1 ユニヴェリア ゼクト / 無敵艦隊 95
(ベルアンティーク)MAR 95136
仏、プログレ、ジャズロック、オリジナルリリースは72年唯一作。
仏アングラロック最大級のグループマグマの変名ユニットユニヴェリアゼクト、アナログ時代に再発盤が大量に出回りマグマ関連重要作の謳い文句で入手した一枚だが、関連というか、マグマそのものの変名プロジェクトグループでセカンドアルバムリリース後にメンバーのクリスチャン ヴァンデ、クロース ブラスキス、フランソワ カーン、フランシス モーズ、テディ ラスリー、ヨシコ セファーに初期のメンバーであった
クロード アンゲルにザブも名を連ね、プロデュースはこれまた初期のメンバーであったローラン チボーで彼が主宰するレーベルTHELEME からのリリースで同レーベルに所属するエルゴスムのリオネル
レデセスが参加、ジャケはエルゴスムでも起用された画家の作品を使用。この参加メンバーからマグマファンには欠かせないアイテム!
元々チボーがマグマの魅力を紹介するプロモートを兼ねたアルバムとして制作したプロジェクト作、前半に当時隆盛であったブラスロックやブルース、R&B調のポピュラーな楽曲を配し、後半部に従来のマグマ風のジャズロックに近いスタイルへと移行するという編成のアルバム、というわけでマグマ初心者にもオススメ出来る内容となってる。
2 MARINA VLADI VLADIMIR VYSOTSKY 96(MELODIYA)MEL CD
60 00498
ソ連、仏、SSW、ポップス、コンピ盤。
神田神保町の古書センターにあった新世界レコード社はソ連邦の音楽を専門に扱う貴重な店であった、同ビルにある中古レコードの老舗のレコード社を訪れる際に顔を出していたが、ここ十数年遠ざかっていたのだが、10年程前に閉店したみたいである、残念。本作はその新世界レコード社が輸入配給したアルバムである。
旧ソ連最大の歌手ウラジミール ヴィソツキーの最後の妻であったマリナ ブラディはロシア系フランス人で女優として有名、ヴィソツキーのフランス録音のお膳立てをして、ヨーロッパ圏でのヴィソツキー人気を支えた功労者。
本作は6曲をブラディ、残りの12曲をヴィソツキーの歌唱で編纂された変則的なコンピ盤、生涯千曲の作品を残したと言われるヴィソツキーの全貌はなかなか掴めない、ソ連では20数枚?のアナログシリーズがリリースされてる。我が国ではオーマガトキから代表作の二枚組アナログ「大地の歌」がリリースされてる。その「大地の歌」収録曲と本作の帯に記してある日本語タイトルを見るとダブリは無いみたいだ。
ヴィソツキーというと90年代初期に山陽商会のTVCMに「暗闇で」が起用され、一部話題となったが、次に起用されたのがクリムゾンの「ムーンチャイルド」でイマジネーターサンヨー恐るべしと
ロックファンの度肝を抜いた、記憶に残ってる方も多いのではないかな、僅か15秒のCMで強烈な印象を残すヴィソツキーの歌声は唯一無比、その存在感に圧倒される。
80年7月25日42歳の若さで死去、28日モスクワオリンピックの最中に行われた葬儀には数十万の民衆か集まったという国民的シンガーであった。
3 ARTHUR / DREAMS AND IMAGES 14(LIGHT IN THE ATTIC)LITA
118 デジパック
米、アシッドフォーク、ソフロ、オリジナルリリースは68年ファースト作にボートラ3曲付。
2カ月程前にセカンドとのカップリングのブート?盤を紹介したアーサー、その時に触れたボートラ付き盤を入手、本作リリース元のリー ヘイゼルウッドのレーベルLHIの諸作やロドリゲス、ルイス等コアなリイシューで知られるライトインジアテイック、詳細な解説のブックレットに未発表音源のボートラ付きと丁寧な仕事振りが嬉しい。
今やドリーミーアシッドフォークの定番アイテムとして認知されているアーサーのファーストアルバム、繊細で消え入りそうな中性的なヴォーカル、ノスタルジックでドリーミーなオーケストレーション、とろとろと白日夢を見てるかの様な幻想的な世界は桃源郷へと誘う。
アーサー リー ハーパー名義でリリースしたセカンド「ラブイズザリヴォリューション」も単体でCDリイシュー乞う!
4 MATCHING MOLE 12(ESOTERIC) ECLEC 22311 2CD
英、プログレ、ジャズロック、オリジナルリリースは72年ファースト作の二枚組拡大盤。
一枚目はオリジナルアルバム収録曲にボートラとしてシングル「オーキャロライン」の両面に21分に及ぶ未発表ジャム、二枚目は未発表のアルバムセッションにBBCラジオ1にジョンピールショーのライブ音源を収録。
言わずと知れた英カンタベリーシーンを代表するアルバム、ソフトマシーンを追い出されるみたいな形で脱退したロバート ワイアットが結成したグループマッチングモール、ギターのフィル ミラー、ベースのビル マコーミック、キーボードのデビッド シンクレアという最強布陣、珠玉の名曲「オーキャロライン」で幕を開け、このまま至高の歌ものアルバムになるかと思いきや、緊張感溢れるインストジャズロック、プログレサウンドのソフトマシーン的アプローチで迫り来る。お前らの求めるサウンドなど容易いものだといわんばかりなワイアットの気概を感じる。グループ名はソフトマシーンの仏語のもじりだし、ソフトマシーンに対するワイアットの思いが伝わってくる。ケビン エアーズ、ワイアットを欠き、下らないフュージョンに堕してしまうソフトマシーンに対して、最後までロック魂を持ち続けたエアーズ、ワイアットにシンパシーを覚える。自分はつくづく骨の髄までロックやなと思う、きっと死ぬまでこのままなんだろう、ロックの欲しいブツがまだまだ山のようにある。
5 MUZSIKAS / SZOL A KAKAS MAR MAGYAR ZSIDO NEPZENE
92(HUNGAROTON)HCD 37664
ハンガリー、トラッド、フォーク、何作目かは不明。
世界的なシンガー、マルタ セベスチェンが在籍してる事で知られてるムジカーシュ、ハンガリートラッドシーンを代表するグループ。ハンガリーといえば、オメガ、ロコモーティヴGT、スコルピオ、イースト、ソラリスとなかなか興味深いロックグループが存在するのだが一般的な知名度は低い。
ムジカーシュはジブリ映画「おもひでぽろぽろ」で楽曲が使用されたので、我が国での認知度も高いのではないかな?それにしてもジブリ侮れない、「風の谷のナウシカ」で前掲のヴィソツキーの楽曲をエンディングに起用したかったが版権の問題で実現しなかったという経緯あり、高畑勲監督はかなりの音楽通でもあるらしい。その「おもひでぽろぽろ」で百姓の音楽と紹介されたムジカーシュ、
山の中の田舎育ち、回りに農家が沢山有った環境で育ったので妙に郷愁感じるのはそのせいかも、田舎の庭先の田んぼの風景が眼前に広がってきた!