD 019
英、プログレ、フォークロック、オリジナルリリースは69年ファースト作。
アナログ時代、セカンド以降のカリスマレーベルからリリースされた諸作は良く見掛け、何なくゲットする事が出来たが、ポリドールからリリースされたファーストは何故か発売直後に回収された為、激レアとなった一枚、結局入手出来なかったので、ブート盤とはいえ本作のリリースは有り難かった。今でこそ、邦盤紙ジャケはじめ各種リイシュー盤がリリースされており、ボートラ付き盤を入手したので本盤は用済み。
マニアックなアイテムが続々リリースされる現在とは違い、まだまだブート頼みの市場であった。
このSPMレーベルは他にこないだ取り上げたベーコンファットやバッフアロー、ウルサメジャー、ダディロングレッグス、レイオウエンズムーン、T2、ロウマテリアル、ハイタイド、グループ1850、トウィンク、ストリングドリブンシングetcを入手した。
さてオーディエンス、ジャケからは強烈なアングラ臭漂うハードサイケサウンドを想像するのだが、キース 
 ジェメルのサックス、フルート、クラリネットの牧歌的な響き、重厚なリズム隊にハワード ワースの粘っこいヴォーカルが英国土臭系の渋いサウンドにティンパンアレイ風ポップなサウンドにカリプソ乗りも感じられるユーモラスな側面も面白い明るい雰囲気もあり、後のサウンドに通じる興味深い一枚!










8  AL KOOPER MIKE BLOOMFILD 
/ FILMORE EAST : THE LOST CONCERT TAPES 12/13/68 03(COLUMBIA)CK 85278
米、ブルース、ロック、発掘ライブ盤。
スーパーセッションブームを巻き起こしたアル クーパーの集大成的コンサートはフィルモアウェストにて68年9月26日から28日かけて公演され、その模様は翌年二枚組のライブ盤「フィルモアの奇蹟」としてリリースされた。本作はその続編にあたる68年12月13、14日のフィルモアイーストでの公演を収録したもの、紛失していたテープが見つかり35年振りの御披露目となる歴史的音源盤、白人ブルースギタリスト最高峰のマイク ブルームフィルドの超絶ギターを思う存分堪能出来る一枚。ウェストではカルロス サンタナがレコードデビューを果たし、本作ではジョニー ウィンターが1曲客演、翌週コロンビアレーベルと破格の契約を結ぶ契機となった火の出る様なパフォーマンスもハイライトの「フィルモアイーストの奇蹟」、「フィルモアの奇蹟」の方はCDは未入手、ゲットしなければ!













9  アモンデュール / 楽園へ向かうデュール
95(キャプテントリップ)CTCD017
独、サイケ、アシッドフォーク、オリジナルリリースは70年サード作にボートラ2曲付。
ヒッピーコミューン、複合芸術集団アモンデュールは67年に活動開始、集団即興音楽を始めるも68年には中心メンバーのクリス カラー等本格的な音楽指向のメンバーが脱退し分裂アモンデュール Ⅱを結成。68年メトロノームと契約したアモンデュールは長時間セッションを行い、そのセッションから69年「サイケデリックアンダーグラウンド」と「崩壊」をリリース、Ⅱの方はリバティレーベルから「神の鞭」をリリース、以降クラウトロックの代表グループとして世界的なグループとして大成。
アモンデュールは最終作となる本作をリリースして消滅、「サイケデリックアンダーグラウンド」セッシヨンでの強烈なノイジーインプロセッションで精根尽き果てたか?魂の脱け殻の様な腑抜けたアコーステイックフォーク、脱力したサウンドが楽園に向かう桃源郷サウンド、アシッドフォークファンにお薦め! 
「サイケデリックアンダーグラウンド」セッシヨンから72年「デザスター」、83年「エクスペリメンテ」がリリース、やはり魂抜ける位、壮絶なセッシヨンだったのであろう?









10  ANDI SEXGANG & MICK RONSON / ARCO VALLEY 99(DRESED TO KILL)METRO 244
英、NW、ゴス、グラム、オリジナルリリースは89年セカンド作の新装改訂盤。
デビッド ボウイ、イアン ハンター、グラム界のヒーローを支えたギタリストミック ロンソンの最晩年の仕事の一つがアンデイ セックスギャングのソロアルバム「アルコヴァレイ」のプロデュース、本作は連名、ジャケを変更しての新装リイシュー盤、94年に逝去したロンソンへの追悼、ロンソンの名を借りた一儲け?
サザンデスカルト、ダンスソサェテイと並ぶポジパン御三家のセックスギャングチルドレンのフロントマンアンディ、デスカルト、カルトと名を短くしハードロックバンドとして大成、美形ヴォーカリストスティーブン ローリングスを擁するも早々と失速したダンソサ、そして多数のアルバム、コンピ、ライブ盤がリリースされ我が国では想像出来ない程、欧州で高い人気を誇るSGC、私的にヴァージンプリューンズのギャビン フライデー、バンドオブホリージョイのジョニー ブラウンと並ぶ三大うわばみシンガーと称してるアンディの粘着質の爬虫類ヴォイスが好みを分けそう?









パート3

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11  アレックス チルトン / 1970 96(日本コロムビア)COCY78762
米、ロック、SSW、70年録音蔵出し音源。
今でこそ、60年代のヴェルベットアンダーグラウンド、70年代のビッグスターといわれる程、パンク、オルタナ系アーティストに多大なる影響を及ぼしたバンドを率いたカルトミュージシャンとして知らないロックファンはいない?アレックス チルトン、  
60年代半ばボックストップスのリードシンガーとして英国のスティーブ ウインウッドと並ぶ天才少年といわれた栄光のボックストップスを捨て、地元に戻ってアーデントスタジオにてソロ活動、やがてビッグスターを結成し三枚のアルバムをリリースするも活動期間中は全く評価される事なく埋もれてしまった。その不遇の70年代、ビッグスター以前のチルトン20歳前後の貴重な音源が詰まったチルトンの幻のファースト作ともいえるのが本作。
後の飄々としたサウンドとは違い、ロック魂感じるチルトンの熱いヴォーカル、ヘビーなサウンドが強烈、ガレージっぽい荒々しさが魅力、代表曲「フリーアゲイン」のハードヴァージョン、「ジャンピンジャックフラッシュ」「シュガーシュガー」のヘビーなカバー、プロデュースはアーデントの名手テリー マニング、チルトンソロアルバムの重要な一枚!
バーズの「名前のないアルバム」を持つジャケ、裏ジャケのダブルピースサインのおどける若きチルトンが良い。本作はとっくに廃盤だが12年に8曲追加した「フリーアゲイン1970セッションズ」として甦ってる。











12  AMERICAN BLUSE EXCHANGE  
 / BLUEPRINTS 98(GEAR FAB)GF 120

米、サイケ、ブルース、オリジナルリリースは69年唯一作にボートラ3曲付。
このジャケで直ぐにキース テイペットの同名のアルバムを連想するプログレファンも多いと思う、もちろん関係無しでこっちが早い。
当ブログでは以前紹介済み、つまりダブって所持してるのだが、この名盤は何枚あってもいい?
ブルージーなガレージサイケサウンドなのだが、繊細なヴォーカル、時折ヒョロヒョロたなびくリコーダーが良い味だしてるトワイライトでメロウなサウンド、良質なアメリカンサイケの醍醐味を感じる極上の一枚!
      








13  AFTER TEA / THE BEST OF 
93(MERCURY)514 940 2
蘭、ビート、ロック、67-69ベストコンピ盤全22曲。
「マベラミ」のヒットで知られるティーセットのハンス ファン エイクとポリー エドワルドに英国人ギタリストレイ 
 フェンウイックによって結成されたダッチビードを代表するグループアフターティー、三枚のアルバムをリリース、最終サード作では本格的なブルージーハードサウンドを展開していて近年高い評価を得ているが、本作は初期のビートポップ時代のコンピ盤、フラワーなストリングスがうきうきわきわきご機嫌なビートサイケポップサウンド満載、午後のティータイムの後に聴くのに最適?
この後、フェンウイックはスペンサーデイビスグループ、ファンシーを経てイアンギランバンドへ、パープルファミリーとしてハードロックファンに認知されてる。









14  V . A / 94 BAKER STREET THE  
 POP PSYCH SOUNDS OF THE  
APPLE ERA 1967 ー 1969 03(RPM)
270
英、ビート、サイケ、コンピ盤。 
アップルレーベルの所在地94ベイカーストリートを冠したコンピ集、アップル関連グループを収録したマニア御用達のシリーズ、本作の収録グループはミダスレーベルの激レアフォークグループとは同名異グループのフォーカルポイント、単体でもコンピ盤CDリリースあり、当ブログで紹介済み、ジョン レノンが名付け親のグレープフルーツ、ウェイズ&ミーンズ、アイビーズ、ハイタイドにジューシールーシーへと発展するフリークビート重要グループミスアンダーストッド、ペイントボックス、ジョンフイッチ&アソシェイツの7グループを収録。未発表音源を含んだ貴重なコンピ集!
グレープフルーツ、ウェイズ&ミーンズ、ペイントボックスのソングライティングを手掛けるジョージ アレキサンダーの才能に注目、イージービーツのジョージ ヤング、AC/DCのマルコムとアンガスの長兄なのだから、音楽的才能はぴかいち、しかし、凄い四兄弟!











15  ANARCHIC SYSTEM / CHERIE  
SHA LA LA 09(MAGIC)3930839
デジパック
仏、ロック、バブルガム、オリジナルリリースは74年ファースト作にボートラ9曲付。
ミシェル ポルナレフの弟分として売り出されたバブルガムポップグループ、タイトル曲はシングルリリースされ、ポルナレフの「シェリーに口づけ」にあやかって「シェリーに片思い」という邦題でシングル盤がリリースされていたので御存知の方も多いであろう。当時の世界的ヒットナンバー「ポップコーン」に英詞を付けたヴォーカルヴァージョンもシングルリリースされ、仏、ヨーロッパで70万枚の大ヒット、更にポップコーンとビゼーのカルメンをミックスさせた「カルメンブラジリア」をシングルリリース、本作はそのシングルを中心としたファーストアルバム、本来ハードロックバンドとして活動していただけに演奏能力は高く、当時の流行サウンドをパクった多彩な楽曲を器用にこなしてる。
バブルガムな楽しさ満載のポップチューンが目白押しの面白盤! 










 今週は12枚ゲット!





WEEKLY LISTENING LIBRARY 350 0923ー0929

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1  ICE / SAGA OF THE ICE KING 
   94(WOTSV)WSV 65126  ペーパースリーブ
英、ハード、サイケ、オリジナルリリースは79年自主制作唯一作。
本作は以前キッシングスペルのデフジャケ盤を紹介済み、本作はオリジナルジャケ仕様でのリイシュー盤、オーストラリア盤で200枚限定シリアルナンバー付きでブラックデイスクの怪しいブツ、94年プリントになってるが、この時代にはまだブラックデイスクは無いはず、リプロのアナログ盤が出回っていたのが、この時期な気がする。いかにも自主制作な素っ気ないジャケでリプロ盤は未入手。 
アレクシズコーナーのブルースインコーポレイテッド出身のシンガーミック ラザフォードを中心に結成された5人編成グループ。拙いながら内に情熱を秘めた演奏、緩いツインリード、アコギインスト、味わいのあるヴォーカル、籠った音質がアングラ感を
増す自主制作らしいマイナーな雰囲気が良い味。













2  STROMBOLI / MICHAL PAVLICEK 
   95(BONTON)71 0300 / 1- 2 2CD
チェコ、ジャズロック、アヴァンロック、オリジナルリリースは
87年ファースト作。
78年にアルバムをリリースしてるボヘミアに在籍していたミハル パブリシクを中心に結成されたストロンボリは6人編成、メンバー各自が実績を持つ実力派グループでデビューアルバムの本作は二枚組の大作。
ライブ録音のインストクロスオーバーサウンドで幕を開け、終始緊張感漂うサウンドがスリリング、ハードでアグレッシブなギターワーク、シンフォニックなキーボードに男女ツインヴォーカル、ダイナミックで攻撃的なサウンドで一気に聴かせる、メンバー各自の豊富な音楽歴が活かされた、ライブ音源も含む集大成的なアルバム!












3  O . S . T / LA ROUTE DE SALINA 10(FLAWED GEMS)GEM 42
仏、サイケ、ポップ、オリジナルリリースは70年サントラ盤。
邦題は「渚の果てにこの愛を」でジョルジュ ロートネル監督、ロバート ウォーカーJr、ミムジー ファーマー、リタ ヘイワース出演のサスペンス映画との事だが観た記憶は無い。
ポップシンガーのクリストフが主題歌「ザガールフロムサリーナ」等2曲を歌い、当時邦盤シングルでもリリースされていた。その主題歌のオーケストラヴァージョン等2曲をベルナールジェラールオーケストラ、そして残りの楽曲を手掛けるのがクリニック、本作購入の決め手、知られざるフレンチカナディアングループでフルート奏者を含む5人編成、オリジナルアルバムのリリースが無い為詳細不明。
クリストフの主題歌をオープニング、中盤頭にそのインストヴァージョン、終盤頭にオーケストラヴァージョンを配したサントラ的手法の合間をクリニックのサイケポップな楽曲が占めるといった塩梅で、ジャケ裏解説にはピンクフロイドの「モア」が引き合いに出されてる、因みにミムジー ファーマーは「モア」にも出演してる。
クリストフは女性かと思う程の中性的なヴォーカルでドラマチックに歌い上げる、いかにも映画の主題歌にピッタリのナンバー、お目当てのクリニックはハモンド、メロトロン、フルートをフィチャーしたドリーミーなサイケポップナンバー、英詞によるヴォーカル曲にイマジネーション豊かでサイケデリックなインストナンバーは確かに「モア」に通じるものがある。
ロートネル監督の71年作「狼どもの報酬」でもクリニックは音楽を担当しているが、サントラ盤はリリースされてないみたいだ。









4  ALAN VEGA / DEUCE AVENUE 
90(SATURN STRIP)105582
米、パンク、エレクトロニクス、5作目。
NYパンクの異端児スーサイドはヴォーカルのアラン ヴェガとエレクトロニクス担当のマーティン レヴのデュオユニットでカルトな人気を誇るグループ。残念ながらヴェガは16年に78歳で亡くなってる。パンク、NW世代では最長老、何せルー リードより4歳上、ジョン レノンより2歳年長のロック第一世代に続するミュージシャンなのだ、童顔なのでトム ヴァーラインやジョーイ ラモーンと同世代だと思っていたので、亡くなった時に年齢を知って吃驚したものだ。
本作は妻であるリズ ラメレの操るエレクトロニクスをバックにヴェガの冷めた狂気を孕んだヴォーカルが生むアヴァンテクノポップサウンドはクールで格好良し!










5  BLACK 47 / GREEN SUEDE SHOES 96(TIM KERR)314 534 064 2
米、パンク、ロック、5作目。
米のポーグスともいうべきブラック47はアイルランド系のグループ、1800年代半ばのアイルランドのジャガイモ大飢饉は47年最悪の事態となり暗黒の47年と云われる事となる。多くのアイルランド人が移住を余儀なくされ、音楽的な観点からは、ケルトミュージックが世界各地に根付く事となり、現地の音楽と混合培養しルーツミュージックとして現代ポピュラーミュージックの礎として発展していく。
暗黒の47年をグループ名に冠したNYのブラック47はラディカルな歌詞にパンク、レゲエ、ヒップホップにケルトミュージックを導入したユニークなスタイルがご機嫌なグループ、イリアンパイプ、ティンホイッスル、ボドラン、バンジョー、アコーディオン、ホーンを導入した痛快な演奏はポーグスを彷彿とさせる好グループ!











パート2

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6  MOTHER NATURE / ORANGE DAYS AND PURPLE NIGHTS 15
(WOODEN HILL)WHCD 036
英、サイケ、ポップス、ソフロ、68-72コンピ盤全24曲、CDボートラ5曲付。
シングル盤を2枚残すのみでアルバムリリースには至らなかったグループマザーネイチャーのシングル曲に未発表音源を纏めたコンピ集。
本コンピのタイトルにもなってるファーストシングル曲は、哀愁漂うCSN&Yスタイルのフォークロックな名曲、英国らしい流麗なストリングス入りの美メロバロックポップ、サイケ、フラワー、ヒッピームーブメント吹き荒れた熱狂のサマーオブラブの精神を受け継ぐ、サンシャインポップの陶酔感に英国の哀感漂うサウンドが堪らない好グループ!
まだまだこういうグループが埋もれてる英国ロックシーンも奥深い、世界的な発掘ブームは続き、前世紀の遺物とも云える音源は玉石混合だが、デジタルまみれ、テクノロジーおんぶの現行ロックシーンよりはるかに面白い!













7  UNDER THE SUN (VINYL TAP) MABEL 2  
英、ロック、NW、オリジナルリリースは79年唯一作。
ミリアム バックハウス、マウンテンアッシュバンド、シルバーバーチ、ブラッケンと英マイナーフォークの激レア盤をリリースしていたヴィニールタップレーベルのリイシュー盤で、イングランドの幻のセカンドに続く企画品番でのリリースとあってマニアに注目のアンダーザサン、このグループ名はニュークリアス、ジャケはジャーマンシンフォのエピダウラスを彷彿させるとあってプログレファンも気になる一枚、何やかやで漸く入手。原盤はレッドボールレーベル、パンクファンにはノットセンシブルの7EPをリリースしたレーベルとして知られてる、レコード店が経営するローカルレーベルで地味なフォーク、SSW系アーティストをリリースしていたが、時代の波でパンク、NW系も扱うようになったという経緯であろうが、上手く波には乗れず短期間で消滅したみたいだ。
アンダーザサンはヴォーカル、フルート、パーカッション担当にシンセ、ピアノ担当擁する6人編成、メンバーの容貌は古臭く、元々フォークプログレ的なグループが時代の波でNW的なサウンドを取り込んだといった感じか、プログレティストの美しい楽曲に、NW風シンセの音色にぼんやりと焦点が定まらない混沌としたナンバー、どっちつかずの煮え切らないサウンドに根暗なヴォーカルが私的には好みではあるが、上記のグループの流れやイングランドの後と考えると厳しいかな、ニッチなグループが好みの方はいけるかもしれない?











8  ALAN GERBER / THE BOOGIE  
MAN 99(YUMEN)AGCD 99811
米、SSW、スワンプ、5作目。
 ライノセロスに在籍していた事でも知られるアラン ガーバーは71年にシェルターよりリリースされたファーストソロ作がスワンプ系SSWの名盤として、我が国でアナログ時代から名盤シリーズの一枚としてリイシューされ、CD時代にも紙ジャケはじめ何度かリリースされてる人気盤。
90年代にダン ペン、ダニエル ムーア、ドニー フリッツ、ボビー ウイットロック、ボブ ニューワース、
マーク ベノ、ジム パルト、といったスワンプ系のSSWが再評価され、ほぼリタイア状態であった、これらのアーティストが復活する契機となった。アラン ガーバーもそうで94年に23年振りとなるセカンドアルバムをリリースしカムバックしてる、以降、順調に活動し復活後4作目となるアルバム、ガーバーのピアノ弾き語りをベースにブギウギ、ブルース、ゴスペル、R&B、スワンピーな楽曲に渋いヴォーカル、これぞ大人のロック!














9  KEEF HARTLAY BAND / NOT FOOLISH NOT WISE 99(MOONCREST)CRESTCD 043
英、ロック、ブラス、未発表音源集。
アートウッズ、ジョン メイオール&ブルースブレイカーズを経たドラマーキーフ ハートレィが結成したリーダーグループ、ギター、ヴォーカルのミラー アンダーソン、ベースのゲィリー セインを中心としたメンバーで時期によってかなり流動的、ホーンセクションのヘンリー ローター、リン ドブソン、クリス マーサー、キーボードのピーター デニス、ミック ウィーバー等多数のミュージシャンが出入りしてる。69年から72年にかけて6枚のアルバムを発表、ブルース、ジャズ、スワンプ、ロックを融合したスタイルにホーンセクションを導入したブラスロック的アプローチが実に興味深い60年末~70年初期のごった煮的ロックの面白さが充分に味わえる好グループ。
本作は8曲のライブ音源を含む未発表音源集で、71年に「リトルビッグバンド」というライブ盤がリリースされてるが、ピート ヨーク、ハリー ベケット、バーバラ トンプソン等総勢16名の大所帯によるライブ音源で、その時の未発表トラックなのであろう?ハートレィが目指したリトルビッグバンドがこのキーフハートレィバンドであった。
この後、セインはユーライアヒープに参加、ハートレィとアンダーソンはドッグソルジャーを結成、アルバムを一枚リリース!











10  アル クーパー / アルズ ビッグ ディール
03(ソニー)MHCP 21  紙ジャケ
米、ロック、SSW、オリジナルリリースは75年7作目のベスト盤。
アナログ盤は二枚組でのリリース、CDは一枚ですっきり聴けると購入したが、収録時間の関係からか、4曲が削られ1曲追加し、全14曲中9曲をアルが新たにリミックスした、全く別物のアルバムと生まれ変わっているのでファンは両方必要。
10代の頃に参加したロイヤルティーンズにブルースプロジェクトを経て、ブラッドスウェット&ティアーズ結成に参画するも程無く脱退、スーパーセッションブームを巻き起こすがグループとしての活動は上手くいかず、69年ソロアルバム「アイスタンドアローン」で高らかに孤高のソロ宣言、私は一人で立ってる。そのタイトル曲に、4作目の傑作「紐育市(お前は女さ)」のタイトル曲、我が国でのアルの人気を決定付けた6作目の最高傑作「赤心の歌」の「ジョリー」にBS&Tにスーパーセッション時代のナンバーも多数収録されたアルの集大成的ベスト盤。
82年「チャンピオンシップレスリング」リリース後にリタイア状態に、そんなアルを担ぎ出したのがグリーンオンレッド、91年の「スケープゴーツ」にアルがキーボードで全面参加、これが契機となったのか94年「レコピレーション」で復帰、グリーンオンレッドの二人には散々な言われようだが、少なくとも「スケープゴーツ」参加がアルに刺激を与えたのは間違い無い、更にこのアルバムには1曲だがダン ペンにスプーナー オールダムも担ぎ出してる。結果ダンは94年に「ドウライトマン」でアルバム復帰、スプーナーとの来日公演も果たしてる。かように「スケープゴーツ」は重要なアルバムなのだが、全然評価されてないのが寂しい、ドニー ジョー ホワイトも参加してるしね、オールドファンにも是非聴いて欲しい!







Where The Rooster Crows
Acoustic Guitar – Dan PennBass – Michael RhodesGuitar, Other [Crows] – Chuck ProphetKeyboards – Al KooperPiano – Spooner OldhamVocals – Dan StuartWritten-By – Prophet*, Penn*, Stuart*, Oldham*





パート3

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11  ROLF LUNDQVIST ARBETE OCH FRITID / SLOTTSBERGETS HAMBO A ANDRA VALSER 05(MNW)MNW CD 3005 デジパック
スウェーデン、アヴァンロック、オリジナルリリースは72年通算3作目。
スウェーデン伝説のグループパーソンサウンドから派生したトラッドオークスティナーにアルベッテオークフリテッドはハーベスター、アルキメデスバッカーにも連なるスウェーデンアングラロックの重要グループ。本作は詩人のリンド ランドクイストとのコラボ作、北欧トラッドをベースにラグタイムにワルツにタンゴをドランクンでハイパーな演奏が続く、アナログではB面に当たる後半部分では荘厳なチャーチオルガンをバックにリンドの説法?詩の朗読が続くといった異色の一枚、過激だがゆるゆるな内容が面白い!











12  IRMIN ' S WAY / OPUS DESTROY 96(KISSING SPELL)KSCD 9569
独、プログレ、シンフォ、76年録音蔵出し盤唯一作。
激レア盤リリースで知られるキッシングスペルからの一枚、ジャケのティストが一緒で所持品をなかなか把握出来ない?コレクター泣かせのレーベルだがマニアには嬉しいラインナップが並ぶ。
メンバークレジットも無い詳細不明の一枚でライナーノートにはフリードリヒ フォン シラーの処女作「群盗」が書き連ねてあるので、恐らくインスパイアを受けて制作されたコンセプト作で全4曲ラストは23分近い大作、プログレ好きには堪らない構成、キーボード、ギター、リズム隊がスピーディーに突き進んでいくオープニングから、流麗なピアノ、咽び泣くギター、ぎこちないが丁寧に歌い上げる英詞ヴォーカル、やはり聴き処はラストの大曲、クラシカルにダイナミックに迫り来るキーボードと責めぎあうギターがスリリングに展開するインストパートに変拍子による目まぐるしい曲展開、ややリズム隊がもたつく部分があるのはクラウトロック的であるが、総じてクオリティ高い一枚!











13  THINKING FELLERS UNION 
LOCAL 282 / MOTHER OF ALL SAINTS 92(MATADOR)OLE 043 2
米、オルタナ、ロウファイ、4作目。
本作のアナログは二枚組、米オルタナ、インディーズのアナログ買い漁ってた頃に入手、長ったらしいグループ名にロウファイでサイケデリックな音像が気に入りであった、今回缶コーヒー半分にも充たない価格にて捨て売りされてたので入手、安いからといって、ガンガン買ってると増えすぎて困るというのに全く懲りない。結構アルバムリリースしてるかと思ったら7枚だけ、意外に少ない、こうなりゃ、全作揃えようと思うのはコレクターの性、安いし、見掛けたら入手しよう。あーまた増える?











14  RAM / WHERE ? (IN CONCLUSION) 02(AKARMA)AK 226
ペーパースリーブ
米、サイケ、プログレ、オリジナルリリースは72年唯一作。
アルト、テナー、ソプラノサックス、フルート、クラリネット奏者を含む4人編成、管楽器がリードを取るジャージーでプログレッシブな楽曲、メロトロンをフィチャーしたコズミックでスペーシーなサイケナンバー、甘いフルートがたなびくメロウチューンにサックスが吼えるグルービーなチューンまでなかなか聴かせる一枚、イアン アンダーソン張りにフルートが吹き荒ぶラストの21分に及ぶ大曲組曲が圧巻!




  




15  アンソニー シッスルスウェイト / クロウフイッシュ &
キャビア  97(MSI)MSIF3564
英、ロック、フォーク、サード作。
ウォーターボーイズのサックス、マンドリンを担当していたアンソニーのソロアルバム、ロシアとルイジアナで録音された音源を含み、多数のミュージシャンが参加してる、ロシア録音には彼の地のトップグループアクエリアム、DDTのメンバーが参加、我が国でもアルバムをリリースしてるアクエリアムのボリス グレベジンコフも参加、ルイジアナ録音にはサニー ランドレス、スティーブ ライリーが参加、ロンドン録音にはミック テイラー、スノーウィー ホワイトが参加となかなか豪華な一枚。ブルースにケルトにケイジャン、魅力的な音楽が詰まってる。ゲストシンガーの魅惑的な歌声にアンソニーのヴォーカルが味があって良い、ウォーターボーイズ時代は殆ど聴く事が出来なかったが、気持ち良さげに歌ってる。ウォーターボーイズには初期メンバーにワールドパーティーのカール ウォーリンガーが在籍していたし、現代アイルランドの人気女流アコーディオン奏者シャロン シャノンも在籍していた、改めて良いグループだと再認識!










  今週は12枚ゲット!



  

WEEKLY LISTENING LIBRARY 351 0930ー1006

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1  GREAT DJELI / GREAT DJELI 
11(BEYOND THE MOON)BTM 01
ペーパースリーブ
蘭、米、フォーク、プログレ、オリジナルリリースは81
年唯一作。
韓国のビョンドザムーンレーベルはスワードッジ、ランデイ ライス、ジョン&ジョデイ、デビッド カフマン&エリック カバー、ロンテオといった秘宝盤をリリースしてる。その第一弾となるのが本作。
ギター、ベースにヴォーカル担当、フルート、サックス、リコーダーにヴォーカル担当、キーボード、ヴァイオリンにヴォーカル担当の三人編成、まずこのメンバー編成である程度サウンドが想像出来るが、その通り、否それ以上のサウンドが飛び出してくる知られざる名盤。米国出身のグループがオランダのみでリリースしたアルバム、男性ヴォーカルによるギター弾き語りをメインに華麗なピアノ、陰影に富んだフルート、サックス、リコーダー、ヴァイオリンのメロウな味付けによるドリーミーな音世界、曲によってはドラムを導入したメリハリある展開、女性コーラス隊による華やかな雰囲気は私的にはもっと控え目な方が良いかとは思うが、このお洒落感、洗練された感覚も良いアクセントとなってる。80年代奇跡の一枚と称されるのも納得の名盤!













2  GLASS / NO STRANGER TO THE SKIES (RELENTLESS PURSUIT) 
RD 4128 2CD 
米、プログレ、未発表音源集。
シャーマン兄弟を中心とするキーボードトリオグラスが70年代に録音したスタジオ音源、ライブ音源をパックした未発表音源集。一枚目に75-77年に録音されたスタジオ音源、二枚目に73-75年に録音されたライブ音源を収録。
結局音源リリースには至らず埋もれてしまったグループだが、実力はなかなかのものでメロトロン入りのインストプログレの好内容、英国プログレ、カンタベリー系の緻密なジャズロック的アンサンブルに北米的なおおらかさも感じる懐の大きなサウンド、流麗なメロトロンによる叙情性も美しい。ライブ音源ではアドリブ的展開も見られるフリーキーかつテクニカルな演奏が渋い好グループ、まだまだ凄いグループが埋もれてる米大陸は広い!









3  ALEISTER CROWLEY / THE 1910
ー 1914 WAX CYLINDER RECORDINGS 
       (TRANSPARENCY)0014
英、朗読、黒魔術師。
二十世紀最高の魔術師、自らをエリファス レヴィの生まれ変わりと称したアイレスター クロウリー、ジミー ペイジ、グラハム ボンドが多大なる影響を受けた存在としてロックファンにも深く浸透してる。本作はクロウリーが10ー14年にかけてワックスシリンダー(円筒録音機)に録音された音源を纏めたもので、アナログ時代から度々リリースされてる音源集、我が国では評論家の故間章氏がリリースしており、論文を提出し審査に通ったものが購入出来るというシステムで、音楽雑誌の広告で目にした事があるが、詳細は覚えてない。
内容はクロウリーの朗読、説法、秘儀の模様?を記録したもの、一曲歌が収められてるがクロウリーが歌ってるわけではなく、クロウリー作詞のフランス讃歌に、ロイ リーフェンウエルが曲を付けて歌ったもの。酩酊感のあるクロウリーの語りは何やら説得力はあるが、何を言ってるかは皆目分からない、英語が堪能な方は楽しめるかもしれない?好事家向けのアイテム?













4  TICKET / AWAKE : LET SLEEPING DOGS LIE RBCD 9798

NZ、サイケ、ハード、オリジナルリリースは72年ファースト、セカンドの2イン1仕様盤。
本作は以前、個別にリリースされたCDR盤を紹介済み、その時に2イン1仕様盤に付いて触れたが、これもレーベル等、ライナーの類い無い不親切な作り。いかにもブートなCDR盤よりマシだが、もっと良質なリイシューは無いのかな?
70ズNZロックシーンを代表するグループだが、二枚のアルバムを残すのみであまり知られてない、60年代から活動する実力派ミュージシャンによる4人編成、ジミヘンライクなファズギターがうねるブルージーハードロックスタイルにサイケ、ファンクティストも織り混ぜた楽曲、粘っこいヴォーカルが魅力の好グループ、雰囲気あるジャケも素敵。スプリットエンズだけが知られるNZロックシーンであるが、魅力的なグループがまだまだ埋もれていそう?









5  ALEX CHILTON / STUFF 86 (NEW ROSE)ROSE 68 CD 
米、ロック、SSW、コンピ盤全16曲。
アレックス チルトンのコンピ盤は多数リリースされているが、早くからリリースされてるのがフランスのニューローズレーベルからリリースされてる本作、裏ぶれロッカーの一大巣窟としてエリオット マーフィー、ジョニー サンダース、クリス スペディング、クリス ベイリー、ウィリー アレキサンダー、ポール ローランド、ジョナ ルウイ、レックレス エリック、タブ ファルコ、スカイ サクソン、R スティビー ムーアetcが所属、好みのレーベルの一つである。
そのニューローズから12インチでリリースされた「マイセックス」収録曲3曲に、85年のミニアルバム「フェユダーリストターツ」全6曲、70年代のレア音源からなる二枚組アルバム「ロストディケイド」収録曲から選曲されたコンピ集。
名曲「バンコック」、代表曲「フリーアゲイン」、シーズ~スカイ サクソンのカバー「キャントシームトウメイクユーマイン」のはまり具合、ヘロヘロ加減が堪らない。
ディスモータルコイルのカバーにより高まるビッグスター熱、サードDOJO盤ゲットにより、更に深まるチルトンソロ作への渇望、当時国内アナログ盤でリリースされていた編集盤の「ワンデイインニューヨーク」、「ロストディケイド」「ライブインロンドン」、見掛けるアナログ盤は入手し、現在レコ棚には11枚収まってる。CDで未入手盤あるので見掛けたらゲットしたい!











パート2

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6  TYBURN TALL 94(GARDEN OF DELIGHTS)CD 011
独、ハード、オリジナルリリースは72年自主制作ファースト作にボートラ2曲付。
ジャケのダサさから長らくスルーしていたのだが、ここの処、あまり収穫も無く、ここらで入手するも、やはりダサかったアルバム。
バッハの「トッカータとフーガ」を配したオープニングといえばウォーカーブラザーズの「孤独な太陽」を思い出すが、タイバンテールのイントロは長く、オルガンソロが続き、このままシンフォプログレ的展開へとなだれ込むかと思いきや、重たいリズム隊がどたばたとヘビーにうねるオルガンハードロック、テクニカルなプレイ、ハモンドの響きは悪くない。アルバムラストは17分の大曲の4曲入りというゆったりした曲配分、ドラムソロも飛び出す冗長さ?バンドはコロシアムの影響大なのだが、ジョン ハイズマンと比すれば、いかんせん迫力不足にテク不足、しかし、何といっても難点は肝心のヴォーカル、歌詞は英詞で薄っぺらいヴォーカルで無理くりシャウトするのだが、声量乏しいので金切り声で聴き苦しい事この上無い、ヘビメタファンはOKかもしれないが、渋いブリテイッシュロック好みのファンには厳しいかも?













7  WALLENSTEIN / BLITZKRIEG 
(SPALAX)14272   ペーパースリーブ
独、プログレ、シンフォ、オリジナルリリースは71年ファースト作。
学生バンドであった本作のタイトルでもあるブリッツクリークを母体とするヴァレンシュタインは、独、蘭、米の混成グループ、キーボード奏者ユルゲン ドラゼのメロトロンを中心とする叙情的なシンフォサウンドと、米国人ビル バローンのブルージーハードなギターとの責めぎあい、デビュー作の初々しさ、荒々しさも見られるハードな演奏も魅力。前掲のタイバンテール同様、英詞で全4曲、当然ながらヴォーカルがシャウトする事も無く、落ち着いた声質がサウンドとマッチして安心して聴ける。
ベース、ヴォーカル担当のオランダ人ジェリー ベルカースが72年リリースしたソロアルバムにはヴァレンシュタインのメンバーも参加した佳作となっており、要注目!













8  POPOL VUH / SEI STILL , WISSE 
 ICH BIN 92(TEMPLE)14210
独、プログレ、オリジナルリリースは81年13作目。
フロリアン フリッケを中心とするポポルヴフ、「静謐な時」の邦題が示す通りのスピリチュアルで幻想的で荘厳な世界、映画のサントラとして制作された作品でプロデュースはクラウス シュルツ、シュルツが主宰するCIレーベルからのリリース。
メンバーはフリッケにレナーテ クナップとダニエル フイッヒエルシャーのアモーンデュールⅡの二人、ゲストにデュールの同僚クリス カラー、バイエルン州立歌劇場合唱団が参加、ほぼデュールなミュージシャン構成であるが、デュール色に染まる事なくポポルヴフの世界に纏め上げられてるのはフリッケの確固たる音楽観によるもの。荘厳な合唱団による神秘的な演奏に重厚な打楽器による瞑想的な世界、レナーテ嬢の神聖なヴォーカル、フリッケのピアノ、フイッヒエルシャーの浮遊感あるギター、宗教儀式に参加してるかの様な呪術性と酩酊感、至福感を味わえる一枚!









9  アンディ ホワイト / ベスト オブ  98
(MSI)MSI 15125
アイルランド、SSW、フォーク、85ー96ベストコンピ全15曲。
現代アイルランドの良心とも云えるSSWアンディ
ホワイト、ボブ ディランのアルバムジャケを模したファーストアルバムよりベルファストの若きボブディランと評された初期のディラン調トーキングブルーススタイル、国内盤がリリースされた3作目の猫ジャケが素敵な「ヒムセルフ」、ヒップホップ的なリズムも導入して音楽的な幅が広がり転換点となった4作目の「アウトゼア」に続編ともいえる「ディステイネーションビューティフル」、そしてティム フィン、リアム オメンリーとALT結成、一枚のアルバムとライブ盤リリース、そして6作目の代表作「ティーンネイジ」の6枚のアルバムから編集されたベスト盤、ボブ ディラン、ルー リード、ジョン レノン等の影響を受けた文学的な詞世界とケルトの深い音世界に誠実なSSWスタイルが好印象のナイスガイ!












パート3

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10  MARC BRIERLEY / HELLO 
14(CHERRY TREE)CRTREE 014 
英、フォーク、SSW、オリジナルリリースは69年セカンド作にボートラ11曲付。
当ブログではキャッスルの二枚組盤を紹介済みだが、やはり単体オリジナルジャケ盤で欲しい、しかも大量のボートラ付き、アルバム未収のレアなシングル曲にCBSからアイランドレコード移籍への契約用の未発表デモ音源集、幻のサードアルバムともいえる内容で超貴重音源、二枚組押さえてても欲しくなる内容。
ファースト「ウェルカムトウシタデル」のアシッド感を残しつつも、流麗なオーケストレーションを配したドリーミーで繊細な英国フォークの世界、ブライアリーの弾き語りにダドリー ムーアのピアノ、トニー カーのボンゴ、コンガ、タンバリン、ハロルド マクニアのフルートが醸し出す気品ある音世界が絶品、ジャケの雰囲気通りの英国フォーク珠玉の逸品!










11  ALBERT LEE / UNDISCOVERED 
97(DIAMOND)GEM CD 018
英、カントリー、ロック、ギタリスト、初期音源集。
カントリースタイルのギタリストとして最高峰の評価を得るアルバート リーの初期音源、その活動歴は古く60年代初頭に遡り61年頃にはベーシストのパット ドナルドソンとバンドを結成してる、幾つかのバンドを経て63年にはニールクリスチャン&ザクルセイダースに参加、その後マイクハースト&ザメソッドに参加、同僚にオルガンのトニー アーシュトン、更に64ー67年にクリスファーロウ&ザサンダーバーズに参加、同僚にディブ グリーンスレイド、カール パーマー、そしてカントリーフィーバーを経てポエット&ジワンマンバンドにヘッズハンズ&フィートに参加、この辺でリーの名前が広く知られる事となる、その後クリケッツ、ジョー コッカーのバックバンド参加を経て75年にアルバートリーバンドを結成、チャス&ディブにピート ゲイブン、JD マヘスがメンバー、その後エミルー ハリスのバンド、エリック クラプトンバンドに参加、クラプトンの片腕ギタリストとして確固たる地位を築く、凄腕ギタリストの初期音源集。その抜群のフィンガーピッキング、指使いに魅了される事間違い無し、目玉となるのがカントリーフィーバーのアセテート音源、未発表となった幻のアルバムで、チャス ホッジス、BJ コール、マシュー フイッシャー等が参加、渋いフォークロック、カントリーロックを展開、アセテートのシングル盤も有り、お蔵入りとなったのが残念な好グループであった。他にブラッククロウにパープル関連のスーパーグループグリーンブルフロッグも1曲収録、リッチー ブラックモア、ビッグジム サリバンと共にリーもギタリストとして参加していた。
我が国ではあまり知名度は無いが英米ではトップギタリストの一人!













12  AMON DULL Ⅱ / CARNIVAL IN
 BABYLON 97(REPERTOIR)REP 4751

独、ロック、サイケ、オリジナルリリースは72年4作目にボートラ3曲付。
前作、前々作が二枚組の大作、次作の「ウルフシティ」が代表作と見なされ影の薄い本作であるが、しかし、そこはアモンデュール、本作も捨てがたい魅力溢れる一枚、何せレナーテ クラウプ嬢の美声がたっぷり楽しめるのだから堪らない。
レナーテ嬢にクリス カラー、ローター マイト、ダニー フイッヒエルシャー、ピーター レオポード、ジョン ヴェンチェリ、カールハインツ ハウスマンの7人編成。
邦題は「バビロンの祝祭」、ゲルマンのフォーキーな歌世界とサイケデリックなインプロビゼーションが融合した聴き易い音世界の好盤、アモンデュールは何だか分かりづらいし、アルバムも沢山出てるしどこから手を付けていいか分からないという方にお勧めの一枚。












13  CONTRALUZ / AMERICANOS 
99(MARDEL X)MRD 2005
アルゼンチン、プログレ、サイケ、オリジナルリリースは73年ファースト作。
フルート奏者を含む5人編成グループコントラルッツ、フォルクローレ調の哀愁あるメロディー、熱く歌い上げる情感たっぷりのヴォーカル、パンパスを吹き渡る風の様なフルート、スリリングなギター、手数の多いドラム、リズム隊、硬軟縦横無尽に駆け抜けるアンサンブルはアルゼンチンロック、南米の底力を感じさせる一枚、イタリアンプログレの醍醐味にも通じる音世界が絶品!
グループは00年に復活、何枚かアルバムをリリースしてるみたいだ。










  今週はレコ屋行かず!





WEEKLY LISTENING LIBRARY 352 1007ー1013

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1  MONTEREY INTERNATIONAL POP FESTIVAL 92(RHINO)R2 70596
    4CD BOX 
米、ロック、ライブコンサート音源、67年6月16、17、18日に開催されたモンタレーポップインターナショナルポップフェステイバルの音源集。
「サマーオブラブ」と呼ばれた67年ヒッピームーブメントの真っ只中に開催された愛と平和の祭典、20万人以上の観客を動員した大規模野外コンサートの先駆けとなったエポックメイキングなコンサートであった。
出演アーティストはジョン フイリップス、アソシェイション、
ルー ロウルズ、エリックバードン&ジアニマルズ、キャンドヒート、カントリージョー&ザフイッシュ、ビッグブラザー&ホールディングカンパニー、バターフィールドブルースバンド、スティーブミラーバンド、エレクトリックフラッグ、ヒュー マサケラ、バーズ、ラヴィ シャンカール、ブルースプロジェクト、ジェフアーソンエアプレイン、ブッカーT&ザMG'Sウィズマーケイズ、オーティス レディング、フー、
ジミヘンドリックスエクスペリアンス、ママス&ザパパス、スコット マッケンジーを収録。
主催者の一人ママス&パパスがプロモーション用に作った「花のサンフランシスコ」がスコット マッケンジーの歌唱で大ヒット、サマーオブラブを象徴するナンバーとなる。まだ無名であったジミヘン、ジャニス ジョプリン、オーティス レディングが名演、名唱で一躍時代の寵児となり、一瞬にして駆け抜けてしまったのは何やら象徴的でもある。
百頁近いフルカラーブックレットも見応え満点。
バーズ、ブルースプロジェクト、フーの力演も聴き処、S&G、クイックシルバーメッセンジャーサービス、モビーグレイプ、ローラ ニーロ、バッファロースプリングフィールド、グレイトフルデッド未収録が残念、完全盤でのリリースを望みたい。












2  BIRMINGHAM SUNDAY / PREVALENT VISIONARIES 12(CROSSFIRE)9519 2 2CD 
米、サイケ、ソフロ、二枚組アンソロジー盤。一枚目は69年リリース唯一作に13曲の未発表音源、二枚目にデモ、別ミックス等レア音源満載の23曲、二枚組全46曲の究極のコンピ盤。
オリジナル盤はプロモオンリーリリースのみという激レア盤で知られるバーミンガムサンディ、単体でイタリアのアカルマからのアナログ、CDリイシュー、我が国でのサイケデリックムーズシリーズでの紙ジャケ盤のリリースとサイケファンにはお馴染みのアイテム、ネバダ州の男女高校生によるティーンネイジグループ、ストロベリーアラームクロックを手掛けたビル ホルムスが主宰するオールアメリカンレーベル産、ホルムスプロデュースによる唯一作はジェフアーソンエアプレインフォロワーなヴォーカル、コーラスが瑞々しいサンシャインポップ、ソフトサイケ、ソフロ調の弾けんばかりの初々しさが魅力、何気にメロトロンが全編に使用されてるのもポイント高し。
二枚目は、ガレージ、サイケ、フォークロック、モダンフォークコーラス、ポップヴォーカル、デモらしい素朴な味わいの好内容。









3  バンド / ロック オブ エイジス  04
(東芝EMI)TOCP67395・96  2CD
紙ジャケ
米、ロック、ライブ盤、オリジナルリリースは72年5作目、ボーナスCD付きの完全盤。
71年12月28日~31日ニューヨークのアカデミーオブミュージックでの公演からの収録、二部仕立てのコンサートは前半がバンドのみの演奏、後半はアラン トウーサンがアレンジしたホーンセクションが参加したパートによる構成となってる。この4日間にわたるコンサートからのベストセレクション17曲が二枚組のライブ盤としてリリースされたアルバムが一枚目、二枚目は本編未収トラックから選曲された10曲を収録、目玉となるのが最終日にボブ ディランが飛び入り参加した4曲、オーラスに美味しい処持っていくディランの常套手段?だが、バンドにとっては恩人ディラン、しょうがない?ラストの「ライクアローリングストーン」格好良すぎの大団円。ディランの傑作ライブ「偉大なる復活」の前哨戦ともいえる。
この公演て披露された曲目は29曲、その内の27曲を収録したのが本作、その残りの2曲が気になる処だが、全てを収録した2CDに31日のコンサートをノーカットで収録した2CDに2曲の映像を付したDVDオーディオ付きの「ライブアットアカデミーオブミュージック1971」というBOXがリリースされてる、欲しい!












4  ANDROMEDA / ANTHOLOGY 1966
ー 1969 94(KISSING SPELL )KSCD 9492
英、サイケ、ハード、未発表音源集。
アンドロメダの未発表、レア音源集の類いは色々リリースされていて、5、6種程あるのだが、いち早くリリースされたのが本作のキッシングスペル盤、一般的にはエンジェルエアーからリリースされた二枚組盤で良いかも知れないがコレクターは全て揃えたくなるのが心情というもの。69年リリースされた唯一作までの試行錯誤の跡とも云える作品集でアンドロメダ前史ともいえるアルバムでカンの音楽的才能が楽しめる一枚。
アンドロメダはギターのジョン デュ カン、ベースのミック ホークワース、ドラムのイアン マクレーンのトリオ編成、69年以前のトラックではジョン マックロウが担当、この名字からも察せられるように、ウィングス、ストーンザクロウ、デュークスで活動したジミーの実兄、兄弟でワンインアミリオン、ホワイトラインで活動、サンダークラップニューマンのサブメンバーとして参加、アンドロメダの変名ファイブデイウィークストローピープルに同サーガレーベルからリリースされたマジックミクスチャーにも参加、サイケファンにはお馴染みのミュージシャンでアンドウェラのセカンド作にも参加している、ジミー程の知名度は無いがなかなか興味深いミュージシャンである!












パート2

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5  AQUILA 94(TRC)046
英、ジャズロック、ブラス、オリジナルリリースは70年唯一作。
ラテン語で鷲の意のアクィーラ、そのまんまのジャケに包まれた本作のオリジナルは大手RCAからのリリースだが、何故かCDリイシューが本作のTRCにオーロラといった怪しいレーベルからのリリースしかないというお粗末な状態、是非紙ジャケでの国内盤リリースを望みたい。
アクィーラは元ブロンドオンブロンドのギタリストラルフ デニーヤを中心にフルート、サックス奏者にハモンドオルガン奏者含む5人編成、プロデュースはニルヴァーナのパトリック キャンベル リオンズ、ブラスセクションを導入したサウンドプロダクションは米ブラスロックへの英国からの返答とも云われるが、米勢の陽気なパッパラパーブラスとは違い、英国的気品、知性あるブラスが魅力で69年フォンタナからリリースされたワンにも通じる感触、聴き処はアナログではB面全てを費やした組曲の大曲、プログレファンにもアピール出来るスリリングな展開、幻想的なフルートのオープニング、跳ねるアコギ、うねるオルガン、めくるめくリズム隊、天駆けるフルート、ジェントルなヴォーカルが徐々にヒートアップ、ドラムブレイクにブラスセクション、荘厳なるフィナーレまで見事なアンサンブルで聴かせる英国ロックの豊饒な世界が感じられる一枚!












6  AGAPE / VICTIMS OF TRADITION         08(AGAPE COMINUICATIONS)AC 002

米、サイケ、ロック、オリジナルリリースは72年自主制作セカンド作にボートラ1曲付。
オリジナルジャケとは違うデフジャケでのCDリイシューでファーストの「ゴスペルハードロック」のCDリイシュー盤の赤色が緑色になったパターンで、オリジナルのいかにもレア盤臭いジャケの方が良かったのだが、多くは望むまい。
アズイットアズ、サーチパーティ、コンクリートラバーバンド、ニュードーン、アーセンバッセル、ウィルソンマッキンリー等と共にクリスチャンサイケグループとしてカテゴライズされるアガペ、当然ながらサウンド的な特徴云々ではなく歌詞の問題なので英語が堪能でないと厳しいのかもしれない、本作にも「ザキングイズキリスト」なんていうナンバーがあるが、抹香臭い鼻白む様な宗教讚美を聴かされるのは勘弁なので歌詞が分からない、サウンドのみがすっきり入ってきた方が楽しめるかも知れない。
ウェストコーストの開放的な雰囲気、伸びやかなギター、ブリブリ弾むベース、ご機嫌なハモンド、ピアノ、おおらかなヴォーカルにハーモニー、ジャージーなジャムセッションを含む実力派グループの最終作となったアルバム!









7  ALTERNATIVE TV / THE RADIO 
SESSIONS (OVERGROUND)OVER 44CD 
英、パンク、NW、77ー86ライブ音源集。
77年12月、78年7月のピールセッション、81年ストリートレベルパイレートラジオ、86年バンコクラジオの4ソースから成るラジオライブ音源集。
77年「ジイメージハズクラックド」でアルバムデビュー、翌年のセカンド「ヴィビングアップザシニールマン」で早くも脱パンク、ポストロック、オルタナ、実験色を強めたサウンドで元祖オルタナバンドとして高い評価を得るオルターナティブTVはマーク ペリーとデニス
 バーンズを中心とするグループ。
パンクナンバーの代表曲「アクションタイムビジョン」はあるものの77年の時点で既にポストパンク的なアプローチでライブを展開していた革新的なグループオルターナティブTV、レゲエ、ダブビートにエクスペリメンタルなサウンド空間が生むスリリングなライブに鳥肌が立つ!











8  アモンデュール / ディザスター  95(キャプテントリップ)CTCD022
独、ロック、サイケ、オリジナルリリースは71年4作目、アナログ盤では二枚組でリリースされた大作。
サード作「楽園へ向かうデュール」で幕を閉じたアモンデュールであったが、BASFレーベルが勝手にリリースした本作はファースト「サイケデリックアンダーグラウンド」セッションの音源集、セカンドにあたる「崩壊」に83年にリリースされた、アナログ盤では二枚組でリリースされた「エクスペリメンテ」も三日間のサイケデリックアンダーグラウンドセッションからのマテリアルで構成されているので、実質6枚分にあたるアルバムが同セッションからリリースされてる事となる。
「地獄」「野鼠の踊り」と二枚組を続けざまにリリースした分家のアモンデュール Ⅱ に対抗してリリースされた「ディザスター」、特に編集された痕跡もなく、剥き出しのままの素材を放り込んだだけのアウトテイク、デモ音源集、今でこそこの手のコンピ盤の類いが氾濫し、もてはやされる時代、アーカイブものとして一つのストリームを形成するほど、自分等は下手な新譜よりは発掘音源の方が余程楽しめるから既に終わってる?









パート3

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9  アル アンダーソン / アル アンダーソン  97
(VIVID)VSCD704
米、SSW、フォーク、オリジナルリリースは72年ファースト作。
アル アンダーソンといえば、ビッグアルの名称で知られる巨漢ギタリスト、NRBQのメンバーとして71年サード作から94年まで在籍した事で知られてる。NRBQ加入前はワイルドウィーズに所属し70年にヴァンガードからアルバムリリース、こちらもVIVIDからCDリイシューされてる、フォークロック、カントリーティスト入りサイケの名盤。ワイルドウィーズはガレージサイケ時代の編集盤CDがリリースされており好内容。
本作はまだヴァンガードにアルバム一枚の契約が残っており、それを解消する為に制作されたアルバム、テリー アダムス、ドン アダムス、トム スタンレーのNRBQ組にワイルドウィーズの同僚アル レバック、レーベルメイトのクリーンリヴィングのジェフ ポッターという陣容、帯にシンプルイズベストの見本のような傑作とあるが、フォーク、カントリー、ブルース、ソウル、スワンプ、R&Bといったアーシーなルーツミュージックに根ざした虚飾を排した芯(真)の音楽がここにある!













10  ARTHUR / DREAM AND IMAGES ・ LOVE IS THE REVOLUTION (ANGEL)54
米、アシッドフォーク、ソフロ、オリジナルリリースは68年ファースト作と69年セカンド作の2イン1仕様盤。
アーサー名義でリリースしたファースト「ドリームアンドイメージス」はリー ヘイゼルウッドのLHIレーベルからリープロデュースでの制作、アーサー リー ハーパーのフルネームでリリースしたセカンドはノクターンレーベル産でどちらも激レアなアイテム、というわけでこのCDリイシューは有り難かった、スクラッチノイズ入りのバリバリの盤起こしのブート盤?だが。
現在は韓国のレーベルから同仕様の2イン1、ファーストはライトインジアテイックからボートラ3曲入りでCDリイシューされてる。
とろけるような甘いヴォーカルによる繊細で儚い夢見心地のドリーミーサイケ、アシッドフォークの傑作ファーストに、セカンドではエレキを導入したややロック色を強めたアシッドサイケな好内容、素晴らしい!












11  アメイジングブロンデル / ライヴ アブロード
96(VIVID)VSCD2718
英、フォークロック、プログレ、72ー73ライブ音源集。
純英国的なフォークロックグループアメイジングブロンデルはジョン デビッド グラッドウィン、エドワード
ベアード、テレンス アラン ウィンコットのトリオ編成。
サード作の邦題はまんま「英国之音楽」、4作目は「大英帝国」と英国的情緒、中世ヨーロッパの雰囲気たっぷりの古楽器を多用したクラシカルなアンサンブルは欧州圏で大人気で本作は72-73年「大英帝国」発売リリース時のヨーロッパツアーからの音源。
古楽器はじめ多彩な楽器群によるアンサンブルはなかなかに繊細かつ複雑で、トリオで
ライブで実現するにはどうかなという懸念はあるのだが、見事にこなしてる技量に感心、20分近い「ファンタジアリンダム」含む70分以上にわたる演奏を一気に聴かせる、リコーダーの響きが実に心地良いし、高音ハーモニーもばっちり、客席の笑いを誘うMCも楽しげで数多くの公演をこなしたライブバンドとしての力量、魅力が味わえる一枚!









12  V . A / MEDIUM COOL IMAGINATION 91(ROUGH TRADE)
NR006 2
米、ジャズヴォーカル、チェットベイカーのトリビュートアルバム。
最近収穫が無く、積み上げた段ボール箱を引っ張り出して聴き直しシリーズのA編、100枚全部は取り上げないが、主だった処は取り上げよう企画で本作はアレックス チルトン関連、チルトン、ジェイムス ホワイト、ニック ケイブ関連のアデル バーティ嬢、エンジェル トルセン嬢がヴォーカル担当、演奏陣はジャズミュージシャンだろうか?馴染み無い、ジェイムスが1曲アルトサックスで参加。中世的で物憂いヴォーカルのチェットの雰囲気をチルトンが表現してる。
もうちょっと続くA編お楽しみに?









 今週はレコ屋行かず!






WEEKLY LISTENING LIBRARY 353 1014ー1020

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1  ANALOGY 90(VINYL MAGIC)
VM 017
伊、独、プログレ、オリジナルリリースは72年ファースト作。
オリジナル盤はユーロロック屈指の激レア盤として知られるアナロジー、ヌードジャケに添付されたLP6面大の大型ヌードポスター付きとあってマニアに大人気の一品で高額で取引されてるらしいが、滅多に出品される事は無い、端から関係無い話しだが。ヌーディスト擬きのメンバー?から、さぞかしはっちゃけたヒッピーフリークアウトサウンドが聴けるかと思いきや、暗く黄昏たサウンド、アナロジーは独、伊の混合グループ、ユッタ ニーンハウス嬢のヴォーカルをフィチャーした5人編成、この時代によく見られたオルガンハード、サイケグループ、ヴィヴアルデイの四季のフレーズが飛び出すクラシカルな展開、ユッタ嬢のクールなヴォーカルに醒めた仄暗い雰囲気は英アングラロックにも通じる世界!













2  アモンデュール Ⅱ / 野ネズミの踊り  92
(MSI)MSIF 7224 
独、ロック、サイケ、プログレ、オリジナルリリースは71年サード作。
ヒッピーコミューンアート集団アモンデュールが分裂、より音楽的志向を強めたクリス カラーを中心とした脱退組はアモンデュールセカンドとして始動、前作の二枚組「地獄」に続いての二枚組大作「野ネズミの踊り」又は「ロック共同体」という邦題でリリースされた最高傑作、まず強烈なジャケが目を惹く、そのジャケ通りのサウンドにぶっ飛ぶ、これぞクラウトロックの真髄、ジャーマンロックを代表する一枚。
新たにベースのローター マイトが加入し、音楽的に飛躍を遂げた大作、レミングの集団自殺を題材に三曲の大曲組曲を中心としたサイケデリックにうねるカオス渦巻く原初的なパワーに充ちた刺激的なサウンド、後半部分はエレクトロニクスなミュージックコンクレートでドラッギーで呪詛的な展開がただただ圧巻!













3  ASH RA TEMPLE / SCHWINGUNGEN 93(TEMPLE)HR
14248
独、プログレ、サイケ、オリジナルリリースは72年セカンド作。
前掲のアモンデュールに続きジャーマンロック10指に入る名グループアシュラテンプル、ファースト作でドラムを担当していたクラウス シュルツが脱退しソロ活動へ、ドイツを代表するシンセ奏者として大成、そのシュルツの後釜としてマニュエル ゲッチングのスティープルチェイスブルースバンドの同僚ウォルフガング 
ミュラーが参加、ハルトムート エンケとのトリオ編成にゲストとしてパーカッション、サックス、ボンゴ奏者の三人を加えた編成でのレコーディング、スペイシーでサイケデリックなゲッチングのギターに呪術的なボンゴ、パーカッション、不穏なエレクトロニクスに呪詛的なヴォーカルが混沌としたドラッギーなサイケトリップな空間を現出、最終曲は20分に及ぶ神秘的で幻想的なトラック、クラウトロックに多大なる影響を及ぼしたピンクフロイドのセカンド作「神秘」に通じるサウンド、確かゲッチングはフロイドの中古機材を購入したなんて話しもあるから、相当フロイドの影響を受けているのであろう。










4  AU PAIRS / EQUAL BUT DIFFERENT BBC SESSIONS 79 - 81
 94(RPM)139
英、NW、ポストパンク、ライヴ音源。
バーミンガム出身の男女混成グループオーペアーズはギャングオブフォーにも通じるサウンドはリーズ一派に属し、スリッツ、レインコーツと並ぶ元祖フェミニズムグループ、カリスマ性あるレスリー ウッズ嬢に
切れ味鋭いカッティングギターのポール フォードを中心とする4人編成、80年にファースト、81年にセカンド、84年にライブ盤の三枚のアルバムを残すのみ。本作は79年9月26日、80年5月28日、81年1月21日、82年3月15日のジョンピールショウ、81年1月8日、81年8月27日の
リチャードスキナーショウの6ソースから選曲された20曲を収録。
虚空を切り裂く鋭いカッティングギター、ギクシャクと刻まれるリズム隊、レスリー嬢のクールなヴォーカルとフォードの性急なヴォーカルとの掛け合いによるコントラストが生むスリリングな展開、スタジオ盤よりアグレッシブなライブならではの魅力溢れる一枚!








5  ANNA PRUCNAL / REVE D ' OUEST ー REVE D ' EST 94(MELODIE)
80516-7 2CD 
ポーランド、仏、シャンソン、SSW、ベストコンピ盤二枚組全44曲。
40年ポーランドワルシャワ生まれ、女優として活動、70年フランスへ移住、79年アルバムデビュー、当時国内盤アナログが「ワルシャワの熱い魂」の邦題でリリース、82年「東の夢西の夢」、84年「愛しかない時」の三枚がリリースされ、東ドイツのニナ ハーゲンに当初は同じく東ドイツ出身とされていたリーナ ラビッチと共に東欧出身の女性シンガーとして注目、アナログ盤を入手、戦う女闘士といったジャケにプロテスタント色濃い内容、全身全霊を込めた歌唱スタイルには心震えるものがある。
女優時代に舞台を踏んだブレヒト=ワイルの「アラバマソング」「スラバヤジョニー」の名唱、代表曲
「今夜は帰れない」、ストーリー性あるドラマチックな歌唱は役者シンガーの専売特許ともいえる魅力的なもので、特にシャンソンシーンにはドラマチックなシンガーが多い、その中でもアンナにはナチュラルなドラマ性が感じられ好感が持てる。











パート2

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6  AMAZING BLONDEL / THE AMAZING BLONDEL & A FEW FACES 95(EDSEL)EDCD 421
英、フォーク、ロック、オリジナルリリースは70年ファースト作。
69年にエレクトラからアルバムをリリースしてるメトセラを前身とするグループ、メトセラのアナログ盤は良く見掛ける一枚で恐らく米盤のみのリリース、何なく入手する事が出来たが、本作アメイジングブロンデルのファースト英ベル盤はそこそこのレア盤で結局未入手のまま、他の諸作は英盤にて入手出来たので本作もとの思いはあるが無理な話。
メトセラのジョン グラッドウィンとテリー ウィンコットのデュオ体制にプロデュースはスティーブ ローランド、ミュージカルデレクション、アレンジにビッグジム サリバン、ゲィリー テイラー、クレム カティニ、クリス カランがゲスト参加。
リコーダー、フルート、オカリナ、ハーモニウム、リュート、コンガ、タブラ、パーカッションを駆使したエレガントな英国フォークロック、この後に見られる中世宮廷音楽風の雅びな雰囲気の萌芽の兆しはあるものの、バンドの影響を感じる米音楽のアーシーな空気感が漂ってるのが本作の特徴といえる。バンドの影響恐るべし。
この後、エディ ベアードを加えトリオ編成となり、アイランドレーベルから傑作アルバムを連発、アメイジングブロンデルサウンドを確立。












7  ALEX CHILTON / CLICHES 
93(NEW ROSE)422481 
米、SSW、スタンダードカバー集。
ボックストップスで天才ブルーアイドソウルシンガーとして脚光を浴びた10代を経て、不遇のビッグスター時代ではあったが、結果的には圧倒的な再評価により、広く認知される事となる。ソロに転じてからのチルトンは我が道を往くといった飄々とした活動が印象的であった。本作はアコギ弾き語りによるスタンダードカバー集、91年の企画アルバムチェットベイカートリビュートが契機なのであろうか、本作でもチェットのカバーを3曲、ジャズのスタンダードナンバーを気持ち良さげに歌ってる、この力の抜けたゆるゆるさがチルトンの持ち味、10代のボックストップス時代の頃の渋すぎるヴォーカルから、何故か歳を経るにつれてのフニャフニャ加減、この気張りのなさ、自然体な雰囲気が良い、根っ子に強烈な反骨心があるのがロッカーたらしめて良いんだよ!ビッグスター来日公演でもチャーミングであった。












8  アクサクマブール / ならず者のように
95(ロクスソルス)LSI1004
ベルギー、NW、アヴァンロック、オリジナルリリースは80年セカンド作にボートラ1曲付。
クレプスキュールと共にベルギーNWシーンを牽引したクラムドディスクはコスのマーク ホランダーが主宰するレーベルで、アクサクマブールはホランダーにヴィンセント ケニスを中心に結成された看板グループでレコメンを代表するグループでもある。
傑作ファースト「偏頭痛と闘うための11のダンス」 に続く本作は、元ユニヴェルゼロのバスーン、サックス、オーボエ奏者のミシェル ベルクマン、元コンフリュアンスのチェロ奏者デニス ヴァン ヘッケ、この後ジュルヴェルヌで活躍、ウォータールー、パゾップと通好みのグループに参加していたドラマーのフランク ワイツ、ヴォーカルのカトリーヌ ジョヌオー嬢に元ヘンリーカウ、RIOの主催者クリス カトラーにフレッド フリスが全面参加してバンドとしての体裁が整った大傑作に仕上がってる。
ジョヌオーの神経質なヴォーカルで幕を開けるストレンジなナンバーで一気に引き込まれる、タンゴの楽譜を切り刻んで継ぎ接ぎした合成タンゴに、パンキッシュなチェンバーサウンド、脈絡なく奏でられるトルコ歌謡、本編ラストは23分に及ぶ組曲、エクスペリメンタルな生音アンビエントともいえる独特な音世界、ホランダーによるアートベアーズへのオマージュともいえるサウンドは緊張感とユーモラスな情感を湛えた中毒性の高いものでやばすぎる一枚!
やばいといえばジャケもそうだが、アナログはモノクロ、本CDはカラーヴァージョン、マニアは両方揃えよう!










9  BARBARA DANE / ANTHOLOGY OF AMERICAN FOLK SONGS 97
(TRADITION)TCD 1062
米、フォーク、ブルース、オリジナルリリースは59年何作目かは不明。
27年生まれのバーバラ ディーンは先ずジャズシーンで活動し、ブルース、フォークシンガーとして頭角を現しフォークウェイズ等よりアルバムをリリース、公民権運動、反戦、フェミニズム、次第にプロテスト色を強めた活動で知られる女性フォークシンガーの初期音源、バーバラのギター弾き語りにニューロストシティランブラーズのトム パリーがバンジョー、ギターで伴奏を勤めるというシンプルなスタイル、バーバラのアルトヴォイスによる芯の強さが伝わる歌唱スタイルは歌の持つ力を感じる事が出来る。









10  AUTEURS / NOW I ' M A COWBOY 94(VIRGIN)CDHUT 16
英、NW、セカンド作。
元サーヴァンツのルーク ヘインズを中心に結成されたオトゥールズ、華やかなブリットポップ勢とは一線を画するNWシーン最期の徒花、80ズニューウェーブの残り香が匂いたつ耽美的で暗い音世界、ヘインズの陰湿なヴォーカル、落ち込んだ精神状態の今にぴたりと嵌まる音楽。
闇雲にニューウェーブのレコードを買いまくり、暗い部屋で夜な夜な聴き狂っていた灰色の時代、今では燃え滓の灰塵で朽ち果てるのを待つだけ。
ヘインズはこの後のバーダーマインホフが良いんだよね、アルバム1枚だけではなくてもっと活動して欲しかった。



 





  今週はレコ屋行かず!








WEEKLY LISTENING LIBRARY 354 1021ー1027

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1  アン ブリッグス / シングアソングフォーユー
97(VIVID)VSCD1377
英、トラッド、フォーク、73年録音サード作蔵出し音源。
71年に二枚のアルバムを残し伝説となったアン ブリッグス、同世代のアーティストに多大なる影響を与えたシンガー、ブズーキ奏者、62年にデビュー、アイルランド人の母親の影響もあり、アイリッシュトラッドに精通、バート ヤンシュに伝授した「ブラックウォーターサイド」がジミー ペイジに「ブラックマウンテンサイド」としてパクられた?話しは有名。当初ZEPはフォークグループ志向であったが、ボンゾ加入によるヘビーなドラムサウンドによりハードロックへとシフトした話しもファンには有名。
本作はアンのブズーキ、ギター弾き語りにヴァイオリンのバリー ドランスフィールド、スティーブ アシュリーを中心とする4人編成のラグドロビンがバックアップ、トラッドとアンの自作曲の半々で構成、十八番である伝統の無伴奏シンギングによるトラッドナンバーに、リズム隊を交えたオリジナルナンバーでの電化したフォーク曲も素晴らしいのだが、アン自身はポップ化、コマーシャル化したスタイルには懐疑的であり、当時二人目の子を身籠り、身重であった為、ブズーキの演奏に歌唱にも不満があり、結局本作はリリースされる事はなく、アンは程なく引退してしまい、伝説となってしまった。
無伴奏シンギングやあまりにもトラッド、トラッドした楽曲は苦手なので、これ位のボップ感が私的には好み、本作がリリースされていたらと考えると想いは果てないのだが、たらればの話しはさておき、こうして蔵出しされた事に感謝しよう!











2  バート ヤンシュ / ライヴアットラフォーレ  96
(VIVID)VSCD703
英、フォーク、SSW、オリジナルリリースは80年ライブ盤。
タイトルから察せられる様に原宿のラフォーレにて80年3月22日、23日の来日公演からの音源で日本国内のみでアナログ盤がリリースされた稀少盤で初の公式ライブ盤。後に同シリーズ?でリリースされた国内盤オンリーのジョン レンボーン
の「早春」と共にアナログ盤で入手済み。バートファンには欠かせないアルバムとあってCDでも入手。
相方に元ダンドーシャフトのマーティン ジェンキンスたを伴ったステージング、バートの弾き語りにマーティンのフィドル、マンドセロ、エレキギターによる巧みなバッキングが生み出す、リラックスした中にも緊張感がみなぎる臨場感溢れる一枚、代表曲であるディビイ グレアム作の「アンジー」の一音、一音に込められた指使い、バートの気迫が伝わってくる英国フォークの真髄ライブ盤!












3  BRIDGET ST . JOHN / TAKE THE 
  5IFTH 95(ROAD GOES ON FOREVER)RGF CD 026
英、フォーク、SSW、5作目。
75年から82年にかけてNYを中心に録音された音源を纏めたアルバム。
ジョン ピールが惚れ込んだフォークシンガー、ダンデライオンレーベル設立の契機となったブリジット 
 セント ジョン、ダンデライオンから三枚のアルバムをリリースし、レーベル消滅後にクリサリスよりアルバムを一枚、この4枚のアルバムは英国女性フォークを代表する名作揃い、その後シーンから姿を消していたが、フリーフォークムーブメントによる再評価の機運を受け復活、来日公演含むライブ活動、レア音源盤等各種コンピ、ライブ盤が続々リリースされる中、新録のスタジオ作が望まれる中、ひっそりとリリースされていたのが本作、再評価の前であったから、あまり話題になる事もなかったが、ゴードン エドワーズ、エリック ゲイル、コーネル デュプリー、
リチャード ティー、スティーブ ガッド、クリス パーカー、デビッド スピノザ等スタッフの面々が参加した豪華なセッションをはじめ、NYを中心にナッシュビル、ロンドンのスタジオで録り貯められたトラックから編成された豪華な内容、フォークから脱却しコンテンポラリーなシンガーとしての方向性を模索した時代の音源、ゴージャスなアーバンライフより英国のヒースの丘といったシンプルな風情がブリジットには似合う、やはり英国フォークの歌姫としてのブリジットが焼き付いてしまっている。
翌96年にはマニアックなシヤグラットレーベルから5曲入りの10インチ盤がリリースされてる。モノクロのポートレイトが素敵でファンは押さえておきたい!











4  ローラ ニーロ / 抱擁 ~ 犬の散歩はお願いね、そして明かりはつけておいて
93(ソニー)SRCS6806
米、SSW、10作目。
前作より10年振りのカムバック作で遺作となったアルバム、97年49歳にて死去、余りに若すぎる死であった。
キャロル キング、ジョニ ミッチェルと並ぶ女性SSWのパイオニアの一人、67年にアルバムデビュー、30年間のアーティスト生活の中で残されたアルバムは僅かに10枚、やはり10年間のインターバルは長かった。「イーライと13番目の懺悔」「ニューヨークテンダベリー」にファーストアルバムのヴァーブ版ジャケに、日本編集のベスト盤ジャケも素敵であったと、単にミーハー丸出しになってしまう魅力がローラにはあった。
本作はゲイリー カッツとローラ自身によるプロデュース、バーナード バーディ、ブレッカーブラザーズ、エリオット ランドール、フレディ ワシントン、マイケル ランドー等の名うてのミュージシャンがバックアップ、10年振りという気負いも無い、いつも通りの自然体のローラがここにいる。
いつでも明かりはつけておくよ、いつでも帰っておいで、、、












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